AI 可視性を任せられるツール:ブランドレーダーの初期設定から継続的な監視まで、一気通貫のワークフロー

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マテウシュ・ マコシェヴィチ 作成

Ahrefs の SEO & Marketing Educator

October 7, 202638 分で読めます

AI における可視性(AI visibility)は、一つの問題ではありません。遠くから見ると似ているだけで、実際にはまったく異なる複数の問題の集合体です。

ブランドが重要な会話から欠落している、競合に推薦枠を奪われている、間違ったトピックと関連づけられている、古い情報で紹介されているといったケースがあります。そもそも、AI アシスタントがコンテンツにアクセスできていない場合もあります。

これらの問題にはそれぞれ異なる対処法が必要です。「AI での可視性をどう改善すればいいか?」と漠然と問うのではなく、もっと的確な問いから始めましょう。

「自社が実際に抱えている可視性の問題は、どのタイプなのか?」

この問いに答えるには、AI の回答に表れるパターンを探ることが有効です。自社ブランドがどこで言及されているか、競合がどこで優位に立っているか、AI が自社を何と関連づけているか、その情報は正確か、そしてどの情報源が回答に影響を与えているかなどを調べます。

実際に何がうまくいっていないかが分かれば、何を修正すべきか判断できます。

本ガイドでは、AI 可視性の問題を診断するために筆者が使っているワークフローを紹介します。可視性のトラッキングには Ahrefs ブランドレーダーを、カスタムダッシュボードの構築には Letaido を使用します。ほかの AI 可視性ツールでも同じプロセスを適用できます。

ブランドレーダーのエンティティドロップダウンで「stripe」と入力した際に、ストライプ柄のシャツなど無関係なエンティティがハイライトされている画面
ブランドレーダーのエンティティドロップダウンで「stripe」と入力した際に、ストライプ柄のシャツなど無関係なエンティティがハイライトされている画面

1. 自社ブランドと競合のトラッキングを設定する

ブランドレーダーには、AI の回答を取得する 2 つのソースがあります。

  • AI インデックス:実際の検索に基づく 4 億件以上のプロンプトがすでに収録されており、設定不要で任意のブランドがどこに表示されるかを確認できます。
  • カスタムプロンプト:自分で選んだ質問をブランドレーダーがスケジュールに沿ってチェックします。

本ガイドのセットアップでは、主にカスタムプロンプトを使います。インデックスは、新しいプロンプトのアイデアを発掘したり、これまで把握していなかった引用ページを発見したりするために活用します。

まずはブランドレーダーで新しいレポートを作成し、自社ブランドと比較したい主要な競合を追加しましょう。

ブランド名が一般的な単語や別の意味を持つ場合(Square、Stripe、Asana など)は、名前の単純一致ではなく、ブランドレーダーのエンティティ認識を使いましょう。単純一致だと誤検出(false positive)が大量に発生します。これはどのトラッキングツールでもよくある課題です。

名前を入力すると、ブランドレーダーはそのブランドに関連する既知のエンティティを表示します。ブランド名を含むエンティティをすべて選択するのは避けてください。無関係な企業や製品のエンティティが含まれている場合があります。

ブランドレーダーのセットアップ画面で Stripe のエンティティとドメインが設定され、競合として Square と PayPal が選択されている状態
ブランドレーダーのセットアップ画面で Stripe のエンティティとドメインが設定され、競合として Square と PayPal が選択されている状態

リストを数分かけて確認し、そのブランドに属するエンティティだけを選択しましょう。少し手間はかかりますが、複雑な包含・除外フィルタを組み合わせて互いに打ち消し合ってしまう事態を招くより、はるかに簡単です。

具体例を見てみましょう。

このセットアップでは、Stripe は企業名でもあり製品名でもあります。さらに複数の Stripe 製品にブランド名が含まれているため、関連するエンティティを個別に追加しました。一部の用語は十分にユニークなので、より広い一致を使用できます。たとえば「Stripe Terminal」を含むものはすべて対象にしています。ブランドレーダーでは、こうした広範なテキスト一致を引用符で囲んで表示します。ただし、「Stripe Connector by QuickBooks」のように名前が似ているだけの無関係な製品には注意が必要です。

一方、PayPal は十分にユニークな名前なので、名前の単純一致だけでも比較的安全です。後から誤検出が見つかった場合は、ブランドレーダーで除外設定できます。

ブランドレーダーの AI 回答フィルタで「stripe connector by」を含むプロンプトを除外し、PayPal、Square、Stripe をトラッキングしている画面
ブランドレーダーの AI 回答フィルタで「stripe connector by」を含むプロンプトを除外し、PayPal、Square、Stripe をトラッキングしている画面

次のステップに進む前に、この設定を丁寧に仕上げておきましょう。ここを怠ると、以降の分析すべてがノイズの多いデータの上に構築されてしまいます。

レポートは 1 つのブランドにつき 1 つ作成するのがポイントです。たとえば Ahrefs は企業として複数のブランドを展開しており、それぞれに個別のレポートが必要です。Ahrefs、Evolve、Letaido、Yep のように分けて管理しましょう。

2. ビジネスに関連するプロンプトを選び、タグで整理する

ブランドの設定が完了したら、次は AI の回答から何を知りたいのかを明確にしましょう。

ここが落とし穴になりやすいポイントです。

なんとなく関係ありそうなプロンプトを何百個もトラッカーに放り込み、全体の可視性スコアが上下するのを眺めることもできます。しかし、その数字だけでは何が変わったのか、次に何をすべきなのかはわかりません。

そうではなく、まずトラッキングで答えを出したいビジネス上の問いから始めましょう。

たとえば次のような問いです。

  • AI が自社と競合を直接比較したとき、自社は選ばれているか?
  • 「このカテゴリで最良のツールは?」と聞かれたとき、自社は推薦されているか?
  • 自社が重視するユースケースと関連づけて認識されているか?
  • AI は自社の料金や機能を正確に説明しているか?
  • 自社に関するネガティブな情報を AI が繰り返していないか?
  • 今後参入したいカテゴリで可視性は高まっているか?

答えを出したい問いごとにプロンプトをグループ化する

すべてのプロンプトをひとまとめにしてはいけません。

プロンプトごとに、どのビジネス上の問いに対応するかを示すタグを付けましょう。たとえば「ahrefs vs semrush」と「ahrefs or moz」には、どちらも「比較」タグを付けます。こうすれば、あとからタグ単位で可視性を確認できます。

プロンプト一覧画面で 4 つのプロンプトを選択し、新しい「aeo tools」タグを付けている様子
プロンプト一覧画面で 4 つのプロンプトを選択し、新しい「aeo tools」タグを付けている様子

具体的なイメージとして、主要カテゴリ別に見た Ahrefs のメンション率を示します。

さらに、特定のニッチ分野での可視性は次のとおりです。

Ahrefs ではプロンプトをどのように整理しているか、全体像をまとめた表がこちらです。

ポイントは、これらのグループを分けたまま管理することです。

ブランド全体では好調に見えても、重要なユースケースではほぼ存在感がないケースがあります。すべてのプロンプトを混ぜてしまうと、そうしたギャップが平均値の中に埋もれてしまいます。

たとえば、SEO ツールとしてはすでに高い可視性を持っていても、ボットアナリティクスや AI における可視性ではほとんど認知されていないかもしれません。カテゴリごとに分けてトラッキングすれば、実際にどこで優位に立っているのか、どこで後れを取っているのかがはるかに明確になります。

「全体の AI 可視性は伸びているか?」ではなく、「自社が重視する特定のカテゴリで可視性は高まっているか?」と問いかけましょう。

[recommendation title="タグ付きプロンプトの一括インポート"]

Ask Ahrefs や Letaido を使えば、タグ付きのプロンプトを一括でインポートできます。

Ask Ahrefs のチャット画面で、ブランドレーダーのカスタムプロンプトを意図別のタグに整理するよう依頼している様子
Ask Ahrefs のチャット画面で、ブランドレーダーのカスタムプロンプトを意図別のタグに整理するよう依頼している様子

トラッキング対象のプロンプトを見つける方法

プロンプトをすべて自分で考える必要はありません。アイデアの情報源はたくさんあります。

  • ブランドレーダーの AI インデックス: Ahrefs の中でも特に気に入っている機能の一つです。4 億件以上のプロンプトが収録されており、任意のブランドが AI の回答にどこで登場しているかをすばやく確認できます。自社ビジネスにとって重要なプロンプトを見つけたら、カスタムトラッキングに追加して毎日データを取得しましょう(AI インデックスは頻繁に更新されますが、毎日とは限りません)。
  • 自社のオーガニックキーワード: すでに Google で上位表示されているキーワードを確認しましょう。SEO で成果が出ているものを AEO 戦略に転用する出発点として有用です。
  • 競合のオーガニックキーワードと有料キーワード: 競合がランクインしている検索語や出稿しているキーワードを調べましょう。AEO 戦略に追加すべきトピックや質問が見つかることがあります。
  • 営業チームやサポートチームに寄せられる顧客の質問: これは特に価値の高い情報源です。実際の顧客から直接寄せられた質問であり、同じ疑問を AI アシスタントにも投げかける可能性が高いからです。
  • Reddit、Quora、フォーラム、その他のコミュニティ: ユーザーが実際にどのように自分の課題を語り、どんな質問をし、どんな言葉で自社のようなサービスを探しているかがわかる貴重な情報源です。
  • キーワードリサーチ: Google で検索されている内容は、AI アシスタントに尋ねられる質問のヒントにもなります。検索ボリュームなどの SEO 指標を活用すれば、どのトピックがより注目されているかも把握できます。
  • 自社製品と同カテゴリの製品を取り上げているウェブページ: レビュー、比較記事、ランキング、「おすすめ○選」といったコンテンツから、カテゴリ調査時によく出てくる質問やトピックを把握できます。
  • AI によるブレインストーミング: AI アシスタントに、自社の製品やカテゴリ、競合、解決する課題について、ユーザーがどんな質問をしそうか提案してもらいましょう。思いつかなかったプロンプトを手早く発見できます。

同じ業界の記事タイトルは、ユーザーがどんな疑問を持っているかのヒントになります。まずは候補として拾い上げ、AI インデックスやキーワードエクスプローラーで実際に検索されているか確認しましょう。たとえば「AI 可視化ツールの選び方:初心者ガイド」という記事を見つけたら、「AI 可視化ツールの選び方」というより広い質問をトラッキングする価値がありそうだとわかります。

顧客との会話は、さらに優れた情報源になることがあります。ユーザーがマーケティング用語に変換する前の、生の言葉で課題を表現しているからです。

カスタマーサポートのプラットフォームに MCP (モデルコンテキストプロトコル)など AI で会話を検索できる仕組みがある場合は、繰り返し出てくる質問や表現を見つけるために活用しましょう。以下は、Letaido が Intercom MCP を通じて抽出した例です。

ファネル上部・中部のテストプロンプトと、Intercom の顧客会話から得たエビデンスを並べた表
ファネル上部・中部のテストプロンプトと、Intercom の顧客会話から得たエビデンスを並べた表

プロンプトは短く、焦点を絞る

一般的なルールとして、長く作り込んだ質問よりも、明確なトピックを中心に据えた短いプロンプトをおすすめします。

たとえば次のように書きます。

best ai visibility tools

次のような長い形式は避けましょう。

What are the best AI visibility tools for a mid-sized SaaS company that wants to track its brand across ChatGPT and other AI assistants?

目安は 6 語前後です。実際の顧客ニーズ、課題、ユースケース、市場ニッチを表現できる最小限の長さに抑えましょう。

AI アシスタントとのあらゆる会話を再現しようとする必要はありません。目的は、ブランドの可視性がどう変化しているかを観測するための安定したプローブ(探針)セットを構築することです。

トラッキング開始直後は高頻度でデータを収集し、ベースラインを確立する

プロンプトセットの準備ができたら、最初の回答を見てすぐに改善施策に着手したくなる気持ちを抑えましょう。

AI の回答は完全に一貫しているわけではありません。同じ質問を 2 回聞くだけで、推薦されるブランド、順位、引用元が変わることがあります。つまり、1 回のスキャンだけでは可視性が実際より大幅に良く見えたり、悪く見えたりする可能性があるのです。

だからこそ、まずベースラインが必要です。

最も重要なプロンプトを少なくとも 1 週間、毎日トラッキングしましょう。週次でも構いませんが、「通常の状態」を把握するのに十分なデータを集めるまでに時間がかかります。

ブランドレーダーのレポート設定画面で、ChatGPT、AI Overview、Gemini などの AI プラットフォーム向けにトラッキング頻度を毎日に設定している様子
ブランドレーダーのレポート設定画面で、ChatGPT、AI Overview、Gemini などの AI プラットフォーム向けにトラッキング頻度を毎日に設定している様子

通常のパターンが見えてきたら、プロンプトごとにトラッキング頻度を調整できます。

  • 重要なプロンプトや変動の多いプロンプトは毎日トラッキングを継続します。
  • 安定しているプロンプトは週次トラッキングに切り替えます。
  • 優先度の低いプロンプトは月次トラッキングに移行します。

ウェブアナリティクスとボットアナリティクスも設定して補足データを収集する

これらのツールは、AI アシスタントの回答内容だけではわからない追加の証拠を提供してくれます。

Ahrefs ウェブアナリティクスの概要画面で AI 検索チャネルにフィルターを適用し、30 日間のビューとユニーク訪問者数を表示している様子
Ahrefs ウェブアナリティクスの概要画面で AI 検索チャネルにフィルターを適用し、30 日間のビューとユニーク訪問者数を表示している様子

ボットアナリティクスでは、AI クローラーがサイトを訪問したタイミングを確認できます。設定方法も同様で、無料で利用できます。

Ahrefs ボットアナリティクスの概要画面で AI ボットにフィルターを適用し、ボット別の訪問数推移とトラフィックスパイクを表示している様子
Ahrefs ボットアナリティクスの概要画面で AI ボットにフィルターを適用し、ボット別の訪問数推移とトラフィックスパイクを表示している様子

このデータは後のステップで活用します。

今の段階では、結論を出す前に十分な情報を収集することが最優先です。

ベースラインが確立できたら、いよいよ核心の問いに進みましょう。AI における可視性のどの部分に改善が必要なのかを診断するステップです。

3. AI における可視性が弱い領域を特定する

ここで、プロンプトをタグで整理しておいた効果が発揮されます。結果を分析する方法は大きく 2 つあります。タグごとに個別に見る方法と、すべてのタグを横断して俯瞰する方法です。

プロンプトタグを個別に確認する

ユーザーが何を質問しているかによって、ブランドの可視性は大きく変わります。

たとえば Ahrefs の場合、「おすすめの SEO ツール」「SEO ソフトウェア トップ」のような幅広いプロンプトでは高い可視性を示しますが、「ローカル SEO ツール」や「Google ビジネスプロフィール 管理ツール」のように絞り込んだカテゴリでは可視性が低くなります。まさに Ahrefs が直面しているケースです。

全体の可視性スコアだけを見ていると、得意なカテゴリの好成績が他の弱点を覆い隠してしまいます。

タグを使えば、そうしたギャップを見つけられます。具体的には次のような点を確認できます。

  • 最も強いカテゴリ、最も弱いカテゴリはどこか?
  • どの競合に負けるケースが多いか?
  • AI の回答でブランドは上位に推薦されているか、それとも単に言及されているだけか?
  • AI がブランドに結びつけている機能はどれか?
  • AI がブランドについて不正確な説明をしている箇所はあるか?
  • 繰り返し表示されるネガティブな主張はないか?

プロンプトにタグを付けておくと、「AI での可視性が弱い」という漠然とした問題を、具体的に対処・報告できる課題に変換できます。

たとえば次のような形です。

  • 比較系のプロンプトでは言及されるが、最初に推薦されるのはたいてい競合ブランドである。
  • 言及率自体は問題ないが、AI が古い料金情報を表示し続けている。
  • SEO ツール全般では可視性があるが、ローカル SEO の領域ではほぼ存在感がない。

最後のシナリオが、タグを活用したブランドレーダーのレポート上でどのように見えるか確認してみましょう。

ブランドレーダーの概要画面を q2-category タグでフィルタリングした結果。Ahrefs が Semrush、SE Ranking、Moz を言及数で上回っている
ブランドレーダーの概要画面を q2-category タグでフィルタリングした結果。Ahrefs が Semrush、SE Ranking、Moz を言及数で上回っている
ブランドレーダーの概要画面を q3-local-seo タグでフィルタリングした結果。Semrush と Moz が Ahrefs を言及数で大きくリードしている
ブランドレーダーの概要画面を q3-local-seo タグでフィルタリングした結果。Semrush と Moz が Ahrefs を言及数で大きくリードしている

問題の種類が違えば、取るべきアクションも異なります。

すべてのプロンプトグループを横断して大きなパターンを見つける

個別のタグを分析したら、次は視野を広げましょう。

プロンプト全体を俯瞰することで、カテゴリ単位では見えなかったパターンが浮かび上がります。

これは特に外部サイトへのアプローチを検討する際に役立ちます。

たとえば、あるサードパーティのページが以下のすべてのプロンプトグループでソースとして引用されているとします。

  • SEO ツールの推薦
  • キーワード調査
  • 競合比較
  • AI 可視性

一方、別のページはニッチなクエリ 1 件でしか引用されていません。

前者のページのほうが、AI における全体的な可視性にはるかに大きな影響を与えている可能性が高いと言えます。

だからといって、すぐにそのサイトの運営者に連絡を取るべきとは限りません。ただし、そのページは詳しく調べる価値があるということです。

同じ原則は自社ページにも当てはまります。

自社のあるページが、複数の重要なプロンプトグループにまたがって繰り返し引用されている場合、1 回だけ引用されたページよりも、AI 可視性への貢献度がはるかに高い可能性があります。

この情報は、どのコンテンツを優先的に更新・保護・拡充すべきかの判断に役立ちます。

具体例を見てみましょう。自社の可視性に最も影響を与えているサードパーティページを確認するには、タグフィルターを「空でない」に設定してすべてのタグを対象にし、「Other」タブを開いて自社ページと競合ページを除外します。

ブランドレーダーの引用ページレポート。空でないタグでフィルタリングし Other タブを表示。Zapier や Reddit のページが確認できる
ブランドレーダーの引用ページレポート。空でないタグでフィルタリングし Other タブを表示。Zapier や Reddit のページが確認できる

4. AI の回答を形づくるソースに働きかける

AI における可視性が弱いポイントを特定できたら、次に考えるべきは「どう対処するか」です。

ほとんどの場合、出発点は AI がすでに参照しているソースにあります。

AI アシスタントは、ブランドに対する評価を独自に形成しているわけではありません。ブログ記事、レビュー、比較記事、製品ドキュメント、コミュニティでの議論など、ウェブ上のさまざまなソースに依存しています。

サードパーティによる言及は、AI がブランドを推奨するかどうか、またどのように説明するかに大きく影響します。Ahrefs の AEO ツールカテゴリーにおける AI 可視性も、Ahrefs に言及するサードパーティページの増加に伴って向上しました。

Ahrefs の AI 言及数と Ahrefs に言及する引用ページ数の増加が連動していることを示す折れ線グラフ(相関係数 0.98)
Ahrefs の AI 言及数と Ahrefs に言及する引用ページ数の増加が連動していることを示す折れ線グラフ(相関係数 0.98)

つまり、AI がブランドについて語る内容を変えたいなら、その回答を形成しているソースを理解する必要があります。

可視性に影響を与える可能性が高いページを優先する

AI が引用するすべてのウェブサイトに連絡を取る必要はありません。

そんなことをすれば膨大な作業量になるうえ、大半は効果が薄いでしょう。代わりに、AI における可視性と検索全体のプレゼンスの両方に影響を与える可能性が高いソースに集中しましょう。

特定のタグごとの詳細ビューでも、全タグを横断した俯瞰ビューでも優先順位をつけられます。判断に役立つシグナルは以下のとおりです。

  • 引用頻度が高い: AI システムがターゲットプロンプトに対して同じページやドメインを繰り返し引用している場合、それは影響力のあるソースとして注力する価値があります。
  • 重要なプロンプトとの関連性が高い: 価値の高い質問で引用されるソースを優先しましょう。CRM 企業であれば、「中小企業向けのおすすめ CRM ソフト」のほうが「CRM とは?」のような広い質問よりも重要です。
  • 時間をまたいで一貫して引用される: 1 回だけの引用は偶然かもしれません。繰り返しのチェックで何度も登場するソースは、信頼性の高いターゲットと言えます。
  • オーガニックトラフィックが多い: 多くの訪問者を集めているページは、従来の検索と AI 可視性の両方で有利です。そのようなページでの言及や被リンクは、より大きな価値を持ちます。
  • ドメインレーティング(DR)が高い: DR の高いウェブサイトは権威性、被リンク、検索での可視性が高い傾向にあります。それだけで AI の回答に影響力があるとは限りませんが、ターゲットプロンプトで頻繁に引用されているなら、アプローチ先として特に価値があります。
  • ブランドへの言及: そのページがブランドに言及しているか、実際にどう書いているかを確認しましょう。フッターのリンクは言及としてカウントされるかもしれませんが、影響力はほとんどないでしょう。

ブランドレーダーの「Citations」レポートでは、以下の場所で確認できます。

ブランドレーダーの引用ページレポート。引用トレンドグラフと、引用頻度・トラフィック・権威性のカラムが注釈付きで表示されている
ブランドレーダーの引用ページレポート。引用トレンドグラフと、引用頻度・トラフィック・権威性のカラムが注釈付きで表示されている

[recommendation title="ページ上のブランドギャップと AI 回答のブランドギャップの違い"]

ブランドレーダーでは、2 種類のブランドギャップを確認できます。ページギャップとアンサーギャップです。

ブランドレーダーの引用ページレポート。ブランドフィルターのドロップダウンと、アンサーギャップ・ページギャップの注釈が表示されている
ブランドレーダーの引用ページレポート。ブランドフィルターのドロップダウンと、アンサーギャップ・ページギャップの注釈が表示されている

通常、言及ギャップの分析にはアンサーギャップフィルターを使います。

ただし注意点があります。引用ページにはブランドが記載されているのに、AI の回答ではブランドが言及されないケースがあります。逆のパターンもあり得ます。回答ではブランド名が出ているのに、引用元には記載がないというケースです。

したがって、実際の引用ギャップがどこにあるかを正確に把握するには、アンサーギャップだけでなくページギャップも確認する必要があります。

自社サイトからの AI 引用については、さらに 2 つの指標を活用できます。これらは Ahrefs の Bot Analytics とウェブアナリティクスをセットアップすることで確認可能です(これらのツールを設定していない場合、ブランドレーダーには表示されません)。

  • AI 検索トラフィック: 選択したプラットフォームからの人間による訪問数です。
  • ボットトラフィック: 選択したチャットボットのユーザーエージェント(例:ChatGPT-User)による訪問数です。

人間の訪問数とボットの訪問数がともに多いほど、そのページの重要度は高く、優先的に対処すべきです。

ブランドレーダーの「Citations」レポートでは、以下の場所で確認できます。

ブランドレーダーの引用ページレポート。Bot visits と Visits カラムがハイライトされ、引用トレンドチャートが横に表示されている
ブランドレーダーの引用ページレポート。Bot visits と Visits カラムがハイライトされ、引用トレンドチャートが横に表示されている

可視性の問題ごとに適切なアクションを選ぶ

AEO の施策は大きく 9 つに分類できます。AI 可視性の改善が「新しいコンテンツの作成」「自社コンテンツの修正」「サードパーティコンテンツへの働きかけ」のいずれに該当するかを判断するためのフレームワークです。

ここが AEO の中で最も労力のかかるパートであり、AI による自動化が最も難しい部分でもあります。複雑で二者択一では割り切れない判断を伴うため、完全な自動化は不可能だと考えています。

これをより視覚的に表すと、以下のようになります。

引用ページから 9 つの AEO 施策(P1~P9)への対応を示すディシジョンツリーのフローチャート
引用ページから 9 つの AEO 施策(P1~P9)への対応を示すディシジョンツリーのフローチャート

実例:Ahrefs が AI 可視性ギャップにどう対処したか

ブランド名を含む検索で、競合との比較において Ahrefs のポジションにギャップがあることに気づきました。そこで、ahrefs.com 以外の自社管理メディア(Medium のパブリケーションや複数の独立ブログなど)を活用し、その比較の文脈を形成する取り組みを行いました。以下は、Claude が Ahrefs のコンテンツを回答内で引用した例です。

ブランドレーダーで表示された「scrunch vs ahrefs」に対する Claude の回答。2 つのブログソースがハイライトされている
ブランドレーダーで表示された「scrunch vs ahrefs」に対する Claude の回答。2 つのブログソースがハイライトされている

もう一つの例です。最近、AI の回答に含まれる事実誤認を修正する取り組みを行いました。20 以上のパブリッシャーに連絡し、古くなった数値や事実の更新を依頼しました。記事全体の論調を変えてほしいのではなく、事実の修正だけをお願いしました。数社が修正に応じてくれ、それらの更新はやがて AI の回答にも反映されました。

修正前後のページ比較。エージェント A がレタイドに名称変更され、ブランドレーダーの AI 料金が月額 50 ドルに修正されている
修正前後のページ比較。エージェント A がレタイドに名称変更され、ブランドレーダーの AI 料金が月額 50 ドルに修正されている
引用ページの修正を依頼するアウトリーチメッセージの画像
引用ページの修正を依頼するアウトリーチメッセージの画像
「what does ahrefs api cost」に対する Claude の回答。不正確な API 料金がハイライトされ、4 つの引用ページが表示されている
「what does ahrefs api cost」に対する Claude の回答。不正確な API 料金がハイライトされ、4 つの引用ページが表示されている
ブランドレーダーで表示された「what does ahrefs api cost」に対する Claude の回答。料金がハイライトされ、3 つの引用ページが表示されている
ブランドレーダーで表示された「what does ahrefs api cost」に対する Claude の回答。料金がハイライトされ、3 つの引用ページが表示されている

この過程で、自社コンテンツにもいくつかの事実誤認が見つかり、あわせて修正しました。

ランディングページの更新を依頼する Slack メッセージ。

また、この一連の取り組みの中で、Letaido 上にファクトチェックアプリを構築しました。このアプリは任意のブランドレーダーレポートに接続でき、AI が生成した回答に事実誤認がないかを自動チェックします。さらに一歩進んで、引用ページ自体に追加の誤りが含まれていないかも確認します。また、AI エージェント(または手動)で利用できるアウトリーチレポートも作成してくれるため、コンテンツ制作者への修正依頼が格段に楽になります。Ahrefs API のクォータを消費しないので、ぜひ試してみてください。

アウトリーチが常に最善の選択肢とは限らない

確立されたカテゴリーでは、同じ質問にすでに数十、数百もの強力なページが回答している場合があります。

こうした状況では、新しい記事を公開して既存のすべてを押しのけるよりも、影響力のある既存ページに掲載してもらうほうが現実的かもしれません。

しかし、新しいカテゴリーや規模の小さなカテゴリーでは、逆のことが起こり得ます。

重要な質問に答える有用なページがほとんど存在しない場合、既存のパブリッシャーに内容の変更を依頼するよりも、質の高い新しいソースを自ら作成するほうが簡単なこともあります。以下は、ニッチな分野(スタートアップ向け AI 可視性ツール)でターゲットを絞ったページを作成し、AI Overview (および SERP (検索結果ページ))に影響を与えることに成功した企業の例です。

Google AI Overview にスタートアップ向け AI 可視性ツールのトップリストが表示され、SaaS スタートアップ向けの Dageno AI ページが引用されている
Google AI Overview にスタートアップ向け AI 可視性ツールのトップリストが表示され、SaaS スタートアップ向けの Dageno AI ページが引用されている

裏目に出るショートカットは避ける

注意すべき安易なショートカットが 2 つあります。スパム的な自社プロモーション型ランキングと、レビューなしで大量に生成した AI コンテンツです。

よくある手法の一つが、「おすすめ〇〇ツール」のようなリスト記事を公開し、自社製品を都合よく 1 位に配置するやり方です。

AI のレコメンデーションに影響を与える簡単な方法に見えるかもしれませんが、偏ったランキングは読者にも AI システムにも見抜かれやすく、逆効果になることがあります。

Ahrefs が実施した AI SEO の実験では、このようなアプローチがかえって競合のレコメンデーションを強化してしまう可能性があることがわかりました。

積み上げ棒グラフ。カンファレンスページを引用した回答の 57% でブランドが言及されたのに対し、ツールページを引用した回答では 89% でブランドが言及された
積み上げ棒グラフ。カンファレンスページを引用した回答の 57% でブランドが言及されたのに対し、ツールページを引用した回答では 89% でブランドが言及された

もう一つのショートカットは、AI で大量の記事を生成し、そのうちいくつかがソースとして採用されることを期待するやり方です。しかし実際には、コンテンツの量を増やすだけで AI の回答への影響力が自動的に高まるわけではありません。

6. 技術的な問題が AI における可視性を制限していないか確認する

AI における可視性の問題は、コンテンツや PR だけが原因とは限りません。AI システムがページに正しくアクセスできていないケースもあります。そのような場合に役立つのが、Bot Analytics とウェブアナリティクスです。

重要な AI ボットがブロックされていないか確認する

Bot Analytics を開き、「AI bots」ボタンを使って AI クローラーでフィルタリングします。

Ahrefs Bot Analytics の概要画面。訪問数の推移チャートの上にある AI bots フィルターボタンを矢印で示している
Ahrefs Bot Analytics の概要画面。訪問数の推移チャートの上にある AI bots フィルターボタンを矢印で示している

注目すべきボットは、たとえば以下のようなものです。

  • GPTBot
  • PerplexityBot
  • ClaudeBot

いずれかのボットからのリクエストがまったく記録されていない場合は、原因を調べましょう。

確認すべき項目は以下のとおりです。

  • robots.txt
  • CDN のルール
  • ファイアウォールのルール
  • ボット保護の設定
  • サーバー構成

悪意あるボットをブロックする設定が、有用な AI クローラーまで誤ってブロックしている可能性があります。

すべて問題ないようであれば、コンテンツが薄いためにボットがそもそもページに到達していない可能性も考えられます。以下はそのようなサイトの例です(なりすましボットしか表示されず、本物の Claude ボットが存在しない点に注目してください)。

Ahrefs Bot Analytics のボットフィルターで「claude」と検索した画面。なりすましの Claude ボットのみが表示され、本物のクローラーは存在しない
Ahrefs Bot Analytics のボットフィルターで「claude」と検索した画面。なりすましの Claude ボットのみが表示され、本物のクローラーは存在しない

AI ボットや AI 検索経由の訪問者がアクセスできないページを見つける

AI ボットや AI 検索経由のユーザーがエラーに遭遇している URL を探しましょう。

Bot Analytics では、AI ボットのリクエストのうち失敗しているもの、特に 404、499、5xx のステータスコードを確認します。これらのコードから、AI がアクセスしようとしたものの正常に読み込めなかったページを特定できます。「Status codes」レポートを開き、該当ページ数をクリックすると、そのエラーコードを返している URL の詳細リストが表示されます。

Bot Analytics の Status codes レポートを AI ボットでフィルタリングした画面。404 Not Found のページ数を矢印で示している
Bot Analytics の Status codes レポートを AI ボットでフィルタリングした画面。404 Not Found のページ数を矢印で示している

次に、ウェブアナリティクスで AI 検索トラフィックのうち 404 ページに着地しているものをフィルタリングします。存在しない同じ URL に繰り返し訪問がある場合は、最も関連性の高いページへリダイレクトしましょう。

Ahrefs ウェブアナリティクスの Possible 404 レポート。ユニークビジター数の推移チャートと上位 404 ページの一覧テーブルが表示されている
Ahrefs ウェブアナリティクスの Possible 404 レポート。ユニークビジター数の推移チャートと上位 404 ページの一覧テーブルが表示されている

繰り返し発生する 404 は、コンテンツの機会を示唆している場合もあります。自サイトでカバーしていないトピックのページに AI がユーザーを送り続けているなら、そのページを実際に作るべきかどうか検討してみてください。

技術的な問題は適切な担当者に引き継ぐ

サイトのインフラを別の担当者が管理している場合は、有用な証拠を集めましょう。具体的には、該当 URL、ステータスコード、ボット名、リクエストパターン、日時、アクセス失敗の具体例などです。それらをサイトインフラの管理者に渡してください。

自分でトラブルシューティングできる場合は、AI を活用して robots.txt のルール、サーバーエラー、CDN の設定、ファイアウォールのルール、クロールログなどを調査することも可能です。

ここまでのステップを終えれば、AI における可視性を左右している要因と、改善に最もつながりやすいアクションが明確に見えてきているはずです。

次のステップでは、標準的な指標の枠を超え、AI そのものを活用して回答を大規模に分析する方法を見ていきましょう。

7. AI を活用して可視性データをさらに深く分析する

ブランドレーダーは、AI における可視性の主なトレンドをすでに可視化してくれます。しかし、標準的な指標では捉えきれない特定の疑問を掘り下げたい場面もあるはずです。

そこで役立つのが LLM (大規模言語モデル)です。ブランドレーダーの回答データをエクスポートするか、Ahrefs MCP 経由でアクセスし、ビジネス固有の質問を投げかけることができます。たとえば、ある競合が自社より優先的に推薦される理由は何か、AI が各ブランドにどんな特性を結びつけているか、繰り返し登場する反論は何か、同じ事実誤認が何度も出ていないか、といった問いです。

標準分析で気になるポイントを見つけたとき、その背景をさらに深く理解するための手段と考えてください。

ここでは、Ahrefs のブランドレーダーと AI を組み合わせた実例を紹介します。Ahrefs が提供する AI マーケティングプラットフォーム Letaido を使い、知りたい情報を 1 つのダッシュボードにまとめたカスタムダッシュボードを作成しました。

カスタム AEO ダッシュボードのデモ画面
カスタム AEO ダッシュボードのデモ画面

同様のカスタムダッシュボードを構築したい場合は、GitHub リポジトリを活用してください。Claude や ChatGPT を Ahrefs MCP サーバーに接続し、このリポジトリを参照させます。ブランドレーダーレポートが追跡している質問を読み取り、トピック別に分類したうえで、丸 1 日分の実際の AI 回答を確認します。コードも API キーも不要です。AI がどのくらいの頻度でブランド名を挙げるか、推薦するか、サイトを引用するかといった指標を、計算根拠付きで 1 ページにまとめた提案が得られます。内容を承認すれば、コーディングエージェントがこのキットを使ってダッシュボードを構築してくれます。

単日の AI 回答ではなくパターンを見る

AI の回答は、サイト側で何も変更していなくても日ごとに変わることがあります。月に 1 回だけチェックしてその日の回答だけを見ても、ブランドへの言及や言及の欠如が、広いトレンドを反映しているのか、たまたまその日の結果にすぎないのか判断できません。

数日間の結果を平均化すれば、より多くのコンテキストが得られます。ただし、期間の設定には注意が必要です。あまりに多くの週にわたって平均をとると、直近に起きた意味のある変化が埋もれてしまいます。

このダッシュボードでは、レポート全体に 1 つの日付ピッカーを使います。期間を選択すると、すべてのスコア、チャート、テーブルがその期間のデータを反映します。各スコアには期間の平均値と最新の結果が並んで表示されるため、全体的なパターンの把握、直近の変化の検出、そして両者にズレがある場合の個別回答の確認が可能です。

日付範囲ピッカーと AI プラットフォームフィルターが適用された Sales AI Visibility Board のヘッダー
日付範囲ピッカーと AI プラットフォームフィルターが適用された Sales AI Visibility Board のヘッダー

まず全体像を把握する

もう 1 つ有用なアイデアとして、最初の画面をパフォーマンスの概要にする方法があります。

13 日間の選択期間におけるスパークライン、スコア、変化率を表示する 10 個の AI 可視性指標カードのダッシュボードグリッド
13 日間の選択期間におけるスパークライン、スコア、変化率を表示する 10 個の AI 可視性指標カードのダッシュボードグリッド

目的は、重要な変化があったかどうかを確認するためだけに複数のレポートを開く手間をなくすことです。

トップレベルのビューでは、たとえば以下のようなポイントをハイライトできます。

  • 可視性の大きな変動
  • 優位性が増しているトピック、または失いつつあるトピック
  • 順位を上げている競合
  • 推薦ポジションの変化
  • 新たな事実誤認の発生
  • 詳しく確認すべき領域

ここから、変化の背後にある個別のプロンプト、回答、ソースへとドリルダウンできます。

プロンプトの種類ごとに分析手法を変える

すべてのプロンプトを 1 つの総合スコアに無理やりまとめる必要はありません。

プロンプトタグと同様に、比較系、推薦系、製品ファクト系、評判に関する質問など、プロンプトの種類ごとに個別に分析できます。

なぜこれが重要かというと、プロンプトの種類によって「成功」の意味が異なるからです。

たとえば、自社ブランドと競合を比較するレポートでは、勝率(AI が競合よりも自社を推薦する頻度)を指標として追加できます。

AI の 1 対 1 競合比較における Ahrefs の勝率 63.6% と、プロンプトごとの結果を示すカスタムレポート
AI の 1 対 1 競合比較における Ahrefs の勝率 63.6% と、プロンプトごとの結果を示すカスタムレポート

カスタムレポートでは、AI が自社ブランドをどのような用途で推薦する傾向があるかも確認できます。たとえば下のスクリーンショットは、被リンク分析、キーワード調査、ホワイトラベルレポーティングといった特定の機能ごとに、1 対 1 の比較で AI がどちらのブランドを推薦しているかを示しています。

機能別に AI がどのブランドを推薦するかを示すカスタムレポート。被リンク分析では自社優勢、ローカル SEO では競合優勢
機能別に AI がどのブランドを推薦するかを示すカスタムレポート。被リンク分析では自社優勢、ローカル SEO では競合優勢

カテゴリレベルのレポートでは、取得したすべての回答に対する言及率と、製品カテゴリ系プロンプトにおける推薦ポジションに焦点を当てるとよいでしょう。

サブニッチ推薦レポート。ニッチごとの言及率と平均ポジションの列がハイライトされている
サブニッチ推薦レポート。ニッチごとの言及率と平均ポジションの列がハイライトされている

「ハウツー」系のプロンプトについては、AI が手順を説明しているだけの場合ではなく、タスクを完了するためのツールとして推薦した場合に限定して、Ahrefs が言及される頻度を測定する専用のビューを作成できます。

ハウツー系プロンプトにおいて AI がツールを推薦した際の Ahrefs キャプチャ率をプロンプト別に示すレポート
ハウツー系プロンプトにおいて AI がツールを推薦した際の Ahrefs キャプチャ率をプロンプト別に示すレポート

製品ファクト系プロンプトでは、ブランドレーダーレポート全体の事実正確性に焦点を当てた別のレポートを作成し、「意図的に引き出した」プロンプト用の専用ビューも設けることができます。

ここでの大きな考え方は、1 つのスコアにすべてを任せるのではなく、質問の種類に合った指標を使うということです。

トピック別にシェアオブボイスを測定する

トピックレベルのシェアオブボイスも有用なビューの 1 つです。

Ahrefs の場合、たとえば以下のような領域を個別に見ることが考えられます。

  • キーワード調査
  • ローカル SEO
  • ウェブアナリティクス
  • ボットアナリティクス
  • AI における可視性
  • 競合インテリジェンス

すべてのプロンプトをまたいだ 1 つの総合シェアオブボイスよりも、こちらのほうが実用的な場合が多いです。

たとえば、あるカテゴリではすでに非常に強いポジションにあるものの、積極的に拡大しようとしている別のカテゴリではほぼ存在感がないというケースがあります。トピック別のビューなら、こうした違いがはるかに見やすくなります。

さらに一歩進めて、推薦ポジションを加味することもできます。

通常のシェアオブボイスではすべての言及を等しく扱いますが、1 番目に推薦されることと、リストの 8 番目に登場することでは意味が大きく異なります。

製品ランキング系のプロンプトでは、ポジション加重シェアオブボイスを使う方法があります。AI の回答で上位に推薦されたブランドほど大きなウェイトを与え、下位に表示されたブランドには小さなウェイトを与えるという考え方です。

これにより、単にどこかで言及されているだけのブランドではなく、推薦を実際に支配しているブランドがどこかをより正確に把握できます。

ポジション加重シェアを含む Ahrefs と競合のシェアオブボイスダッシュボード。ニッチ別の内訳テーブル付き
ポジション加重シェアを含む Ahrefs と競合のシェアオブボイスダッシュボード。ニッチ別の内訳テーブル付き

AI の主張を承認済みの正解データと照合する

事実正確性のチェックを追加するのも有効なアイデアです。

Ahrefs の料金に関する AI の誤った主張率を示すファクト正確性ダッシュボード。誤った主張のリストと引用ページ付き
Ahrefs の料金に関する AI の誤った主張率を示すファクト正確性ダッシュボード。誤った主張のリストと引用ページ付き

AI が行った主張を、実際にモニタリングしたい製品ファクトを含む承認済みの正解データ(ソースオブトゥルース)と比較できます。

一致しないと思われるものがあれば、手動レビュー用の短いリストに追加します。

AI の正確性に関する問題があるページの修正リストテーブル。批判の件数、引用リーチ、SEO 指標を含む
AI の正確性に関する問題があるページの修正リストテーブル。批判の件数、引用リーチ、SEO 指標を含む

手動レビューのステップが重要なのは、些細な表現の違いをすべて深刻な事実誤認として扱う自動化システムは望ましくないからです。

そのため、チームメンバーがファクトを追加・確認・承認できるシンプルなソースオブトゥルースのワークスペースを維持するとよいでしょう。システムはこの承認済みファクトと照合してチェックを行います。

承認済みの製品ファクト、プラン料金、AI 回答の採点に使用するソース引用を一覧表示するファクトシートレビュー画面
承認済みの製品ファクト、プラン料金、AI 回答の採点に使用するソース引用を一覧表示するファクトシートレビュー画面

こうすることで、本当に調査する価値のある誤りに分析を集中させることができます。

繰り返し現れるネガティブな言説を追跡する

繰り返し登場するネガティブな言説(ナラティブ)を追跡することも有用です。

Ahrefs に関するネガティブな AI 回答の周辺で引用されたフォーラムやレビューページをリストアップしたナラティブリスクダッシュボード。センチメントトレンド付き
Ahrefs に関するネガティブな AI 回答の周辺で引用されたフォーラムやレビューページをリストアップしたナラティブリスクダッシュボード。センチメントトレンド付き

これは「[製品名] 悪い口コミ」のようなプロンプトをモニタリングするのとは少し異なります。そうしたプロンプトは、そもそも批判を引き出すように設計されたものだからです。

より注目すべきなのは、通常の比較、推薦、購買検討の質問の中に自然と現れるネガティブな主張です。

目的は、あらゆる批判を排除することではありません。正当な批判もあるでしょう。重要なのは、どのナラティブが繰り返し登場するほど頻繁であり、詳しく調査する価値があるかを見極めることです。

重要なページが引用され続けているかを監視し、引用が消えたら検知する

AEO を目的としてページを作成・最適化している場合、引用の安定性を時系列で追跡するのも有用なアイデアです。

あるページが 1 日に何度も引用されるのは心強いことですが、それだけで持続的な可視性を獲得したとは限りません。より重要なのは、AI アシスタントがそのページを週をまたいで引用し続けるかどうかです。

AEO 用に作成したページや、AI における可視性戦略で特に重要なページについては、引用頻度を時系列で追跡するとよいでしょう。

AI 引用数と安定性バーがハイライトされたトラッキングページレポート。大半の Ahrefs ページは 100% だが一部は低下
AI 引用数と安定性バーがハイライトされたトラッキングページレポート。大半の Ahrefs ページは 100% だが一部は低下

これにより、あるページが AI の回答に一貫して影響を与えているのか、勢いを増しているのか、あるいは徐々に引用から消えつつあるのかを把握しやすくなります。

AEO 施策の評価にも役立ちます。最適化したページが引用されるようになり、その可視性を維持しているなら、一時的なスパイクよりもはるかに強いシグナルです。

そして、重要なページの引用数が減り始めた場合、何が変わったのかを調査する価値があると判断できます。

SEO、有料検索、トラフィックデータを補完情報として加える

もう 1 つ有用なアイデアは、同じトピックや競合について、AI の回答以外の領域で何が起きているかを確認することです。

オーガニック検索順位、検索トラフィック、有料検索のアクティビティ、AI 検索トラフィック、ボットのアクティビティといったシグナルを取り込めば、より広い視野が得られます。

たとえば、ある競合が特定のトピックで AI 回答における可視性を高めているとしましょう。もしその競合が同じトピックで検索上位を獲得し、検索トラフィックを集め、有料検索にも投資しているとしたら、そのトピックがなぜ重要なのかについて、はるかに多くのコンテキストが得られます。

キーワードごとの検索ボリューム、オーガニック・有料検索の状況、競合を表示するテーブル。「found-in」列がハイライトされている
キーワードごとの検索ボリューム、オーガニック・有料検索の状況、競合を表示するテーブル。「found-in」列がハイライトされている

AEO の枠を超えて視野を広げることで、AI における可視性の変化がより大きなトレンドの一部なのかどうかを理解し、本当に注力すべきかを判断できるようになります。

Letaido でワークフローをさらに拡張する

データが接続できたら、それを土台にしてワークフローを構築できます。API を通じて、AI や専用 AI エージェント、その他のツールのコンテキストレイヤーとしても活用可能です。

データセットに直接質問する

レポートを開いてフィルタを手動で設定する代わりに、次のように質問するだけで済みます。

「今月、比較プロンプトで最も言及数が増えた競合はどこか?」

あるいは、

「今週、事実誤認のあるページのうち、最も多く引用されたのはどれか?」

システムが基盤データに問い合わせを行い、関連する数値とともに回答を返してくれます。

Letaido を使っていれば、Slack、WhatsApp、Telegram 経由でデータとやり取りすることもできます。AI における可視性について疑問が浮かんだ瞬間に、その場で確認できるわけです。

Telegram で Letaido ボットに「比較プロンプトで最も言及が増えた競合は?」と質問し、Semrush がトップと回答している画面
Telegram で Letaido ボットに「比較プロンプトで最も言及が増えた競合は?」と質問し、Semrush がトップと回答している画面

既存の AI スキルやワークフローと連携する

AEO 向けにすでに構築済みの AI スキルやワークフローがあれば、それをダッシュボードに直接接続し、データの生成や拡充に利用できます。

こうすることで、蓄積してきたノウハウを再利用でき、最も有用な AEO ワークフローを一か所に集約できます。スキルを個別に起動する手間がなくなります。

実際に、この方法でダッシュボードに「古くなったページの検出」機能を追加しました。

もともとこの用途のスキルを持っていました(Letaido の公式スキルコレクションにある「AI Citation Freshness Audit」と同じものです)。AI にそのプロセスをレポートに表示されているページに対して実行するよう指示するだけで完了しました。

ワークフローをゼロから作り直すことなく、結果をダッシュボードに直接取り込めたわけです。

引用の鮮度に関するダッシュボードパネル。AI に引用された Ahrefs の古いページが、引用数・最終更新日・経過日数とともに一覧表示されている
引用の鮮度に関するダッシュボードパネル。AI に引用された Ahrefs の古いページが、引用数・最終更新日・経過日数とともに一覧表示されている

アクティブな AEO プロジェクトのトラッキングを自動化する

複数の AEO プロジェクトを同時に進めている場合(たとえば、サードパーティサイトの事実誤認を修正したり、AI が頻繁に引用する Reddit スレッドに参加したりしている場合)、それらのプロジェクトによって期待される変化を監視する定期ジョブを設定できます。

たとえば、修正した事実が AI の回答に反映され始めたか、ターゲットの Reddit スレッドで自社ブランドの言及が増えたか、あるいはそれらのソースが引用に頻出するようになったかを Letaido に定期的にチェックさせることが可能です。

各プロジェクトが本当に重要な指標を動かしているかどうかを継続的に把握できます。

重要な指標が変動したときにアラートを受け取る

注目すべき AEO の変化やイベントを定義し、それが発生したときにシステムからアラートを受け取るように設定できます。

たとえば、特定のタグにおけるトピックシェアオブボイスの急落、競合のリード獲得、重要ページの引用減少、複数の AI 回答にまたがる事実誤認の出現、自社ブランドに言及する新たな競合ページの登場などが対象になります。

アラートはメール、Slack、その他チームが普段使っているツールに直接届くように設定できます。

競合がリードを奪った際にメール通知する自動化の提案画面。毎日午後 2 時 15 分に実行予定で、「却下」と「承認」ボタンが表示されている
競合がリードを奪った際にメール通知する自動化の提案画面。毎日午後 2 時 15 分に実行予定で、「却下」と「承認」ボタンが表示されている

影響力のあるウェブ上の言及をリアルタイムで監視する

もう一つのアイデアとして、Firehose のようなリアルタイムのウェブ言及ソースを接続し、重要なページの出現や変更を監視する方法があります。

たとえば、URL に「Ahrefs」を含む競合ページを追跡し、新しいコンテンツが公開されたり、Ahrefs の紹介内容が変更されたりした際に通知を受け取ることができます。また、Ahrefs に言及しており AI に頻繁に引用されている上位 50 のサードパーティページを監視し、ブランド名が削除されたり掲載内容が変わったりした際にフラグを立てることも可能です。

AI における可視性に影響を与え得るウェブ上の動きを把握し、変化がまだ新しいうちに対応できるようになります。必要なのは、Firehose の API を Letaido に提供して構築を依頼するだけです。

ブランド削除ダッシュボード。監視対象の AI 引用ページ 50 件のうち、Ahrefs の削除はゼロと表示されており、引用数の多い URL が一覧になっている
ブランド削除ダッシュボード。監視対象の AI 引用ページ 50 件のうち、Ahrefs の削除はゼロと表示されており、引用数の多い URL が一覧になっている

AI における可視性の監視ルーティンを構築する

AI における可視性は、一度チェックして一度修正すれば終わりというものではありません。ブランドは変わります。プロダクトも変わります。競合は新機能をリリースし、パブリッシャーはページを更新します。AI システム自体も、利用するソースや回答の仕方を変化させます。

だからこそ、すべてを常時チェックするのではなく、意味のある変化を見逃さないルーティンを作ることが重要です。以下にシンプルな監視スケジュールを示します。

まとめ

最も重要なポイントは、AI における可視性を改善しようとする前に、まず問題を診断することです。

重要な回答にブランドが表示されていないなら、より強力なコンテンツやサードパーティからの言及が必要かもしれません。AI が不正確な情報を繰り返しているなら、その主張の背後にあるソースまでさかのぼって原因を突き止めましょう。競合が重要なトピックを独占しているなら、何が競合の優位性を生んでいるのかを調べます。AI クローラーがページにアクセスできていないなら、コンテンツや PR に追加投資する前に、まずそこを修正すべきです。

問題が何かを把握できれば、次に取るべきアクションは格段に明確になります。

だからこそ、AI における可視性を単一のスコアで判断するべきではないと考えています。重要なのは、ブランドがどこで見落とされているのか、誤解されているのか、あるいは劣勢に立たされているのかを理解し、そのギャップのうちどれが本当に対処する価値があるのかを判断することです。

そしてこれは一度きりの作業ではありません。プロダクトは変わり、競合は動き、パブリッシャーはコンテンツを更新します。AI システムも利用するソースや返す回答を変化させます。

ワークフローは継続的なものです。診断し、優先順位をつけ、実行し、再びチェックする。この繰り返しが鍵になります。

https://ahrefs.canny.io/

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マテウシュ・ マコシェヴィチ のプロフィール画像

Ahrefs 社のマーケティング リサーチャー兼人材育成担当。 代理店、SaaS 企業およびハードウェア企業で 10 年以上のマーケティング経験を持つ。仕事以外では、作曲や長距離ウォーキングといった趣味を楽しんでいる。