はじめに
こんにちは!Ahrefs(エイチレフス)プロダクトマーケターの Mao です。
「ChatGPT や Gemini で自社ブランドはおすすめされているのかな?」と気になったことはありませんか。
2026 年 9 月のブログでは進化を遂げた Ahrefs のブランドレーダーをご紹介しましたが、今回は日本のエンタメ分野の中核であるゲーム業界を題材に、実務にそのまま応用できる AI 可視性分析の手順をお届けします。
まずはブランドレーダーについて簡単にご説明しましょう。
ブランドレーダーは、主要 6 大プラットフォーム(AI モード、AI Overviews、ChatGPT、Perplexity、Gemini、Copilot)におけるブランドの可視性を測定・分析できる専用ツールです。Ahrefs が追跡する約 287 億件のキーワードから Google の「他の人はこちらも質問」を抽出し、各 AI のデフォルトモデルに実際に問いかけることで、一般ユーザーのリアルな検索体験と一致する高精度な回答・言及データを収集しています。
今回の目的はゲーム機自体の評価ではなく、「ゲーム機のおすすめ」をはじめとする比較・検討プロンプトにおいて、AI 検索におけるシェアオブボイス(SOV)などの指標を競合と比較し、改善点を見出す実践フローをお伝えすることです。
1. 分析の設計|ブランドレーダーで業界比較をセットアップする
Ahrefs のブランドレーダーを活用した競合分析 AI のセットアップでは、競合選定と表記揺れの確認を正しい順序で設定することが精度向上の要となります。Web 検索の SEO では被リンクやキーワードが重なるサイトを追跡しますが、AI のシェアオブボイスを計測する際は「ビジネス上の競合商品」を直接設定することが欠かせません。一般名詞との混同を防ぐエンティティ指定を正しく行い、高精度なデータ分析の基盤を整えましょう。
手順 1:競合ブランドの選定
一般的な SEO の競合サイトを選ぶ際は、目的に応じて「キーワード競合」「事業競合」「お手本」という 3 つの視点で検討します。これに対し、ブランドレーダーで自社ブランドそのものを分析する際は、他社の同等商品名やブランド名といった「ビジネス上の直接のライバル」を競合に設定します。
設定例:
- 自社ブランド:Nintendo Switch 2
- 競合ブランド:PS5、XboxSeries
手順 2:表記揺れとエンティティの厳密な設定
ブランド登録時に特に配慮したいのが、表記揺れへの網羅的な対応です。
例えば、私たちのブランド名は「Ahrefs」ですが、日本市場では「エイチレフス」でも決して少なくないボリュームで検索されています。ゲーム機器を例にとると、Nintendo Switch を「Switch」単体で登録した場合、照明などの電気スイッチと意味が混在してしまうため、「Nintendo Switch」で統一する配慮も必要になります。
表記揺れは計測精度に直結するため、どの範囲までカバーするかを考慮して事前に設定を洗い出しておきましょう。
表記揺れの設定例:
- 自社ブランド:Switch2 / スイッチ2 / ニンテンドースイッチ2 / Nintendo Switch2
- 競合ブランド(PS5):PlayStation 5 / プレステ5 / プレイステーション5
- 競合ブランド(XboxSeries):XboxSeries X / XboxSeries S
ブランドレーダーでは 2026 年 8 月のアップデートにより、企業名やプロダクト名を一般名詞と切り離して「固有のエンティティ」として認識できるようになりました。エンティティを適切に紐付けることで、AI の回答文から自社ブランドへの言及をブレなく正確にキャッチできます。
登録が完了したら、「検索する」をクリックします。レポートでは、地域を「日本」に設定して分析を行います。それでは、実際に取得したデータを読み解いていきましょう。
2. 日本市場のゲーム機 AI シェアオブボイス|実売シェアと可視性のギャップ
AI 検索におけるシェアオブボイス(SOV)は、競合群の中で自社ブランドが獲得しているインプレッション割合を表す指標です。実売台数で圧倒的な現行機が基盤となる一方、「ゲーム機のおすすめ」を調べる文脈では Switch の後継機(Nintendo Switch 2)や PS5 が販売比率を大きく超える存在感を示しています。AI 検索では過去の実績だけでなく「今まさに知りたい比較や話題性」が敏感に反映されるため、実売と露出の差を正しく把握しましょう。
日本市場におけるコンソール実売シェアの背景
今回の検証では、VGChartz のコンソール販売データをもとに主要ブランドを定義しました。日本市場では Nintendo Switch が市場全体の 7 割を超えるシェアを占めており、グローバル市場と比較して XboxSeriesX|S の実売比率が極めて低いという明確な特徴があります。
コンソール | 日本 | グローバル | ||
|---|---|---|---|---|
総売り上げ[ユニット] | シェア[%] | 総売り上げ[ユニット] | シェア[%] | |
Nintendo Switch | 3701 万 | 71.6 | 1 億 5532 万 | 50.6 |
Nintendo Switch 2 | 630 万 | 12.2 | 2,255 万 | 7.3 |
PlayStation 5 | 767 万 | 14.8 | 9409 万 | 30.6 |
XboxSeriesX|S | 71 万 | 1.4 | 3531 万 | 11.5 |
※シェアは、上記 4 コンソール内での割合を算出しています。
日本市場での AI シェアオブボイス計測データ
すべてのプラットフォームを横断して集計すると、基本的にはコンソールの販売シェアが高いハードほど AI シェアオブボイスも高くなる傾向が見られました。その一方で、Nintendo Switch 2 と PS5 が実売シェア以上に AI 検索で大きな存在感を示している点も見逃せません。
プラットフォーム別に見ると、ChatGPT や Perplexity において、発売から 1 年ほどで PlayStation 5 に迫る人気を誇る Nintendo Switch 2 が高い露出割合をマークしています。対照的に XboxSeries は、販売シェアと同様に日本国内の AI 検索でも存在感が限定的でした。このデータは、AI 検索において単なる保有台数ではなく「ユーザーが今リアルタイムに気になっている比較や購入検討」が反映されやすいことを示しています。
日本市場でコンソールシェアと AI シェア・オブ・ボイス
コンソール | シェア[%] | AI シェア・オブ・ボイス[%] | ||
|---|---|---|---|---|
全てのプラットフォーム | ChatGPT | Perplexity | ||
Nintendo Switch | 71.6 | 51.5 | 37.8 | 23.9 |
Nintendo Switch 2 | 12.2 | 39.7 | 42 | 37.5 |
PlayStation 5 | 14.8 | 31 | 42.7 | 47.3 |
XboxSeriesX|S | 1.4 | 1.2 | 1.8 | 2.2 |
Ahrefs のブランドレーダーでは、アップデートに伴い「AI 調整済みボリューム」が導入されました。同一のプロンプトであってもプラットフォームごとの実際の検索需要差を捉えられるため、自社ブランドがどの AI で強く認識されているかを正確に追跡できます。
それでは、具体的にどのようなプロンプトで各ブランドが言及されているのか、詳細なテーマ別分析へと進みましょう!
3. テーマ別分析|どんな質問でどのブランドが引用されるか
テーマ別分析は、AI 検索でユーザーが入力する具体的なプロンプトを分類し、どの文脈で競合に優劣がついているかを把握する工程です。「ゲーム機のおすすめ」を調べる文脈では、単にAI シェアオブボイスの数値を追うだけでなく、トピックレポートを用いて質問意図(認知・比較・購入判断)を深掘りすることが欠かせません。自社ブランドの強みと未言及プロンプトを整理し、成約直結の改善領域を明確にしましょう。
① 主要テーマとプロンプトの傾向把握
まずは、各コンソールやブランドごとに AI 可視性が高い主要テーマとプロンプトを把握します。ブランドレーダーのトピックレポートでは、トピックごとに整理されたプロンプト群を一目で確認できるため、フィルタ設定を賢く活用してハードごとの特徴を可視化していきましょう。
コンソールごとの主要テーマとプロンプト
コンソール | 主な質問テーマ | プロンプト |
|---|---|---|
Nintendo Switch | 価格、買い替え、互換性 | 「Nintendo Switch 何万円?」「Switch 1 と 2 を買うなら、どっちを買うのが良いですか?」 |
Nintendo Switch 2 | 新旧比較、発売、抽選、購入 | 「スイッチ 2 どこが違う?」「マイニンテンドー Switch2 の抽選はいつまでですか?」 |
PS5 | PS5 Pro、価格、値上げ | 「PS5 Pro の値段はいくらですか?」「PS5 Pro 値上げ いくら?」 |
XboxSeriesX|S | PS5 比較、X と S の違い、価格 | 「XboxSeries X と PS5 のどちらを買うべきですか?」「XboxSeries X と S の違いは何ですか?」 |
XboxSeriesX|S については、他のコンソールと比較して、購買に近いフェーズでの価格や比較についての質問が中心となっていることが分かりました。
他業界への応用ポイント:数値だけに囚われない検索意図の検証
シェアオブボイスの分析で特に注意したいのが、パーセンテージの高低だけに囚われないという点です。AI 可視性を高める目的が「ブランド認知」なのか「成約(CV)」なのかによって、言及を目指すべきプロンプトは大きく異なります。
例えば XboxSeries は、今回の分析において AI シェアオブボイスが 1.2% と低い値でしたが、検索意図の分類ではアクションを伴う Do クエリの比率が高く、露出している場面では購入判断に近い比較文脈が多い傾向が見られました。全体の露出量とあわせて「どの検索意図でブランドが登場しているか」を確認することで、本当に改善すべきテーマを具体化できます。
② テーマ分析|改善が必要な言及なしプロンプトを把握
コンソールごとの傾向が掴めたら、自社が本来言及されるべき領域のプロンプトに絞って分析を進めます。ブランドレーダーの AI 可視性レポートでフィルタ設定を行い、プロンプトや返信エンティティを抽出して分析していきましょう。
- おすすめ・比較系プロンプト:国内ゲーム機器市場では、「違い」「どっちがいい」「性能差」といった比較型プロンプトが全体的に目立ち、新旧比較やハード間の差異を調べる強い需要がありました。中でも XboxSeries では「XboxSeries X と S の違いは何ですか?」や「XboxSeries X と PS5 の性能はどちらが上ですか?」といった、性能差を直接問う比較色が強いプロンプトが見られました。
- 購入判断系プロンプト:購買判断系のプロンプトは、ユーザーがどの商品を選ぶべきかという最終意思決定において、自社が選択肢の候補に入っているかを確認できる重要な指標です。ゲーム機器市場では価格の高騰もしばしば話題に上がるため、購買につながるキーワードに加えて「高騰」も追加して分析を行いました。その結果、Nintendo 系は購入を前提とした世代選択、PS5 は価格を基準にした購入判断、XboxSeries は競合比較からの購入判断と、コンソールごとに異なる思考パターンが浮き彫りになりました。
テーマごとの実データ傾向と代表プロンプト
テーマ | 実データで見える傾向 | 代表プロンプト |
|---|---|---|
おすすめ・比較系 | Switch 2、Xbox で目立つ | スイッチ 2 どこが違う? XboxSeries X と PS5 の性能差は? XboxSeries X と S の違いは何ですか? |
購入判断系 | Switch 世代比較 PS5 の価格判断 Xbox と PS5 の比較 | Switch 1 と 2 を買うなら、どっちを買うのが良いですか? プレステ 5 はいくらなら買うべき? XboxSeries X と PS5 のどちらを買うべきですか? |
他業界への応用ポイント|実践的なフィルタ設定
- おすすめ・比較系:「おすすめ」「違い」「どちらが良い」「性能差」といったキーワードをフィルタに設定します。季節性やイベントの影響、商品発売のサイクルが短いなど業界特有の比較軸がある場合は、「新作 おすすめ」「クリスマスコフレ」など具体的なキーワードを掛け合わせましょう。
- 購入判断系:「価格」「値段」「どちらを買うべき」といった購入に直結するキーワードをフィルタに設定します。おすすめ・比較系と同様に、購入判断につながる業界特有の語句やプロンプトがあれば追加設定することがポイントです。
③ 対策プロンプトの抽出と優先順位づけ
改善対策を行うプロンプトの抽出は、テーマ、AI 調整済みボリューム、検索意図の 3 つに注目すると効果的です。単に AI シェアオブボイスが低い質問や自社ブランドが言及されていない質問を無作為に選ぶのではなく、自社が言及されるべきテーマか、AI 調整済みボリュームが存在するか、そして比較や購入判断など事業成果につながる検索意図を持つかを総合的に判断します。
優先項目 | 確認ポイント |
|---|---|
自社との関連性 | 自社の商品やサービスが回答候補になり得るか |
AI シェア・オブ・ボイス | 競合に比べて露出が弱くないか |
AI 調整済みボリューム | AI 上で一定の質問需要があるか |
検索意図 | 比較、価格、購入判断など目的に合った意図か |
コンテンツの有無 | プロンプトに直接答える情報を自社で提供できているか |
おすすめ・比較系プロンプトの傾向:Nintendo Switch 2 の「スイッチ 2 どこが違う?」が ChatGPT 、Gemini、Perplexity の 3 プラットフォームで確認されました。XboxSeries では「XboxSeries X と PS5 の性能差は?」のように、競合製品との比較プロンプトが中心です。他の業界に置き換えると、新旧モデルの違いや競合製品との性能差という 2 つの比較軸が、自社市場にも同様に存在していないかを検証するのが出発点になります。
購入判断系プロンプトの傾向:購入判断系プロンプトではプラットフォームごとに傾向が分かれており、製品カテゴリごとに何を基準に選ぶかが異なっています。Nintendo 系は購入を前提とした世代選択、PS5 は価格を基準にした判断、XboxSeries は競合比較からの購入判断と、同じ「購入判断系」の中でも思考パターンが分かれていました。今回の解析のように、ゲーム機市場で話題になりやすい価格高騰というテーマから「高騰」をキーワードに加えたように、自社業界特有の語句やカテゴリごとの選択基準の違いを捉えて抽出することが大切です。
抽出時の注意点:自社の言及がないすべてのプロンプトが改善対象になるわけではない点に留意しましょう。例えば「PS5 Pro の値段はいくらですか?」のように特定ブランドを指名した質問で Nintendo Switch が言及されていなくても、それ自体はコンテンツ上の課題とは言えません。改善対象として抽出すべきは、複数ブランドが候補になり得る質問や、自社も言及されてほしいのに抜け落ちているケースです。
4. 引用ドメインを見ることで「AI が何を情報源にしているか」が分かる|情報流通の可視化
Ahrefs のブランドレーダーは、AI 引用の参照元ドメインや URL を特定できる高度な LLMO 計測ツールとして機能します。引用されたページレポートを分析すると、特定の主要ページが集中的に参照されているのか、あるいは多様な Web サイトから分散して情報が取得されているのかが一目で判明します。プラットフォームごとの参照特性を掴み、優先的にアプローチすべき外部メディアを明確にしましょう。
プラットフォームごとの引用傾向
ブランドレーダーの「引用されたページレポート」でフィルタを活用して得たデータを分析した結果、プラットフォームによって情報源の参照傾向に大きな偏りが見られました。
- Google 系プラットフォームは Google・YouTube の引用が顕著:google.com が AI による概要で 2 位、AI モードでは 1 位を獲得しており、特に AI モードでは Google 関連ドメインの存在感が突出しています。その一方で、AI による概要では専門メディアや公式サイト、ユーザー生成コンテンツ(UGC)まで幅広く引用される傾向が確認できました。
- ChatGPT と Copilot は公式サイトの引用が中心:nintendo.com や playstation.com といったメーカー公式ドメインが上位にランクインしています。特に ChatGPT では公式サイトの比重が極めて高く、Copilot は公式サイトを押さえつつゲーム情報サイトもバランスよく引用する傾向が見られました。
- Gemini と Perplexity はメディア・コミュニティ・百科事典の引用が目立つ:ゲーム情報サイトや専門メディアが上位に入っています。Gemini は知恵袋や Reddit などのユーザー生成コンテンツの存在感が強く、Perplexity では専門メディアに加えてメーカー公式サイトも上位に組み合わされています。
プラットフォームごとの引用ドメインランキング TOP10
順位 | AI による概要 | AI モード | ChatGPT | Copilot | Gemini | Perplexity |
|---|---|---|---|---|---|---|
1 | YouTube | Google | Nintendo 公式 | Nintendo 公式 | ファミ通 | ファミ通 |
2 | Google | YouTube | PlayStation 公式 | 4Gamer | note | Wikipedia |
3 | ファミ通 | Nintendo 公式 | Nintendoサポート | ファミ通 | GameWith | GameWith |
4 | Nintendo 公式 | ファミ通 | Steam | Wikipedia | Wikipedia | Nintendo 公式 |
5 | note | Yahoo! 知恵袋 | nintendo.co.jp | GameWith | Reddit | note |
6 | Wikipedia | note | PlayStation.Blog | Nintendo 公式ストア | 4Gamer | 4Gamer |
7 | Amazon | Wikipedia | PlayStation Store | PlayStation公式 | Game8 | GAME Watch |
8 | GameWith | Reddit | Nintendo 日本語サポート | Amazon | Nintendo 公式ストア | PlayStation 公式 |
9 | Reddit | Nintendo 公式ストア | PR TIMES | Game8 | GAME Watch | Yahoo! 知恵袋 |
10 | Nintendo公式ストア | PlayStation公式 | Xbox公式 | GAME Watch | ビックカメラ | 電ファミニコゲーマー |
ブランドレーダーの引用されたページレポート(2026 年 10 月 5 日取得)
コンソール別の引用傾向
ハードウェア別に見ると、Nintendo Switch 2 は「公式サイト」と「ゲーム専門メディア」に引用が集中しているのに対し、普及が進んでいる Nintendo Switch は検索エンジン、動画、EC、サポートサイトまで情報源が多岐に拡散しています。
PS5 の 1 位は公式サイトですが、引用回数の内訳を見ると PlayStation 公式が 8,167 件、YouTube が 7,545 件、Google が 7,475 件と拮抗しており、動画やユーザー生成コンテンツが幅広く参照されている実態が読み取れます。対して XboxSeries は公式サイトを中心とした比較的限定的な情報源に留まっており、今回分析を行った中では引用ドメインの裾野が最も狭い傾向にありました。
また、すべてのコンソールに共通して Google、YouTube、ファミ通の 3 つが TOP10 にランクインしており、AI 検索ではメーカー公式情報の発信だけでなく、第三者の専門メディアや動画コンテンツでの露出がいかに重要であるかが分かります。
コンソール別 引用ドメインランキング TOP10
順位 | Nintendo Switch 2 | Nintendo Switch | PS5 | XboxSeries |
|---|---|---|---|---|
1 | Nintendo 公式 | Google | PlayStation 公式 | Xbox 公式 |
2 | ファミ通 | Nintendo公式 | YouTube | Google |
3 | Google | YouTube | Google | Microsoft 公式 |
4 | YouTube | Nintendo公式ストア | note | YouTube |
5 | GameWith | Wikipedia | Reddit | Yahoo! ニュース |
6 | GAME Watch | Amazon | GameWith | Wikipedia |
7 | Nintendo 公式ストア | Nintendoサポート | Amazon | ファミ通 |
8 | note | ファミ通 | ファミ通 | GAME Watch |
9 | nintendo.co.jp | note | Yahoo! 知恵袋 | Amazon |
10 | X(旧 Twitter) | Nintendo日本語サポート | PlayStation.Blog | Xbox サポート |
今回の分析では、ブランドレーダーからエクスポートしたデータをもとに生成 AI を用いた自動化ワークフローで実際の数値を確認しながら進めました。MCP(Model Context Protocol)サーバー解析や AI ワークスペース Letaido(レタイド)で分析を行う場合も、AI の出力結果だけに頼るのではなく、Ahrefs の実データと丁寧に照らし合わせながら施策を判断していきましょう。
5. この分析を自社業界で再現するためのステップ| 6 段階の実務フロー
Ahrefs のブランドレーダーは、業界を問わず AI シェアオブボイスのギャップを可視化できる実用的な LLMO 計測ツールです。ゲーム機市場で実践した分析アプローチは、BtoB や EC をはじめとするあらゆる分野へそのままスライドして応用できます。初期の基準値(ベースライン)測定からプロンプト深掘り、施策後の定期モニタリングまでを 6 つのステップで仕組み化し、自社の AI 可視性を着実に高めていきましょう。
STEP 1:自社ブランドと競合の登録
まずは、自社ブランドと市場で直接比較される主要競合を 3 〜 5 社登録します。
ブランドの正式名称だけでなく、一般的な略称やカタカナ表記の登録も漏れなく設定しましょう。また、製品名や公式 Web サイトのドメインについても、競合と同一の粒度・階層で揃えて設定することが正確なデータ収集の前提条件となります。
STEP 2:ベースラインデータの取得と保存
ブランド登録後に検索を実行し、初期状態における AI シェアオブボイス、メンション数、引用数、インプレッションデータを保存します。
Ahrefs 上で取得した検索結果データは、ワンクリックで Google スプレッドシートや CSV 形式としてダウンロードできます。この初回収集データを「改善前の基準値(ベースライン)」として保管しておきましょう。必要に応じて、業界固有の疑問を反映したカスタムプロンプトも適宜追加します。
STEP 3:AI シェアオブボイスの概況把握
プラットフォーム全体の総合指標と、各 AI プラットフォーム単体の数値を突き合わせて比較します。
競合と比較した際に、自社が優位に立っているプラットフォームや質問文脈と、露出が劣後しており早急な改善が必要な領域を明確に仕分けしていきましょう。
STEP 4:テーマ別の深掘り分析
フィルタ機能の「自社のみ」「他社と比較」「他社のみ」を柔軟に切り替え、競合ブランドは言及されているのに自社が抜け落ちているプロンプトを洗い出します。
自社の事業ターゲットと合致しており、改善対策を打つべき優先プロンプトがどれかを特定しましょう。
STEP 5:引用ドメイン分析と外部施策の策定
AI が回答文を生成する際に拠って立つ引用ドメインの傾向を分析します。
業界の専門メディア、比較・レビューサイト、YouTube 動画、オンラインコミュニティなど、どの外部プラットフォームへ優先的にアプローチや情報提供を行うべきか、具体的な施策ターゲットを見定めます。
STEP 6:コンテンツ改善と定期的な再計測
特定したプロンプトや引用ドメインをもとに自社サイトのコンテンツ追加や見直しを実行したら、施策後 1 〜 2 か月を目安に同一条件で再計測を行います。
AI の回答アルゴリズムや参照データは日々アップデートされるため、時系列で数値の推移を定点観測し、露出の変化を捉え続ける姿勢が大切です。
6. まとめ|自社の AI 可視性を高めるアクションプラン
今回は、日本のゲーム機市場を実例に、Ahrefs のブランドレーダーを用いて AI 検索におけるシェアオブボイス(SOV)を競合と比較・分析する具体的なアプローチを解説してきましたが、いかがでしたか?
実務において AI 検索での露出を向上させるためには、単なるパーセンテージの高低に一喜一憂するのではなく、以下の多角的な視点を連動させることが成功への近道です。
- AI シェアオブボイスで全体像を把握する:自社が競合と比べて AI 検索上でどの程度の存在感を持っているかを確認します。実売や市場シェアと合わせて把握することで、市場シェアと AI 検索上での存在感の乖離も見えてきます。
- テーマやプロンプトから改善領域を見つける:どのような質問で自社が言及されているのか、反対に競合だけが言及されている質問はないかを特定します。プロンプトの抽出では、自社ビジネスとの親和性も考慮して改善対象を絞り込みます。
- 引用ドメインから AI の情報源を把握する:プラットフォーム別、プロダクト別と多角的に分析を行い、AI がどのような Web サイトを引用しているかを確認することで、外部アプローチの優先順位を判断しやすくなります。
- 改善後は同一条件で定期的に再計測する:コンテンツの追加や見直しを行った後は、AI シェアオブボイスやメンション、引用の変化を時系列でモニタリングし、施策の成果を検証します。
今回はゲーム機市場を題材にしましたが、この分析フローは BtoB や EC を含むあらゆる業界でそのまま活用できます。まずは自社ブランドと主要な競合を登録し、「AI シェアオブボイス → テーマ・プロンプト → 引用ドメイン」の順に深掘りしてみましょう。
AI の回答アルゴリズムやユーザーの質問傾向はこれからも進化を続けていきます。まずはブランドレーダーで自社が AI からどのように認識されているかを確認するところから、業界の AI 可視性分析を始めてみてくださいね!
7. よくある質問(FAQ)
Q1. AI シェアオブボイスとは何ですか?
A. 追跡中の競合ブランド群の中で、自社ブランドが獲得した AI 検索上のインプレッション占有比率です。複数の AI プラットフォーム上で自社がどれだけユーザーに認知され、言及されているかを競合との相対比較で客観的に把握できます。
Q2. 引用ドメインを分析すると何が分かりますか?
A. AI が回答文を生成する際に根拠として参照している外部 Web サイトの傾向が分かります。メーカー公式サイトや業界専門メディア、レビューサイトなど、どの情報源が重視されているかを把握できるため、具体的なコンテンツ対策や PR 施策を立てやすくなります。
Q3. ブランドレーダーの競合分析はゲーム業界以外でも使えますか?
A. はい、BtoB や EC をはじめとするあらゆる業界の競合分析にそのまま応用可能です。自社と主要競合のエンティティを登録することで、業界特有の比較プロンプトや購入判断クエリにおけるブランド露出ギャップを同一の手順で洗い出せます。
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Ahrefs|プロダクトマーケター 国外企業での日本市場向けマーケティングに 5 年以上携わり、現在は Ahrefs でプロダクトマーケティングを担当。日本のユーザーコミュニティを盛り上げつつ、Ahrefsと市場をつなぐ役割を担っている。
