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AI 引用の安定性を検証:37,500 件の引用を追跡して分かった 10 のこと

マテウシュ・ マコシェヴィチ のプロフィール画像

マテウシュ・ マコシェヴィチ 作成

Ahrefs の SEO & Marketing Educator

25 分で読めます

重要なポイント:

  • 引用の変動性は「通常の状態」と捉えましょう。これは AI の回答に最初から備わっている特性のようで、モデルの更新によって大きく変わる可能性もあります。そのため、すべての引用を途切れさせずに維持するのではなく、時間をかけて表示頻度を高めることを目指しましょう。こうした理由から、AI 引用は AEO の KPI として最適とは言えません。より安定しているブランド言及のほうが、有力な候補です。
  • 1 回の確認だけで、AI における可視性を判断しない。引用の 50~83% は翌日に消えますが、そのうち約 75% は 20 日以内に戻ります。直近 7 日のうち、何日引用されたかを数えましょう。
  • 消えた引用は、その前の状況で判断する。8 日以上続いた引用は、ほぼ必ず戻りました(96~99%)。一方、1 日だけの引用は、34~41% が二度と戻りませんでした。
  • Google の AI ツールに向けても、SEO の基本を続ける。検索順位、トラフィック、質問に答えるタイトルは、長く続く引用と結びついています。一方、基本の水準を超えてドメインレーティング(DR)や被リンクを増やしても、同じ傾向は見られません。
  • 自社ブランドに関する質問と、より広い発見型の質問を分けて考える。自社の料金について引用されることと、「おすすめの X」で表示されることは別物です。ブランドに関する事実確認の質問、レビュー、おすすめ系の質問を別々に追跡すれば、一方の好調な結果が、他方の弱い結果を覆い隠すことはありません。
  • 1 回の復帰を、ページ修正の成果とみなさない。引用は消えたり戻ったりを繰り返します。次に表示されたからといって修正が効いた証拠とは考えず、引用される頻度が継続的に改善しているかを確認しましょう。
  • 引用が消えたままのときは、ページの検索パフォーマンスと、質問への回答力を確認しましょう。Google で上位表示され、検索トラフィックがあり、質問に合致しているページほど、引用が長く続きます。

この記事では、引用の挙動、本当の喪失と一時的な変動の見分け方、長続きする引用の要因の順に解説します。

5 つの AI ツールで 20 日間、AI 引用の安定性を測定した方法

Ahrefs のデータサイエンティストのシベイジャ・グアンは、5 つの AI ツールに毎日同じ質問を投げかける調査を 20 日間続けました。初日に引用されたすべてのウェブサイトを追跡し、翌日も、さらにその翌日も引用されているかを確認しています。一度消えた場合は、再び戻ってきたかどうかも調べました。

AI ツール
追跡した質問数
初日に引用されたウェブサイト数
Google AI Mode
1,996
18,009
ChatGPT
3,173
11,225
Google AI Overviews
563
4,830
Gemini
1,276
1,994
Copilot
823
1,447

シベイジャのデータは 1 か月分です。この傾向がより長い期間でも当てはまるかを確かめるため、Ahrefs では ブランドレーダー で毎日追跡している質問でも同じ測定を行いました。AI の可視性を測るツールとマーケティングカンファレンスに関する質問が 25 件、SEO ・マーケティングツールに関する質問が 69 件です。ブランドレーダーの結果がシベイジャのデータを裏づけた場合や食い違った場合は、その都度補足しています。

パート 1:AI 引用はどれくらい消え、どれくらい早く戻るのか

まずは、最も基本的な疑問から見ていきましょう。AI ツールが今日ページを引用したら、明日も引用するのでしょうか。そして、引用が消えたら戻ってくるのでしょうか。

1. AI 引用の半数以上が、翌日までに消える

5 ツールすべてで、引用の少なくとも半数が翌日までに消えました。Google AI Mode と ChatGPT で約 60%、AI Overviews で 50%、Gemini と Copilot で 80% です。

Gemini と Copilot は一貫性が低く見えますが、その一因は、翌日の回答でどのサイトも引用されないことが多かった点にあります。こうした「空の回答」を除くと、5 ツールとも似た傾向でした。引用を含む次の回答までに、50~60% の引用が消えています。

AI ツール
2 日目までに消えた割合
1 週間以上続いた割合
20 日間続いた割合
Google AI Overviews
50%
18%
6.6%
Google AI Mode
58%
19%
6.8%
ChatGPT
59%
13%
4.0%
Gemini
81%
0.3%
0.2%
Copilot
83%
1.9%
0.5%

ファンアウト検索の変化だけでは、引用の入れ替わりの一部しか説明できません。AI ツールは回答する前に複数のウェブ検索を実行することが多く、これを「ファンアウト検索」と呼びます。ChatGPT が前日とまったく同じ検索を繰り返したのは、26% にとどまりました。

ただし、検索が同じだった場合でも、引用されたウェブサイトが変わった割合は 81% でした。検索が変わった場合の 91% を少し下回る程度です。つまり、入れ替わりの多くは検索のあと、AI が引用するページを選ぶ段階で起きていると考えられます。

グレン氏は、ページ単位でも同じ傾向を確認しています。AI Overviews は翌日、同じページの約半分を再び引用し、ChatGPT は約 4 分の 1 でした。レポート A と、レポート B の 8 月の期間でも、Google の AI ツールと ChatGPT で引用の約半数が 2 日目までに消えています。

ポイント: 1 回の確認だけで、AI における可視性を判断しないでください。追跡している質問ごとに、直近 7 日のうち何日引用されたかを数えましょう。

2. 失われた AI 引用の約 75% は 20 日間の調査中に復帰し、約半数は 3 日以内に戻った

引用が見当たらなくても、永久に失われたとは限りません。5 ツール全体で、一度でも消えた引用の約 75% が、20 日間の調査期間内に戻りました。

その約半数は、3 日以内に復帰しています。Google AI Overviews と ChatGPT では、引用されない日がわずか 1 日で戻ったケースが約 40% ありました。

脱落した AI 引用が戻ったタイミングを示すグラフ
脱落した AI 引用が戻ったタイミングを示すグラフ

最初に消えた引用が戻ったタイミング。各棒は、少なくとも 1 回消えた引用を 100% としています。

初日に引用された全ウェブサイトのうち、調査期間中に消えたまま戻らなかったのは、ツールによって 20~27% でした。

照合したブランドレーダーのレポートでも似た傾向でしたが、復帰した引用はやや少なく、約 3 件に 2 件でした。なお今回の数値は、復帰率を実際より低く見積もっている可能性があります。調査の終盤に消えた引用は、戻るまでの猶予が短かったためです。また、追跡したのは最初の消失だけなので、復帰した引用が再び消える頻度は測定できていません。

ポイント: 引用が 1 回消えたからといって、すぐにページを変更しないでください。ほとんどの引用は、数日以内に自然と戻ります。2~3 週間たっても引用が戻らない場合に、はじめてページを見直しましょう。

3. 消える前に長く続いた AI 引用ほど、復帰しやすい

引用が長く続いていたものほど、消えたあとに戻る確率は高くなります。1 日だけ続いた引用のうち、約 3 分の 1 は二度と戻りませんでした。一方、8~14 日続いた引用は、ほぼすべてが最終的に戻っています。

これは リンディ効果 に少し似ています。長く生き残ったものほど、今後も生き残る可能性が高いという考え方です。引用の場合も、長く続いたものほど生き残る、つまり戻ってくる可能性が高いと言えます。

最初に消えるまで続いた期間
戻らなかった割合:AI Overviews
AI Mode
ChatGPT
1 日
34%
41%
35%
2~7 日
8%
10%
4%
8~14 日
4%
2%
0.7%

翌日の復帰率も同じ傾向です。1 日だけの引用のうち、翌日に戻ったのは 14~25% でした。すでに 8 日以上続いていた引用では、69~87% が戻っています。

2 件のブランドレーダーのレポートでは、新しい引用が特に不安定でした。約 70% が翌日に消え、そのうち調査期間中に戻ったのは 34~45% にとどまります。

ポイント: 新しい引用は、数日続くまで安定した成果として数えないでください。また、1 週間続いていた引用が消えても、少し様子を見ましょう。自然に戻る可能性は十分にあります。

パート 2:AI 引用の減少が見かけどおりではないケース

ここまでは、消えた引用をすべて「失われたもの」として数えてきました。しかし、その中には見かけどおりではないものもあります。AI がそもそもどのウェブサイトも引用していなかった場合や、リンクは外れたもののブランド名は回答に残っていた場合などです。

4. Gemini と Copilot の回答の半数以上は、出典の引用を含まない

Gemini と Copilot は、回答の半数以上で引用がゼロでした。そのため、ほかの AI ツールと比べて引用が不安定に見えます。まずは、ツールごとの内訳を見てみましょう。

AI ツール
引用なしの回答
一般的な回答の引用数
1 回答での最大引用数
Gemini
64%
0
11
Copilot
53%
0
15
ChatGPT
0.7%
4
20
Google AI Overviews
0.9%
10
39
Google AI Mode
0.5%
9
60

Google のツールと ChatGPT は、今回のデータではほぼ必ず出典を引用していました。そのため、空の回答を除外しても結果はほとんど変わりません。

そこで、Gemini と Copilot について、引用のない回答を除外して再計算しました。すると、AI Mode や ChatGPT とよく似た結果になりました。出典を含む次の回答までに、約 60% の引用が消えていたのです。

AI ツール
2 日目までに消失:空の回答を含む
2 日目までに消失:除外
1 週間以上継続:含む
1 週間以上継続:除外
Gemini
81%
58%
0.3%
9.5%
Copilot
83%
58%
1.9%
15.3%

Google のツールと ChatGPT では、除外しても数値の変化は 1 ポイント程度以下でした。回答のほぼすべてが何かしらを引用するためです。この場合、引用が消えたということは、ほぼ確実にほかのサイトが枠を取ったことを意味します。

レポート B でも同じ傾向が見られました。Gemini と Copilot では、引用が消えたケースの 68% が、次の回答でどのサイトも引用されなかったことによるものです。Google のツールでは 1%、ChatGPT では通常 11% でした。ただし ChatGPT の数値は、8 月 19 日~9 月 7 日の期間には 58% まで上昇しています。

また、見かけ上の「復活」の多くも、実際にはツールが再び出典を引用しただけでした。その割合は Gemini で 44%、Copilot で 52% です。

ここで注意点が 1 つあります。空の回答を除外すると、「出典付きの次の回答」と比較することになり、それが数日後になる場合があります。さらに、この方法では 20 日間の信頼できる比較もできませんでした。20 日すべてで引用があった質問が、Gemini ではわずか 4%、Copilot でも 27% にとどまったためです。

ポイント: Gemini と Copilot では、引用が消えたと判断する前に、AI がそもそもどこかのサイトを引用したかを確認しましょう。自社サイトが引用される頻度と、代わりにほかの出典が登場する頻度の両方を追跡してください。

5. ウェブサイトの引用が消えても、ブランド言及は AI の回答に残ることがある

AI ツールは、ウェブサイトへのリンクを示す場合も、ブランド名を明記する場合も、その両方を行う場合もあります。しかし、引用されたウェブサイトの大半は、回答の本文でブランド名が言及されていませんでした。

例えば、Apple の AirTag に関する AI の回答が ZDNet (米国のテックメディア)へリンクしていても、本文に「ZDNet」という名前は出てこないことがあります。引用されたにもかかわらず、その回答でブランドが言及されていなかった割合は次のとおりです。

AI ツール
引用あり、その回答でブランド言及なし
Google AI Mode
84%
Copilot
81%
Google AI Overviews
77%
Gemini
60%
ChatGPT
54%

さらに、ブランドが引用され、かつ言及もされていた場合でも、翌日にはどちらか一方だけを失うケースが目立ちました。

Google のツールと ChatGPT では、12~16% が引用を失ってもブランド言及は維持していました。反対に、9~12% は引用を維持したまま言及を失っています。Gemini と Copilot では、引用を失ってもブランド言及が残るケースがはるかに多く見られました。これらのツールがどこも引用しない回答を頻繁に返すことも一因です。

AI ツール
翌日:引用は消えたが名前は残った
翌日:引用は残ったが名前が消えた
Gemini
40%
4%
Copilot
31%
3%
Google AI Mode
16%
11%
ChatGPT
13%
9%
Google AI Overviews
12%
12%

ブランド名は、引用よりも長く残ります。どのツールでも、引用されたウェブサイトの約 50~70% は 1 日しか登場しませんでした。一方、ブランド名で 1 日しか登場しなかったのは約 5 件に 1 件です。

1 日だけ登場した引用サイトとブランド名の割合の比較
1 日だけ登場した引用サイトとブランド名の割合の比較

対象期間中、1 日しか登場しなかった引用サイトとブランド名の割合です。

ブランド名は、日によって表記が揺れます。例えば AI ツールが、ある日は「HubSpot」と言い、翌日は「HubSpot CRM」と言うことがあります。こうした揺れを損失として数えないよう、AI を使って同じブランドの表記違い(「Adobe Acrobat Online」と「Adobe Acrobat」など)をグループ化したうえで測定しました。

この処理が重要な理由は、グレン氏が 55 ブランドを手作業で確認した結果からもわかります。見かけ上の損失のうち 30~36% は、同じブランドが別の名前で登場していただけでした。一部の表記違いは見逃している可能性があるため、ブランド言及の数値は、やや控えめに見積もった値として捉えてください。

ポイント: 引用とブランド言及は、別々に追跡しましょう。言及が消えたと数える前に、AI が単にブランド名の別表記を使っていないかを確認してください。

ここまでで、引用が消えたように見えても、実際には AI が出典を示さなかっただけ、あるいはブランド名は残っていたというケースがあるとわかりました。次のパートでは、どのような特徴を持つ引用が安定しやすいのかを見ていきます。

パート 3:AI 引用の安定性と関連するページの特徴・質問タイプ

引用がこれほど頻繁に入れ替わるなら、残り続けるのはどんな引用でしょうか。ここでは、引用が残ったページと外れたページを比べました。調査したのは、SEO 指標、ページタイトルと質問の一致度、質問の種類です。いずれも相関関係であり、長く続く引用に共通する特徴を示すものであって、引用が続く原因を示すものではありません。

6. DR や被リンクより、Google の検索順位とオーガニックトラフィックのほうが AI 引用の安定性との関連が強い

Google で順位が付き、すでに検索流入があるページほど、AI 引用が長く続きました。AI Overviews では、15 日以上引用されたページのオーガニック検索からの推定月間訪問数(中央値)は 88 でした。1 日しか引用されなかったページは 8 です。一方、ドメインレーティング(DR)やページへの被リンクによる差はほとんどありませんでした。長く続いた引用も短かった引用も、同程度に強いサイトから選ばれていました(DR の目安は 64~78)。

この結果は、Ahrefs が過去に行った 190 万件の AI Overviews 引用を対象とした調査の続編にあたります。前回は、引用された上位 3 ページの 86% が Google の上位 100 位以内に入っており、順位の中央値は 3 位でした。前回の調査では、順位が付いているページほど引用されやすいことが分かりましたが、今回の調査からは、引用され続けやすい可能性も見えてきます。

AI Overviews と AI Mode では、同じ質問で Google に順位が付いているページは、7 日以上引用が続く確率が約 7 倍でした。ChatGPT では、その差は小さくなりました。

AI ツール
Google で順位あり:7 日以上引用
順位なし:7 日以上引用
Google AI Overviews
29%
4%
Google AI Mode
28%
4%
ChatGPT
11%
4%

順位が高いことも有利に働きましたが、それ以上に重要だったのは、Google の検索結果に表示されているかどうかでした。AI Mode では、上位 3 位のページの約 40% が 7 日以上引用され続けました。6 位以下のページでは 20% です。

また、もともとオーガニックトラフィックが多いページほど、引用が長く続く傾向がありました。

引用が続いた期間
一般的なトラフィック:AI Overviews
AI Mode
ChatGPT
1 日
8
1
0
2~7 日
27
10
2
8~14 日
47
44
17
15 日以上
88
124
17

_引用初日時点における、引用ページのオーガニックトラフィック(中央値)。引用が続いた期間ごとにグループ化。_

一方、SEO のオーソリティ指標との関連は、はるかに弱いものでした。

  • ドメインレーティング(DR): 引用されたページの多くは強いサイトに属しており、引用期間にかかわらず DR は 64~78 が目安でした。
  • 被リンク: 引用が長く続いたページでも、参照ドメイン数が非常に少ないケースが目立ちました。
  • URL レーティング(UR): 引用が 1 日で終わったページも 15 日以上続いたページも、一般的な UR は 5 前後でした。

トラフィックも被リンクもない、あるいはオーソリティが極端に低いページは、短命な引用に多く見られました。ただし、一定の水準を超えてオーソリティが高くなっても、引用の安定性が大きく高まる様子はありませんでした。

だからといって、被リンクが無意味なわけではありません。被リンクはページの検索順位を押し上げる助けになり、その検索順位は長く続く引用と関連しています。

ただし、引用されるために検索順位が必須というわけではありません。AI Mode と ChatGPT で引用されたページの約 75% は、同じ質問で Google に順位が付いていませんでした。AI Overviews の引用でも、ほぼ半数が同様です。

なお、順位の分析は 230 件の質問のみが対象です。そのため、強い関連は示せても、確定的なルールとまでは言えません。順位ごとの小さな差は、偶然のばらつきである可能性もあります。

さらに、検索順位とトラフィックは独立した指標ではありません。オーガニックトラフィックの大半は検索順位から生まれるため、2 つの結果は同じ関係を別の角度から示している可能性があります。

鮮度も影響する可能性があります


ページのパフォーマンスだけが重要とは限りません。今回の調査とは別に、情報の鮮度が明確な差を生んだケースを筆者は 2 つ確認しています。 1 つ目は、Ahrefs の SEO 料金調査ページです。競合が自社ページを更新し続けた一方で、Ahrefs のページは更新されないままでした。その結果、AI 引用で逆転されました。

競合ページが AI 引用で Ahrefs のページを上回ったことを示すスクリーンショット
競合ページが AI 引用で Ahrefs のページを上回ったことを示すスクリーンショット

2 つ目は、売れ筋のトレンド商品を紹介するページです。当初は、どの AI ツールにも引用されていませんでした。しかし、商品カテゴリを増やし、データを新しくしたところ、数日以内に 35 件の異なる AI 回答で引用されました。

更新後に、トレンド商品ページが複数の AI 回答で引用されたことを示すスクリーンショット
更新後に、トレンド商品ページが複数の AI 回答で引用されたことを示すスクリーンショット

ポイント:Google の AI Overviews と AI Mode では、引用を狙う質問で自社ページが検索結果に表示されるようにすることが重要です。正確な順位よりも、そもそも順位が付いていること自体のほうが大切なようです。

引用が続きそうなページを見極めるときは、DR だけに頼らず、オーガニックトラフィックも確認しましょう。また、AI における可視性だけを目的に被リンクを追うのではなく、検索順位の向上につながるリンク構築を優先してください。

7. 質問とタイトル・ディスクリプションの一致度が高いほど、AI Overviews と AI Mode では引用がわずかに長続きする

質問によく一致するタイトルとディスクリプションを持つページは、AI 引用がやや長く続く傾向がありました。

各ページと質問の一致度は、0 から 1 のスコアで評価しています。数値が高いほど、質問に近い内容です。

Google の AI Overviews と AI Mode では、一般的な一致スコアは 1 日だけの引用で 0.54 でした。15 日以上続いた引用では、0.65~0.68 に上がっています。

これは平均的なページに限った話ではありません。長く続いた引用のうち、一致度が下位 25% のページでさえ、1 日だけの引用の一般的なスコアより質問に近い結果でした。

ChatGPT では、この関連はずっと弱くなりました。1 日だけ引用されたページと、2~7 日引用されたページのスコアはほぼ同じです(0.54 と 0.56)。明確な傾向が現れたのは、1 週間を超えて引用され続けた約 5% のページに限られます。

引用が続いた日数ごとの、タイトルおよびディスクリプションと質問の一致スコアを示すグラフ
引用が続いた日数ごとの、タイトルおよびディスクリプションと質問の一致スコアを示すグラフ

引用ページのタイトルおよびディスクリプションと質問の一致度(中央値、数値が高いほど近い)。連続して引用された日数ごとにグループ化。

ポイント: Google の AI ツールで引用を狙いたい質問を反映した、分かりやすいページタイトルとメタディスクリプションを書きましょう。ただし、これは小さな強みにすぎません。質の高いコンテンツや検索での可視性の代わりにはならないため、それらと合わせて取り組んでください。

8. 質問でブランド名が挙がると、自社サイトはレビューより事実情報で引用され続けやすい

「Asana (プロジェクト管理ツール)は小規模チームに向いている?」のように、特定のブランドについて尋ねる質問があります。この場合、そのブランドの公式サイトは、ほかの情報源よりはるかに長く引用が続く傾向がありました。

Google の AI ツールと ChatGPT では、名指しされたブランドの公式サイトが 20 日間すべて引用され続けた割合は約 30% でした。引用されたサイト全体の平均と比べて、4~7 倍の頻度です。

AI ツール
名指しされたブランドの公式サイト:20 日間すべて引用
引用されたサイト全体:20 日間すべて引用
Google AI Mode
33%
6.8%
ChatGPT
28%
4.0%
Google AI Overviews
28%
6.6%

また、ブランドの公式サイトは、調査期間を通じて引用される頻度も高い結果でした。Google のツールと ChatGPT では、60~68% の日に引用されています。同じ回答内のほかの情報源は、16~20% にとどまりました。一方、Gemini と Copilot では、ほかの情報源のほうが多く登場し、36~38% の日に引用されています。

ブランド名を含む質問で、各サイトが引用された日数の割合を示すグラフ
ブランド名を含む質問で、各サイトが引用された日数の割合を示すグラフ

ブランド名を含む質問で、各サイトが 20 日間のうち引用された日の平均割合。

翌日も引用が続いた割合は、ブランドの公式サイトで約 75% でした(Gemini では 60%)。ほかの情報源は安定性がかなり低く、翌日も再び登場したのは 33~40% 程度です(Copilot では約 50%)。

ブランド関連の質問における、引用サイトの日ごとの重複率を示すグラフ
ブランド関連の質問における、引用サイトの日ごとの重複率を示すグラフ

ブランド関連の質問における、引用サイトの日ごとの重複率(平均)。

自社ブランドに関する質問で引用の継続率が 75% というのは、想定より低いと感じるかもしれません。その理由は、質問の種類にあります。

レポート B では、Ahrefs に関する 22 件の質問を追跡しました。その結果、ブランドの公式サイトが引用される頻度は、事実確認の質問のほうが、レビューや比較の質問よりはるかに高いことが分かりました。

プロンプトに Ahrefs が含まれる場合
AI Overviews
AI Mode
ChatGPT
事実確認(例:「ahrefs pricing」)(7 件)
97%
100%
100%
レビュー(例:「is ahrefs worth it」)(3 件)
5%
5%
97%
比較(例:「ahrefs vs semrush」)(12 件)
0%
5%
71%

各グループの一般的な質問で、Ahrefs のページが引用された日の割合(2026 年 8 月 28 日~10 月 4 日)。出典:Ahrefs (Letaido 経由)

つまり、料金、プラン、機能に関する事実確認の質問では、AI ツールはほぼ毎回 Ahrefs の公式サイトを引用しました。しかし、レビューや比較の質問では、Google のツールは第三者の情報源を優先しました。一方 ChatGPT は、その場合でも Ahrefs を頻繁に引用し続けています。

事実確認の質問と比較の質問で、ChatGPT が公式情報源をどの程度引用したかを示すグラフ
事実確認の質問と比較の質問で、ChatGPT が公式情報源をどの程度引用したかを示すグラフ

グレン氏が分析したより広いデータでも、同様の傾向が見られました。最も頻繁に引用されたブランドやドメインは、日ごとの入れ替わりが 11~14% にとどまりました。それ以外の情報源は 61~78% です。ただし、事実確認、レビュー、比較に関する結果は、1 つのブランドに関する 22 件の質問から得たものです。そのため、すべての企業に等しく当てはまるとは限りません。

ポイント: 料金、プラン、機能のページは、明確かつ正確で、見つけやすい状態に保ちましょう。レビューや比較の質問については、Google の AI ツールがすでに引用している第三者サイトに注目してください。自社サイトよりも、そちらのほうが可視性に大きく影響する可能性があります。

9. YouTube、Reddit、大手メディアは AI Overviews で 20 日間引用を維持したケースも

特定のブランドを含む質問以外で、20 日間すべて引用が続いた事例には、目立つサイトが 3 種類ありました。

  • YouTube と Reddit: Google の AI Overviews では、33 件の質問で YouTube が 20 日間引用され続けました。話題は、エンジントラブルから GRE (米国の大学院入試)対策まで多岐にわたります。Reddit (米国発の掲示板型コミュニティ)も 12 件の質問で同様でした。どちらも、グレン氏の調査で最も多く引用されたドメインです。ただし、YouTube の「常設」枠は、1 本の動画に固定されていたわけではありません。Ahrefs が毎日追跡しているブランドレーダーのレポートでは、YouTube が 20 日間引用枠を保持した場合、AI Overviews は枠を埋めるために約 6 本の異なる動画を入れ替えていました。Reddit は、同じスレッドを引用し続けるケースのほうが多く見られました。
  • 大手メディアと政府機関のサイト: これらは、ブランド名が指定されていない質問で 20 日間引用され続けた AI Overviews の引用のうち、4 分の 1 を占めました。
  • ニッチなカテゴリの有力企業: 特定の質問では、AI ツールが同じベンダーを継続的に引用していました。例えば、「multifamily property management software (集合住宅向け物件管理ソフト)」では、ButterflyMX、AppFolio、Buildium が 20 日間引用され続けました。「what is cloud banking」では、Crassula が同様でした。これらの企業が選ばれた正確な理由は分かっていません。

ポイント: 狙いたい引用枠を、YouTube の動画、Reddit の議論、大手メディアが継続的に押さえている場合があります。その場合は、枠を奪おうとするより、そのコンテンツ内で自社ブランドを取り上げてもらうほうが現実的かもしれません。

10. 「おすすめの X」型の質問は AI 引用が最も変わりやすく、引用ページの約 75% が毎日入れ替わる

AI 引用がどのくらい入れ替わるかは、質問の種類やトピックによって変わる可能性があります。

ChatGPT と Google AI Mode では、質問の種類にかかわらず、引用ページの約 64~76% が翌日には入れ替わりました。特定のブランドを含む質問は最も安定していました。一方、「おすすめの X」型(best X)の質問は、最も安定しない部類です。

質問タイプ別に見た、引用ページの日ごとの変化率を示すグラフ
質問タイプ別に見た、引用ページの日ごとの変化率を示すグラフ

質問タイプ別の、引用ページの 1 日あたり平均変化率。数値が高いほど変化が大きいことを示します。色の薄いバーは、質問数が 30 件未満です。AI Overviews は、ほとんどのカテゴリで質問数が少なく、信頼できる結論を導けませんでした。

業界別に比べると、グレン氏はさらに大きな差を確認しています。ヘルスケア関連の質問では、最初に引用される情報源が同じままだった割合は 56~79% でした。ファッション関連の質問では、13~23% にとどまります。

考えられる理由の 1 つは、競争の激しさです。「best project management software」のような質問では、数少ない引用枠を、似たようなページが何十も争っている可能性があります。一方、ヘルスケアの質問は、信頼できる少数の情報源から引用されているのかもしれません。

ポイント:質問の種類によって、期待値を変えましょう。ブランド関連の質問は引用が安定しやすい傾向があります。「おすすめの X」型の質問は、コンテンツの成果が出ていても、頻繁に入れ替わる可能性が高いと言えます。

ブランドレーダーで AI 引用のパフォーマンスを追跡する方法

ここまでの調査で、AI 引用は日ごとに大きく変動することが分かりました。だからこそ、1 日の増減に一喜一憂せず、継続して追跡する仕組みが欠かせません。Ahrefs のブランドレーダーの「引用されたページ」レポートを使えば、AI 引用の状況を詳しく確認できます。

フィルターを使うと、AI プラットフォームごとの切り替えも、すべてをまとめた表示もできます。下のタブでは、自社サイト、競合、その他のウェブサイト、ウォッチリストに追加したページの引用を切り替えて確認できます。

ブランドレーダーの「引用されたページ」レポートで、自社サイトのタブを表示した画面
ブランドレーダーの「引用されたページ」レポートで、自社サイトのタブを表示した画面

次に、履歴グラフを見てみましょう。引用が時間とともにどう変化したかが分かり、安定しているのか、変動しているのかを判断できます。

AI 引用数の推移を示すブランドレーダーの履歴グラフ
AI 引用数の推移を示すブランドレーダーの履歴グラフ

さらにグラフの下には、各引用の価値と、どれだけ残りやすいかを把握するための指標が並んでいます。

ブランドレーダーの「引用されたページ」レポートに表示される各種指標
ブランドレーダーの「引用されたページ」レポートに表示される各種指標
  • 取得数と引用数(Found in / Cited in): ページが取得された、または実際に引用された AI 回答の数。
  • ボットの訪問数: AI ボットがページを訪れた頻度。
  • 訪問数: AI 検索からページに届いた訪問の数。
  • トラフィック: ページの推定オーガニック検索トラフィック。Ahrefs の調査では、引用が定着するかどうかを測る有用な指標になり得ると分かっています。また、引用獲得のアプローチにも役立ちます。AEO のメリットに加えて、オーガニック検索での可視性ももたらせるページかどうかが分かるためです。
  • 公開日: ページの公開日と、確認できる場合は最終更新日。内容が古くなって引用を失いそうなページを見つけるために、ぜひチェックしておきましょう。

これらの指標を押さえると、どの引用が価値を持ち、どの引用が離れていきそうかを見極めやすくなります。

このレポートで筆者が特に気に入っている機能が、ウォッチリストです。ランクトラッカーの AI 引用版と考えてください。

特定のページを AEO 向けに最適化するときや、追跡中のプロンプトで競合ページの動きを見たいときは、そのページをウォッチリストに追加しています。重要なページを手軽に監視できる方法です。

さらに、タグフィルターと組み合わせると、特に対応が必要なプロンプトグループに絞って確認できます。

ブランドレーダーの「引用されたページ」レポートでウォッチリストを表示した画面
ブランドレーダーの「引用されたページ」レポートでウォッチリストを表示した画面

この分析は、AI を使えばさらに掘り下げられます。

手早く答えを知りたい場合は、ブランドレーダー内で Agent A に直接質問するだけです。

たとえば、次のように聞いてみましょう。「追跡期間全体で見た場合、ウォッチリストにあるページの平均引用率は?」

Agent A にウォッチリストの平均引用率を質問している画面
Agent A にウォッチリストの平均引用率を質問している画面

これにより、数字を自分で掘り下げなくても、引用データから有用なインサイトを得られます。

まとめ

引用は自然に大きく変動するため、最適な KPI とは言えないかもしれません。ただし、指名クエリでは重要度が高まります。AI システム、特に ChatGPT は、ブランドに関する情報を探すときに、自社サイトに掲載した競合比較ページなども参照する可能性が高いためです。

最後に、指名クエリの引用ギャップを手早く見つけるコツを紹介します。

「AI の回答」レポートを開き、「プロンプトに含む」フィルターに自社のブランド名を入力します。続けて、「自社ブランド」フィルターを「検出なし」に設定します。

すると、AI システムに自社サイトが取得すらされなかった指名プロンプトの一覧が表示されます。これらは、可視性を高める改善のチャンスです。

指名プロンプトのうち、自社ブランドが検出されなかったものを絞り込んだブランドレーダーの画面
指名プロンプトのうち、自社ブランドが検出されなかったものを絞り込んだブランドレーダーの画面

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マテウシュ・ マコシェヴィチ のプロフィール画像

Ahrefs 社のマーケティング リサーチャー兼人材育成担当。 代理店、SaaS 企業およびハードウェア企業で 10 年以上のマーケティング経験を持つ。仕事以外では、作曲や長距離ウォーキングといった趣味を楽しんでいる。