
グレン・ オルソップ 作成
Ahrefs の Head of Marketing Strategy & Research
Ahrefs チームは 2 年連続で、AI がコンテンツマーケティングのあらゆる側面に与える影響を把握すべく、マーケター調査を実施しました。
301 名のマーケターから、AI の活用目的や生産性への影響、愛用ツールなどについて回答を得ました。
301 名中 280 名(93%)が、コンテンツの作成やその補助に AI を使っていると回答しました。昨年の調査の 87%から上昇しています。

AI を使っていない 6.98%のほぼ全員が精度への懸念を理由に挙げ、半数以上が AI 生成コンテンツ全般に対する不信感を示しました。
数字としてはかなり高いですが、驚くべきことではないかもしれません。
Ahrefs のライアン・ローが以前指摘したように、Gmail、Google ドキュメント、Slack といった定番ツールにも次々と AI 機能が統合されており、AI を活用する機会はあらゆる場面に広がっています。
さらに、ChatGPT のようなプラットフォームの成長も見逃せません。OpenAI は 2025 年 10 月に週間アクティブユーザー 8 億人、2026 年 2 月に 9 億人を発表し、7 月末には 10 億人を突破しました。
補足
昨年の調査は今回より回答者数が多いため、比較は大まかな傾向に限定し、細かい数値での対比は行っていません。
「もはや AI を使わない時代には戻れません。今や AI は、ロボットが自動車製造を支えるのと同じように、コンテンツ制作の一部として定着しています。競合が AI を使ってより多く、より速くコンテンツを公開している状況で、AI を使わないことは必ずしも『正しい選択』ではなく、単に遅れを取ることを意味しかねません。これは冷戦の論理に似ています。一方がエスカレートすれば、他方も追随しなければ劣勢に立たされます。そして AI を導入したブランドでさえ、必ずしもリードしているわけではありません。同じ場所にとどまるために、以前より速く走っているだけなのです。」マテウシュ・マコシェヴィチ、マーケティングリサーチャー&エデュケーター、Ahrefs
回答者の半数以上が、AI 生成コンテンツに対する見方がこの 1 年でよりポジティブになったと答えています。38%が「ややポジティブになった」、23%が「かなりポジティブになった」と回答しました。

その理由に関する明確なデータはありませんが、モデルの改善、業務効率の向上、ワークフローの最適化といった要因が複合的に影響していると考えられます。
一例として、Ahrefs のコンテンツマーケティングディレクターであるライアンは、コンテンツエンジニアリングのワークフローの一環として 23のスキルファイルを使ったプロセスを活用しています。
こうしたガイドがウェブ上で広まることで、より質の高いアウトプットを生み出せるようになった人も多いといえます。
AI を活用しているマーケターの 85%が、導入後にコンテンツ制作が速くなったと回答しています。47.9%が「かなり速くなった」、37.1%が「やや速くなった」と答えました。

AI によってコンテンツ制作が遅くなったと答えたのはわずか 2.5%です。
昨年の調査では、AI ユーザーが非ユーザーより 42%多くのコンテンツを公開していることが注目されました。今年は、コンテンツ制作の「スピード」向上が際立った結果のひとつといえます。
約 14 年間コンテンツを作り続け、文字どおり数千本の記事を書いてきました。それだけの経験があっても、AI のおかげでより良いコンテンツをより速く作れるようになっています。それでも 1 本あたり 4~6 時間以上はかかりますが。ビル・ウィドマー
AI がコンテンツ制作を速くするという点には同意します。ただし、それが必ずしも良いことだとは思いません。AI はブログ記事を数分で生成できるため、確かに速くなります。しかし、生成されたテキストは一見きれいにまとまっているため、かえって編集しにくいのです。記事の本質的な部分(ターゲットは誰か、何を含めて何を外すべきか、など)を検討する前に、細かい文章の修正に入ってしまい、結局そのまま公開してしまいがちです。また、戦略や深い思考がなければ、速さに意味はありません。量産工場のようなコンテンツになるだけです。マーケターには、単に速く作るためではなく、より良いものを速く作るために AI を使ってほしいと思います。シー・クアン・オン、SEO &マーケティングエデュケーター、Ahrefs
AI を活用しているマーケターの間で、前年比の伸びが最も大きかったのは専門性の高いタスクでした。
データ分析への AI 活用は 28%から 60%へ、画像生成は 19%から 43%へ、キーワードクラスタリングは 23%から 45%へそれぞれ上昇しています。

興味深いことに、昨年のデータではこれらは AI の用途として最も人気が低い部類に入っていました。
この成長の背景には、モデルの性能向上、ワークフロー共有の広がり、AI 利用の習慣化など、複数の要因が考えられます。
AI を使っている回答者のうち、83%が Claude、76%が ChatGPT、58%が Gemini を利用しています。
それに続くのが Claude Cowork (42%)、Claude Code (37%)、Codex (13%)でした。

Claude が SKILL.md ファイルを導入し、再現可能なプロセスを簡単に作成できるようになったのはおよそ 1 年前のことです。
マーケティング業界の「バブル」に偏った視点かもしれませんが、この機能の登場は ChatGPT から Claude への明確なシフトと時期が重なっているように見えます。AI を使っている調査回答者の 68%がスキルファイルを使用しており、55%が自作のスキルファイルを活用しています。
もちろん、モデル同士がしのぎを削るこの時代では、状況はすぐに変わる可能性があります。
補足
2025 年の調査ではコンテンツ作成に使うツールを 1 つ選択する形式でしたが、今年は複数選択を許可しています。そのため、数値をそのまま市場シェアの比較として扱うことはできません。
また、選択肢に含まれていたツール名を自由記述欄に書き込んだ回答者もおり、それらは合計に加算されています。
マーケターの 3 分の 2 (66%)は、人間が事前にレビューした場合にのみ AI 生成コンテンツを信頼すると回答しています。レビューなしで信頼するのはわずか 2.7%です。

AI を使っているマーケターの間では、不信感を持つ人は少数派です。「AI 生成コンテンツを全般的に信頼していない」と答えたのはわずか 6%で、AI をまったく使っていない層の 57%と対照的です。
全回答者の 69%が、1 年前と比べて AI コンテンツの公開割合が増えたと答えています。AI ユーザーに限ると、この数字はほぼ 4 分の 3 (74%)に上ります。

ここで重要なのは、AI を活用したコンテンツの増加が、必ずしも無編集のまま公開される記事の増加を意味するわけではないという点です。
公開コンテンツに「純粋な AI コンテンツ」が含まれていないと回答した人のうち、半数以上(58%)が AI コンテンツの割合が増えたと答えています。つまり、AI はあくまで制作プロセスの一部として組み込まれているのです。
AI はツールであって、ディストピアへの入り口ではありません。ブランドが成熟した責任あるガバナンスモデルを整備すれば、コンテンツの公開量が増えるのは自然な流れです。AI が制作を加速し、人間が戦略、センス、独自性、品質管理を担う。この『人間主導、AI 活用型コンテンツ』の流れを見過ごすべきではありません。ギャレット・サスマン氏、マーケティングディレクター、iPullRank
AI ユーザーの 56%が、人間が書いたコンテンツは AI コンテンツより品質が高いと答えており、23%は「はるかに優れている」としています。

興味深いことに、品質に対する評価は回答者の立場によって大きく異なります。
創業者や経営者の 43%が「AI コンテンツの方が人間のライティングより優れている」と答えた一方、ジュニアおよびミドルレベルのマーケターではわずか 17%にとどまりました。
基本的なコンテンツ、たとえば重要な質問を的確に抽出して簡潔に回答する FAQ ページなどでは、AI が人間のライターを上回ることも少なくありません。しかし、ホームページのメッセージングや年次エンゲージメントレポートのように、ブランドの個性が求められるコンテンツを AI に任せることはしません。それはブランドの差別化を失い、他のあらゆるコンテンツプラットフォームと同じ声になってしまう最短ルートです。カレン・ロビンソン
AI を活用しているマーケターのうち、AI で生成されたコンテンツの品質を AI にチェックさせている人は 29%で、昨年の 14%から倍増しました。

この設問は複数選択形式のため、回答の合計は 100%を超える場合があります。
アウトプットのチェック方法として最も多かったのは、手動でのセルフチェックです。今年は、結果を一切チェックしないと答えた回答者がさらに減少しました。
AI コンテンツについて考えるとき、いつもダニング=クルーガー効果を思い浮かべます。自分の知識にギャップがあると、AI がハルシネーション(事実と異なる情報の生成)を起こしたり間違えたりしても気づけません。以前、時間を節約しようと AI に記事を丸ごと書かせたことがあります。しかし、内容が自分にとって新しいテーマだった場合、手動でファクトチェックせざるを得ませんでした。AI による品質チェックが問題を検出してくれたとしても、それで安心はできません。むしろ『AI が見落とした他の間違いもあるのでは?』と疑いが生まれるだけでした。結局、アウトプットのファクトチェックと、最初に省こうとした深いリサーチに費やした時間は、全部自分でやった場合よりも長くなりました。コンテンツ作成とファクトチェックの 100%を AI に委ねるのは、そのテーマに精通している場合を除き、おすすめしません。精通していないなら、まず自分でリサーチに時間を使い、その上で AI をコンテンツ作成や品質チェックに活用してください。そうすれば AI のアウトプットをより的確に判断できるようになります。ルイーズ・ラインハン、コンテンツマーケター、Ahrefs
AI を活用しているマーケターのうち、ほぼ半数がライターやフリーランスへの支出削減につながっていないと回答しています。さらに 26% は削減効果があったかどうかすら把握していません。

この結果には明確な理由があります。AI ユーザーのうち外部ライターに依頼しているのはわずか 28% にすぎません。残りは社内でコンテンツを制作するか、自分自身で執筆しています。
コスト削減を実感していると回答した層では、月あたりの削減額は約 15 万〜30 万円(1,001〜2,000 ドル)が中心でした。
AI を活用しているマーケターの 78% は、コンテンツ制作に AI を使った事実をサイト訪問者に伝えていません。一方、22% が AI の利用を明示しており、2025 年調査の 16% から増加しています。

この結果は、何をもって「AI コンテンツ」と見なすかによって大きく左右されると考えられます。
データの確認や記事構成のフィードバックに AI を使うのと、文章のほぼすべて(場合によっては全文)を AI に書かせるのとでは、まったく意味合いが異なります。
興味深いのは、AI 生成コンテンツの割合が高いマーケターほど開示率も高いかというと、そうではなかった点です。
AI を活用しているマーケターの 7% は、公開コンテンツの 75% 以上が編集や追加入力なしの純粋な AI 生成コンテンツだと回答しています。2025 年の 4% から上昇しました。

一方、公開コンテンツに純粋な AI 生成コンテンツが「まったくない」と答えた割合は 40% で、昨年の 50% から減少しています。
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その後その実績を携え、Ahrefs のマーケティングチームおよびプロダクトチームに加わる。