こんにちは!Ahrefs(エイチレフス)プロダクトマーケティングマネージャーの Mao です。
最近、ChatGPT や Claude といった生成 AI の進化には、目を見張るものがありますよね。皆さんも「SEO 業務にもっと活用したい!」と思っていませんか?確かに、AI を味方につければ、キーワード調査や競合分析、記事の構成案作成といった、時間と根気が必要だった業務を劇的に効率化できます。一方で、「AI にどこまで任せていいの?」「品質が下がらないか不安…」「そもそもどんなプロンプトを投げればいいの?」といった、一歩踏み出すための悩みもセットで付いてきますよね。
大切なのは AI に丸投げすることではなく、「Ahrefs の確かなデータ」と「AI の創造力」を賢く組み合わせること。この記事では、私が日々検証を重ねて辿り着いた、Ahrefs と AI を活用した実践的な「SEO 自動化ワークフロー」をご紹介します。そのままコピーしてすぐに現場で使えるプロンプト集も付いていますので、ぜひ一緒に SEO の新しいスタンダードを体感してみましょう!
AI SEO とは、単にツールを導入することではなく、生成 AI を活用して SEO 業務を効率化し、その分「施策の質」をより高めていくための考え方です。重要なのは、調査・分析から改善提案まで、ワークフロー全体のどこに AI を組み込むべきかを最適化することにあります。
ここで最初にお伝えしたいのは、「すべてを AI に任せる必要はない」ということです。効率を最大化しながら、安定した品質を保つためのポイントは、AI の得意・不得意を正しく理解すること。その上で「AI に任せるべきタスク」と「人間が責任を持つべきタスク」の境界線を、チーム内で明確に引くことから始めてみましょう。
| 自動化レベル | SEO 業務例 |
|---|---|
| 高自動化 (AI に任せてOK) | データの整理や分類、要約などの処理 キーワードクラスタリング、競合記事サマリー メタディスクリプションやドラフトの生成 |
| 部分自動化 (AI と人間で協働) | 構成案設計 内部リンク提案 リライト優先度判定 |
| 人間必須 (AI に任せては NG) | EEAT 付加 ブランド視点調整 ファクトチェック、最終品質チェック |
AI に任せるべきではない「3 つの領域」
AI は強力なパートナーですが、SEO の成果を左右する以下の 3 点については、私たちが最後の一線を守る必要があります。
- 徹底的なファクトチェック
生成 AI は非常に自然な文章を作成しますが、時には「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」を混ぜてしまうことがあります。特に、Ahrefs で得られるような正確な数値や固有名詞、鮮度の高い最新情報については、必ず原典を確認する習慣を忘れないようにしましょう。 - 「自分たちにしか書けない」独自性の付与(E‑E-A‑T)
今の SEO において最も大切なのは、経験(Experience)に基づいた一次情報です。運用での失敗談や独自の知見など、AI には学習できない「血の通ったエピソード」を加えることこそが、他社との決定的な差別化要素になります。 - 検索意図の深い読み解きと最終判断
AI にも SERP(検索結果)の分析は可能ですが、検索窓の向こう側にいるユーザーの「本当の悩み」に寄り添い、どんな価値を届けるべきかを決めるのは人間の役割です。上位記事(競合)を実際に自分の目で読み込み、文脈や温度感を確認する工程は、AI 時代だからこそより一層大切にしたいポイントです。
SEO 業務の中でも、特に根気と時間を要するのがキーワード調査ですよね。膨大なリストの作成から、意図の分類、クラスタリング、そして優先順位付け。これらの工程に AI を組み込むことで、これまでの作業時間を劇的に短縮しつつ、より戦略的な意思決定に時間を使えるようになります。
STEP 1:キーワードエクスプローラーでキーワードリストを取得
まずは、キーワードエクスプローラーでメインテーマを検索し、候補となるリストを網羅的に抽出しましょう。「関連キーワード」や「検索候補」から広げ、ボリュームや KD(難易度)でフィルタリングして、自社に最適な「種」を絞り込みます。リストが整ったら、そのまま CSV 形式でエクスポートします。

STEP 2:AI で意図分類・クラスタリングを実行
エクスポートした CSV ファイルを ChatGPT や Claude などの生成 AI にアップロードし、キーワードを構造化させて分析を行います。
- メイン KW:任意のキーワード
- 関連性の高いキーワードをグループ化
- 各グループにピラーページとクラスターページを提案
- 回答は表やグラフを用いて見やすく整理してください

最初はプロンプトの微調整に少しだけコツが必要かもしれませんが、一度流れを掴んでしまえば驚くほどスムーズです。従来、数時間かけて手作業で行っていたキーワードの整理を、AI はわずか数分で、かつ高い客観性を持って完了させてくれます。
STEP 3:AI で優先度スコアリングを計算
整理されたキーワード群に対し、優先順位を数値化(スコアリング)させます。「検索ボリューム・難易度・自社にとってのビジネス価値」という 3 つの要素を掛け合わせて算出させることで、今すぐ取り組むべきテーマがパッと一目で分かるようになります。
ポイント: 一連のチャットで対話を重ねながら進めることで、AI がコンテキストを理解し、より深みのある分析結果を返してくれるようになります。
- 検索ボリューム・KD(難易度)
- 自社ビジネスへの関連度を 1 〜 5 点でスコアリング
- 優先度の高い順に並び替える
- メイン KW に近い優先度が高いもののみ抽出した表も作成
- 回答は表やグラフを用いて見やすく整理してください
- ピラーとクラスターは、コンテンツ作成を考慮して深掘り

キーワード調査のゴールは、単なるリスト作成ではなく「攻めるべきテーマ」を明確にすることにあります。今回のワークフローでは AI の判断に任せていますが、皆さんの戦略に合わせて「コンバージョンへの近さを重視してほしい」といった重み付けをプロンプトに加えることで、さらに精度の高い「勝てるリスト」へと進化させることができます。

競合コンテンツの分析は、SEO の戦略を立てる上で欠かせないステップですが、上位記事を一つひとつ読み込んで特徴を洗い出すのは、かなりの根気が必要ですよね。そこで、Ahrefs が持つ強力な「SERP(検索結果)データ」と AI を組み合わせて、分析を一気に自動化してしまいましょう。
KW を軸に競合分析を行う
まずは、狙いたいキーワードの検索結果にどんな傾向があるのかを分析します。
STEP 1:Ahrefs で SERP 上位リストを取得
キーワードエクスプローラーでメインキーワードを検索し、検索結果に表示されている、「SERP 概要レポート」をエクスポートします。
STEP 2:AI でトピックの共通項を抽出
エクスポートしたリストを AI に読み込ませ、「上位記事に共通して含まれるトピック」や「不足している視点」を分析させます。これにより、コンテンツ設計の精度がグッと高まります。
検索 KW:任意の KW
- トピック
- 記事の傾向
- 競合が用いている差別化要素
- 競合と差別化するためのポイント
- ピラーとクラスターは、高優先度トピックを考慮して提案を行う
- 回答は表やグラフを用いて Excel などで整理してください

自社サイトの SEO 上の競合の上位ページから分析を行う
SEO の競合分析は、自社サイトをサイトエクスプローラーで検索し、「オーガニックの競合レポート」で行います。「上位の競合ドメイン」一覧にある上位ドメインを対象に分析することをお勧めします。
STEP 1:競合の「上位ページ」をエクスポート
サイトエクスプローラーで競合サイトを分析し、「上位ページ」レポートへ。特に勢いのある上位 5 ドメインほどを選び、それぞれのデータをエクスポートします。

STEP 2:AI で複数サイトを横断分析
ChatGPT などのマルチファイル添付機能を活用し、複数のエクスポートファイルを一気に読み込ませます。競合たちが共通して力を入れているテーマや、自社だけがまだ触れていない「空白地帯」を特定させましょう。
競合ドメイン:任意のドメイン
分析項目
- トピック
- 記事の傾向
- 競合ごとの上位トラフィック KW
- 競合が用いている差別化要素
- 競合と差別化するためのポイント
- 回答は表やグラフを用いて Excel などで整理してください

AI を使って「競合との共通点」と「差別化ポイント」を一覧化することで、自社が補うべき論点がよりクリアに見えてきます。キーワード軸の分析とドメイン軸の分析を組み合わせれば、単なる模倣ではない、競合の一歩先を行く独自のコンテンツ設計がスムーズに行えるようになります。
AI を使ったコンテンツ制作で大切にしたいのは、「AI を最高の下書き担当(ドラフト生成機)として使い、人間が価値(E‑E-A-T要素)を吹き込む」という考え方です。この役割分担こそが、読者に信頼され、検索エンジンにも評価される記事を作る近道になります。
STEP 1:添付ファイルとプロンプトを作成
まずはワークフロー ①、② で得たデータ(キーワードや競合分析の結果)を整理して、AI への指示書を作成しましょう。ここでポイントなのは、AI の分析結果をそのまま使うだけでなく、自社のブランドイメージや戦略に合わせて「ひと手間」加えること。「うちは初心者向けに優しく伝えたい」「専門的なトーンを維持したい」といった独自のこだわりを盛り込むことで、構成案の段階から独自性が格段に高まります。

ワークフロー部分は、□□のツールを活用した構成にしてください。
- トピック:設定したトピック
- メイン KW:設定した KW
- ターゲット:任意のターゲット層
例)AI 活用を検討中の SEO 中級者 - 狙う効果:任意の効果
例)SEO を AI 活用で効率化できるようになる - 想定文字数:任意の文字数
- 深掘り項目:
例)想定検索意図 検索 KW|検索意図 想定読者 レベル|ニーズ 記事のゴール(効果)
- タイトル案:2 ~ 3 案
- H2 ごとにトピックを提案し、読者が得られる価値を一言添える
- DL 可能な形式で出力する

また、内部リンクを意識して「この記事のあとに読んでほしい関連テーマ」を見出しに組み込んでおくと、サイト全体の回遊性も自然にアップしますよ!
STEP 2:ファーストドラフトを AI で生成
構成案が固まったら、いよいよ AI に執筆をお願いします。プロンプトをシンプルにするコツは、構成案ファイルの中に「著者プロフィール」「メインキーワード」「ターゲット」「文字数」といった基本情報をあらかじめ記載しておくこと。もちろん、トーン&マナーの指示も忘れずに入れておきましょう。
ちなみに、Ahrefs の調査では AI モデルによって「引用の傾向」に差が出ることも分かっています。時間に余裕があれば、同じプロンプトを複数の AI(ChatGPT や Claude など)で試して、良いとこ取りをするのもおすすめです。見出しごとに「読者の悩み」を具体的に指定して生成させると、SEO の土台として非常に使い勝手の良いドラフトが出来上がります。
著者やトピックなどの情報は、添付ファイル参照
- DL 可能な形式で出力する
STEP 3:E‑E-A‑T 要素を人間が追加する
ここが一番楽しく、そして最も重要な工程です。AI は情報の整理は得意ですが、皆さんが持っている「現場の失敗談」「独自の調査データ」「長年の運用ノウハウ」は人間にしか書けません。これこそが Google の重視する E‑E-A‑T(経験・専門性・権威性・信頼性)の源泉になります。
AI が作った土台に、実体験に基づいた事例や「ここだけの話」を付け加えてみてください。最後にしっかりとファクトチェックを行い、検索意図と内容がズレていないかを確認すれば、AI 時代に選ばれる「温度感のある高品質なコンテンツ」の完成です!
AI を活用した分析は、新しい記事を作る時だけでなく、既存記事をさらに輝かせる「リライト」の場面でも大きな力を発揮します。「どの記事から手をつければいいかわからない」と迷うことはありませんか?サイトエクスプローラーのデータと AI を掛け合わせれば、感覚に頼らない「根拠のあるリライト計画」を驚くほどスムーズに立てることができます。
STEP 1:サイトエクスプローラーで検索流入が減少している記事を特定
まずは、サイトエクスプローラーの「上位ページ」レポートを開きましょう。ここで便利なのが「前期比較」フィルタです。オーガニックトラフィックが前期比で減少しているページをサッと抽出し、一覧をエクスポートします。

数字が落ちているのを見ると少し不安になるかもしれませんが、それは「改善すればもっと伸びるチャンス(伸び代)」が見つかった証拠です!
STEP 2:AI で改善点を分析
エクスポートしたリストを AI に渡し、トラフィックが減少しているコンテンツの傾向を可視化させます。
- 見出し構成
- 検索意図の一致度
- キーワードの網羅性と配置
- 情報の鮮度(古くなっている箇所)
- 競合と比べてコンテンツが薄いと思われるセクション
- 優先順位の高い順に並べ替える
表なども用いて見やすく整理する
ダウンロード可能な形式で出力する
「特定のカテゴリーだけ落ちているのか」「競合に順位を奪われたのか」といった共通点を AI に整理させることで、優先的に取り組むべきカテゴリーや記事がクリアに見えてきます。もしコンバージョン(CV)を増やしたいなら、「CTA の配置についても分析して」とプロンプトに付け加えるなど、目的に合わせてカスタマイズするのも楽しいですよ。

STEP 3:高優先度のものを深掘り分析
AI の分析を参考にリライト候補を絞り込んだら、次は特定の記事に対して深掘り分析を行います。個別の記事ごとに最新の検索意図や競合との差分を Ahrefs で再調査し、AI と一緒に「どんな要素を足せばユーザーに喜ばれるか」を考えていきましょう。
https://分析対象サイトの URL
以下の項目で現状と改善案を示してください
- 見出し構成
- 検索意図の一致度
- キーワードの網羅性と配置
- 情報の鮮度古くなっている箇所を抽出
- 競合と比べてコンテンツが薄いと思われるセクションを抽出
- 追加したほうがいい項目
回答は表やグラフを用いて整理して、DL 可能な Excel ファイルなどで提供してください。
これまで経験則や「なんとなく」で決めてしまいがちだったリライトの優先順位。データと AI を味方につけることで、客観的かつ効率的に判断できるようになります。
SEO の自動化ワークフローを成功させる秘訣は、それぞれのツールの「得意分野」を知り、最高のチームを編成することにあります。「データの取得」「分析と整理」「クリエイティブな生成」など、これらをそれぞれの強みに合わせて分担させることで、AI SEO の精度は驚くほど高まります。私がおすすめする、各ツールの「輝く場所」を一覧にまとめました。
| ツール | 得意領域 | SEO での主な活用シーン |
|---|---|---|
| Ahrefs | 定量データの取得・可視化 | キーワード調査、競合分析、SERP(検索結果)の把握、被リンク調査。SEO 戦略の「揺るぎない土台」となる事実を集める。 |
| ChatGPT | 創造的な文章生成 ブレインストーミング | 読者の目を引くタイトル案の作成、記事の切り口に関するブレインストーミング、表現の言い換えやブラッシュアップ。 |
| Claude | 長文分析 構造的な文書生成 複雑な指示への対応 | 複数の競合記事のサマリー作成、ロジカルな構成案の設計、一貫性を保った長文ドラフト(下書き)の生成。 |
私たちが SEO 業務に AI を取り入れる本当の目的は、単なる「時短」ではありません。日々の単純作業や膨大な情報整理を AI という頼もしいパートナーに任せることで、私たち人間にしかできない「戦略を練る時間」や「クリエイティブに悩む時間」を最大限に確保することにあります。
Ahrefs の確かなデータと生成 AI を賢く組み合わせれば、これまでの SEO 業務の風景はガラリと変わります。しかし、検索窓の向こう側にいるユーザーの気持ちに寄り添った最終判断や、実体験に基づいた E‑E-A‑T の付与は、やはり私たちにしかできない大切な仕事です。主役はあくまで「あなた」であり、AI はその可能性を広げてくれる最高のサポーターなのです。
まずは今回ご紹介したプロンプトを使って、キーワード分析やトピック分析を気軽に試してみてください。最初から 100 点の結果が出なくても大丈夫。皆さんが主体となってプロンプトを自分色にカスタマイズしたり、Ahrefs から抽出するデータを微調整したりする過程そのものが、皆さんの SEO スキルをより確かなものにしてくれるはずです。AI との新しい役割分担を意識した、「一歩先の SEO 戦略」を一緒に描いていきましょう!
- Ahrefs 公式ブログ — 本社発信の記事
- Ahrefs Canny — 開発チームへ意見を送る
- X 公式アカウント — 最新情報をリアルタイムで
- YouTube 公式チャンネル — 動画コンテンツをチェック
- Ahrefs note — 日本チーム発信の記事