AI による概要がブランド検索の 83%に表示される現状と影響

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ライアン ・ロー 作成

Ahrefs の Director of Content Marketing

October 4, 20267 分で読めます

Ahrefs チームはブランド検索における AI による概要の出現状況を大規模に調査しました。

その結果、現在 AI による概要はブランド検索の 83%に表示されていることが判明しました。これにより、ブランド公式ウェブサイトへのクリックが減少する恐れがあります。さらに、Wikipedia、YouTube、LinkedIn といったサードパーティの情報源が、検索結果でのブランドの見え方を左右する力を増していることも明らかになりました。

AI による概要がブランドクエリの 83%に出現している現状

本調査では、2026 年 7 月から 9 月にかけて、米国デスクトップ版 Google の検索結果ページ(SERP)のクロールデータ 2 億 3,280 万件を分析しました。内訳は、ブランドキーワードのクロール 9,250 万件、非ブランドキーワードのクロール 1 億 4,020 万件です。

2026 年 9 月 29 日時点で、米国デスクトップのブランドキーワード検索結果の 82.91% に AI による概要が表示されていました。月間平均で見ると、AI による概要が表示されたブランドキーワードの割合は、7 月の 61.3% から 8 月に 65.1%、9 月には 73.3% へと上昇しています。

つまり、7 月から 9 月のわずか 3 か月間で、ブランド検索における AI による概要の表示率は 12 ポイント増加しました。7 月の水準を基準にすると、約 20% の増加に相当します。

ブランド検索における AI による概要表示率の推移グラフ(2026年7月〜9月、米国実データ)
ブランド検索における AI による概要表示率の推移グラフ(2026年7月〜9月、米国実データ)
月
AI による概要が表示されたブランドキーワードの割合
AI による概要が表示された非ブランドキーワードの割合
2026 年 7 月
61.3%
73.5%
2026 年 8 月
65.1%
74.7%
2026 年 9 月
73.3%
78.3%

非ブランド検索でも AI による概要の表示率は上昇しています。しかし、その増加幅は同期間で 4.8 ポイントと、ブランド検索に比べて小さいものでした。

2025 年 11 月に Ahrefs チームが実施したAI による概要のトリガー条件に関する調査では、AI による概要は非ブランドクエリで圧倒的に多く表示されていました。しかし、現在では状況が明らかに変わっています。両者の差は 7 月時点の 12.2 ポイントから、9 月にはわずか 5 ポイントにまで縮小しました。

1 年前の調査結果と今回の結果を直接比較したグラフがこちらです(サンプルは異なります)。

2025年と2026年のブランド検索における AI による概要表示率の比較チャート
2025年と2026年のブランド検索における AI による概要表示率の比較チャート

ブランド AI による概要の 76.2% が検索結果の 1 位に表示

AI による概要は SERP 上のさまざまな位置に表示される可能性があります。Ahrefs チームの調査では、AI による概要がどの位置に表示されてもクリック率(CTR)は低下することがわかっています。なかでも最も大きな影響が出るのは、ブランドクエリで公式ドメインの代わりに AI による概要が 1 位に表示されるケースです。

そこで、Interbrand の Best Global Brands 2025 から選定した 100 ブランドについて、ブランド名のみの完全一致クエリの検索結果を 7 月から 9 月にかけて週次で 14 回チェックしました。

補足


この調査は、前述のブランドキーワード全般の分析とは別のサンプルです。「bluehost」のようなブランド名そのもののクエリに限定しており、ブランド名を含むあらゆる検索を対象としたものではありません。

AI による概要の表示率は 9 月初旬に急増しました。9 月 30 日時点では、100 ブランド中 63 のブランド名クエリに AI による概要が表示されていました。7 月 1 日のチェック時点では、有効な 98 件の結果のうち AI による概要が表示されたのはわずか 5 件でした。

ブランド名クエリにおける AI による概要の出現率の推移グラフ
ブランド名クエリにおける AI による概要の出現率の推移グラフ

さらに重要なのは、これら 63 件の AI による概要のうち 48 件(76.2%)が検索結果の 1 位に表示されていた点です。平均表示位置は 1.49 でした。

ブランド名クエリにおける AI による概要の表示位置分布図
ブランド名クエリにおける AI による概要の表示位置分布図

今後、Google がこれらの AI による概要を SERP の下方に移動させる可能性はあります。しかし今回の調査結果を見る限り、現状の AI による概要はブランドキーワードにおいて、公式ウェブサイトの代わりに 1 位の座を占めています。

Wikipedia、YouTube、LinkedIn がブランド AI による概要の主な外部引用元

ブランドクエリで AI による概要が表示される最大のリスクは、ユーザーが非公式の情報源に誘導されることです。最悪の場合、競合ブランドのサイトに流入してしまう恐れもあります。

同じ 100 ブランドのパネルデータにおいて、外部引用(検索されたブランド以外のウェブサイトからの引用)の多くは、Wikipedia、YouTube、LinkedIn にリンクしていました。

Wikipedia は、少なくとも多くのブランドにとって比較的中立的な情報源です。外部引用の約 72% を占めてトップとなっています。一方、YouTube と LinkedIn はブランドが情報をコントロールしにくいプラットフォームです。自社ドメインのページと比べると、ブランドメッセージの管理は格段に難しくなります。

ブランド AI による概要における外部引用ドメインのランキング
ブランド AI による概要における外部引用ドメインのランキング
外部ドメイン
引用された AI による概要数
シェア
Wikipedia
41
71.9%
YouTube
22
38.6%
LinkedIn
13
22.8%
Yahoo Finance
9
15.8%
Facebook
6
10.5%
Walmart
4
7.0%

以下は、Bluehost の AI による概要で YouTube が多数引用されている実例です。

Bluehost のブランドクエリにおける AI による概要の表示例(YouTube からの引用が多数)
Bluehost のブランドクエリにおける AI による概要の表示例(YouTube からの引用が多数)

わずかながら良いニュースもあります。AI による概要の全文を確認できたケースのうち、競合について明示的に言及していたのは 58 件中わずか 2 件(3.4%)でした。具体的には、Pepsi の AI による概要で「コーラ戦争」の文脈から Coca-Cola の名前が登場した事例と、Intel の AI による概要で TSMC と NVIDIA が言及されていた事例の 2 つのみです。

また、AI による概要内の引用元を確認したところ、競合が所有するウェブサイトが含まれていたのは、57 件のソースリスト全体で 1 件のみでした。AI による概要は、少なくとも競合ブランドを情報源として引用するのを避ける程度には賢いようです。

ブランドにとって何が問題なのか

クリス・ロング氏が LinkedIn で指摘しているように、「競合や外部ソースが、検索結果上でブランドメッセージを直接コントロールできるようになった」といえます。アン・スマーティ氏も X で同様の懸念を示し、AI Overview で引用される動画はブランド公式アカウントのものではなく、「古い製品情報が含まれている可能性がある」と指摘しています。

アン・スマーティ氏による AI による概要のブランド検索に関する X での投稿
アン・スマーティ氏による AI による概要のブランド検索に関する X での投稿

Google は AI による概要の表示デザインやトリガー条件を日常的に変更しています。そのため、ここで示した状況が今後も続く保証はありません。しかし Google は、許容されるあらゆる SERP に AI による概要を挿入しようとする姿勢を崩していません。ブランドクエリにおける AI による概要の表示は当面続くと考えるのが妥当です。

AI による概要でのブランドの可視化する方法

ブランドキーワードのうち、どのキーワードで AI による概要が表示されているかを確認するには、サイトエクスプローラーにアクセスし、「オーガニックキーワード」レポートを開きます。「インテント」のドロップダウンメニューから「ブランドキーワード」を選択してください。次に「フィルターの追加」をクリックし、「SERP 機能」を選択して「AI による概要」をクリックします。

サイトエクスプローラーでブランドキーワードと AI による概要のフィルターを設定した画面
サイトエクスプローラーでブランドキーワードと AI による概要のフィルターを設定した画面

「結果を表示」をクリックすると、対象ドメインがランクインしているブランドキーワードのうち、検索結果に AI による概要が含まれるキーワードの一覧が表示されます。この例では、Bluehost のブランド名やログインページに関するキーワードが該当しています。

サイトエクスプローラーで Bluehost のブランドキーワードと AI による概要を表示した画面
サイトエクスプローラーで Bluehost のブランドキーワードと AI による概要を表示した画面

AI による概要の内容を詳しく確認し、競合の言及や引用ドメインをチェックしたい場合は、ブランドレーダーを活用しましょう。ブランド名を入力すると、関連する競合ブランドや競合ドメインが自動的に提案されます。

ブランドレーダーで Bluehost の競合設定を行う画面
ブランドレーダーで Bluehost の競合設定を行う画面

「AI レスポンス」レポートに移動し、フィルターを適用してブランドが言及されている AI による概要を絞り込みます。

ブランドレーダーで AI による概要のフィルターを設定する画面
ブランドレーダーで AI による概要のフィルターを設定する画面

「適用」をクリックすると、AI による概要の一覧とその内容が表示されます。各 AI による概要内で言及・引用されているブランドやドメインも合わせて確認できます。

ブランドレーダーで Bluehost の AI レスポンスを表示した画面
ブランドレーダーで Bluehost の AI レスポンスを表示した画面
https://ahrefs.canny.io/

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Ahrefs のコンテンツマーケティングディレクター。 過去 13 年間でライター、コンテンツストラテジスト、チームリーダー、マーケティングディレクター、部長、CMO(最高マーケティング責任者)、代理店設立といった様々な役職を経験。その間、Google、Zapier、GoDaddy、Clearbit、Algolia など数十社のコンテンツマーケティングと SEO サポートを担当。小説家の顔も持ち、これまでに 2 種類のコンテンツマーケティング専門講座を自ら開発・設計した。