代表取締役の竹内渓太氏と、SEO コンサルタント兼セールスとして活躍する浅井優太氏は、共に「Ahrefs なしでは業務が成り立たない」と断言します。

創業以前から Ahrefs を愛用し、今やその魅力を発信する「Ahrefs アンバサダー」も務める二人。なぜ彼らはこれほどまでに Ahrefs を信頼し、活用し続けるのか。
本記事では、LANY 社の実際の業務フローに沿って、Ahrefs の具体的な活用方法を深掘りします。初回商談で顧客の心を掴む事前分析から、データに基づいた緻密な戦略設計、AI 時代を見据えた最新の LLMO (大規模言語モデル最適化) 戦略まで、インタビューで語られたプロの知見を余すことなくお届けします。
導入の決め手となった圧倒的な「データ」と「信頼性」
7〜8 年の SEO キャリアを持つ両氏にとって、Ahrefs はキャリアの初期から共に歩んできたパートナーのような存在です。
竹内氏:「前職で『まずこれを使って分析しなさい』と教わったのが最初の出会いです。SEO は相対比較で順位が決まるゲーム。競合の被リンク、獲得キーワード、トラフィック推移などが時系列で、ここまでつまびらかに出るツールは衝撃的でした。」
『「この宝の山をどう料理していくか」という感覚で、その圧倒的なデータ量に魅力を感じましたね。』

創業時、プランのアップグレードに際して他社ツールと比較検討した際も、Ahrefs を選ぶ理由は明確だったと竹内氏は語ります。
竹内氏:「決め手は 2 つです。1 つは、使い方に関するハウツー記事などがネット上に豊富で、困ったときに自己解決しやすいこと。もう 1 つは、被リンクのデータ数や分析できるクエリの多さといった、純粋なデータ量です。これらを踏まえ、『Ahrefs だけ使えばいい』と確信しました。」
一方、竹内氏の勧めで Ahrefs を使い始めた浅井氏は、実際に現場での運用経験からその優位性を実感しています。

浅井氏:「UI が直感的で、基本的な機能なら独学でも十分に使いこなせます。特に評価しているのが、日本語のデータの正確性です。他社ツールだと、キーワードに不自然なスペースが入ることがあり、サーチコンソールのデータと突合しにくいのですが、Ahrefs はそのズレがない。また、競合分析ツール (Competitive Analysis) で比較できるサイト数が多いのも、他社が 3〜4 サイトのところ Ahrefs はもっと多く設定でき、多角的な分析が必要な我々の業務にフィットしています。」
LANY 社の強みは、業務のあらゆるフェーズで Ahrefs のデータを戦略的に活用している点にあります。具体的な活用シーンを見ていきましょう。
【提案・セールス編】 初回商談で信頼を掴む、緻密な事前分析
顧客との最初の接点から、Ahrefs は強力な武器となります。
浅井氏:「セールスとしてお客様と話す前に、必ずサイトエクスプローラーでサイトを事前分析します。具体的には、ドメインパワー (DR)、被リンクの状況、オーガニックキーワード(どんなキーワードで流入しているか)、上位のディレクトリ(どのカテゴリが流入を稼いでいるか)を事前に見ておく。そうすることで、初回ミーティングから『こういう課題がありそうですね』と仮説に基づいた深い話ができ、『すごい見てくれてますね』とお客様からの信頼を得やすいんです。」

【戦略設計編】 データで勝機を見出す、多角的な分析アプローチ
プロジェクト開始後、Ahrefs は戦略の精度を飛躍的に高める羅針盤となります。
竹内氏:「キーワードエクスプローラーは、新規市場のポテンシャルを測るのに欠かせません。競合が獲得しているキーワードを抜き出し、そこに我々のノウハウで推定の CVR をかければ、『この市場に参入すれば、これくらいの売上が見込めるのではないか』という事業インパクトを試算できます。」
特に後発メディアや中小企業の支援では、その威力が最大限に発揮されます。
竹内氏:「普通のキーワードでは勝てない状況で頼りになるのが、ロングテールキーワード戦略です。あるメディア企業様では、私が 3 時間ほど Ahrefs に向き合ってロングテールキーワードを徹底的に洗い出し、そのリスト通りに対策を進めていただいただけで、コンバージョン数が劇的に増加しました。」

また、技術的な側面からのアプローチも欠かせません。
竹内氏:「大規模サイトほど、技術的な問題がパフォーマンスの足かせになっていることが多いです。サイト監査(Site Audit)機能は、サイトの“健康診断”として非常に有効です。ある SaaS 企業様では、この機能で URL の正規化ミスやリダイレクトループを発見・修正しただけで、トラフィックが大きく改善しました。」

【コンテンツ制作・改善編】 競合の一歩先を行くリライト戦略
コンテンツ制作のフローにも Ahrefs は深く浸透しています。
浅井氏:「記事を作成する際、上位サイトがどのようなキーワードで評価されているかを Ahrefs で取得し、それらのキーワードを記事に含めるフローを確立しています。さらに、リライトの質を高めるために、ページ検査機能も活用します。この機能を使うと、競合サイトのページの変更履歴が見られるんです。他社が『こういう点をこういう風に書き換えているから評価が上がっているんだ』という改善のヒントが見つけやすく、非常に重宝しています。」

『Ahrefsでキーワードの優先度をつける時は、上位サイトのDRも見ながら「このキーワードなら勝ち目がありそう」と判断しています。その設計がうまくいき、流入がすごく伸びた成功事例があります。』
Google の AI Overviews の登場など、SEO は大きな変革期を迎えています。LANY 社はこれを「LLMO (大規模言語モデル最適化)」と捉え、新たな挑戦を始めています。
竹内氏:「検索は面倒な行為です。これからは AI が最適な答えを提示する世界になる。そうなると、我々の仕事は『AI に選ばれる』ためのブランドやプロダクト作りを支援することに変わっていきます。」
この LLMO 戦略を支えるのが Ahrefs の最新機能です。
浅井氏:「最近の機能アップデートは素晴らしいですね。例えば AI コンテンツディテクター。お客様のコンテンツが『AI っぽい』と感じた際に、このツールで分析した結果を客観的な根拠としてお見せできるので、改善提案がしやすくなりました。」

特に両氏が革命的だと語るのが、ブランドレーダーです。
竹内氏:「ブランドレーダーで、自社が AI Overviews や ChatGPT、Perplexity 内でどう言及されているかをモニタリングできるのは革命的です。これまでは、特定のプロンプトを毎日手で打って、結果をログに取るという作業をアルバイトの方にお願いしていました。まさに無限の時給がかかっていたのですが、それが Ahrefs からクリックひとつでできるようになった。今や我々のモニタリング運用に不可欠で、『今止まったら苦しい』レベルで使っています。」

竹内氏は、Ahrefs を SEO の領域だけでなく、PR の効果測定にも活用できると考えています。
竹内氏:「最近、PR 会社の方と話す機会があったのですが、彼らが PR 施策の効果測定で使っているのは、主にプレスリリース配信サービスの管理画面で見れるウェブクリッピング(転載記事の確認)なんです。データ量が限られているという課題がありました。そこで、我々は Ahrefs の コンテンツエクスプローラー を使って、サイテーション(言及)の増減をリアルタイムで追っていると話したら、非常に感動させられました。Ahrefs ならプレスリリースが波及して生まれた二次的、三次的な言及まで追え、トラフィックの推定値まで見れる。これは PR 業界にとっても画期的なユースケースだと感じています。」


長年の愛用と深い知見から 2024 年に Ahrefs 公式アンバサダーに就任した両氏。その活動は、Ahrefs への恩返しでもある。
竹内氏:「アンバサダーになったことで『Ahrefs に詳しい会社』という権威性がつき、お客様からの信頼に繋がっています。今後は、機能が多すぎて“宝の持ち腐れ”になっているユーザーを助けたい。そして、SEO 業界だけでなく、PR や広告など、すべてのマーケターが使えるツールだと伝えていきたいですね。」
アンバサダーとして本社シンガポールで感じた Ahrefs
アンバサダーとして Ahrefs の魅力を発信する両氏は、その活動の一環としてシンガポールで開催されたカンファレンス「Evolve mini」にも参加。現地で感じた Ahrefs の企業カルチャーは、ツールへの信頼をさらに深めるものでした。
浅井氏:「海外カンファレンスへの参加は初めてに近かったのですが、世界中の企業が Ahrefs のデータを使って分析した生の声に触れることができ、『今の SEO の最先端』を感じ取ることができました。また、CMO の Tim Soulo 氏に直接お会いし、Ahrefs が今後どのような思いで機能を開発していくのかを感じ取れたことで、我々がこのツールを広めていく上での自信にも繋がりました。」
竹内氏:「Ahrefs という会社は、技術とデータへのこだわりが本当にすごい。Tim 氏のプレゼンもそうですが、ただデータを並べるのではなく、世の中の通説に対してさえも、膨大なデータを分析したファクトをもって『真実はこうだ』と伝えていく。このスタンスがすごく好きなんです。また、『こういう機能はないですか?』と聞くと、『もう作っています』と返ってくる開発の速さにも驚かされます。ユーザーの声に真摯に耳を傾け、トレンドを即座に技術で解決してくれる。これも我々が使い続ける大きな理由です。」
『個人の感覚や経験則で語られがちなこの業界で、Ahrefsは膨大なデータという「ファクト」で真実を伝えてくれる。そのスタンスがすごく好きなんです。』
最後に、導入を検討している企業へメッセージをいただきました。
竹内氏:「大事なのは『導入して何をしたいか』を明確にすること。その目的さえ定まっていれば、Ahrefs は絶対に費用対効果が見合うツールです。もし使い方が分からなければ、我々の発信を見ていただくなどして、課題を解決できると確信した上で導入すれば、間違いなく長く付き合えるパートナーになるはずです。」

編集後記
竹内様、浅井様のお話から、単なるツール活用術にとどまらない、SEO の最先端を走り続けるプロフェッショナルの深い知見と、AI 時代を見据えてデータを読み解き、業界の未来を切り拓く戦略的思考を学ぶことができました。
AI という大きな変化の波の中で、クライアントの事業成長を力強く支援し、新たなマーケティングのスタンダードを築こうとする株式会社 LANY 様の挑戦、そしてその羅針盤として「Ahrefs」が貢献できていることを大変光栄に思います。
示唆に富む貴重なお話をありがとうございました!
▪️今回ご協力いただいた企業・ユーザー様
【株式会社 LANY】事業内容:SEO コンサルティングを主軸としたデジタルマーケティング支援 / LLMO (大規模言語モデル最適化) コンサルティング

竹内渓太 様
株式会社LANYの代表。株式会社リクルートにデジタルマーケティング職で新卒入社。3年間、デジタルマーケティングに従事。その後、株式会社LANYを創業。大規模/データベース型サイトのSEOが得意。

浅井優太 様
コンテンツSEOを中心に各種プロジェクトに従事。
コンテンツSEOの豊富な知見や経験と丁寧なコミュニケーションで、中長期的なお付き合いでお客様のサイトのSEO改善に貢献している。
公式サイト: https://lany.co.jp/
オウンドメディア「LANY ブログ」: https://lany.co.jp/blog/