ドメインレーティング(DR)は、Ahrefs 独自の指標で、ウェブサイトの被リンクプロファイルの強さを 0〜100 のスケールで示します。日本の SEO 業界では一般的に「ドメインパワー」と呼ばれている指標です。DR は相対的な設計になっており、Ahrefs のインデックスに含まれるすべてのウェブサイトと比較した被リンクプロファイルの強さがスコアに反映されます。
だからこそ、「ドメインパワーはいくつあれば良いのか?」に唯一の正解はありません。DR 60 がある業界では優秀でも、別の業界では平凡な値かもしれません。あるキーワードで上位表示するには十分でも、別のキーワードではまったく足りないこともあります。
自サイトのスコアを判断する前に、もう一つ知っておくべきことがあります。DR は対数スケールを採用しているため、ウェブサイトが 0〜100 の範囲に均等に分布しているわけではありません。インターネット上のサイトの大半は小規模、新規、または放置されたサイトであり、圧倒的多数のドメインが DR 0〜10 に集中しています。DR 20 から 30 に上げるには少数のリンクで済みますが、DR 70 から 80 に上げるには数千本のリンクが必要になることもあります。つまり、「高い」数値は見た目以上にレアなのです。
特定の数値を追いかけるのではなく、本当に意味のある 3 つの軸でドメインパワーを評価しましょう。競合との比較、業界全体との比較、そしてターゲットキーワードとの比較です。以下では、それぞれの方法を実データとともに解説します。
もっとも実用的なベンチマークは、インターネット全体ではなく、同じ顧客を奪い合っている具体的な企業です。
SEO ソフトウェア市場を例に見てみましょう。主要プレイヤーの比較は以下のとおりです。

ウェブサイト | ドメインレーティング | 参照ドメイン |
|---|---|---|
Semrush | 92 | 132,404 |
Ahrefs | 91 | 100,201 |
Moz | 91 | 106,417 |
Similarweb | 89 | 49,594 |
SE Ranking | 85 | 19,574 |
Mangools | 82 | 15,770 |
Ubersuggests | 69 | 1,522 |
この市場では、「良い」ドメインパワーは 80 以上であり、それがこの業界への参入に求められる最低ラインです。DR 69 (Ubersuggest)は明らかに外れ値ですが、参照ドメイン数の列を見ればその理由がわかります。他の競合が獲得しているリンク元サイト数のごく一部しか持っていないのです。これこそが DR の役割であり、同じ市場における被リンクプロファイルの相対的な強さを要約しています。
自分のニッチでも同じ比較を行ってみてください。競合が DR 40 前後に集まっているなら、DR 50 は十分に優秀です。逆に競合がすべて DR 85 なら、DR 70 ではまだ差を埋める余地があるということです。「良い」とは、実際に競争している相手を上回ることです。
上記の表と同じように、競合セット全体がドメインレーティング順に一覧表示されます。自サイトの DR が同業他社の中で「良い」水準かどうかが一目でわかります。

ヒント
直接の競合から視野を広げて業界全体を見ると、また違った景色が見えてきます。
簡単な例として、Ahrefs の SEO エージェント Agent A を使い、SaaS 企業 600 社のドメインレーティングを取得して、業界全体の「標準」がどのあたりにあるかを調べました。
ベンチマーク | ドメインレーティング |
|---|---|
下位 25% | 38 |
SaaS 企業の中央値 | 62 |
上位 25% | 77 |
上位 10% | 86 |
つまり SaaS サイトを運営している場合、DR 62 はちょうど平均、DR 77 なら業界の上位 4 分の 1 に入り、DR 86 以上ならトップクラスということになります。漠然と「70 なら良い」とするよりも、同じビジネスモデルの企業と比較した指標のほうがはるかに実用的です。
重要なのは SaaS の具体的な数値ではなく、この方法そのものです。同業種の企業を 20〜30 社リストアップして DR を確認すれば、自分の業界に合わせたベンチマークが手に入ります。
これにより、汎用的な数値よりもはるかに意味のある、業界に最適化されたベンチマークが得られます。
この比較は、実際にランクインできるかどうかを予測するうえでもっとも重要でありながら、ほとんどの人が実施していないものです。
「自分のドメインパワーは良いのか?」ではなく、「ターゲットキーワードですでに上位表示しているサイトの DR はどれくらいか?」と問いかけてみてください。以下は、さまざまなキーワードにおけるオーガニック検索結果トップ 10 の平均ドメインレーティングです。

キーワード | トップ 10 の平均 DR | ランクインしている最低 DR |
|---|---|---|
SEO とは | 91 | 81 |
おすすめ CRM ソフトウェア | 89 | 73 |
Eメールマーケティングソフトウェア | 85 | 76 |
プロジェクト管理ソフトウェア | 84 | 69 |
ケトレシピ | 80 | 61 |
家計管理のヒント | 78 | 37 |
おすすめランニングシューズ | 76 | 29 |
ここから 2 つの重要な教訓が見えてきます。
第一に、競争の激しい商業キーワードでは、相応の権威性が求められます。「best CRM software」で上位を狙う場合、SERP (検索結果ページ)の平均 DR は 89 です。DR 20 の新しいサイトがコンテンツの質だけでそのページに食い込むのは、現実的に難しいと言えます。
第二に、「ランクインしている最低 DR」の列に注目してください。DR 29 のサイトが「best running shoes」で 1 ページ目にランクインしています。DR 37 のサイトが「budgeting tips」でランクインしています。DR はランキング要因ではなく、参入障壁でもありません。権威性の低いサイトでも上位表示は十分に可能であり、特に競争が少ないキーワードや情報探索型のクエリではその傾向が顕著です。ドメインパワーは上位表示までの道のりの険しさを教えてくれるものであって、不可能かどうかを示すものではありません。
フィルタリング後のリストがほぼ空であれば、そのジャンルのキーワードは高 DR サイトに占められているということです。まずはより狙いやすいトピックから攻めましょう。逆に十分な数のキーワードが残っていれば、それがチャンスです。同程度の権威性を持つサイトがすでにランクインしているキーワードであり、全員を追い越す必要なく勝負できるということです。

上の例では、SEO 関連キーワードのリストに「最低 DR:トップ 5 に 30 以下」のフィルターを適用することで、数千件のキーワードが 467 件の勝てる可能性のある候補に絞り込まれています。適切な戦場を選べば、控えめなドメインパワーでも十分に戦えるという証拠です。
もっともよくある誤解なので、はっきりと述べておきます。DR は Google のランキング要因ではありません。 Google は Ahrefs のドメインレーティングを使用していません。DR は Ahrefs 独自の指標であり、サイトの被リンクプロファイルの規模と質をもとに算出されたものです。
DR が相関するのは*競争力*です。強力な被リンクプロファイルを持つサイトは、ランキングに有利に働く要素(権威性、信頼性、質の高いコンテンツを制作・プロモーションするリソース)を兼ね備えている傾向があります。ただし、その相関はゆるやかです。だからこそ DR 29 のページが 1 ページ目にランクインし、DR 90 のページが特定のクエリでは 5 ページ目に埋もれるといったことが起こるのです。
Ahrefs チームが 2025 年に実施した調査では、DR と SERP ランキングの相関係数は 0.131 であることがわかりました。小さなプラスの相関はあるものの、決定的とは言えない数値です。

DR はスコアボードではなく、戦略的な指標として活用してください。
DR は被リンクプロファイルによってほぼ決まるため、改善の鍵はより多くの高品質な参照ドメインを獲得することにあります。
改善は緩やかで対数的に進みます。DR が高くなるほど、1 ポイント上げるために必要なリンク数は増えていきます。リンクの獲得に集中すれば、DR スコアは自然とついてきます。
「良いドメインパワー」の普遍的な基準は存在しません。あるのは、*何かと比較して*良いかどうかだけです。
まず自サイトの DR を確認し、次にこの 3 つのベンチマークと照らし合わせてみてください。画一的な数値よりも、はるかに多くのことを教えてくれるはずです。
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ライアン・ローは Ahrefs のコンテンツマーケティングディレクターです。ライアンにはライター、コンテンツ戦略家、チームリーダー、マーケティングディレクター、VP、CMO(最高マーケティング責任者)、エージェンシー設立者として 13 年の経験があります。彼は Google、Zapier、GoDaddy、Clearbit、Algolia など、多くの企業のコンテンツマーケティングと SEO 改善を支援してきました。彼は小説家でもあり、2 種類のコンテンツマーケティングコースの考案者でもあります。