
Ahrefs のコンテンツマーケター
コンテンツがどれだけ良質なものでも、AI の回答に一度も掲載されないこともあります。
AI 最適化の施策はどれも、AI システムがウェブページにアクセスし、その内容を読み取り、ブランドについて把握できるという前提に基づいています。ところが、それは決して当たり前のことではありません。ウェブサイトの約 5.89 %は「GPTBot」を完全にブロックしており、ChatGPT は応答に 2 秒以上かかるページを切り捨てる傾向があります。さらに、ほとんどの AI ク ローラーは JavaScript を一切実行しません。
幸いなことに、これは AEO の取り組みの中で、最も修正しやすい部分です。これだけで引用を獲得できるわけではありませんが、こうした問題が一つでもあれば、本来獲得できたはずの引用を、気づかないうちにすべて失ってしまうことになりかねません。
YouTube で学習を続ける
AI クローラーがページを読み取れなければ、このガイドで紹介するどんなコツも意味がありません。アクセスがブロックされたページは引用されることがなく、こうした事態は意図せず発生してしまうことも少なくありません。
約 1 億 4,000 万件のウェブサイトを分析したところ、現在最もブロックされている AI ボットは GPTBot(サイトの 5.89% がブロック)で、ClaudeBot がそれに続きました。
Cloudflare はデフォルトで AI プラットフォームをブロックする設定になっているため、利用している CDN で、知らないうちにその設定になっていないか確認しておきましょう。
すべてのボットを一括りにして「AI クローラーを許可するかどうか」決めればいい、というものではありません。というのも、各プラットフォームが異なる役割を担う複数のボットを動かしているからです。
OpenAIだけでも3つ運用しています:
それぞれの場合でトレードオフの内容は異なります。GPTBot をブロックすると、自身のコンテンツが次期モデルの学習データにから除外されますが、これはパブリッシャーが通常、検討・判断すべき事項です。一方、OAI-SearchBot をブロックすると、ChatGPT の検索インデックスから除外されることになり、その結果、引用される機会や、そこからの流入(リファラルトラフィック)を失うことになります。実際には、GPTBot のブロックだけを意図していたにもかかわらず、誤って OAI-SearchBot までブロックしてしまっているサイトが数多く存在します。
自社の状況を最速で把握するなら、AI Crawler Access Checker のようなツールが便利です。robots.txt を読み取り、どのクローラーが許可されているかを教えてくれます。

許可されているボットではなく、実際にアクセスしてきているボットを確認するには、Ahrefs の Ahrefs のボット解析をチェックしてください。これは Cloudflare 経由のサーバーサイドデータを利用して 12 種類のボットカテゴリ(AI 専用フィルターを含む)のアクセスを追跡するもので、サイトに JavaScript を追加することなく利用可能です。
AI クローラーは生の HTML を読み取る傾向があり、ブラウザのように JavaScript をレンダリングすることはほとんどありません。
つまり、クライアント側のJSが実行された後にしか表示されないものは、AIクローラーから見えない可能性があります。
AI に見つけてもらえる可能性を最大化するため、確実な選択肢としてサーバーサイドレンダリングを採用することをお勧めします。
ページの読み込みが遅いと、従来の検索におけるパフォーマンスに悪影響を与えますが、回答エンジンの場合は、さらに大きなデメリットとなる可能性があります。ページの読み込み速度は、そのページが AI モデルのコンテキストウィンドウに取り込まれるかどうかを左右する要因の一つとなっているようです。1
サイト監査でページ速度(Time to First Byte (TTFB) と呼ばれる指標)を確認しましょう:
llms.txt は、ルートドメイン(例:website.com/llms.txt)に Markdown ファイルを設置するための、提案されている標準規格です。このファイルは、ドキュメント、ポリシー、製品分類といった、サイト内の「最も重要なコンテンツ」がどこにあるのかを LLM に伝えます。概念としては、言語モデル向けの「robots.txt」のようなものです。
しかし実際には、主要な LLM プロバイダーのどこも、それを読むとは確約していません。OpenAI も、Anthropic も、Google もです。
サイトに llms.txt を追加すると実際に何が起きるのかを調べました。Ahrefs ウェブアナリティクスを利用している 13 万 7,000 件のドメインのうち、28% が llms.txt ファイルを公開しています。有効なファイルがある約 3 万 8,000 件のうち、調査期間中の 1 ヶ月間に寄せられたリクエスト数を調べた結果、97% のドメインでリクエスト数がゼロでした。
llms.txtファイルの97%は一度もリクエストされない
Ahrefs ウェブアナリティクスを使用した、13 万 7,000 件のドメインに関する Ahrefs の調査。

実際に取得されたごく一部のファイルのうち、リクエストの 96% はボットによるものでした。リンクプレビュー用ボットである「Slackbot」は、「PerplexityBot」よりも頻繁に llms.txt を取得していました。端的に言えば、主要な AI 検索エンジンは、このファイルを利用していないようです。
Google はこの点を明確にしています。生成 AI 機能の最適化に関するガイドには、「誤解を解く(mythbusting)」という見出しのセクションがあり、llms.txt のような機械可読ファイルは生成 AI 検索に表示されるために必要ではない、とサイト運営者に伝えています。John Mueller はさらに踏み込み、古い keywords メタタグになぞらえました。
筆者の知る限り、AI サービスで「LLMs.TXT」を利用していると明言しているところはありません(実際、サーバーログを確認してみると、そもそも LLMs.TXT の存在すらチェックしていないことがわかります)。筆者には、これはメタキーワードタグに近いものに思えます。つまり、サイト運営者が「自分のサイトはこういう内容だ」と主張しているに過ぎないのです…(では、実際にそのサイトが本当にそうなのか? それはサイトを見ればわかります。ですが、それなら最初からサイトそのものを直接確認すればいいのではないでしょうか?)
ジョン・ミューラー(Google 検索アドボケイト)
では、作成すべきでしょうか?開発者向けドキュメントを公開している場合、作成にかかる時間は 10 分程度であり、役立つ可能性も十分あります。ミューラー氏はこれを、AI コーディングツールがドキュメントを解析する際に「トークンを節約するための、一時的な『松葉杖』のようなもの」と表現しています。それ以外のケースでは、具体的な成果が得られないにもかかわらず手間だけがかかるうえ、競合他社がコンテンツを丸ごとスクレイピングしやすくなってしまうという、わずかなデメリットさえ生じかねません。
AIアシスタントは、あなたのWebサイトへのリンクを作り上げてしまうことがあり、それは頻繁に起こります。ChatGPT、Perplexity、Copilot、Gemini、Claude、Mistralが引用した1,600万件のURLのHTTPステータスを確認したところ、AIアシスタントが訪問者を404ページに誘導する頻度は、Google検索の2.87倍でした。
ChatGPT では、突出してひどい状況になっています。クリックされた URL のうち 1.01% が 404 エラーを返しており、Google の基準値である 0.15% を大きく上回っています。
流入チャネル別の 404 エラー率
ウェブアナリティクスのデータ:1,600 万件の URL を分析。

Perplexity(0.87%)とGemini(0.86%)の引用 URL における割合は、Google 自身の数値である 0.84% とほぼ同じです。これは理にかなっています。両者とも Google のインデックスから情報を取得しているため、独自のリンク切れを新たに作り出すのではなく、Google が抱えるリンク切れをそのまま引き継いでいるからです。
生成された URL は、既存のパターンから推測されたものです。例えば、Ahrefs ウェブサイトの場合、ahrefs.com/keywords という URL が(実際には存在しないにもかかわらず)生成されることがよくありました。これは、私たちが頻繁にキーワードについて記事を書いているため、モデルが「こういうページが存在するはずだ」と推測したからです。実際には、そのようなページは存在しません。
これは、AEO において数少ない、本当に「無料で得られる成果」の一つです。購入の意思を明確に持ったユーザーがあなたの製品について検索し、サイトに誘導されたのに、そこで行き止まりになってしまうというケースです。具体的には、以下の 3 つのタイプがあります。
そのため、ウェブアナリティクスにフィルター機能を追加しました。これを使えば、わずか 2 回のクリックで、実際には存在しない(ハルシネーションによって生成された)URL を見つけ出すことができます。Google アナリティクスに代わるシンプルなツールをお探しなら、ぜひ試してみてください。月間 100 万イベントまで無料でご利用いただけます。
存在しない URL へのリクエストが繰り返される場合、それは、「訪問者があなたのサイトに存在することを期待しているページ」をモデルが教えてくれているということです。
本ガイドのすべての戦術は、突き詰めればある一点にかかっています。それは、AI システムがあなたのブランドを独立した存在として認識しているかどうか、ということです。
ご存じですか?
エンティティとは、検索エンジンや AI が認識し、ほかのものと区別できる現実世界の明確な実体(特定の人物・場所・企業・製品・概念など)を指します。単にそれを説明する「言葉」ではなく、「ディミトロ・ゲラシメンコ」「Ahrefs」「シンガポール」のような具体的なものです。

Google のナレッジグラフ(540 億のエンティティと、それらの関係性に関する 1 兆 6,000 億以上のデータを抱えるデータベース)は、もはやナレッジパネルを支えるだけの仕組みではありません。
現在では、AI による概要、AI モード、Gemini の中核となるインフラになっています。
ウェブサイト全体での一貫したシグナル、構造化データ、そして権威ある第三者ソースなどを通じて、ブランドが明確な「実体(エンティティ)」として確立されていない場合、検索結果の青いリンクとして表示されないだけでなく、AI の回答においても言及されないリスクが生じます。
スキーマは、AI 検索における可視性を手早く向上させるための手段としてよく紹介されており、表面的には相関関係があるように見えます。AI が引用するページは、JSON-LD を使用している可能性が約 3 倍高いのです。
AI に引用されているページでは、スキーマの使用がはるかに一般的
Ahrefs による 600 万件のページの調査(各グループ 200 万件ページ)。

しかし、相関関係は因果関係とは異なります。JSON-LD を追加した 1,885 件のページを、比較対象となる 4,000 件のページと比べて調査したところ、AI モードや ChatGPT 経由の流入に目立った改善は見られませんでした。また、「AI による概要」からの流入にはわずかな減少が見られましたが、それがスキーマに起因するものだと断定することはできませんでした。
では、スキーマは役に立たないのでしょうか?そうではありませんが、効果が出るまでに時間がかかる、あるいは効果が間接的で、即効性のある施策とは言えません。
Google の Knowledge Graph API や無料のチェッカーを使えば、Google がすでにあなたのブランドの存在を認識しているか、割り当てられたエンティティの種類は何か、属性が正しいかを確認できます。
たとえば、カール・ヘンディ氏の ナレッジグラフツールでは、人、企業、製品、場所など、さまざまなエンティティに関する結果を確認することができます。

次に、権威ある媒体で言及されることを目指しましょう。また、自社サイトや各種プロフィール、サードパーティの掲載サイトなど、あらゆる場所に一貫した情報(名称、説明文、業種)を掲載していおくことが重要です。
次に、対象となるエンティティとその関係性を定義するスキーマタイプを優先しつつ、自然な形でスキーマを追加します。
Wikipedia、Wikidata、ソーシャルプロフィールへのリンクを含む Organization と sameAs スキーマ
サイトの著者に関する Person スキーマ
提供サービスに関する Product スキーマ
ヒント
最も権威性の高いページを見つけ、それらのページに適切なスキーママークアップが施されていることを確認してください。
これは、サイト監査のページエクスプローラーレポートに移動し、「ページレーティング」で並べ替えることで実行できます。
ページレーティング(PR)は、クロール対象に含まれる他の URL と比較した、該当 URL の内部および外部被リンクプロファイルの強さを示します。
次に、「スキーマ項目」列で既存のスキーマを監査し、「構造化データの問題」列で不足している、あるいは無効な構造化データを見つけます。

「agentic AI(自律型 AI)」の検索数は、決して例外的なケースや目新しいだけの現象ではなく、過去 3 年間で 84 倍に急増しました。それには、AI エージェントの運用コストが数ドルから数セントにまで下がったという背景があります。
AI エージェントのためだけに今すぐサイトを作り直す必要はありません。ただ、「人間のためだけにコンテンツを作って、ロボットは二の次でよい」という以前よく聞かれたアドバイスは、前ほどは通用しなくなってきています。
この章では、人間が信頼する AI にどのように影響を与えられるかについて紹介していきます。エージェント間マーケティングはその一形態ですが、さらに一歩踏み込んだものです。

ルイーズは Ahrefs のコンテンツマーケターです。過去 10 年間で、Pi Datametrics、BuzzSumo、Cision といった SaaS 企業でコンテンツ関連のシニアポジションを歴任してきました。その間、数百本のブログ記事を公開し、業界をリードする調査を主導し、専門家主導のウェビナープログラムを開発してきました。
ルイーズは、エンタープライズ向け SEO 企業 Pi に在籍していた頃、初めて SEO の実務を学びました。入社からわずか数週間後にはカニバリゼーションに関する記事を公開し、当時 SEO 業界の第一人者であったランド・フィッシュキン氏の目に留まることとなりました。それ以来、彼女は作為的なリンク構築からコンテンツ・シンジケーション、検索需要予測に至るまで、幅広いトピックについて執筆を行ってきました。また、プライベートでも地元の 2 社の事業者向けにウェブサイトを制作するなどして、SEO への実践的な理解を深めています。
ルイーズの手掛けた記事は、Search Engine Watch、The Drum、The Telegraph、Spin Sucks などの業界メディアで読むことができます。
まずはこちら。AEO とは何か、SEO との違い、対策を始めるための 7 つのステップを解説します。
プロンプト入力から回答生成までの間に実際に何が起こっているのか、そして、そのプロセスにあなたのブランドの情報が入り込む方法。
見えないものは最適化できません。あなたのブランドがどんな AI 回答に表示されているかを調査する 7 つの方法。
回答を 1 件ずつ追跡するのではなく、関連プロンプトをまとめて調査しましょう。モニタリングすべきクエリが見つかる場所 11 選。
上位表示されれば候補に入ることができます。効果的なトピックやフォーマットを押さえ、ページ上の改善を行うことが、引用されるための近道です。
AI は、他の場所で話題になっているブランドを回答内でおすすめします。そのようなブランド言及をモニタリングし、さらに増やす方法をご紹介します。
AI があなたのページに到達して内容を読み取り、どんなサイトなのか理解することが可能かどうかを左右する、技術的な修正。