回答エンジン最適化(AEO)とは?

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Despina Gavoyannis 作成

Ahrefs のシニア SEO スペシャリスト

寄稿者

検索のあり方が変わっています。今や「Google 検索」するだけではなく、人々は AI システムに情報を求めるようになっています。さまざまなウェブサイトをクリックして情報を探し回ることなく、即座に回答が得られる AI 検索が主流になりつつあります。

SEO は、これらの回答にブランドを表示させるために今も不可欠ですが、可視性を獲得できるかどうかは、検索順位以外の要素にも左右されるようになっています。重要なのは、AI 回答内でブランドが言及(紹介)されたり、引用(リンク掲載)されたりするだけの信頼性と構造を、ブランドやコンテンツが備えているかどうかです。

そこで登場するのが、アンサーエンジン最適化(AEO)です。

SEO の基本を土台にしつつ、AI 検索向けに適応させることで、人々がどこで検索していても、あなたのブランドがその「答え」になれるようにします。

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パート 1

回答エンジン最適化とは?

回答エンジン最適化(AEO)とは、Googleの「AI による概要」、音声アシスタント、ChatGPT や Claude のような LLM など、ユーザーに直接的な回答を提供する AI システムに対して、自社のコンテンツを見つけやすく有用な情報にするための取り組みです。

検索結果でウェブページを上位表示させることに注力する従来の SEO とは異なり、AEO は AI 検索プラットフォームが生成する回答の中で直接言及・引用されることを目指すものです。

そのためには、回答エンジンが内容を簡単に抽出して提示できるよう、コンテンツを明確で適切に構造化された、信頼性の高いものにする必要があります。


パート 2

AEO と SEO の違い

AEO は SEO に取って代わるものではなく、SEO を補完するものです。

どちらもコンテンツを見つけてもらいやすくするという目的は同じですが、人々にそのコンテンツが届く仕組みが異なります。SEO の場合は今でも、オーガニック検索結果でページを上位表示させることを重視しています。一方 AEO は、AI 回答の中で引用・言及されることに特にフォーカスしています。AI 検索では、従来の検索のようにクリック可能なリンクの一覧が表示されない場合もあります。

AEO

SEO

主な目的AI 生成の回答内で、自社ブランド・コンテンツの露出を増やしましょう。検索結果でページを上位表示させる。
コンテンツの重点AI が要約しやすい、簡潔で断定的な表現の回答。ランキングシグナルを送る、長文かつ網羅的な内容のページ。
クエリターゲティング質問や情報収集型のクエリ(多くの場合、LLM 特有の「1 対 1 の対話型」検索)。ローカルやトランザクション型を含む、広範かつ検索ボリュームの大きいクエリ。
技術的要素JavaScript への依存を避け、Speakable や FAQ のスキーマを使用し、AI が直接抽出できるクリーンなデータセットと回答を提供しましょう。メタタグ、見出し、内部リンクなどのオンページ要素を最適化します。
測定AI による概要、LLM の回答、チャットボットとユーザーの会話の中でされた引用とメンションをトラッキングします。ウェブページのランキング、クリック数、インプレッション数を追跡します。
ユーザージャーニークリックなしでもブランド露出をもたらすことが多い(ゼロクリックでの可視性)。より深いエンゲージメントを促すため、サイトへのクリックを促進します。

AEO は依然として SEO の基本に根ざしています。ブランドをまず見つけてもらうためには、クローラーが読み取れる最適化されたコンテンツが必要です。

ただし、基本を押さえた後は、ページの順位を上げることから、AI が信頼して再利用できる形式で情報をパッケージ化することへと焦点が移ります。


パート 3

AEO が重要な理由とは?

人々の情報の消費方法が変化しています。複数のサイトを次々とクリックして見て回るのではなく、検索を行うあらゆる場所で、すぐに直接的な回答が得られることが期待されるようになっています。

この変化は、ブランドにとって次のような大きな影響をもたらします:

  • ゼロクリック検索が当たり前になりつつあります。 AI が生成する回答は、多くの場合、その場でユーザーの疑問を解決します。たとえユーザーが実際にあなたのサイトを訪れなかったとしても、引用元として回答に表示されることで、検索を通じて権威性やブランド認知を向上させることができます。
  • オーガニックトラフィックは厳しい状況に置かれています。 従来の検索順位は依然として重要ですが、クリックが確実に得られるとは限らなくなりました。AI 回答内でのブランド露出は、従来の検索結果ページにおける可視性獲得と同じくらい重要になっています。
  • ビジネスへの影響は SEO にとどまりません。 ウェブサイトへの訪問者が減ると、その影響は営業、製品、カスタマーサクセスといったチームにまで波及します。だからこそ、AI 回答におけるブランドの存在感を維持し、自社サイト外でも自社ならではの深い専門知識や有益な情報が顧客の目に触れるようにすることが不可欠なのです。
  • AI によってネットユーザーの新たな習慣が形作られている。AI による音声応答や対話型のやり取りはまだ初期段階にありますが、急速に普及しています。AI アシスタントが日々の仕事や生活の一部になるつれ、人々は情報を得るための「デフォルトの検索方法」として AI に頼るようになるでしょう。

要するに、検索体験はリンクのクリックから回答の確認へと移行しているのです。

もはやトラフィックだけが成功の指標ではない状況では、AEO に適応できるブランドこそが、高い可視性、権威性、そして顧客からの信頼を維持することができます。


パート 4

AEO を始める方法

AEO を始めるには、ページを上位表示させるという発想から、「言及され、引用される」という目標へとマインドセットを切り替える必要があります。

そのためには、適切な質問をターゲットに定め、回答エンジンが容易にアクセスできる形式でコンテンツを構成し、さらにブランドを信頼できる情報源だと示すため、権威シグナルを強化する必要があります。

以下のステップでは、AI 搭載の検索結果において一貫した可視性を確立するための、実践的な AEO プロセスの概要をご紹介します。各ステップの詳細については、後続の章で解説します。

ステップ 1:AI 検索での可視性のトラッキングを開始する

すでにブランドがある場合は、まず Ahrefs の ブランドレーダー のような AI 可視性ツールを使って、ChatGPT などの回答エンジンがブランドについて今どんな情報を伝えているかを把握することから始めましょう。

Ahrefs のブランドレーダーに自社ブランドを入力する。

小規模なら手作業で確認することもできますが、それには多大なコストがかかります。ChatGPT、AI モード、Claude など、あらゆる回答エンジンが、あなたのブランドについてそれぞれ異なる回答を提示しているからです。

ブランドレーダーの AI の応答 タブでは、さまざまな AI 検索プラットフォームがあなたのブランドについてどのように紹介しているかを瞬時に確認できます。

Ahrefs のブランドレーダーの「AI の応答」に移動し、さまざまな AI プロンプトデータベースから選択する。

また、競合他社に関する言及内容や、自社の参入市場やニッチ分野に関連した検索結果における自社の露出度と比較してみることも可能です。

よくあるクエリに対して提示される AI の回答を確認してみましょう。次のようなものが表示されます。

Ahrefs のブランドレーダーで表示された、AI 回答内のブランド言及の例。

AI の回答があなたのブランドについてどのような内容を伝えているか、そのパターンに注目してみましょう。特に、誤った情報が含まれている場合や、ブランディングに一貫性がない場合は要注意です。そういった回答が表示されるクエリや回答内の引用元をリスト化しておけば、誤った情報やブランド情報の不整合を解消する作業に取り組みやすくなります。

ステップ 2:トラッキング対象とする適切なプロンプトを選ぶ

どの企業にも、非常に高い可視性を獲得したい極めて重要なトピックがいくつか存在するでしょう。回答エンジン最適化(AEO)のプロセスの一環として、こうしたトピックを特定し、それらに基づいてプロンプトを作成した上で、そのプロンプトに対する回答で自社ブランドが言及されているか、またどのように紹介されているかをモニタリングすることが可能です。

これはプロンプトトラッキングと呼ばれます。ブランドレーダーでは次のように表示されます:

Ahrefs のブランドレーダーで複数のカスタムプロンプトをトラッキングする。

どのプロンプトをトラッキングすべきか分からない場合は、次のようなタイプのプロンプトをおすすめします:

  • 非ブランド型発見プロンプト:あなたのブランドの存在を知らない購入検討者が尋ねる「X に最適な Y は?」のような質問。「他の人はこちらも質問」、質問系キーワード、掲示板のスレッドから抽出されたプロンプトで、これらを確認することであなたのブランドがそもそも検討候補に入っているかどうかが分かります。例:小規模な社内マーケティングチームに最適な SEO ツールは?
  • ブランド情報の正確さを確認するプロンプト:価格、機能、顧客の苦情、業界での立ち位置など、あなたのブランドに関する具体的な質問。こういった情報が不正確だと、売り上げの減少や取引の損失につながりかねないため、AI 回答の情報が事実と合っているかを確認することが大切です。例:Ahrefs ではカスタム AI プロンプトをトラッキングできますか?
  • 購買意欲が高い検索キーワードを会話調の質問に変える:自社サイト内で最もコンバージョン率が高いページにトラフィックをもたらしているキーワードを、自然な言葉遣いの質問に書き換えます。こうすることで、商業的価値が高いトピックにフォーカスしてトラッキングを行うことができます。例:「無料キーワード生成ツール」→「サブスクリプション料金を払わずにキーワードアイデアを生成できるサイト・ツールは?」
  • 競合のみ言及プロンプト:競合は言及されているのに、自社は言及されていないクエリ。言及されていない場合、通常は自社サイトに関連するページがないことを意味するため、コンテンツ監査としても役立ちます。例:競合にはリンクしているのに自社にはリンクしていないサイトを表示できるツールは?
  • ブランドが回答ですでに紹介されているトピック:AI が現在あなたのブランドと関連付けて認識しているテーマ。これらのトピックにおける露出は最も失われやすいものであると同時に、最も低コストで守れるものでもあるため、追跡する価値があります。例:ウェブサイトのドメインレーティングを確認する方法は?

迷ったら、まずは価値の高いトピックに関するクエリを優先するところから始めましょう。プロンプトの追跡対象は、後からいつでも増やせます。

ステップ 3:AI 回答内のブランドに関する誤った情報を修正する

AI の回答に自社ブランドに関する誤った情報が含まれる場合、通常は次のいずれかが原因です:

  • ウェブサイト上の情報が少なすぎる

  • ロゴ、タグライン、メッセージなど、一貫性がないアセット

  • 第三者コンテンツによる誤った紹介

  • AI が信頼性の低いソースから情報を取得している

まずは、誤った情報が表示されているクエリを確認しましょう。何が間違っているのか、どの情報源が引用されているのかをメモします。

ブランド固有の詳細情報(名称、タグライン、ミッションステートメントなど)については、まず自社サイトや SNS のプロフィールを確認し、内容に一貫性があるかチェックしてください。これには、当社の ブランド SEO プロセス をご活用いただけます。

ブランドに関するより一般的な情報の誤りを正すには、ウェブサイトのコンテンツギャップを埋める必要があるかもしれません。

例えば、「Ahrefs とは何の略か」というクエリに対しては、Google の「AI による概要」でそれなりの回答が生成されますが、この質問に対する直接的な答えにはなっていません。

「Ahrefs は何の略ですか」というクエリに対して生成された「AI による概要」の例。

おそらく、その質問に答える情報がウェブサイト上に存在しないことが原因でしょう。そこで、回答の精度を高めるために、AI 回答ですでに引用されているページに短い FAQ を追加してみるのがおすすめです。例えば、次のような内容です。

「Ahrefs」の意味は?

Ahrefs という名称は、コード内でハイパーリンクを作成する HTML タグである「a href」に由来しています。この名前は、被リンク分析からスタートした当社の背景を反映したもので、リンク構築や検索結果における可視性、そしてウェブサイトの SEO パフォーマンス向上を支援するツールの開発に注力していることも表しています。

特定の検索クエリに関する情報がサイトにない場合は、その不足を補う新しいページやセクションを公開しましょう。その際に役立つワークフローを以下に紹介します。

トピックギャップを、新規ページを作成して埋めるべきか、既存ページ内に新しいセクションを作成して埋めるべきかを判断するためのフローチャート。

コンテンツが存在するにもかかわらず、AI が依然として誤った情報源を引用してしまう場合は、G2、YouTube、Google ビジネスなどのサードパーティサイト上の情報を更新することを検討してください。

アウトリーチを試みるのも一つの方法です。引用元の著者に連絡を取り、正確な最新情報を提供することで、自社のブランドが正しく紹介されるようにしましょう。時間はかかる手法ですが、誤った情報によって顧客が混乱したり、顧客を失ったりするリスクがある場合には、取り組むだけの価値があります。

ステップ 4:AI 検索で上位ランクインするためのコンテンツを作成し、最適化する

すでにどのトピックで可視性を獲得できているかが分かったら、次は取りこぼしているトピックを探しましょう。

ブランドレーダーの「概要」タブでは、メンション、インプレッション、AI シェア・オブ・ボイスといった指標を用いて、競合他社と自社の AI 検索での可視性を比較できます。各プラットフォームをクリックすると、それらの数値の根拠となった実際の AI 回答を確認でき、次の 3 つの条件で絞り込むことが可能です:自社ブランドのみ(自社ブランドだけが言及されている回答)、他社も含む(競合と併せて自社ブランドも言及されている回答)、他社のみ。

Ahrefsのブランドレーダーでは、ブランドに関する AI の言及(メンション)が確認できます。自社ブランドのみが含まれるもの、他社ブランドも含まれるもの、あるいは自社ブランドは含まれないが競合他社が含まれるものなど、必要なものを選択してチェックしましょう。

ここで重要となるのは、最後のレポートです。AI が質問に回答する際、競合他社がおすすめされ、あなたのブランドが完全に排除されているすべての検索クエリが、このレポートで明らかになります。

それらのクエリはそれぞれ「トピックギャップ」に該当します。AI がそのテーマに関する質問に回答していること、そして競合他社がそこで言及されていることはすでに分かっているため、このギャップを埋めるための道筋は明確です。リストを上から順に確認し、どの回答で言及を獲得すべきかを見極め、そのトピックに関連するコンテンツを作成しましょう。

適切なクエリを特定したら、次は回答エンジンが簡単に抽出して再利用できるような構造のコンテンツを作成します。

  • まず従来の検索で上位表示を獲得する:ChatGPT が引用する URL の 88% は、一般的な検索インデックスから来ています。つまり、従来の検索で見つからないページは、そもそも候補にすら入りません。
  • 単体のページではなくクラスターを構築する:リトリーバル(データソースからの情報取得)の際、プロンプトはより短い派生クエリに分割されますが、それらのクエリは確率的に生成されるため、特定のクエリを確実に狙い撃ちすることはできません。したがって、多数のクエリを全体的に分析し、繰り返し現れるテーマを把握するようにしましょう。
  • AI がよく引用する形式で書く:ChatGPT の参照元としてはブログのリスト記事が 43.83% を占めていますが、比較ページ、独自調査、専門用語の定義紹介、無料ツールといったページでも、質問に対する完全な回答となる検証可能な情報を提供することが可能です。
  • すでに引用を獲得しているページを更新する:AI に引用されている URL は、オーガニック検索結果と比べて平均 25.7% 新しく(鮮度が高く)、すでに引用実績のあるページを更新することが最も簡単かつ効果的です。ただし、更新を行うのは、意味がある変更があった場合のみにしてください。
  • 言及・引用されやすいように文章の構造を整える:引用の 44.2% はページの最初の 30% からされています。そのため、まず結論から述べ、AI モデルがそのまま引用できるような断定的な表現かつ具体的な内容の文章を書き、さらに重要なポイントを導入・本文・結論の各パートで繰り返しましょう。
  • 「情報の有益性」が最優先。 専門用語の表面的な定義にとどまらず、独自の洞察、背景情報、あるいはデータを提供してください。そうすることでコンテンツの価値が高まり、AI 回答のソースとして、ありきたりな情報よりも選ばれやすくなります。

すでに SEO のベストプラクティス に沿ってコンテンツを構成している場合は、ここでワークフローを大きく変える必要はないでしょう。

コンテンツが分かりやすく書かれ、論理的に構成され、かつ有益な情報を提供しているならば、回答エンジンに情報を取得される可能性を最大限高めることができます。

ステップ 5:ブランドへの言及を増やす

回答エンジンは、あなたのウェブサイト上の情報だけを見ているわけではありません。ウェブ全体であなたのブランドがどう見られているかも評価しています。

AI システムにブランドに言及してもらいたい、あるいはコンテンツを引用してもらいたいなら、自社サイト内外でブランドの権威性を示す必要があります。次の点に注力することで、権威性シグナルを強化できます。

  • 被リンクと引用: 自社の所属業界で認知度・信頼性の高いドメインからリンクを獲得しましょう。また、どのサイトが最も頻繁に言及・引用されているかを分析して、それらのサイトを直接ターゲットにできるようにしましょう。
  • 信頼できる組織・人物と併せた言及: よく知られた名前や組織と並んでブランドが言及されることを目指しましょう。LLM はこうした関連性を信頼性のシグナルとして解釈することがあります。
  • サードパーティのプラットフォーム:企業掲載サイト、レビューサイト、業界メディアなどに一貫した情報を掲載しておきましょう。こうした外部のデータは、AI の学習用データセットに組み込まれることが多いためです。

これらのシグナルの組み合わせにより、自社サイトの枠を超えて「オーソリティ(権威性)」の及ぶ範囲が拡大します。ウェブ全体におけるプレゼンスが高まれば高まるほど、回答エンジンがあなたのブランドを認識し、引用する可能性も高まります。

ブランドにとって重要度の高いリンクや言及をさらに獲得する簡単な方法の一つは、AI の回答で頻繁に引用されているページを見つけることです。

AI 回答で頻繁に引用されるリソース内でのリンク掲載や言及をより増やしたい場合は、ブランドレーダーの引用元ドメインおよび引用されたページレポートをチェックしてください。

Ahrefs のブランドレーダーを使って、特定のトピックに対する回答内で最も引用されているドメインやページを見つける。

競合を対象にこれらを調べることで、競合に言及しており、自社にも言及してくれる可能性が高いメディアを見つけられます。また、自社の主要トピックに関連したコンテンツを頻繁にアップしているウェブサイトについても調べてみましょう。

AI の回答で頻繁に表示されるウェブサイトやページの一覧が入手できます。

Ahrefs のブランドレーダーを使用して、AI 回答で最も引用されているドメインのリストを表示した例。

AI 検索プラットフォームはこうしたページを頻繁に訪れ、その内容を要約しています。

これらのサイトでブランドが言及されれば、比較的短期間でより多くの AI 検索プラットフォームにブランドが露出するようになり、生成される回答内でのメンションも増えていきます。

ステップ 6:テクニカル AEO 戦略を実装する

AEO では、技術的な基盤も依然として重要です。回答エンジンは、構造化されたクロール可能なデータをもとにコンテンツの内容を理解し、それを引用するかどうかを判断しているからです。

これらの多くは従来の SEO と重複するものの、焦点は「明確さ」や「機械による読み取りやすさ」へとシフトします。

  • AI ボットがウェブサイトにアクセスできるようにする:GPTBot は現在、全サイトの 5.89% からブロックされており、最もブロックされている AI クローラーとなっています。Cloudflare などの CDN はデフォルトで AI プラットフォームをブロックする設定になっているため、気付かないうちにこのような状態になっています。各プラットフォームは、それぞれ異なる役割を担う複数のボットを運用しています。
  • 重要なコンテンツは生の HTML で提供する:ほとんどの AI クローラーはブラウザのように JavaScript をレンダリングしないため、クライアント側でしか表示されないコンテンツは、AI クローラーには認識されません。
  • 読み込みの遅いページを修正する:ChatGPT は、応答に約 2 秒以上かかるページを切り捨てる傾向があるようです。つまり、そもそもコンテキストウィンドウに情報が取り込まれるかどうかは、ページの読み込み速度次第なのです。
  • llms.txt は不要:有効な llms.txt ファイルのうち 97% が、1 ヶ月の間一度もリクエストを受けませんでした。また、主要な LLM プロバイダーはいずれも、このファイルを読み取ることを確約していません。Google の公式ドキュメントでも、このファイルは不要であるとされています。
  • AI が作り出した、存在しない URL をリダイレクトする:AI アシスタントは Google に比べて 2.87 倍も高い頻度で、訪問者を 404 ページに誘導しています(ChatGPT の場合、クリックされた URL の 1.01% が該当)。 404 レポートでリファラーを AI に絞り込み、ハルシネーションによる誤った URL、古い URL、スペルが間違った URL を特定しましょう。
  • 認知される存在としての地位を確立する:スキーママークアップは、検索エンジンがあなたのブランドを他と明確に区​​別して認識するのに役立ちます。サイト内、プロフィール、サードパーティの掲載情報全体で一貫した情報を提示したり、権威ある媒体による言及を獲得することも重要です。

Ahrefs の サイト監査 に新しく追加された「AI Discoverability」レポートで、よくある AEO の技術的問題を簡単にチェックしましょう。

Ahrefs のサイト監査内の「AI Discoverability」レポート。

ステップ 7:AEO のパフォーマンスをレポートする

アンサーエンジン最適化(AEO)は、一度実施して終わりのプロジェクトではありません。AI プラットフォームは急速に変化しているため、検索結果での露出を維持するには、パフォーマンスを継続的に追跡し、状況に合わせて適応し続けるしかありません。

まずは、ブランドがどこで引用されているかを調べてレポートしましょう。ブランドレーダーや、その他の「AI による概要」トラッカーなどのツールを使えば、時間の経過に伴うブランド可視性の推移を確認できます。

Ahrefs のブランドレーダー概要ダッシュボード。

あわせて、次の項目も追跡するといいでしょう。

  • ブランドやコンテンツが回答に表示されるクエリの変化

  • 言及されている競合の変化

  • ブランドに関する誤った情報を含むクエリに対する回答の変化

これを Ahrefs の ウェブアナリティクス などのツールと組み合わせて、オーガニック検索と AI 検索結果からウェブサイトに流入した訪問者を測定しましょう。

Ahrefs のウェブアナリティクスで、AI 検索や従来型の検索など、各種チャネルからの訪問者をトラッキング。

このデータを、より広範な SEO・マーケティング指標と結びつけることで、AEO の取り組みが確実にビジネス成果につながるようになります。


パート 5

回答エンジン最適化にはどれくらいの期間がかかりますか?

筆者の観察によると、AEO の成果が出るまでにかかる期間は、ある程度確立されたブランドであれば通常数週間から数ヶ月、ネット上での権威性が低い新規ブランドの場合は 12 〜 18 ヶ月程度となっています。

SEO の基盤がしっかりしている既存サイトは、一貫性のないブランド情報を修正したり、トピックギャップを埋めたり、サードパーティによるブランド言及を増やしたりすることで、すぐに成果を上げることができます。こういった調整を行うことで、AI 検索プラットフォームがコンテンツをより早く信頼し、引用するようになります。

新規ブランドや知名度の低いブランドが AI 回答で確実に言及されるようになるために、まず最初に強固な SEO の基盤を築く必要があることが多いため、成果が出るまでにより時間がかかります。

信頼性を築くには、質の高いコンテンツの継続的な公開、一貫した権威シグナル、そして外部サイトによる言及が必要です。こうした基盤がなければ、AI の回答で可視性を獲得することは困難です。


パート 6

AEO の今後のトレンド

回答エンジンは今も進化しており、情報がどのように提示されるかは今後も変化し続けます。すでに、いくつかの重要なトレンドが現れ始めています。

  • 生成 AI の、検索機能へのさらなる統合。 Google の「AI モード」のような機能は、まだ初期段階にあります。今後は、より広範な展開や、構造化されたコンテンツをより多く取り込んだ、より充実した表示形式の登場が期待されます。
  • 回答のパーソナライズ。 コンテキストウィンドウが拡大し、モデルの記憶力が向上するにつれ、AI システムは個々のユーザーに合わせて回答をよりきめ細かく調整するようになります。そのため、ブランド情報の信頼性と回答の正確性が、これまで以上に重要になります。
  • 構造化データの重要性が高まる。大手の AI 企業はいずれも、信頼性の高いデータセットを求めています。適切に構造化された質の高い情報を発信するブランドは、引用されやすくなる可能性があります。
  • 収益化とバイアス。AI プラットフォームは今後、検索結果において、自社製品や有料広告パートナーをますます優遇して紹介する可能性があります。そのためブランドは、オーガニック結果で露出を確保できる検索クエリや機会を見つける必要に迫られるでしょう。

要するに、AEO は、検索システムを「攻略」して順位を上げようとする手法から、AI 検索プラットフォームに頼りにされる、明確で信頼性の高い情報を提供する取り組みへとシフトしていくでしょう。こうしたトレンドが加速する中、今から準備を進めているブランドこそが、最も優位に立てるでしょう。


まとめ

主要な検索方法が AI 生成回答へと移行する中、そこでのブランド可視性は単なる検索順位以上の要素に左右されるようになっています。ブランドは、情報を直接引用できる「信頼できる情報源」として回答エンジンに認識されなければいけません。

AEO は強固な SEO の土台の上に成り立つものであり、SEO に取って代わるものではなく、SEO の専門的な一分野だといえます。

まずは小さく始め、結果を追跡し、時間をかけて改善を重ねていきましょう。早期から取り組むブランドが優位になりますが、長期にわたって高い可視性をキープできるのは、AEO を継続的なプロセスとして捉えられるブランドです。

このプロセスを簡単にするには、Ahrefs の ブランドレーダー をお試しください。AI 検索における可視性を調査・分析・モニタリングするための AEO プラットフォームです。

Despina Gavoyannis のプロフィール画像
ガイド作成者Despina Gavoyannis

デスピナ・ガヴォヤニスは、従来型から AI、未来の検索までに対応する主要なマーケティングプラットフォーム Ahrefs のシニア SEO スペシャリストです。

10 年以上にわたり SEO の分野で活躍する彼女は、収益向上を重視した戦略を専門とし、UX デザイナー、開発者、マーケターを含む部門横断チームと緊密に連携してきました。

Ahrefs に入社する前、デスピナは SEO コンサルタントとして、社内チームや代理店チームに対し、戦略に関するガイダンスやトレーニングを行っていました。彼女の助言により、パートナー企業はオーガニック検索から新たに年間 1 億 2,500 万ドル以上の収益を生み出すことに成功しました。

デスピナはこれまでに著書 1 冊と 2 種類の SEO 講座を手掛けており、Search Engine Journal、Wix、Crazy Egg、Learning SEO などのメディアでも紹介されています。

寄稿者

AEO ガイドをすべて見る

/01

回答エンジン最適化(AEO)とは?

まずはこちら。AEO とは何か、SEO との違い、対策を始めるための 7 つのステップを解説します。

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回答エンジンの仕組み

プロンプト入力から回答生成までの間に実際に何が起こっているのか、そして、そのプロセスにあなたのブランドの情報が入り込む方法。

/03

AI 可視性を追跡する方法

見えないものは最適化できません。あなたのブランドがどんな AI 回答に表示されているかを調査する 7 つの方法。

/04

追跡すべき最適なプロンプトの選び方

回答を 1 件ずつ追跡するのではなく、関連プロンプトをまとめて調査しましょう。モニタリングすべきクエリが見つかる場所 11 選。

/05

回答エンジン向けにコンテンツを最適化する方法

上位表示されれば候補に入ることができます。効果的なトピックやフォーマットを押さえ、ページ上の改善を行うことが、引用されるための近道です。

/06

AI 回答内のブランド言及をモニタリングし、新たな言及を獲得する方法

AI は、他の場所で話題になっているブランドを回答内でおすすめします。そのようなブランド言及をモニタリングし、さらに増やす方法をご紹介します。

/07

回答エンジン向けにウェブサイトを最適化する方法

AI があなたのページに到達して内容を読み取り、どんなサイトなのか理解することが可能かどうかを左右する、技術的な修正。