※個人や中小企業が最適な金融商品を探したり、それについて消費者目線のアドバイスがもらえるプラットフォームを運営する、個人資産管理サービス提供企業。
同社の S‑1 申請書※記載情報によると、ウェブサイトのトラフィックの 70% 以上がオーガニック検索からの流入であることが分かりました。金融商品に関する情報を求めるユーザーからのアクセスを利益化するこの企業にとって、この数字は彼らの SEO 戦略が成功している証拠だといえるでしょう。
※ S‑1 申請書とは米国での IPO(新規株式公開)に必要な米国証券取引委員会(SEC)に提出する申請書類のことで、企業の事業内容や経営体制、最新の年間業績報告といった情報を含みます。
しかし、何から何までが首尾よく運んでいるという訳でもなさそうです。公開会社である NerdWallet 社は、SEO 施策が失敗すればそれを公に認めざるをえません。さらに悪いのは、オーガニックトラフィックの減少により、株価の下落や、場合によっては人員削減という事態にまで陥ってしまう可能性がある点です。また、Google がアルゴリズムを微調整すると、社員から株主に至るまで、NerdWallet 社の企業体制全体に影響が及ぶでしょう。
SEO において、彼ら以上に自ら進んでリスクを背負っているような企業は他にはないかもしれません。
NerdWallet 社のこれまでの道のりは、優れた SEO 戦略と状況変化への対応力の点で最上級クラスの成功例だといえます。彼らの SEO 成功事例は「お見事」といった表現では称賛しきれないほどすばらしいものですが、同時に失敗が許されない綱渡りをしているようでもあります。まさにこれが、NerdWallet 社から学ぶべきことが(常に)多い理由です。
本記事では、NerdWallet 社のデータの数々を長時間かけて分析して見つけた、オリジナリティあふれる成功の秘策をいくつかご紹介します。
Ahrefs が集めたデータによると、NerdWallet 社は 2024 年 3 月ごろから 3 か月で推定 600 万のオーガニック トラフィックを失いました。非常に短期間で 23.6% ものトラフィック損失があったのです。
2024 年の第 2 四半期財務報告書内で CEO が行った説明では、この損失はある「予期せぬ逆風」によってもたらされました。トラフィックが減少したことで、収益と株価が大幅に減少してしまったようです。
2024 年の初めから第 3 四半期開始時期までのトラフィックの様子は以下のとおりです。
同社のトラフィック減少の情報が公になると、株価チャートはこのように変化しました。
興味深いことに、変化は最近の 3 月のコアアップデートとほぼ同時期に起こっています。このアップデートは、Google のシステムの裏をかいてうまく利用しようとしたサイトを「罰する」ことを目的とし、Google の検索結果に表示される内容の 40% を「改善」したといわれています。
では、NerdWallet 社に大きな打撃を与えたのはこのアップデートだったのでしょうか?
フィンテック起業家のジュリエン・ブロート氏は、トラフィックの大幅な損失は Google がある新しいカテゴリーのリッチリザルトの表示を開始したことが原因で起こったのではないかと推測しています。
検索エンジンマーケティングの関連情報ウェブサイトである Search Engine Round Table の報告によると、2024 年 6 月以降、 Google は SERP (検索結果ページ)にクレジットカードのリッチリザルトの表示を始めたようです。これは NerdWallet 社を含め、「おすすめのクレジットカード」の検索順位で上位を目指す全てのウェブサイトにとって、トラフィックが減ってしまうことを意味しています。
しかし実際のところ、トラフィックの減少はその前から始まっており、6 月 1 日までにはその流れは収まっていました。
このトラフィックの減少には複数の理由があったと考えられます。その 1 つは、検索ボリュームが極めて多いキーワードに対する検索需要の季節変動でした。以下がそれを示すデータです。
このグラフは、年間トラフィックがほぼ同じ時期に減少している様子を示しています。ところが、その度に数値がまた跳ね戻っていました。
その他、考えられる理由は次の通りです。
- NerdWallet 社は直接的な競争関係にある競合他社に順位を抜かれた。これは SEO では当然ありうることです。
- 同社とは違ったカテゴリーに属するサイトが検索順位を上げた結果、数回に渡り大幅なトラフィック減少が見られた。まるで Google が検索結果内の古株サイトを新しいサイトに置き換えたかのようでした。
トラフィック損失の原因については後ほど詳しく説明します。
NerdWallet 社があれだけの数のトラフィックを失ったなら、代わりに他の誰かがその分のトラフィックを獲得したに違いありません。NerdWallet 社よりもそのトラフィックを得るにふさわしいのは一体誰だったのでしょうか?
この競争に勝利したウェブサイトは以下の 3 タイプに特定されました。
- 同様の収益源を持つ競合サイト
- 特定の話題に特化したサイト
- NerdWallet 社のパートナー企業のウェブサイト
NerdWallet 社が少なくとも 5,000 件のトラフィックを失ったキーワード、あるいは検索順位で数十位下がったキーワードについて、他社サイトの SEO パフォーマンスを調べたところ、同社との競争に勝ったウェブサイトは 3 つのタイプに絞り込まれました。
タイプ 1 :同様のビジネスモデル、あるいは少なくとも同様の収益源を持つ競合サイト (Bankrate、Forbes など)。
これらのサイトが検索順位で NerdWallet 社に勝った検索キーワードの例:「金利の高い普通預金口座」「おすすめのオンライン銀行」
これは SEO ではよくあることで、競合他社がより多くの被リンクを獲得したり、コンテンツを調整したりした結果、NerdWallet 社はランキング順位をわずかに落とし、それにより多くのトラフィックを失いました。そうはいっても、 NerdWallet 社も彼らと同じような戦法で「反撃」することができるため、先行きは依然として明るいと考えられます。
一般的な Google ユーザー目線から見れば、新しい上位コンテンツがより価値のある情報を提供しているなら、これは有益な変化だといえるでしょう。
タイプ 2:特定のトピックに特化したサイト。
NerdWallet 社のサイトはクレジットカード情報のみを掲載しているわけではありません。事業の中核をなすのは金融商品情報ですが、それに直接関連しないトピックの記事も載せています。たとえば「RV(Recreational Vehicle、アウトドアやレジャーの用途に適した車種)の レンタルサービス」や「プエルトリコに行くにはパスポートは必要?」といったトピックまでカバーしています。
このような具体的なテーマを扱うサイトは、関連する CTA(行動喚起)や興味を持つ読者を比較的容易に獲得できます。その一方で、NerdWallet 社の場合はこういったトピックの記事の内容を自社が宣伝するサービスと関連付けるのに苦労するかもしれません。
おそらく今後、 Googleが「小規模の独立型サイト」、つまり特定のニッチな情報に特化したサイトをより上位に表示するこの傾向は、より強まると考えられます。
これを踏まえると、NerdWallet 社にとっては、「RV のレンタルサービス」といったトピックの情報を掲載しても、オーガニックトラフィックを増加させる施策としてはあまり期待できないしれません。同社の金融業界内での強力な知名度を鑑みると、読者が今後も他のチャネルからこういったコンテンツを見つけ、情報の信用度が高いと判断する可能性はあります。しかし、これらの特定分野での今後の検索順位および競争力回復の見通しは悪そうです。
実は、この Google の変化が消費者にとって有益なものかどうかについては議論の余地があります。個人的には、誰かが書いたニッチな旅行記事をいくつも読まされるよりは、NerdWallet 社の提携企業の旅行料金セールのほうが、得られる情報としては嬉しいかもしれません。
タイプ 3 :NerdWallet 社が記事にしている金融商品の提供元であり、主に金融サービスプロバイダーである大手企業。ここには JP モルガン・チェースやウェルズ・ファーゴといったパートナー企業も含まれます。
このケースは多数見つかりました。同社は先述のタイプ 2 とこのタイプ 3 の競合相手に負けた検索キーワードの検索結果で最も順位を落としています。
順位履歴のグラフもいくつかチェックしてみると、どの「逆風」が状況を一変させたかがわかりました。下のチャートをご覧いただければ、安定して順位を保っていたところを、突然の変化に襲われた様子がわかります。
たとえば、企業名を含んだ検索クエリに関しては、JP モルガン・チェースが検索結果で NerdWallet 社より上位に表示されるのは当然だといえます。しかし、「JP モルガンのクレジットカード紹介ページ」が、「さまざまな種類のクレジットカードの比較ページ」よりも上位表示されているのは一体どうなのでしょうか?消費者にとってどちらの情報が嬉しいと思いますか?
※ Googleが重視する4つの SEO 評価基準で、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」からなる。
それでは、NerdWallet 社はこの状況からの脱出法として、トラフィック回復のためにどのような対策を講じたのでしょうか。
2024 年 2 月末から 6 月までの間に 5 万件以上のトラフィックを喪失した、同社ウェブサイト上でトラフィック喪失件数が最も多かった 20 件のページについて調べたところ、そのすべてのページがその後更新されており、ほとんどが大幅な修正または内容の完全な見直しを経て生まれ変わっていました。
この対策は 20 件中 8 件のパフォーマンス改善につながりました。
同社はタイトルの微調整やトピックのカバー範囲の拡大といったありふれた対策にとどまらず、注目すべき戦略を 2 つ採用。これがトラフィック回復を後押ししたと考えられます。
1 つ目の重要な対策は、EEAT 指標に沿ったコンテンツの強化でした。具体的には、投稿記事にコンテンツ作成のプロセスの紹介と、読者が同社の専門知識を信頼できる根拠を述べた説明文章を追加しました。
以下のグラフでは、掲載内容の大がかりなアップデートがどの時点で行われたか(濃い緑色の丸)と、その後のトラフィック増加が見て取れます。
2 つ目の対策は、コンテンツの調整だけでは結果が得られなかった場合に、ページを新しいディレクトリに移動させることでした。これにより、ページが元あった場所のリンク エクイティを保ったまま、コンテンツに「新たな場所での再スタート」の機会を与えることが可能となりました。
グラフの青線は古いページへのトラフィックを示し、オレンジ線はリダイレクトによって作成された新しいページのトラフィックを示しています。
ここで疑問に思ったことがあります。NerdWallet 社が、同社が紹介する金融商品やサービスのページに検索順位で負けているということは、パートナー企業にトラフィックを取られてしまっているということなのでしょうか?
クレジット カードを発行する 9 社のパートナー企業を例に確認したところ、次のことがわかりました。 NerdWallet 社が検索順位トップ 10 にランクインしているキーワードは 14 万 4 千件以上あります。検索順位内にパートナー企業の少なくとも 1 社がランクインしており、その順位が同社を上回っているケースも多くあります。
これは、パートナー企業のウェブサイトのトラフィック ソースを多様化させるためには非常に賢い方法のように思えます。
というのは NerdWallet 社の立場からすると、もしこれが意図的に作り出した状況であれば、他企業に業務提携の提案をする際、興味を引くアピールポイントとして使えるかもしれないからです。たとえば、このような宣伝文句が使えるでしょう。「当社は検索順位でリードする自信がありますが、提携することで御社にも利益をもたらすことができますよ」
しかし、特にこれらのキーワードの一部にパートナー企業名が含まれている(=ブランドクエリ)ことが、NerdWallet 社にとって大きなハードルとなります。なぜなら、同社がこのせいで Google に「SEO 戦略が上手すぎる」と判断されてしまうと、トップレベルの SEO 成績を維持することができなくなってしまうからです。
また、Google が今後、検索から商品ページまでの経路を短縮し、商品レビューページよりも商品そのもののページの表示を優先するかもしれないというリスクもあります。 これにより、NerdWallet 社はすでにトラフィックの一部をパートナー企業のページに取られてしまっています。シェア・オブ・ボイス(SOV)の変化を見ると、グラフ内で NerdWallet 社の占める割合が業務提携先銀行より明らかに減ってしまったことがわかります。以前の形勢が逆転してしまったのです。
グラフの幅が広いほど、シェアが大きいことを意味しています。
一見これは理想的でない状態に思われるかもしれませんが、実際はごく普通にあることで、「パレートの法則※」による現象です。
※「2:8の法則」とも呼ばれ、20% の要因がおよそ 80% の結果を生み出しているという経験則のこと。
実際に、NerdWallet 社の競合他社のウェブサイトも同様の、あるいはより極端なトラフィック分布を示しています。Ahrefs の自社ウェブサイトでも同じパターンが観測されています。
NerdWallet 社のウェブサイト上で最もトラフィックを呼び込んでいる上位 1.2 % のコンテンツの中には、驚くべきトップ選手がいました。「お金を儲ける方法」をテーマにしたある 1 件のブログ記事が、金融商品の比較を含む他のすべてのページをトラフィック件数で上回っています。
たとえば同社の「生活費計算ツール」は大変使いやすく、そのすべての静的ページが検索エンジンのデータベースにインデックスされているようなコンテンツですが、この記事はそれよりも多くのトラフィックを獲得しています。
今のところ、ブログ記事の内容は特に変える必要がなさそうです。 2021 年以降、内容の見直しが1 度行われ、大きな変更が 2 度加えられています。
今この記事は、ただウェブサイト上の同じ場所に存在し、検索ユーザーが訪れるのを待っている状態です。これは、費用がかからず、サイト側が受け身の状態でもトラフィックが途切れないという、 SEO 戦略 にとって最高の勝利であり理想的なケースです。これがまさに「史上最高のブログ記事」の 1 つと言えるのではないでしょうか?
トラフィック件数で上位 1.2 % を占めるページ 212 件の中には他のブログ記事も名を連ねており、全体の約 65 % を占めています。それ以外は、自動車ローン計算ツールやクレジットカードなどのレビュー コンテンツなどがあります。
信じられますか?しかも、そのほぼ 4 分の 1 が今年新たに作成されたページです。SEO 対策としては首を傾げたくなりますが、データを見る限りこれは事実のようです。
しかし、実はこれらは「今はこのままで良い」ページです。最も多くトラフィックを生み出しているページにまだ成長の余地がある場合は、それらの改善に重点を置くことで、全体的に見てより良い結果が得られる可能性があるからです。べき乗則(Power Law ※)は SEO にも当てはまるのです。
※企業の収益の大部分が少数の顧客や製品によって生み出されるという法則。
NerdWallet 社の取り組みから、コンテンツのローカライゼーションについても興味深いアイデアが見つかりました。「すでに SEO がうまくいっている他社のコンテンツを購入」すれば、SEO 対策の強化につながるのです。
2020 年、NerdWallet 社は金融商品比較サイトを運営する英国の Know Your Money 社を買収しました。これと同時に英国市場で既に知名度のある同社のドメインを手に入れ、そのすべてのバックリンク、大量のトラフィック獲得コンテンツ、さらには同社のクレジットカード比較ツールと同等のものを獲得しました。
この作戦は大成功。下のグラフを見れば、Know Your Money 社ウェブサイトのドメインが nerdwallet.com/uk に変わった瞬間と、その後のトラフィックの増加がわかります。現在、トラフィックは PPC 広告費用に換算すると 40 倍にまで増えています。
また、買収から 3 年がたった時点でウェブサイトのページの半分が削除され、その結果トラフィックが増加しました。意外に思えるかもしれませんが、パフォーマンスの悪いページを削除して(つまり一部のページを「犠牲」にして)他のページのリンクエクイティを高める手法は、多くのケースで良い結果をもたらします。
毎年、1,600 から 3,000 のページがトラフィック件数のトップ 100 から外れています。
今回、私(著者)はあらゆる種類のリダイレクトを特定するために、AI で「最終的な URL が元の URL と異なっている場合」を検出するちょっとしたスクリプトを作成してみました。すると、 2023 年 6 月 10 日から 7 月 13 日までに削除された 2,343 ページのうち、約 75 % がリダイレクトページであったことがわかりました。このようにリダイレクトページを重点的に対象にするのもコンテンツプルーニングの 1 つのやり方です。
こういったリダイレクトページのプルーニングでは、実行後すぐに成果が表れることも珍しくありません。例えば、下のグラフの①の部分からは、2023 年のプルーニング実施後すぐにトラフィック増加の成果があがった様子が見て取れます 。その次にウェブサイト上の総ページ数がプルーニング前と同じに戻った時、トラフィックは前と比べて 400 万件も増加していました(②の部分)。
NerdWallet のようなサイトの SEO を担当している場合は、ウェブサイト内のリダイレクトを徹底的に把握しておく必要があります。これができていたからこそ、同社は合わせて 700 万ものトラフィックを持つ 1 万 4 千件 のブログ記事をさまざまなトピッククラスターに分けることができたのです。 AI を使って、それがどのように分けられているかを非常に分かりやすく視覚化した図が作成できました。 NerdWallet 社のリダイレクト手法には、それをテーマに別のブログ記事を書くだけの価値があります。
プログラマティック SEO とは、大規模に大量のコンテンツを自動生成する手法です。
コンテンツマーケティングでは、費やす労力に対して利益率が減少してしまうこともよくあります。つまり、はじめのうちは新コンテンツを作成・公開すればするほど利益の伸びに繋がっていたのが、ある時点から以前と同等の、あるいはそれ以上の労力と資源を投資しているにもかかわらず、メリットがだんだんと減少していくのです。
プログラマティック SEO における利益率減少をグラフで見ると次のようになります。ページ数(青線)が大幅に増加している一方で、トラフィック(オレンジ線)の改善をもたらしているようには見られません。
プログラマティック SEO はスマートな戦略ですが、その設計には欠陥もあります。というのも、同じ構造を持つキーワードを同じように扱ってしまうからです。実際にはそれぞれのキーワードの難易度は異なります。こうなると、各キーワードの難易度に合わせてコンテンツ作成やリンク獲得に取り組んでいる他のウェブサイト担当者の努力には勝てないかもしれません。
Ahrefs は、自社サイトでテンプレート化されたコンテンツ作成を試みた際、この傾向を観測しました。プログラマティック SEO は難易度の低いキーワードでは成功しましたが(下図を参照)、その他のキーワードでは自動生成でないオリジナルコンテンツを作成する必要がありました。
プログラマティック SEO の手法でターゲットにしようとしているキーワードに、いくつかの異なる検索意図がある場合もあります。たとえば、「フェニックス市※ vs ニューヨーク市」では生活費の比較についての情報検索が主流の検索意図であり、この 2 都市の一般的な比較は最下位です。このキーワードでは NerdWallet 社の生活費比較ページが検索順位 1 位にランクインしています。
※ 米国アリゾナ州の州都
これとは逆に、「ポートランド市※ vs オースティン市※」のキーワード検索の場合では、 2 都市の総合比較情報ページが検索順位上位の大半を占めており、生活費の比較は最下位です。 NerdWallet 社の生活費比較ページは、以前検索トップの座を獲得した時と同じプログラマティック戦略を採用しているにもかかわらず、この検索での順位は 7 位にとどまっています。
※それぞれ米国オレゴン州最大の都市とテキサス州の州都
100 人を超える Web ライターが、それぞれ少なくとも 30 の異なるドメイン上に NerdWallet へのリンクを貼っています。その中でもリンク貼付数トップのライターは、驚くべき 303 件もの独自ドメインから NerdWallet にリンクを飛ばしています。
これは驚愕の数字ではありませんか?
皆さんのウェブサイトの SEO データにもこのような数字が出てきた場合は、おそらく誰かがそのコンテンツのスクレイピングに精を出していることを意味します。
もし NerdWallet 社のような PR エージェンシーのウェブサイトに自社コンテンツをシンジケートしている場合は、どのコンテンツがどこに表示されているか、Canonical タグがしっかり使われているかどうかを確認できます。
まとめ
競合他社、以前に増して大胆な戦略を仕掛けてくるパートナー企業、そして時に彼らに有利なアップデートを行う Google。本記事をこれらのキーワードで振り返ると、執筆にあたりデータ分析の対象とした一定の期間中、NerdWallet 社の業績はあまり振るわなかったかのように思えるかもしれませんが、実際のところ同社は 2024 年第 2 四半期に 1 億 5,000 万米ドル以上の収益をあげています。2023 年を通しての収益は 5 億 9,940 万ドルで、これはすべて同社の SEO 施策が功を奏した結果です。
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