SEO を賢く自動化!Ahrefs の AI 機能を一挙解説

河原田 隆徳
Ahrefs 日本マーケティング統括。 国外 SaaS 企業における日本市場向けのマーケティングとローカリゼーションで 10 年以上の経験を積み、現在は Ahrefs の日本マーケティングを統括。ユーザーの皆さんと共に、Ahrefs を日本で盛り上げることを目標に、日々全力で取り組んでいます。
今や、あらゆるシステムやツールに AI エンジンが組み込まれています。Ahrefs も例外ではありません。もちろん、SEO に役立つ AI 機能を搭載しています!

この記事では、Ahrefs の最新の AI 機能についてご紹介します。キーワード調査、コンテンツ最適化、テクニカル SEO プロセスを自動化して、生産性を上げていきましょう。

では以下で、順にご紹介していきます!

どういったキーワードをサイトで使うべきか、自分の頭だけでブレインストーミングするのはなかなか難しいものです。ウェブサイトを立ち上げたばかりの新規ブランドは、ニッチなロングテールキーワードを見つけるのに苦労しますし、有名ブランドの場合はすでに一般的な検索用語を出しつくしてしまった感が否めません。

Ahrefs のキーワードエクスプローラーに組み込まれた AI 提案機能では、関連するキーワードのリストを瞬時に生成してキーワード調査をすぐに開始できます。

AI に依頼してください…」と表示された検索バーをクリックして、利用可能なプリセットから選択するだけです。たとえば、ここでは、「マーケティング」のような一般的なキーワードに対する「課題と問題点」を聞いてみました。

そうすると、Ahrefs の AI キーワードアシスタントが、さまざまな種類のマーケティング活動で直面する一般的な課題のリストをブレインストーミングします。

この機能が特に優れているのは、多言語でも機能することです。クエリの最後に希望の言語を入力し、場所を選択して、「検索」 をクリックします。 

検索意図(ユーザーがなぜその言葉を検索するのか)は、多くの場合明白です(この例では、ユーザーは特定の商品を購入しようとして検索を行っています)。

複数の意図を持つクエリや意図が不明瞭なクエリの場合、AI がさまざまな種類の検索意図を分析し、次にどのような切り口のコンテンツに取り組めばよいかをサポートしてくれます。

キーワード「cal­lig­ra­phy(書道)」を例に取り上げましょう。キーワード エクスプローラーのページ最下部の SERP 概要テーブルまでスクロールし、「意図を特定する」ボタンをクリックします。

Ahrefs の SERP AI は、詳細なユーザーインテントはもちろん、総トラフィックからインテントごとにパーセンテージで内訳を表示してくれます。これは、現時点では他の SEO ツールにはない機能です! 

ランク付けの対象となるにはどのような視点でコンテンツを決めればよいか、そのヒントとして活用しましょう。

たとえば、書道の歴史や種類について説明する記事では、「書道」というキーワードのみを検索意図のターゲットにすることができます。

また、書道についての包括的な記事を作成し、ひとつの記事の中で複数の検索意図をターゲットにするのもおすすめです。次のように、主要な意図をそれぞれ適した割合で組み込むと効果的です。

  • 55% — 定義と背景情報 
  • 34% — 習字 
  • 11% — 書道用品 

AI で効率化できるもう 1 つの SEO プロセスは、コンテンツの最適化です。具体的には、検索パフォーマンスを向上させるために入れなければならないのに入っていないトピックを見つけることです。

その方法は?Ahrefs の AI コンテンツグレーダー (現在、エンタープライズユーザー向けのベータ版で提供)は、既存の記事やキーワードの上位ランクページを自動的に分析します。

コンテンツグレーダーは主要なサブトピックをすべて抽出し、並べて比較し、規模に応じてスコアを付与します。こうすることで、各トピックがどれだけ有効に取り上げられているか、またはいないかを俯瞰的に確認できます。

キーワード「プログラマティック SEO」の例を見てみましょう。Ahrefs の記事の 1 つを既存の競合記事と比較すると、コンテンツにおいて改善の必要な部分が一目で分かります。

AI コンテンツグレーダーは、上位ランクページを使い実際の例を示して、サブトピックを 1 語ずつ最適に記載する方法も提案してくれます。 

ベータ版リリース:AI コンテンツヘルパー
コンテンツ最適化のレベルを上げたい場合は、Ahrefs の新機能である AI コンテンツヘルパーをお試しください。

これは、ありがちなキーワードの詰め込みではなく、トピックのカバー範囲に重点を置いた、より自然なコンテンツ最適化ツールです。

コンテンツグレーダーと同様に、コンテンツヘルパーはターゲットキーワードのコアトピックを識別し、コンテンツ作成時に自社コンテンツ(および競合他社のコンテンツ)にスコアを付けます。

さらに、AI を使用してタイトルタグ、メタディスクリプション、見出しのブレインストーミングを行うこともできます。また近日中には、内部リンクを自動化してコンテンツの権威を高める機能も登場します。

AIコンテンツヘルパーはベータ版では無料です。この機会にぜひお試しいただき、改善点へのご意見をお寄せください。

海外 SEO(インターナショナル SEO)を行う場合、まずしなければならないのは、地域市場向けにキーワードを翻訳することです。

たとえば以下のような施策がありますが、そこまで簡単にできるものではありません。

  • SEO 指標を使用してキーワードリストを作成する
  • 経験豊富な翻訳者を雇う
  • ローカライズされてもニュアンスが損なわれないように(トランスクリエーションと呼ばれるプロセス)キーワードを翻訳する
  • 翻訳されたキーワードに基づいてコンテンツプランを作成する

Ahrefs の AI 翻訳機能を使えば、そのプロセスすべてを一度に実行できるため、時間(および翻訳料金)を節約し、コンテンツ戦略をグローバルに拡大できます。

まず必要なのは、保存したキーワードリストです。訳出する言語または方言を選択したら、キーワードを展開する国や地域を選択し、「翻訳」をクリックします。

他の翻訳管理ツールと異なる点は、各キーワードに対する代替の翻訳語が表示されるため、検索ボリュームが最も高いキーワードの翻訳バージョンを選択できることです。

たとえば、スペイン語圏の国々では「ポップコーン」の言い方が多種多様です。Ahrefs の AI 翻訳機能を使えば、各国で最も一般的に使われている言い方を検出できます。

メモ
Ahrefs の AI 翻訳機能は現在、180 か国以上で 40 以上の言語と方言の自動翻訳に対応しています。対応言語は、近日中にさらに追加される予定です。

開発者に助けを求めずに、自社のチームでウェブサイトの技術的な問題を解決できると便利ですよね?

まもなく、Patch(パッチ)でそれが実現できるようになります。

Patch は、自分で問題点を修正してサイト監査レポートに反映できる機能です。

たとえば、SEO チェックで「ウェブサイトのメタディスクリプションが短すぎる」とフラグが付いたことはありませんか?こうした場合に、自分で問題に対処できるようになるのです。データをエクスポートしてサポートチケットを作成し、修正点を明記して IT 担当者に送信する代わりに、以下を実行するだけで問題が解決します。

  • 「Patch it」をクリック
  • 新しいメタディスクリプションを入力
  • ウェブサイトで公開

変更事項はすべて Cloud­flare Work­ers または JavaScript スニペットを介してライブサイトにプッシュされます。バックエンドの処理は Ahrefs に任せて、皆さんはビジネスの成長に集中できるのです。

今後のバージョンアップでは、待望の AI 機能も続々登場予定です。 タイトルやメタディスクリプションの書き換えなどの単純な SEO タスクを AI に依頼し、ワークフローをさらに効率化させることができます。

これまでに説明した AI 機能のほとんどは、新スタンダードプラン以上をご利用であれば、Ahrefs のインターフェース内で直接アクセスできます(AI コンテンツグレーダーはエンタープライズプランをご利用のお客様のみを対象としています)。 

さらに、Ahrefs エコシステムの一部として、40 を超える無料の AI ライティングツールもご用意しています(現在、英語のみ)。

これらのツールは主にコピーライティングを求めるプロフェッショナルやチーム用に設計されており、SEO、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディア、さらには製品関連のタスクなど、さまざまなトーンで異なる目的に合わせてコンテンツを即座に生成します。

また独自の Word Counter はこちら(現在英語のみ)。これは AI により SEO の目的で段落からキーワードやエンティティを抽出できる便利なツールです。

Ahrefs Word Count

最後までお読みいただきありがとうございました!ご紹介した AI 機能が、適切なインサイトを提供して SEO タスクの効率化に役立つことを心から願っています。 

今後追加されればよいと思われる AI 機能があれば、ぜひ X でご要望をお寄せください!