ChatGPT、Claude、Copilot、Gemini、Perplexity、Jasper、Mistral の 7 つの AI チャットボットを使用して、月間訪問者数が 10,000 人を超えるサイト、1,000 人から 9,999 人のサイト、999 人未満のサイトを対象にトラフィックの違いを分析した調査の結果がこちらです。
- 全体的に 63% のサイトが AI トラフィックを確認
- AI トラフィックの 98% は 3 つのチャットボット経由
- ChatGPT は最大のリファラーで、AI トラフィックの 50% を占める
- 平均的なウェブサイトトラフィックの 0.17% は AI チャットボット経由
- 最小規模のウェブサイトは、総トラフィックに占める AI の割合が最も高い
この研究の根拠となるすべてのデータは、Ahrefs のデータ サイエンティスト、シーベイジャ・グアンが集約してくれました。(感謝!)
匿名サイトのサンプル 3,000 件から、全体的なトラフィックデータを分析したところ、サンプル全体のうち、1,900 サイトが AI ソースから少なくとも 1 回の訪問を受けていました。
これは別の見方をすると、調査対象のサイトの 63% に、AI チャットボット経由で少なくとも 1 人の訪問者が訪れていることになります。

正確に元をたどれるデータによると、AI 経由でサイト訪問を受ける確率はおよそ 3 分の 2 です。
このデータは、分析に際して参照元が追跡可能であることを前提としていますが、「直接」引き継がれる AI トラフィックがあることに注意が必要です。
言い換えると、このデータは目に見える AI トラフィック、つまりウェブサイトが受け取る AI 訪問者の最低数しか伝えていないということになるのです。
もちろん、これには他にも多くのことが関係していますが、追跡できるデータから AI の可視性について多くの情報を得ることができます。
AI トラフィックを監視すると、どのソースがユーザーを自分のサイトに送っているか、サイト上のどのページが AI トラフィックを引き寄せているのか、そのトラフィックが時間の経過とともにどのように変化または増加しているのかがわかります。
これを把握できれば、AI 参照ページとパスを最適化し、虚栄のトラフィック(vanity traffic)を誘導するページと実際にエンゲージメントやコンバージョンをもたらすページを区別できるのです。
LLM 最適化に関する記事では、ブランドを AI の回答に組み込むのに役立つテクニックを紹介していますので参考にしてください。
Javascript のスニペットを介してサイトをリンクすると、Ahrefs ウェブアナリティクスで AI からのリファラルトラフィックを確認できます。
完了したら、次の手順に従います。
- 「ダッシュボード」に移動します
- 「プロジェクト」をクリックします
- 「ウェブ解析」タブをクリックします
- 対象のプロジェクトをクリックします
次に、「チャネル」フィルターを追加して、LLM トラフィックの内訳を確認します。
または、「ソース」フィルターを選択し、ChatGPT などの特定の AI リファラルソースに焦点を絞ります。
最も人気のある AI チャットボット 7 つを調査すると、3 つがリードしているのが非常に明確でした。
ChatGPT が AI トラフィックの半分以上を、続いて Perplexity が 3 分の 1 弱を、その後に Gemini が約 18% と続いていました。

Claude、Copilot、Mistral、Jasper といった残りの AI チャットボットは、AI トラフィックの 2% 未満に貢献しているに過ぎませんでした。
Copilot に関しては、オープンウェブに接続され、リアルタイム検索機能を備えていること、そして Gemini や Perplexity をも上回る市場シェアを持っているにもかかわらず、そのリファラルトラフィックの少なさに驚きました。
AI からのトラフィックを獲得したい場合、AI トラフィックの 98% を占める「ビッグ 3」チャットボット、すなわち ChatGPT、Perplexity、Gemini に注目する必要があることは明らかです。
特に ChatGPT は AI リファラルの半分を占めるため特に注目したいところです。
平均月間トラフィックの割合として、サイト閲覧数の 0.12%、訪問者の 0.17% が AI から来ています。

これは、他の多くのマーケティング担当者が初期段階の LLM トラフィック調査などから得ている結果と一致しています。




しかし、アナリティクスでは、同様のあるいはそれ以上の AI トラフィック数が表示される場合があります。
3 つのコホート全体で、上位サイトは総トラフィックの約 6% を AI から得ており、1 つのサイトは 18% も稼いでいることがわかりました。
約 0.17% は無視できるほど小さいように思えるかもしれませんが、実際の数字はこれよりも高い可能性があります。というのも、AI 訪問は「直接」のトラフィックとしてまとめられる可能性があるためです。
このようにレポートに癖があるため、AI トラフィックとコンバージョンの発生源は必ず別の方法で特定すべきです。
方法の 1 つとしては、「当社を知ったきっかけは何ですか?」という質問など定性的な追跡方法を設定し、アナリティクスで見逃される可能性のあるものを把握することです。
たとえば、Ahrefs では登録時に定性的なフィードバックを収集しています。それにより、これまでに ChatGPT から 14,000 人以上の自社から発生した新規ユーザーが確認されています。

ここまででサンプル全体の平均 AI トラフィックを分析したので、個々のコホートをさらに詳しく調べましょう。
予想通り、より多くの訪問数を獲得したサイトは、最も多くの AI トラフィックを獲得したサイトでもありました。

マーケティング担当者や SEO 担当者が AI ツールについて指摘していることの 1 つは、AI ツールは大手ブランドを好む傾向があるということです。
「AI は、プロンプトにブランドが含まれているかどうかに関係なく、ブランド名に言及することを好みます。AI が話さずにはいられないブランドがいくつかあります。つまり、AI の使用が増えるにつれて、一部のブランドはマーケティングで大きく優位に立つことになります。競争が最も少ない今こそ、こうしたブランドの 1 つになるのに最適かつ最も簡単な時期です」
「将来的には、大手ブランドは優れた PR およびマーケティングリソースにより、検索エンジンのランキングや生成 AI の出力において大きな優位性を持つようになる可能性が高いと言えるでしょう」
しかし、Ahrefs のデータによると、月間訪問者数 999 人未満の小規模ブランドの方が、総トラフィックに占める AI トラフィックの割合が実際にはより高いことがわかっています。

AI 最適化は大手企業だけのものではないのです。
小規模なサイトが AI ツールから獲得するトラフィックは最低限のものですが、相対的にトラフィックは多くなります。つまり、AI リファラルにも同じくらい注意を払う必要があるということです。
また、データはコホート間で AI リファラルの参照元構成が異なることも示しています。
訪問数が少ないサイトでは多様性が低くなっています。ChatGPT が大規模なサイトよりも小規模なサイトに多くの AI トラフィックを送信していることに注目してください。

どのサイトでも、AI 最適化の取り組みを ChatGPT に集中させるのは賢明ですが、特に小規模なサイトでは、このソースに特別な注意を払う必要があります。最も多くの AI トラフィックを送信するだけでなく、分析ツールで監視できる可視トラフィックを送信する数少ないチャットボットの 1 つでもあるからです。
先ほど、Copilot の AI 参照トラフィックの少なさに驚いたと言いました。その理由として、Copilot の圧倒的な市場シェアと、ソースを引用できるという事実をあげました。
しかし、私が一番驚いたのは、Copilot がこれまで大量の参照トラフィックを送信してきたことを知っていたからです。
たとえば昨年、Ahrefs は Copilot からかなりの量のトラフィックを受け取っていました。実際、Copilot はAhrefsの AI 参照元の上位 2 位でした。

しかし、Copilot からのトラフィックは 2024 年第 4 四半期頃から減少し始めました。そしてこの減少は当社に限ったことではありませんでした。他社の分析インスタンスでも同じ傾向が確認されています。

10 月頃から、Copilot がリファラー情報を隠している可能性があるのです。
元のソースである copilot.microsoft.com.
から Copilot トラフィックが来ていないように見えるため、Ahrefs ウェブアナリティクスで Copilot トラフィックがどのように報告されているかを調べるために、ちょっとしたテストをしました。
Copilot チャットボットから、Ahrefs サイト上のあまり知られていないページ(テスト当日にトラフィックがなかったページ)に移動できるプロンプトを作成しました。

その後すぐに、Ahrefs でトラフィック レポートを確認しました。
これができたのは、Ahrefs ウェブアナリティクスがリアルタイムデータを追跡してくれるからです。それで、イベント発生から 1 分以内という速さでウェブサイト訪問者を確認できました。
訪問元は「直接」と表示されました(以下を参照してください)。

同じテストを数回繰り返すと、すべてのケースで訪問は「直接」と登録されていました。
パトリック・ストックスによると、これはリファラー情報を渡さないウェブサイトから予想していた結果と一致しています。
「ウェブサイトは、送信する情報を制御できます。フルパスを送信することも、オリジンのみを送信することも、何も送信しないことも、すべてウェブサイト次第です。私たちは、報告するように指示されたリファラーをすべて報告します。リファラーが送信されない場合は、「直接」のカテゴリに分類されるのです」
パトリックはまた、これは Copilot の戦略的な動きではなく、むしろミスである可能性があると指摘しています。
「時には間違いもあります。モバイルの Google アプリがリファラーを削除してしまったこともありました」
Mistral と Jasper でも同様にチェックしたところ、その AI 参照トラフィックも「直接」として表示されることがわかりました。
これは、AI トラフィックが大幅に過小評価されている可能性が高いことを意味します。
AI トラフィックが過小評価されているなら、AI コンバージョンも過小評価されていると確信できます。特に、コンバージョンを記録するユーザーが必ずしも AI からクリックスルーするわけではないためです。

AI ツールは、ブランド認知度を高めるときに真価を発揮します。AI からユーザーを送ることは可能ですが、それがきちんとパッケージ化されたプロセスとして常に発生するわけではありません。
キャンペーンに期待される結果を求めたり、クライアントや関係者に結果を報告したりしている場合は、AI トラフィックやコンバージョンを追跡する際の制限を知ることが重要です。
まとめ
いかがでしたか?ぜひこの調査のデータを活用して、みなさんもサイトの AI トラフィックをベンチマークし、期待値を管理してみてください。
現時点では大量の AI 訪問を期待すべきではありませんが、AI トラフィックは分析で表示されるよりも大きい可能性があります。
そのことを念頭に置いて、「直接(ダイレクト)」トラフィックに注目しましょう。Copilot などのプラットフォームがリファラー情報を隠している場合、興味深いものがそこに潜んでいる可能性があります。
たとえば、個々のページの直接トラフィックの急増に注意してください。追跡できない AI ソースがそのコンテンツを参照していることを示す兆候かもしれません。
大規模なサイトは AI からのトラフィックが多くなることがわかっていますが、サイトが小規模な場合は、AI 参照が総トラフィックに大きな割合を占めることになります。
最も引用されているコンテンツを見つけて最適化し、それをさらに作成してから、ChatGPT からの増分に焦点を当ててください。
AI トラフィックの調査については引き続きブログでお知らせしていきますので、お楽しみに!