このニュースはグレン・ゲイブ氏が「速報」として投稿し、Google が手動による対策を通じて、さまざまなアフィリエイトディレクトリにペナルティを課したことが明らかになりました。
パラサイト SEO は通常、ユーザーが他サイトに自己参照リンクを投稿し、そのサイトのオーソリティを利用することで発生します。Google のサイト評判の不正使用に関するポリシーは、もともとこのような第三者によるスパム行為に焦点を当てていました。
しかし、Google は最近ポリシーを更新し、第一者(サイト運営者)が関与している場合でも、サイトの評判の不正使用は成立することを明確にしました。これが、アフィリエイトメディアにとって事態が複雑になることを示す最初の兆候でした。
アンジェラ・ペトゥラ氏が指摘するように、この一撃はちょうどブラックフライデーの時期、まさにこれらのメディアが年間収益の大半を上げることを期待しているタイミングで起こりました。
まだよくご存じない方のためにこれまでの経緯を説明します。
アフィリエイトメディアは、長年の権威を利用してアフィリエイトディレクトリを作成し、それにより多くの商業的に競争の厳しいキーワードで順位を上げ始めました。
SEO 専門家やアフィリエイターは、これらのメディアがエンドユーザーへの価値提供よりも利益を優先し、まやかしのアフィリエイトコンテンツを制作していると批判しました。同時期に、Google のヘルプフルコンテンツの更新(2023 年 9 月)の影響で、何百もの独立系サイトが SERP での「シャドウバン」を受け、その後も可視性を回復するのに苦労しています。
一部の順位落ち込みはあったものの、多くの大手アフィリエイトメディアでは今までと変わらぬ状態が続いていました。
しかし、先週から状況が一変しました。
以下のスクリーンショットに示されているように、ここ数日、多くの著名なメディアのアフィリエイトディレクトリでトラフィックが大幅に減少しています。
以下の Forbes Advisor を除いた同じビューでは、他メディアのトラフィックの低下がより明確に見えるようになっています。
ただ、すべてのアフィリエイトメディアが打撃を受けたわけではありません。安定した可視性を維持しているものもあれば、ニューヨーク・タイムズのように逆にトラフィックが増加しているところもあります。
SEO の専門家は Google で「site:」を使い、大手ブランドのアフィリエイトの形跡をあちこち捜し回っていますが、あまり見つかっていません。
実際、クリス・ロング氏(GoFish Digital のマーケティング担当副社長)は、自社のブランド名でランキングにさえ入っていないサイトもあることを発見しました。困った現象です。
これらのメディアが姿を消すと、膨大な量のトラフィックと収益が失われることになります。
そこで、Ahrefs チームのデスピナが、データを掘り下げてどのサイトがそのトラフィックを獲得しているのかを調べるという素晴らしいアイデアを思いつき、Ahrefs チームはそれを実行しました。
Ahrefs は、以下のアフィリエイトディレクトリについて、オーガニックトラフィックの減少が最も大きかった 1,000 のキーワードを調査しました。
- https://www.wsj.com/buyside/
- https://reviewed.usatoday.com/
- www.independent.co.uk/advisor
- www.thesun.co.uk/shopping/
- www.forbes.com/advisor/
- www.newsweek.com/vault/
- www.cnn.com/cnn-underscored/
全体で、11 月 18 日から 11 月 25 日の間に順位が下がったか完全に消えた 6,179 個のキーワードの順位を分析することになりました。
これらのキーワードに対して、Ahrefs キーワード エクスプローラーのドメイン別トラフィックシェアレポートでトラフィック分析を実行すると、
UGC(ユーザー生成コンテンツ)から個人金融、EC、ニュースメディアまで、さまざまな業界で成功を収めているサイトが実に数多くあります。
中でも際立っているのは Reddit で、失われたトラフィックの 6% を獲得しています。これにわずかな差で続いているのが Bankrate と Amazon です。
一見すると、このような大手の後退は独立系アフィリエイターやニッチサイト、小規模ビジネスにとっては格好のチャンスのように思えるかもしれませんが、実際にそれがどれだけ利益に繋がるかどうかはまだ分かりません。
現在、この状況で最大の恩恵を受けている上位 20 サイトの平均ドメイン評価は 92 と、依然として「有名サイト」の名前が並んでいます。
ここまで、Google の手動ペナルティによる影響で誰が利益を得ているのかを見てきましたが、アフィリエイトメディアが実際に何を失ったものは何でしょうか?喪失した可視性の価値はどれほどのものなのでしょうか?そして、そこに他社が食い込むチャンスはあるのでしょうか?現時点で分かっているのは以下の通りです。
オーガニックトラフィックの価値は平均 400 万ドル減少
7 つの主要なメディアの月間オーガニックトラフィックの価値は、平均で 4,111,485 ドル減少しました。
Ahrefs のサイトエクスプローラーのデータによると、これらのメディアは、良くて月間 89,000 ドルの損失を出し、最悪のケースでは 2,600 万ドルもの痛手を被りました。
事実上影響を受けたキーワードのほとんどは金融関連
Ahrefs の親トピックレポートを見ると、失われたキーワードの大部分は金融関連であることが明らかです。
これとは別に ChatGPT に影響を受けたキーワードを業界別に分類するよう依頼してみると、内訳は次のようになりました。
ChatGPT が正常に分類したもののうち、最大のカテゴリはまたしても金融でした。それに続くのが法律および保険、そして輸送でした。
失われた金融関連のキーワードの例をいくつか挙げると次のようになります。
- 法人クレジットカード
- 中小企業向けオンライン会計
- 最低預入金額のない事業者向け銀行口座
- リフォーム用住宅ローン
オーガニックトラフィックの減少が最も顕著だったのは EC 関連のクエリ
Ahrefsキーワード エクスプローラーのキーワードプリセットを使用すると、アフィリエイトメディアのトラフィック減少によって影響を受けたキーワードの種類について、もう少し詳しく知ることができました。
分析対象の 6,000 以上のキーワードについて、各メディアごとのオーガニックトラフィックの減少を分析しました。
下の表は、Ahrefs キーワード エクスプローラーで適用できるカテゴリのプリセットに基づいて、平均的なオーガニックトラフィックの減少を多い順に並べたものです。
キーワード数 | データセットに 占める割合 | 平均オーガニック トラフィック変動👇 | |
---|---|---|---|
EC | 1026 | 17.00% | -236 |
季節関連 | 228 | 4.00% | -154 |
ニュース | 498 | 8.00% | -141 |
比較 | 2555 | 41.00% | -103 |
レビュー | 140 | 2.00% | -84 |
フォーラム | 2396 | 39.00% | -69 |
ローカル | 83 | 1.00% | -64 |
特典 | 39 | 0.60% | -56 |
特集 | 133 | 2.00% | -49 |
価格 | 528 | 9.00% | -47 |
トレンド | 19 | 0.30% | -23 |
「一番高い預金金利」や「iPadと MacBook の比較」などの比較キーワードがデータセットに最も多く表示される中で、最大の減少を示したのは EC 関連のキーワードでした。これに続いて季節性のあるキーワード、ニュース関連のクエリが減少しています。
Ahrefs では、EC のキーワードはショッピング関連の SERP フィーチャーの特徴が見られるものとして定義しています。
最も減少した EC 関連クエリをいくつか挙げましょう。
- 2024 年 アドベントカレンダー
- airpods max
- apple ヘッドフォン Max
- apple airpods max
- ヘックスクラッド
- ジョリー シャワーヘッド
- gabb スマホ
- 2024 年 おすすめ 冷蔵庫
- カナダグース ブラックフライデー
- unbrush
影響を受けたキーワードは月間約 2,000 回検索される人気ワード
アフィリエイトディレクトリが可視性を失ったキーワードは比較的人気があるものが多いです。これらのキーワードの平均月刊検索ボリュームは 1,985 回に相当しました。
キーワードの平均難易度は 25 と中〜低程度で、例えば「おすすめ シンプルなプリンター」などのキーワードが含まれています。
これは、独立系サイトやオーソリティの低いサイトに足場を築くチャンスを提供しています。
影響を受けたキーワードの平均クリック単価は $2.21
影響を受けたキーワードの平均クリック単価(CPC)は $2.21 でした。ほとんどのキーワードの平均 CPC はこれよりはるかに低いため、このトラフィックの減少は相当な価値の損失にあたります。
失われたキーワードの 1/3 はブランド関連キーワードだった
データによると、失われたキーワードの 35.1% にはブランド関連のものでした。これは、メディアの名前が含まれていたのではなく、特定のブランド名を含むキーワードであることを指します。
影響を受けたブランド関連キーワードの例をご覧ください。
- owala ウォーターボトル
- home depot クレジットカード
- airpod max
- kindle paperwhite
- gabb スマホ
失われたトラフィックのほとんどは情報収集クエリによるものだったが、商業目的も 1/3 以上を占めていた
トラフィックの減少は購買ファネルの両端で発生しました。
減少または失われたトラフィックの大部分はインフォメーショナルで、その割合は 91.2% でしたが、コマーシャルも 39.7% と大きな影響を受けています。
失われたコマーシャルキーワードで最も価値の高いものは次のとおりです。
失われたコマーシャルキーワード | CPC |
---|---|
トラック事故 弁護士 | $129.15 |
ヒューストン 交通事故 一番いい弁護士 | $81.54 |
オースティン 交通事故弁護士 | $68.25 |
中皮腫 弁護士 ディレクトリ | $67.88 |
交通事故 弁護士 | $60 |
アフィリエイトメディアは、最も競争の激しい法律関連のクエリで上位にランクインしていましたが、現在はランキングから外れたため、これらの用語をターゲットにした競争が再び始まっています。
アフィリエイトメディアはトップニュース機能でも順位低下
当初から、これらのメディアは多くの SERP フィーチャーで上位にランクインするのに苦戦し、89.4% のキーワードで SERP 機能を獲得できませんでした。数少ないながらその中で最も多かったのはトップスニュース機能で、失われたポジションの 7.4% を占めていました。
トップニュースの生成キーワードをざっと見てみると、主に住宅ローン金利や類似の金融関連のクエリに集中していることがわかります。
まとめ
今回の内容を要約します。
- Google は、アフィリエイトディレクトリに手動による対策のペナルティを課し、その可視性を大きく低下させた。
- WSJ や CNN などの大手メディアでは、月平均で $400 万のトラフィックの価値を失った。
- Reddit、Bankrate、Amazon などの大手サイトが失われたトラフィックを獲得した。
- 最も影響を受けたキーワードは金融と EC 関連で、難易度は中〜低レベルだった。
- 高競争のキーワード(「トラック事故 弁護士」など)が今取り合い状態になっている。
- 数百件のインフォメーショナルやコマーシャルクエリが解放された。
- 小規模サイトにもチャンスが巡ってきたが、トラフィックでは依然として大手が優勢である。
ぜひ X にみなさんの考えや発見をお寄せください!