こんにちは!Ahrefs(エイチレフス)日本マーケティング統括の Taka です。
2026 年も早いもので 2 ヶ月が経ち、春の足音が聞こえてくる時期になりました。新年度の戦略を練るなかで、「昨年起きた変化」を単なる過去の出来事として片付けてはいないでしょうか?
日々の業務に追われていると、つい昨日のことのように感じていた「2025 年」の記憶が薄れ始めていくのを感じます。しかし、昨年の検索データには、私たちが今向き合っている市場の本質が鮮明に映し出されています。
なぜあのキーワードが伸びたのか、AI 検索の普及で何が変わったのか。今だからこそ、一歩引いた視点で「2025 年の関心ごと」を構造的に読み解いてみたいと思います。
「2025 年を表す言葉は?」と聞かれたら、どんな言葉が思い浮かびますか?
「激動」「変革」「AI の年」・・・ 人によって、さまざまな表現があると思います。この 1 年は、生成 AI の普及や新しいテクノロジーの台頭、消費行動やエンタメ体験の変化など、さまざまな動きが一気に押し寄せて来ました。こうした社会の変化は、人々の検索行動にもはっきりと表れます。2025 年、私たちは何を知りたがり、何に不安を感じ、どんなことに夢中になったのか。そのすべてが、検索窓に入力された「キーワード」という形で記録されています。
検索行動の裏側には、「気になること」「不安」「期待」など、今を生きる人々のリアルな感情が反映されています。もはや検索データは、ただの「数字」ではありません。それは、人の心の動きや社会の空気を投影する“時代の鏡”と捉えることもできるのです。
2025 年に登場した Ahrefs の新機能(ブランドレーダー、MCP サーバー)
Ahrefs では、2025 年に新機能ブランドレーダーや MCP サーバー(Model Context Protocol Server)の導入を行いました。これにより、検索データの質と文脈が大きく進化した点も見逃せません。
新たに導入したブランドレーダー機能は、ブランド名の露出や被リンクだけでなく、オンライン上のあらゆるメンションを追跡し、話題性を立体的に捉えることを可能にしました。また、MCP サーバーの導入により、これまでは膨大な時間と労力を要した解析が、より高精度かつ短時間できるようになり、解析へのアプローチが根本から変化しました。
2025 年に注目されたトピックを、「検索ボリューム」、「成長率」、「被リンク増加」などを軸に MCP 解析を行いました。それぞれのキーワードの背景にある社会的現象を、データとともに読み解いていきましょう。
スポーツニュースの圧倒的ボリュームを誇るキーワードとは?
スポーツニュースは、「スポーツニュース」、「スポーツニュース 速報」、「スポーツニュース 野球」といった上位キーワードと、その関連キーワードで月間 3 万 ~ 5 万件規模で推移する巨大市場です。プロ野球、サッカー、バスケットボールなどの国内・海外リーグも合わせ、多くの人々が日常的にスポーツの話題を追っています。中でも野球とサッカーへの関心が高く、「大谷翔平、阪神、巨人、WBC」などでは、数百万〜数十万件級、「日本代表、J リーグ、W 杯」などでは、数十万件級の検索規模となります。中でも圧倒的検索ボリュームを誇るのが、MLB で活躍する大谷翔平選手です。大谷選手関連の検索は、それだけで 200 万件級で、スポーツニュースの大半を占めています。
プロスポーツは恒常的な関心対象であるとともに、大谷選手級のスターの活躍が続く限り、今後も注目度や市場規模が大きく落ち込むことは考えにくいでしょう。
ニュース露出は最大級:2025 年ならではのトピックス
2025 年を彩った話題の一つとして 、大阪・関西万博が挙げられます。
公式サイトや自治体、企業、ニュースからの被リンクが非常に高く、チケットやパビリオンなどの関連市場も含めると最低でも月間 50 万件以上の巨大市場でした。
「大阪関西万博」 単体では、開幕 2 年前の 2023 年 4 月が 6.2 万件程度だったのに対して、4 月の開幕時には 26 万件超え、実体験を含む SNS の口コミやキャラクターの人気の影響もあり、開催中には 45 万件に迫る伸びを見せました。万博閉幕後も、大屋根リングやパビリオンの行方、「アフター万博」といったトピックがあるものの、検索ボリュームは大きく減少することが予想されます。

生成 AI は無料から高度活用へ
検索上位キーワードは、「生成 AI」、「画像生成 AI」、「動画生成 AI」、「音楽生成 AI」、それらの活用事例が並び、月間検索総量は 60 万~ 80 万件規模に達しました。
B2B 領域では、RAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)技術や活用事例の CPC が 100 を超える高単価キーワードが目立ち、商業性の高さが際立ちます。このことからも、生成 AI は、日常の便利ツールから、本格的なビジネス基盤へと進化していると捉えられます。
推し活は複合分野
2025 年も推し活の勢いは止まらず、月間 20 万件ほどの検索規模を持つ巨大市場でした。グッズ購入・制作、100 円ショップ活用、ファッション、アプリと多様な領域に広がりを見せました。中でも成長しているのが、リアルな体験を伴う分野です。聖地巡礼の検索ボリュームは、人気アニメの舞台に加え、アイドルグループのロケ地など、上位だけでも 5 万件、全体では 8 ~ 10 万件ほどの検索ボリュームで推移しています。「体験型推し活」という新たな文化を形成し、SNS 投稿、グッズ製作、カフェ訪問、さらにはロケ地訪問まで、ファン行動は複合化し、幅広い年齢層に浸透しています。2026 年でも旅行・イベントとの融合がさらに進み、推し活は応援を超えてライフスタイルとして定着していくことも見込まれます。
政治分野は総裁選で注目度アップ
2025 年秋に行われた総裁選により、注目度が高かったキーワードは、政治家の個人名でした。なかでも、高市早苗首相についての検索「高市早苗」は、月間 12.8 万件に達し、プライベート系を含めると関連キーワード全体で 30 万件規模と、政治家としては異例の検索ボリュームでした。
首相就任や政局をうかがう政治意図のキーワード群だけでも 2 〜 3 万件の検索が発生しており、「女性首相だから」 ではなく「次の政治を担うリーダー」として注目が集まっていることが読み取れました。
B2B 市場で注目 : ウェルビーイング経営
ウェルビーイング経営は、検索総量こそ月間 1,500 〜 2,000 件ほどとニッチな市場ながら、「ウェルビーイング経営」、「人的資本経営 ウェルビーイング」など高 CPC キーワードが存在する、B2B 色の濃い市場となっています。
特に、人的資本経営とウェルビーイングの掛け合わせが高い関心を集めています。CPC 200 という極めて高い広告単価からも従業員の身体的・精神的・社会的幸福に重点を置き、企業の持続成長に直結させる新しい経営戦略を重要視していることがうかがえます。健康経営との違いが比較的強い関心領域で、介護など人手不足業界での導入拡大も期待されており、2026 年以降も 20 〜 40% の成長が見込まれています。
多方面に広がる“円安”関心の波
「円安」は、関連キーワード全体では、月間 15 万〜 20 万件規模の検索ボリュームを誇る大テーマとなりました。
主な検索意図は、「円安とは」といった仕組み理解、「円安 いつまで」といった、円安が続いている状況に対する不安、「円安 株価」「円安で儲かる企業 ランキング」「ドル建て保険」といった投資や株価への影響、そして旅行や生活コストへの実務的な影響となっています。特に「円安の影響が少ない旅行先はどこ」は、1.9 万件の検索など、出費に直結する内容に関心が高まり、為替に対する生活者の適応行動が可視化されました。また、投資・資産運用に関するキーワードは商業性が極めて高く、この不安を資産形成の機会と捉える層も厚いこともうかがえます。2026 年も相場は読めないものの、消費行動にも影響することから引き続き注目を集めるテーマです。
グルメ検索にも変化の波:インバウンド需要と地方観光が後押し
月間検索ボリューム 100 万〜 120 万件規模の巨大市場をけん引するのは、テレビ番組系に加え、急増した駅や空港と食・グルメを掛け合わせた検索でした。また、「お取り寄せグルメ」は、EC の定番として安定した伸びを維持しています。
全体として検索の 80 % は地域・観光系に集中し、推し活との関連性もうかがえます。2026 年も 5 〜 20 % の緩やかな成長が期待される領域といえるでしょう。
次世代機&新作ラッシュで加熱:ゲーム検索バブルの到来
2025 年は、人気ゲームタイトルの登場と次世代ゲーム機の発売が重なったことで、検索数が爆発的に伸びたジャンルのひとつが「ゲーム」でした。その勢いは、トップキーワードだけで月間数百万件以上の検索ボリュームを誇っていたことからも見て取れます。
中でも大きな話題を呼んだのが、2025 年春に詳細が発表され、初夏に発売された任天堂の次世代機「Nintendo Switch 2」。Switch 2 への関心は爆発的で、Nintendo Switch 2 関連は、「switch2」で 82 万件超、「switch2 抽選」で 39 万件に迫るなど合計数百万レベルの熱狂ぶりです。
また、突発的なバズゲームにより、ゲーム関連の検索は、トップ検索キーワードだけでも月間 200 ~ 300 万件規模のボリュームで推移し、新作ソフトやオンラインゲーム、スマホゲームアプリの「新作」「最新」「おすすめ」検索も高水準で推移しています。
ゲーム関連のキーワードで、高 CPC なのが「オンラインクレーンゲーム」(CPC 120 〜 160)や「オンラインゲーム 回線速度」(CPC70 〜 150)などです。課金や快適なプレイ環境に関するキーワードで広告単価が急騰しており、収益機会が集中しています。
バズゲームが毎年誕生するとは限りませんが、Nintendo Switch 2 の入手困難が続いていること、そして、ゲームが日本のエンタメの中核であり続けていることを考えると、このジャンルの勢いは今後も衰えることはなさそうです。
ファッション:若者トレンドと大人需要が二極化
ファッション自体は生活に必需であるため、常に検索され続けており、具体的な流行スタイルが入れ替わる領域です。そのため、検索ボリュームは、全体で月間 100 万件超と大きく、日々様々なことが検索されています。
EC サイトや若年層のトレンドである「地雷系ファッション」や「Y2K ファッション」、さらには、「〇代ファッション」や「〇代ファッション お手本」といった、40 代 ~ 60 代の大人世代からの検索も急伸しています。
トレンドがピークアウトする可能性があるものの、新たな潮流が続き、生活必需ジャンルあることから常に検索され続ける点が根強い市場の基盤となっています。

従来の SEO 分析では、検索された数が多いブランドが強いとされ、Ahrefs の分析でも、主に検索ボリュームや被リンクという定量的な指標に焦点を当ててきました。しかし、実際には「検索されなくても、SNS や専門メディアで話題になっているブランド」も存在します。
Ahrefs ブランドレーダーは、AI 検索時代における自社ブランドの認知度や競合との差を客観的に把握できる AI ツールです。主要な生成 AI プラットフォームにおけるブランドの言及数や露出状況を 1 億 4,000 万件以上に上る膨大なプロンプトデータから分析・可視化し、自社と競合ブランドの市場内ポジションを数値で比較できます。
これにより、マス広告を打たないスタートアップ企業や、ニッチなコミュニティで熱狂的に支持されるブランドの勢いをいち早く察知することが可能になりました。
新興ブランドが躍進するトースター市場
数ある家電製品の中でも、新興ブランドが躍進しているトースター市場に着目しました。
ブランドレーダーが可視化したのは、キャンプ時の雨天候にヒントを得て開発されたトースターが大ヒットしたバルミューダの圧倒的な存在感を筆頭に、アラジンの追随、大手の停滞、中小の苦戦という構図です。
バルミューダは、AI プラットフォーム全体でのメンション数は 220 件と競合の中でも最大級で、Google の AI による概要や ChatGPT など複数の AI ソースでも安定して取り上げられています。
検索需要も 20 万件超と、カテゴリ内で強いブランド認知を維持しており、依然として「トースターといえば」の代表格として語られやすい位置にあるといえます。
ウェブ全体での言及も堅調で、AI・検索・メディアの各チャネルが相互にブランドの存在感を押し上げている構造からも、バルミューダは話題の中心に居続ける存在と認識できます。

一方、大手ブランドであるパナソニックや象印は、安定した検索需要があるにもかかわらず、AI 関連の文脈ではやや存在感が薄れています。Gemini や ChatGPT による引用内容も似通っており、話題の主導権を他ブランドに奪われている可能性があるといえるでしょう。
また、ツインバード、タイガー、シロカといったブランドは、AI 経由での言及が限定的で、比較対象として名前が挙がるかどうかの「分岐点」に位置しています。ウェブ全体や YouTube での取り上げも少なく、現時点では「最初に名前が出てくるブランド」には届いていない状況です。

AI に名前が挙がるブランドと検索されるブランドは必ずしも一致しませんが、依然として話題の中心はバルミューダとアラジンにあることが分かりました。
AI 検索時代のトースター市場では、単発の話題性だけでなく、デザイン性とストーリー性で獲得してきた指名検索・ブランド想起を維持しつつ、「比較記事」「ランキング」「レビュー」といった文脈での被リンク・メンションをどれだけ増やせるかが今後の課題と言えます。
AI 台頭によるオウンドメディアサイト大手の変化
自社サイトで、AI の登場によるサイトへのアクセスの変化を言及している、汐留 PR 塾に着目しました。汐留 PR 塾は、共同通信 PR ワイヤーが運営するオウンドメディアです。広報・ PR 担当者に向けて、知識やノウハウなど多岐にわたるコンテンツを提供しています。
汐留 PR 塾は、自社調査で、AI による概要の影響が出る前と比較すると、検索結果からのアクセス数が月間で約 40% ほど減少していることを明らかにしています。
Ahrefs エクスプローラーで同サイトを検索すると、ある興味深い傾向が見えてきます。オーガニックトラフィックは、過去のピーク時と比べて大きく減少しているにもかかわらず、ここ数年でクロールされているページ数は着実に増加。つまり、このサイトは継続的にコンテンツを増やし続けているのです。
それにも関わらず、トラフィックが比例して伸びていない。このギャップは、非常に示唆に富んでいます。コンテンツを増やすという施策自体は間違っていないはずなのに、なぜ結果につながっていないのか?この現象からは、「コンテンツの量」と「検索流入の成果」は必ずしもイコールではないという、現代の SEO における課題が浮かび上がってきます。 
このズレの原因をブランドレーダーで探ってみましょう。
ブランドレーダーの検索結果を見てみると、検索需要・ウェブ上での可視性のいずれも非常に高い水準にあることが分かります。検索需要が高いということは、それだけブランド名を“指名して”検索するユーザーが多いことを意味しています。これは、認知度だけでなく、信頼や興味の高さを示す重要な指標です。それと同時に、AI からの引用が増えている点も注目ポイントです。

AI の応答における引用数は、2025 年 11 月にかけて大きな増加を見せています。
このデータは、特定のブランドや情報が、生成 AI や Google の SGE(Search Generative Experience:Google が生成 AI 技術を活用して提供する新しい検索体験)を介した応答において、「情報源」として積極的に引用され、活用されていることを示しています。

これは、単なるメンションとは異なり、その情報が AI によって信頼でき、参照すべき情報であると評価された証拠と捉えることができます。従来の SEO が検索エンジンの好みに左右される側面があったのに対し、AI による引用は、情報の質と信頼性そのものが評価された結果と言えます。

2025 年は、Ahrefs MCPサーバーのリリースにより、検索意図の深度分析が大きく進化しました。
より深い文脈で検索クエリ分析することが可能になり、「何を検索したか」よりも「なぜ検索したか」が重要になった一年でした。

中でも、変化が顕著だったのが、AI 関連のキーワードです。これまでのツールとしても意図から、AI にタスクを完全に任せ、その結果を最大化するための方法を探すものへと劇的に変化しました。
情報収集のフェーズを超え、検索を行動のためのインフラとして利用し始めたことを物語っています。
2025 年の検索トレンドを改めて振り返ると、生活必需品やエンタメといった中核領域は、依然として安定した関心を集めていました。しかし、Ahrefs のブランドレーダーによる詳細な分析を進めると、今まさに私たちが向き合っている「新しい変化」が鮮明に見えてきます。それは、「AI 検索での露出は増えているのに、実際のアクセスが比例しない」という、一種のねじれ現象です。
この状況は、ユーザーによる「指名検索」の価値がこれまで以上に高まっている一方で、AI に推薦されないブランドは、比較の土俵にすら上がれないという厳しい現実を浮き彫りにしています。
2026 年の戦略において重要になるのは、従来の「検索ボリュームやクリック数」という指標だけではありません。「AI の文脈の中で、自社がいかに語られているか」という新たな評価軸とどう向き合うか。それが、これからの検索市場を勝ち抜くための分岐点になるでしょう。
2025 年を象徴する Ahrefs のデータは、決して過去を記録しただけの数字ではありません。検索に刻まれたキーワードのひとつひとつには、当時の私たちが「何を知りたかったのか」「何に価値を見出していたのか」という、社会の集団的な意識が映し出されています。こうした検索データの本質を読み解くことこそが、次の一手を決めるための最も信頼できるヒントになります。
ブランドレーダーなどの機能を駆使すれば、話題性の広がりを多角的に分析できますし、MCP サーバー解析を活用することで、複雑なデータからでも直感的にインサイトを抽出することが可能です。
変化のスピードが加速し続ける今だからこそ、「検索」という行動に宿るユーザーの真意を理解することが、進むべき道を照らしてくれます。2026 年のマーケティングやコンテンツ戦略を支える確かな羅針盤として、ぜひ Ahrefs を最大限にご活用ください。
- Ahrefs 公式ブログ— 本社発信の記事
- Ahrefs Canny — 開発チームへ意見を送る
- X 公式アカウント— 最新情報をリアルタイムで
- Ahrefs note — 日本チーム発信の記事