こんにちは!Ahrefs(エイチレフス)プロダクトマーケティングマネージャーの Mao です。
ChatGPT や Gemini、Perplexity などの生成 AI に質問をして情報を収集することが、すっかり当たり前の選択肢になってきましたね。「AI の回答で自社ブランドがどれくらい登場しているんだろう?」「競合と比べてどんな文脈で語られているのかな?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
AI 可視性分析の中核となる指標は、従来の SEO とは大きく異なるデータです。今回は、Ahrefs の目玉商品の一つである「ブランドレーダー」を使った AI 可視性分析の基本のおさらいと、さらに進化した新機能について分かりやすくご紹介していきます!
ブランドレーダーは、ChatGPT や Gemini、Perplexity などの主要 AI プラットフォーム上で、自社ブランドがどのように語られているかを計測・可視化できる LLMO 計測ツールです。従来の SEO ツールが検索エンジンの順位や流入量を主な計測対象とするのに対し、ブランドレーダーはメンション、引用、インプレッション、AI シェア・オブ・ボイスの 4 つの主要指標を用いて、生成 AI における露出そのものを多角的に分析します。生成 AI がユーザーの最初の接点となる現代において、AI 回答内での可視性を高めることはブランド認知の獲得に直結するため、本ツールを活用したデータ駆動型の分析と改善が極めて重要です。
主な観点 | 従来の SEO ツール | ブランドレーダー |
|---|---|---|
計測対象 | 検索エンジンの順位、流入 | 生成 AI の回答、引用元 |
指標 | 順位、流入、CTR | メンション、引用、インプレッション、AI シェア・オブ・ボイス |
影響範囲 | 検索上位ページ | 生成 AI の回答、引用元、ユーザー認知 |
改善の焦点 | 上位表示、クリック率、被リンクなど | 生成 AI の回答での露出と文脈 |
生成 AI 検索の普及により、ユーザーとブランドのファーストコンタクトが AI の回答になるケースが急増しています。どれほど素晴らしいコンテンツを作成しても、AI の回答に自社が登場しなければ認知すらされないリスクがあるのです。正確なデータに基づいて AI 可視性を高めていく作業が、これからのマーケティングには欠かせません。
Ahrefs ブランドレーダーのプロンプトインデックスは、独自の巨大キーワードデータベースと Google の「他の人はこちらも質問」コーパスから網羅的に収集された、実際のユーザー検索を精度高くモデル化したプロンプト群です。業界別・ユースケース別・比較クエリなど多様なカテゴリをカバーしており、2026 年 9 月時点で 4 億件を超える膨大な追跡規模を誇ります。主要 AI プラットフォームへ定期的にプロンプトを送信し、返された回答文とリンクデータを自動保存することで、市場全体の動向を客観的かつ正確に俯瞰することが可能です。
可視性インデックスは、2026 年 9 月時点で 4 億件を超えるプロンプトを追跡しています。さらに 2026 年 8 月のアップデートにより、ブランド監視用データが従来の 2 倍以上となる約 3,000 万件へと大幅に拡張されました!
データ規模の拡大によって、検索ボリュームが小さい「ロングテールの質問」まで幅広くキャッチできるようになりました。ユーザーが購買や検討の場面で AI に投げかけるマニアックで具体的な質問(ニッチなロングテールクエリ)に対して、自社ブランドがしっかり言及・引用されているかを把握することは、潜在層の獲得において非常に重要なんです。
さらに、プロンプトデータは毎月約 5% が新しいトレンドや検索パターンに入れ替えられており、常にデータの鮮度が最新状態に保たれています。これにより、ユーザーの「認知」から「比較」「検討」に至る一連のリアルな購買プロセスにおいて、自社ブランドがどのように見られているかをこれまで以上に広範かつ精密に追跡できます。
ChatGPT、Gemini、Perplexity、Microsoft Copilot、Claude、AI による概要などの主要プラットフォームへ定期的にプロンプトを送信し、生成された回答文と参照リンクを保存・解析しています。
データ更新の頻度はインデックスの種類によって異なります。AI チャットボットの可視性データは月次で更新され、独自に設定するカスタムプロンプトは設定直後から追跡が開始され、任意の更新頻度を選択可能です。
設定はとっても簡単です!以下のステップで進めてみましょう。
STEP 1:ウェブサイトまたはブランド名を入力
ブランドレーダー検索画面を開き、分析したいウェブサイト URL またはブランド名を入力します。
STEP 2:競合を入力(任意)
比較したい競合ブランドを入力します。迷った場合はツールに自動提案してもらうことも可能です。
STEP 3:分析を開始
入力後、「分析」または「検索をする」ボタンをクリックします。
※カスタムプロンプトを利用する場合は、自社が引用されたい質問を 10~15 件ほど用意し、追跡対象の AI プラットフォーム、対象地域、更新頻度を指定してセットアップしましょう。
AI シェア・オブ・ボイス(SOV)は特定市場における競合との相対的な露出比率を示す指標(インプレッション)であり、数値が低い場合は対象領域での AI 可視性が不足していることを意味します。実務分析においては、単純な引用数だけでなく「引用率=(引用数/メンション数)× 100 」を算出することで、言及に対してどれだけ自社サイトが一次情報源として評価されているかを客観的に測定可能です。さらに AI 応答のセンチメント(ポジティブ/ネガティブ)を分析・分類することで、単なる露出量にとどまらない定性的なブランド評価の課題を明確化できます。
AI シェア・オブ・ボイスは、自社ブランドと競合ブランドのインプレッション数を比較した相対指標です。設定したターゲット市場でこの数値が低い場合、その領域での露出が不足していると判断できます。ただし、自社や競合のエンティティ定義によって値が変動するため、適切な競合設定がポイントになります。
ブランドレーダーで提供される「引用」は、自社サイトが参照元として提示された AI 回答の総数です。実務では以下の計算式を用いて「引用率」を算出するのがおすすめです!
引用率を把握すると、ブランド名が言及された中で自社サイトがどの程度直接引用されているかがひと目で分かります。引用率が低い場合は、該当テーマの解説ページの有無、一次情報の充実度、引用されている競合ページとのコンテンツ差分をチェックしましょう。データをエクスポートすれば、ChatGPT や Claude を活用した分析ワークフローの自動化もサクサク構築できます。
センチメントとは、ブランドがどのような感情やトーン(文脈)で語られているかを評価する概念です。AI 応答レポートで回答の文脈を確認し、「ポジティブ」「ニュートラル」「ネガティブ」に分類することで、露出量だけでは見えてこないブランドイメージの課題が浮き彫りになります。フィルター機能でネガティブキーワードを指定したり、MCP 解析を活用するのも非常に効果的です。
「概要」および「AI の応答」レポートのプラットフォームビューでは、すべての AI プラットフォームの横断データを一括で把握できます。デフォルトでは AIO(AI による概要)や AIM(Google AI モード)を含む全プラットフォームの統合データが表示されますが、フィルター設定で特定プラットフォームのみに絞り込むことも可能です。全体傾向を統合ビューでサクッと確認し、深い原因分析は個別プラットフォームで行うと効率的です!
AI 調整済みボリュームは、プロンプトごとの推定月間 AI 検索需要を示す指標です(2026 年 7 月 アップデート)。Google の検索ボリュームを需要のベースにしつつ、主要 AI プラットフォームの推定利用率を掛け合わせることで、公開されていない AI 検索のリアルな需要規模を算出しています。
Google の検索ボリュームは、ユーザーの根底にある情報ニーズを把握する上で最も信頼できるデータ源です。従来型検索と AI 検索で聞き方が異なっても情報ニーズの本質は共通しているため、この指標を活用することでプロンプトごとの需要目安を非常に精度高く把握できます。
カスタムプロンプトは、大規模インデックスでは補いきれない自社固有のプロダクト名や専門的な質問文を ChatGPT や Gemini などの AI 上で継続追跡するための高度な設定機能です。ユーザーの比較検討・課題解決の意思決定フェーズを想定し、「比較」「おすすめ」「方法論」などの軸で自然な質問文を設計することで、自社が露出できていない潜在的なマーケティング機会を網羅的に特定できます。
まずは 10~15 件のプロンプトを登録し、AI シェア・オブ・ボイスなどの数値をモニタリングしながら精度を高めていきましょう!
カテゴリ | 目的 | プロンプト例 |
|---|---|---|
比較 | 競合と横並びで検討されやすい質問 | ・ SEO ツールのおすすめを比較して ・ 〇〇 と □□ どちらがいい? ・ 〇〇 と □□ の違いは? |
方法論 | 課題解決・ノウハウを求める質問 | ・ AI 検索対策の方法を教えて ・ LLMO 対策におすすめのツールは? ・ 〇〇 で最も効果的なツールは? |
プロンプトを作る際、無理に自社名を入れる必要はありません。「おすすめ」「比較」「選び方」など、ユーザーが購買手前で検索しそうな自然なフレーズを混ぜることで、まだ自社が登場していない「お宝キーワード」や競合の独占領域を発見できます。
追跡開始後は、メンション、引用、インプレッション、AI シェア・オブ・ボイスの 4 つの指標を定期チェックしましょう。競合だけが露出している領域が見つかったら、そこが次にとるべきコンテンツ施策のターゲットです!
詳しい使い方は、以下の記事でも分かりやすく解説していますので、併せて参考にしてみてくださいね。
AI 検索における露出と引用率の向上を達成するには、ブランドレーダーから得られた可視性データをもとに課題プロンプトを抽出し、コンテンツ改修と効果検証を繰り返す定性的・定量的アプローチが不可欠です。自社の SOV が 0% の領域やネガティブな言及が見られる箇所を優先的に特定し、比較表や FAQ を取り入れた構造化コンテンツへとリライトすることで、AI による参照・引用頻度を短期間で大幅に改善できます。
フェーズ | 実施内容 | タイミング |
|---|---|---|
① 計測 | 現在の AI 可視性を把握 メンション、引用、AI シェア・オブ・ボイスを確認 | 月初 |
② 課題発見 | 改善すべきプロンプトを特定 AI 回答のセンチメント分析 競合差分分析 | 月初~月中 |
③ 改善 | 内容改善、新規コンテンツ作成 優先テーマに対応する新規記事 既存記事のリライト | 月中~月末 |
④ 再計測 | 効果確認・ブラッシュアップ 改善前後の計測データ比較 次テーマの選定 | 翌月以降 |
「AI の応答」レポートで自社ブランドフィルターを「ブランド名:言及なし、ページ:見つかりません」に設定し、自社の SOV が 0% になっているプロンプトを洗い出します。また、メンションや引用も確認し、自社のみが言及されていないものや特定の競合のみが多く言及されているものなど、課題があるプロンプトを洗い出します。
分析作業には MCP 解析や ChatGPT・Claude による自動化ワークフローを組み合わせると、さらに作業がスムーズに進むのでおすすめです!
課題が特定できたら、優先度の高いプロンプトから対策を実行しましょう。コンテンツのリライトや新規作成の際は、AI が回答としてそのまま抽出しやすい「比較表」や「FAQ(質疑応答)」をしっかり組み込むのがコツです。
施策実行後は 1~2 か月を目安に再計測を行い、メンション数や引用率、センチメントがどう変化したかを確認して次のサイクルへ繋げましょう。
モニタリングの自動化には Letaido(レタイド)の KPI ダッシュボードの併用がとっても便利です!改善前後の SOV や引用数の推移が時系列で自動可視化されるため、施策の成果をひと目で定点観測できます。
Letaido の KPI ダッシュボードの活用方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
ここまで、進化版 Ahrefs ブランドレーダーの基本から具体的な活用ステップまでをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
AI 検索が日常的な情報収集の場として定着した今、「AI に自社ブランドがどう見られているか」を把握することは、これからのマーケティングにおいてとても大切なプロセスになってきています。
「なんだか分析が難しそう…」「何から手を付ければいいかわからない…」と感じてしまうかもしれませんが、難しく捉えなくても大丈夫です!まずは自社にとって大切なキーワードや疑問を、カスタムプロンプトに 10~15 件ほど登録してみることからスタートしてみましょう。
今日から始められるステップをもう一度おさらいしておきますね!
まずは自社と競合の AI 可視性をサクッとチェックして、需要が大きいのに自社の露出がまだ少ないテーマや、競合だけが登場しているプロンプトから優先的に改善していくのがおすすめです。
ブランドレーダーを使って AI からの評価を定期的にチェックすることが、AI 検索時代に読者や顧客から選ばれ続けるための第一歩になります。ぜひ楽しみながら、日々のコンテンツ改善に役立ててみてくださいね!
A:いいえ、ブランドレーダー機能は無料ではご利用いただけません。
Ahrefs のライトプラン以上のご契約、または専用アドオンのご購入が必要です。ただし、簡易的な露出確認ができる「AI 可視性チェックツール」であれば無料で気軽にお試しいただけます。
A:2026 年 9 月現在、ChatGPT や Gemini をはじめとする主要 6 大プラットフォームに対応しています。
具体的には ChatGPT、AI による概要(AIO)、Google AI モード、Gemini、Perplexity、Microsoft Copilot の計測が可能です。また、カスタムプロンプト機能を活用することで Claude などの追跡も可能となっています。
A:データの種類やインデックスの仕様によって更新頻度が異なります。
一般的なウェブ可視性データは数分単位、AI による概要の可視性インデックスは数日~月次で定期更新されます。また、ご自身で設定されたカスタムプロンプトに関しては、登録直後から計測が開始され、日次や週次などご希望の更新スケジュールを選択可能です。
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Ahrefs|プロダクトマーケター 国外企業での日本市場向けマーケティングに 5 年以上携わり、現在は Ahrefs でプロダクトマーケティングを担当。日本のユーザーコミュニティを盛り上げつつ、Ahrefsと市場をつなぐ役割を担っている。