事例

クライアントの年商が 1,000 億円へ。世界へボカンが実践する Ahrefs を使った“勝てる”海外 SEO 戦略とは?

河原田 隆徳 (TAKA)
Ahrefs 日本マーケティング統括。 国外 SaaS 企業における日本市場向けのマーケティングとローカリゼーションで 10 年以上の経験を積み、現在は Ahrefs の日本マーケティングを統括。ユーザーの皆さんと共に、Ahrefs を日本で盛り上げることを目標に、日々全力で取り組んでいます。
「日本の良いモノを世界に届けたい」

そう願う企業にとって、海外市場への進出は大きな目標であると同時に、多くの課題が立ちはだかる壁でもあります。言語、文化、そしてマーケティング手法の違い…。特に、現地の顧客に自社を見つけてもらうための「海外 SEO」は、成功の鍵を握る重要な要素です。

今回は、18 年以上にわたり日本企業の海外進出を支援し、数々の成功実績を持つ世界へボカン株式会社の代表取締役、徳田 佑希(とくだ ゆうき)様にお話を伺いました。

年商 34 億円のクライアントを 1,000 億円規模にまで成長させた実績の裏側には、世界的な SEO 分析ツール「Ahrefs (エイチレフス)」の徹底活用がありました。

本記事では、徳田様が語る具体的な Ahrefs 活用法から、AI 時代における未来の SEO 戦略、そして Ahrefs の「海外 SEO アンバサダー」に就任された熱い想いまで、余すところなくお届けします。

本日はありがとうございます。まず、御社の事業内容と、一度聞いたら忘れない「世界へボカン」という社名の由来についてお聞かせください。

徳田様:
世界へボカン株式会社の徳田です。私たちは「日本の魅力を世界に届ける」をミッションに、日本企業の海外進出支援を 18 年ほど行っています。越境 EC の売上向上や、海外向けの BtoB マーケティング支援が主な事業です。

日本には本当に良い製品やサービスがあるのに、それを海外に伝えるための英語力やマーケティングノウハウが不足しているケースが少なくありません。そこで、アメリカ、オーストラリア、中国、マレーシアなど多国籍なメンバーでチームを組み、お客様の商品の魅力を最大限に引き出して海外へ発信しています。

「世界へボカン」という社名は、もともと前職の事業部で使っていたサービスサイト名でした。MBO (マネジメント・バイアウト) で独立する際に、「海外向けしかやらない」という覚悟を示すために、サービス名をそのまま会社名にしたんです。退路を断つ、という想いを込めています。

――18 年という長いキャリアの中で、特に Ahrefs が役立った印象的なプロジェクトはありますか?

徳田様:
はい、年商 34億円だったお客様が、最終的に 1,000 億円の売上を達成されたプロジェクトが最も印象的です。

そのお客様はインハウスでブログコンテンツを更新されていましたが、成果が伸び悩んでいました。私たちがご支援する中で、特に課題となったのが「膨大なコンテンツの中から、何に、どの順番で手をつけるべきか」という点です。

そこで Ahrefs を使い、徹底的に競合サイトを分析しました。
多くのお客様が「日本のコンテンツをただ英語にすればいい」と考えがちですが、それではダメなんです。例えば日本酒なら、日本では「どこの土地で作られたか」が重要でも、海外では「どんな料理と合うか(マリアージュ)」が知りたかったりします。

世界トップレベルのクローラー「Ahrefs Bot」が、インターネット上を常に巡回。あらゆるキーワードやトピックについて、世界の最新コンテンツをコンテンツエクスプローラーから検索可能。


私たちは Ahrefs で「検索ニーズはあるのに、流入が取れていない」キーワードを特定し、そのキーワードで上位表示されている競合サイトのコンテンツを分析しました。そして、「自社コンテンツに何が不足しているのか」という差分を洗い出し、そのギャップを埋めるリライトや、独自の情報を加える作業を繰り返したのです。

結果は劇的でした。Ahrefs のサイトエクスプローラーで見ても流入が爆発的に伸び、お客様にも大変ご満足いただけました。

AI Overviews、ChatGPT、Perplexity など、昨今では軽視することのできない LLM での自社・他社ブランドのメンションを計測できる Ahrefs の新機能「ブランドレーダー」。

――数あるツールの中で、Ahrefs を選ばれた決め手は何だったのでしょうか?

徳田様:
一番は「使いやすさ」と「分かりやすさ」です。
専門家だけが使える高度なツールでは意味がありません。私たちのチームのように多国籍のメンバーがいたり、時には営業担当がお客様への提案資料を作るために使ったりする場面もあります。Ahrefs は UI が直感的で、特定の専門家でなくても使いこなせる。これが最大の決め手でした。

また、私たちのビジネスは 100 カ国以上が対象になるため、VPN を使わずに各国の検索状況を Ahrefs でワンクリックで切り替えて分析できる機能は、もはや欠かせないものになっています。

キーワードエクスプローラーにアクセスすれば、VPN を使うことなく世界中のキーワードトレンドを可視化。検索ボリューム、トラフィックポテンシャル、難易度など SEO 対策に必要なあらゆる指標が手に入る。

――SGE (生成 AI による検索体験) の登場など、SEO は大きな変革期にあります。今後の展望をどうお考えですか?

徳田様:
SEO はより複雑化し、プロフェッショナルの力が問われる時代になると感じています。
これまでは「検索順位を上げる」ことがゴールでしたが、これからは「生成 AI の回答の中で、いかに自社が引用され、選ばれるか」が重要になります。

単純にコンテンツを作るだけでなく、そのブランドがどう認知され、信頼されているかというブランディングの文脈がより強く求められます。

そのためには、Ahrefs の「ブランドレーダー」のような機能で、Web 上で自社ブランドがどう言及されているかを定点観測したり、「コンテンツエクスプローラー」で特定のトピックにおいて自社の情報がどれだけの影響力を持っているかを把握したりすることが不可欠になります。Google 検索だけでなく、その周辺のメディアやコミュニティまで含めて、自社のプレゼンスを高めていく戦略が必要です。


海外 SEO のプロである「世界へボカン様」が、Ahrefs の公式アンバサダーに就任され、今後は公式アンバサダーとして、Ahrefs の最新情報や、海外 SEO・越境マーケティングに関する有益な情報を積極的に発信していく。


――徳田様は Ahrefs の海外 SEO アンバサダーに就任されましたが、その経緯と意気込みをお聞かせください。

徳田様:
もともと長年愛用してきたツールですし、Ahrefs が日本に支社を設立されてからコミュニケーションを取る中で、改めてその思想やカルチャーの素晴らしさに触れました。

Ahrefs 公式海外 SEO アンバサダーとして、今年シンガポールで開催された「Ahrefs Evolve Mini in Singapore」に起こしいただき、各登壇者のレポートも作成いただいた。

「こんなに良いツールをもっと多くの人に知ってもらい、活用してもらうことが、結果的に多くの日本企業の海外進出を応援することにつながる」
そう確信し、アンバサダーに立候補させていただきました。Ahrefs の使い方や魅力を発信し、多くの企業が世界で成功するきっかけを作れたら嬉しいです。

――最後に、Ahrefs の導入を検討している方にメッセージをお願いします。

徳田様:
Ahrefs を導入すべきか否か、という問いに対する答えは「イエスしかない」です。間違いなく導入すべきです。

時間を短縮でき、過去のデータや競合との比較ができる。それによって、上司やお客様に対して「これだけ差が開いています」「この施策が必要です」と定量的なデータで説得できるようになります。これは非常に大きな武器です。

私たちは、Ahrefs を「海外マーケティングに絶対必要な相棒」だと思っています。これからも Ahrefs と共に、多くの日本企業の挑戦をサポートしていきたいですね。


編集後記

徳田様のお話から、単なるツール活用術にとどまらない、海外市場と真摯に向き合う姿勢と、未来を見据えた戦略的思考を垣間見ることができました。
日本の魅力を世界に届ける「世界へボカン」の挑戦、そしてそれを支える「Ahrefs」のこれからに、ますます目が離せません。

徳田様、本日は貴重なお話をありがとうございました!

▪️今回ご協力いただいた企業

【世界へボカン株式会社】日本企業の海外進出を専門としたデジタルマーケティング支援をしており、主に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組んでいます。

公式サイト:https://www.s‑bokan.com/