AI 検索でのブランド可視性監査:ブランドプレゼンスを評価するステップバイステップガイド

更新日:November 26, 202515 分で読めます
AI 検索でのブランド可視性監査からは、AI 検索における可視性を体系的に評価する手法が得られます。これにより、検索チームやブランドチームは、Google の AI による概要(AI Overviews)、ChatGPT、Perplexity などのプラットフォームで自社ブランドがどのように表示されているかをより明確に把握できます。

AI 検索でのブランド可視性監査により、AI 検索プラットフォームで自社ブランドがどこで、どれくらいの頻度で、どの程度正確に、どの情報源に基づいて言及されているかを知ることができます。

ここからは、ブランドの AI 応答でのブランドの可視性を確認するためのステップバイステップのプロセスを紹介していきます。

AI 検索でのブランド可視性監査結果からステークホルダー向けのレポートを作成する


AI 検索でのブランド可視性監査レポートテンプレートをダウンロードします。これは、可視性のギャップ、AI の言及、成長機会をステークホルダーと共有するための無料リソースです。
テンプレートに含まれるものは以下です。
  • リーダーシップへの報告用エグゼクティブサマリーフォーマット
  • AI + 検索における可視性のスコアリングテーブル(採点表)
  • ステークホルダーが関心を持ちそうな競合ブランドに関する考察
  • 次のステップを文書化するためのアクションプランとメモ欄
では、これから説明するプロセスに従って、役立つインサイトを記入していきましょう。

1. AI 検索でのブランド可視性監査の範囲を設定する

AI 検索でのブランド可視性をベンチマークする前にまず、何をどこで監査するのかを詳しく設定します。

この範囲設定により、プラットフォームや対象期間を通じてデータがどの程度一貫しているか、また比較可能かが決まります。

ここで、設定する具体的なポイントを挙げましょう。

  • AI プラットフォーム:Google の AI による概要、Gemini、ChatGPT、Perplexity、Claude、Copilotなどなど、監査の対象にするプラットフォーム
  • エンティティ: 分析するすべてのブランドエンティティとサブエンティティをリストアップします。会社、製品、著者、ソートリーダー、役員などがそれに該当するでしょう。
  • 地域と言語: 特にブランドが国際展開されている場合は、ロケーションや言語を設定します。

この情報を事前にリストアップすることで、異なる AI モデルや報告サイクル間で可視性を比較する際のベースラインに一貫性が保てます。

たとえば、主要ブランドの言及のみを追跡する場合と、関連するサブブランドやエンティティもすべて追跡する場合とでは違いがあります。Ahrefs の場合、以下のようなエンティティが考えられます。

対象
メインブランド
Ahrefs
プロダクトブランド
サイトエクスプローラー、ブランドレーダー、AI コンテンツヘルパー
独自機能
Patches、キーワードインテント、AI キーワードトランスレーター
独自指標
ドメインレーティング、トラフィックポテンシャル
個人ブランド
ティム・ソウロ、パトリック・ストックス、ライアン ・ロー、グレン・ オルソップ
サブブランド
Yep、Detailed SEO

対象範囲が設定されると、ベンチマークのための明確な基盤と、将来の監査に繰り返し利用できる体系ができあがります。

2. AI 検索における現在のブランド可視性をベンチマークする

次のステップでは、検索における現在のブランドの可視性を評価します。

以下の方法を使えば、ブランドの検索可視性を手動で、また無料で確認できます。

  • ChatGPT、Perplexity、Google で顧客と同じように質問する。
  • AI の応答にブランドが表示されるか、何が引用されているか、結果がどのように異なるかを比較する。
  • 毎月または四半期ごとに確認して、可視性の変化を追跡する。

ただし、手動では大規模な確認はできず、モデルの更新やパーソナライズされた応答によって簡単に歪められることに注意が必要です。

一貫性のある比較可能なデータを得るには、Ahrefs のブランドレーダーのようなツールを使用すると、複数の AI プラットフォームにわたる可視性を一括して追跡できます。ブランドを入力し、データを確認する対象地域を選択してみましょう。

ブランドの言及数、引用数、インプレッション、AI のシェアオブボイスなどの指標が、さまざまな AI 検索プラットフォームでどのように変化するかを記録しておくとよいでしょう。

各指標の定義は以下を参照してください。

  • 言及数: AI の応答で自社ブランドが言及された回数。
  • 引用数: AI の応答で自社ブランドのウェブサイトが情報源として引用された回数。
  • インプレッション: 自社ブランドを含む応答が検索結果に表示された回数に基づく露出の推定値。
  • AI のシェアオブボイス: 競合ブランドと比較して、AI の応答で自社ブランドが言及された頻度。

また、「検索需要」タブを使えば、自社ブランドが検索されているかどうかをベンチマークすることもできます。

このグラフは、ブランドを検索しようという関心度の推移を示しています。検索ボリュームの増加は、より多くの人が積極的に自社ブランドを探していることを示し、検索クエリ数の増加は、ユーザーが自社ブランドについて幅広い質問をしていること(ブランドレベルのクエリから特定の製品や機能の検索まで)を示しています。

これらの指標を定期的にチェックすれば、ブランドの可視性が時間の経過とともにどのように変化するかを確認でき、最適化への取り組みの結果も報告できるようになるでしょう。

3. ブランド名検索に対する AI の応答の正確性とセンチメントを分析する

ベンチマークを収集したら、さらに深く掘り下げていきます。まず、調査の対象としているプラットフォームで自社ブランドに言及している AI の応答をすべて確認します。

それには、「AI の応答」レポートに移動し、分析を開始するにあたって最も気になる AI インデックスを選択します。

ダッシュボードでは、応答は下の例のように、言及されているとブランドが太字で表示されます。

このようなフィルターを活用すると、分析がさらに簡単になります。

ユースケース
フィルター設定
ブランド検索で AI が自社について語っている内容を確認する
クエリが{自社ブランド名}を含む
AI が自社ブランドについて一般的に語っている内容を確認する
応答が{自社ブランド名}を含む
AI が自社コンテンツを情報源として使っているタイミングを分析する
引用が{自社ドメイン}を含む

フィルターを組み合わせると、もっと深く分析することができます。さらに多くのフィルターの組み合わせや試す価値のあるヒントをまとめたこちらの役立つガイドも活用してください。

応答を検証していくと、AI が自社ブランドを言及するパターンがわかるようになります。

たとえば、自社ブランドが比較検索で頻繁に表示されているのにコンテンツが引用されていないことがあります。これはすなわち、AI プラットフォームが競合ブランドまたは自社ブランドを競合ブランドと比較した第三者の中立的なサイトから自社ブランドに関する情報を入手しているということです。

また、その他次のようなポイントには注意が必要です。

  • 正確性: 応答にあるブランド情報は正確ですか?
  • センチメントとフレーミング: ブランドはポジティブ、ニュートラル、ネガティブのどのニュアンスで表現されていますか?
  • 差別化: ブランドの個性やポジショニングは応答に存在しますか、それとも一般的な情報にすぎませんか?
  • 権威: 他のブランドと比較して、自社ブランドは、最も権威のあるメインの言及として表示されていますか?
  • 行動喚起:自社ブランドは、ユーザーの検索を次のステップに促すお勧めの情報源として応答に提示されていますか?

自社ブランドに関して不正確な情報、古い情報、ネガティブな影響を与えるかもしれない情報に気づいた場合は、クエリ、応答、引用元をリストアップして、誤った情報やブランドの不整合を解消するようにしましょう。

分析したい AI 検索プラットフォームそれぞれにこのプロセスを繰り返します。そうしていくうちに、プラットフォームごとに現れる異なるパターンが見つかることがあります。

4. 非ブランドクエリや関連トピックにおける ブランドの可視性を分析する

ここでは、2 種類の分析を行うことができます。1 つ目は、ブランド検索を実行し、自社ブランドを含まないクエリを除外することです。フィルター設定で、「クエリが {自社ブランド} を含まない」に設定します。

次に、「トピック」レポートを分析して、自社ブランドが一般的に何と関連付けられているかを見ます。そしてここでは、リストアップされている各トピックについて、自社ブランドにも言及している具体的な AI 応答を確認できます。

たとえば、Ahrefs はキーワード調査、被リンク、ウェブサイトのトラフィックなどの SEO トピックと密接に関連しています。多くの場合、AI 応答で自社ブランドが取り上げられていれば、関連付けしようとする主要なトピックがこのリストに表示されます。

また、次のステップに進んで、見逃している可能性のあるトピックを特定することもできます。ここではブランド名で検索するのではなく、関連付けて見つけてもらいたい主要トピックだけを入力します。

確認したいトピックがいくつかある場合は、1 つづつ分析するとよいでしょう。次に、フィルターを使用して、クエリ、応答、引用に自社ブランドが言及されている結果を除外します。

ブランドと関連付けたいサブテーマを見つけるには、もう一度「トピック」レポートを確認します。そして、自社ブランドが以下のような状態になっている、埋めたいギャップを探します。

  • 自社ブランドは言及されていないが競合ブランドが言及されている
  • AI の応答で重要なサブトピックと強く関連付けられていない
  • AI が頻繁に引用するコンテンツ形式(ガイド、ビデオ、レビューなど)が不足している

その後、新しいページを公開するか、既存ページのトピック範囲を改善することで、ウェブサイトのコンテンツギャップを埋めることができます。

これには AI コンテンツヘルパーを利用しましょう。コンテンツを分析し、各ページでカバーすべき重要なトピックを見つけるのに役立ちます。

5. AI の応答で最も引用された自社ページを見つける

最も引用された自社ブランドのページを分析することで、AI システムがどのコンテンツを最も権威あると見なしているかを明らかにでき、AI 検索での可視性を促進するシグナルを理解し、複製し、拡大するのに役立ちます。

AI の応答で引用されている最も人気のあるページを見つける方法は 2 つあります。

1 つ目は、ブランドレーダーのようなツールを使用して、引用されている正確なクエリと応答を得ることです。2 つ目は、Ahrefs のウェブアナリティクスや GA4 のようなツールを使用して、AI からのページレベルのトラフィックを分析することです。

Ahrefs のブランドレーダーで最も引用されたページを確認する

ブランドレーダーにブランド名を入力し、バリエーションを追加するオプションを選択します。

こうすると、ウェブサイトをブランドエンティティの一部として追加できます。

引用に関するデータは、追跡するドメインを追加した場合にのみ表示されます。ダッシュボードに引用データが表示されない場合は、常にこの設定を再確認してください。

次に、ダッシュボードの「引用」タブに移動し、ブランドがさまざまなプラットフォームで獲得した引用数を確認します。

個々に表示される値をクリックすると、引用を含む応答が表示されます。最も引用されたページのリストだけを見たい場合は、「引用されたページ」レポートを確認してください。

自社サイトのページと並んで、自社ブランドが言及されている同じ応答で引用されている他社ブランドのページが表示されることもあります。自社ドメインのみを表示したければ、フィルターを設定します。

すると、最も引用されたページのリストが得られます。リストは、以下のように、ページが情報源として使用された応答数を基に降順に並べられています。

分析データで AI トラフィックを獲得している上位ページをクロスチェックする

2 番目の方法は、ウェブ分析プラットフォームを確認し、AI から最も多くのトラフィックを得ているページを分析することです。

これらのクリックをウェブサイトに誘導している正確なクエリや応答は確認できませんが、どのページが実際にクリックを獲得しているかについては把握できます。ページが AI の応答でよく引用されているからといって、ユーザーがそれをクリックするとは限りません。

このデータを得るには、分析ツールであらかじめ AI トラッキング機能を設定しておく必要があります。Ahrefs のウェブアナリティクスでは、この機能は自動的に設定されます。

AI プラットフォームから最も多く訪問を受けた上位ページのリストを探します。

これらのページをブランドレーダーのページと比較します。それぞれのページについて、そのページが引用されている応答を確認します。

これにより、AI 検索結果から自社サイトへのクリックを最も多く誘導しているクエリと応答がわかります。

異なる AI プラットフォーム(AI による概要、ChatGPT、Perplexityなど)でこの手順を繰り返し、クリック率のパターンを比較してみましょう。

6. ブランドの可視性を高める最上位の言及を見つける

AI におけるブランドの可視性を獲得する上で重要な側面は、社外の人がオンラインで自社ブランドについてどのように語っているかです。完全な監査を実行すれば、自社ブランドが語られているあらゆる場所で、ブランドの言及を分析することができます。

それにより、自社ブランドに関して、AI の応答に含まれる可能性のある言語パターンや知識の全体像がつかめます。

ご自身が代理店の立場である場合や完全な手順を踏む時間がない場合は、オンラインでの言及分析の優先順位をつけるのに役立つ近道です。

では試してみましょう。まず、ブランドレーダーで空検索を実行し、自社ブランドが言及されている AI の応答のみでフィルターします。

次に、「引用されたページ」レポートを見ると、AI が自社ブランドに言及している応答で引用しているすべてのページのリストが表示されます。たとえば、Zapier と Reddit は、Ahrefs に言及している応答で頻繁に引用されています。

応答自体を確認すれば、自社ブランドがどのように言及されたかを知ることができます。

では、これらのウェブサイトで引用されているコンテンツを確認し、自社ブランドが言及されているか、またどのように言及されているかを正確に把握しましょう。

この分析は、次の目的に役立ちます。

  • ウェブでの最上位の言及を特定し、それが AI による自社ブランドの言及方法にどのように影響するかを理解する
  • AI の応答における誤情報を特定し、正確な情報源を突き止める
  • 業界で頻繁に引用されるコンテンツ形式を把握して、同様のコンテンツを投稿する
  • 頻繁に引用され、自社ブランドを好意的に言及することが多いウェブサイトと提携する
  • ユーザーや AI が競合ブランドに対して自社ブランドをどのように位置付けているかを知る

これにより、ウェブでの言及について優先順位付けされたリストが得られます。これは、AI が自社ブランドを説明するのに大きな影響を与えるものです。迅速な可視性向上を目指して最適なものは真似をして、必要なものは更新します。

影響力のある言及が見えたら、埋められるギャップや競合ブランドが見落としているチャンスを拾いあげましょう。

7. 競合ブランドと可視性を比較し、ギャップを埋める

AI 応答の自社ブランドの可視性を競合ブランドと比較してベンチマークするには、自社ブランドを検索し、次のように 1 つ以上の競合ブランドを追加します。

AI による提案機能を使えば、AI 検索における上位の競合ブランドが自動入力されます。

「概要」タブでは、入力した競合ブランドそれぞれに対して AI 応答における可視性を直接比較できます。異なる AI 検索プラットフォームにおける各ブランドの言及数、インプレッション、引用数、AI のシェアオブボイスなどの可視性指標を確認しましょう。

特に確認したいプラットフォームにカーソルを合わせると、次のようなウィンドウがポップアップ表示されます。

そして、以下に説明する表示項目を個別にクリックすると、事前フィルターされた AI の応答レポートのビューに移動します。

  • ブランドのみ:選択したブランドのみが言及されているクエリと AI の応答が表示されます。ブランド固有のクエリと応答を評価するのに最適です。
  • 他社と比較:このレポートには、比較しているすべてのブランドを含むクエリや応答が表示されます。競合ブランドと並んで自社ブランドが言及される可能性のあるトピックを見つけるのに便利です。
  • 他社のみ:比較対象の他社ブランドのみが言及されているクエリが表示されます。自社ブランドは言及されず、競合ブランドだけが言及されているトピックを見つけるのに最適です。

これらのレポートを定期的に確認し、どの競合ブランドが AI 応答における可視性を急速に高めているか把握しましょう。

メイン検索の一部としてトピックを追加すると、競合ブランドが言及されているが、自社ブランドは言及されていない特定のトピックに焦点を当てることもできます。

また、AI のシェアオブボイスの指標に注目すると、そのトピックに関する応答で最も高い可視性シェアを獲得しているブランドを確認できます。

さらに、「引用ドメイン」レポートと「引用されたページ」レポートを確認すると、各ブランドに言及している主要な情報源がわかり、便利です。

自社ブランドよりも競合ブランドへの言及が多いウェブサイトを見つけたら、その中で自社ブランドへの言及を増やす方法を検討しましょう。

ここでは、ステークホルダーにとってどのような競合に関するインサイトが重要かに応じて、数多くの可能性があります。

8. これまでに得た分析結果をブランドの可視性改善戦略に変える

この時点で、AI 検索でブランドの表示のされ方、つまり何がうまくいっているか、どこに表示されていないか、競合ブランドと比較してどうかなど、明確な全体像が把握できているはずです。最後のステップは、そのインサイトから実用的な戦略を打ち出すことです。

調査結果を基に、影響の度合いやかかる労力に応じて、次のステップの優先順位を決めます。

  • 修正:誤情報やブランドについての古い記述を修正する
  • 構築:AI が最も引用するが、自社ブランドに不足しているトピックや形式のコンテンツ範囲を拡大する
  • 影響:AI が引用する権威あるサイトとの関係を強化する

タスクによっては、このアクションを実行するために他のチームと協力する必要があるかもしれません。たとえば、PR チームがある場合、メディアを調査し、社外のコンテンツに記載されている自社ブランドに関する誤情報を修正することができるでしょう。

決定したアクションを実行する前に承認を得る必要がある場合は、ステークホルダー向けにレポートを作成します。

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最後のステップは、監査を定期的に実行することです。時間に余裕があれば、毎月実行することが理想ですが、四半期に一度でも構いません。

AI 検索プラットフォームは急速に変化し、競合ブランドが最大のシェアオブボイスを獲得しようと躍起になっている中で、可視性を頻繁に確認することはかなり効果的です。

お勧めは、ステップ 2 と同じ指標を記録し、AI 応答における可視性の時間的推移を確認できるようにしておくことです。

まとめ

AI 検索でのブランド可視性監査は、AI 検索において自社ブランドが提示される推移を確認できる手段です。これにより、ブランド名が言及されている、またはウェブサイトが情報源として引用されている応答の件数を把握できます。またそれだけではなく、ブランドがどのように表現されているかなどの本来数値化しにくい情報も評価できるのです。

AI 検索での可視性を向上させるには、以下のガイドをチェックするのもお勧めです。