「近くのカフェを Google マップで検索して、気になるお店を探した」
「口コミ評価や写真を見て、今日のランチのお店を選んだ」
「お気に入りのコスメを切らしてしまったので、その商品が売っている近くの店舗を検索した」
など、(かなり情報通の方が隣にいらっしゃらない限り…)まずは検索してみるという方がほとんどではないでしょうか。
実は、私たちが日常的に行うこの「場所+検索」という行動には、MEO(Map Engine Optimization:地図エンジン最適化)が深く関わっています。
MEO は、店舗情報を地図検索エンジンに向けて最適化することで、地域のお客様により見つけてもらいやすくするデジタルマーケティングの手法です。今はスマホがあればなんでも一瞬で調べられる時代。マップを活用して店舗を検索する人は増え続けており、このトレンドに対応することは店舗集客においても大きな鍵となります。
今回のブログでは、MEO がなぜ重要なのかと Ahrefs を使ったその具体的な取り組み方、成功するためのヒントについて詳しく解説します。
「うどんで有名な近くのお店」を Google 検索すると、一番にマップが出てきました!
スマートフォンが生活に深く根差し、外出先での情報収集が当たり前になった現代において、冒頭でご紹介した MEO とローカル SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)は、商業施設の集客戦略において不可欠な要素となっています。ウェブ検索や地図検索において、地域に特化した検索キーワードで上位表示されると、認知度アップ、新規顧客の獲得はもちろん、近隣競合との差別化を図り、自社の強みをアピールすることで競合優位性の確立もできるようになります。さらに、高評価な口コミ獲得で施設の信頼性を高め、顧客の来店意欲向上につなげることも可能です。そのため、MEO とローカル SEO 対策は、単なる集客手段ではなく、顧客との関係構築やブランドイメージ向上にも貢献する重要な施策といえるでしょう。
ローカル SEO が増加している背景
スマートフォンユーザーは、外出先でお店や施設、店舗などを探す際、「周辺の美容院」のように、「近くの」や「周辺の」といったキーワードを用いて、場所を限定した検索を行うことが非常に多くなっています。この検索行動は、地図アプリをはじめとする地図検索サービスの利用増加にともなうもので、地域に密着したビジネスにとって、これらの検索エンジンでいかに上位に表示されるかが非常に重要になってきます。
MEO(Map Engine Optimization:地図エンジン最適化)は、Google マップなどの地図検索エンジンで自社の店舗や施設を上位に表示させるための取り組みです。ユーザーがスマートフォンなどで、「近くの」や「周辺の」というキーワードを付加した検索を行った際に、自社の店舗が検索結果の上位に表示されるように最適化することを指します。
SEO が Google などの検索エンジン全体で自社のウェブサイトを上位に表示させるための取り組みであるのに対して、MEO はその中でも特に地図検索エンジンに特化した、よりローカルな検索に対する取り組みを指します。MEO は地図検索結果での上位表示を目的としています。そのため、地名、業種、施設名などが重要なキーワードになる点が SEO とは対照的です。地図検索結果で上位に表示されるには、検索キーワードとの関連性はもちろん、ユーザーの現在地から店舗までの距離、店舗情報や口コミの充実度、Google ビジネス プロフィールへの正確なプロフィール登録が重要です。正確な店舗情報は店舗の信頼性向上にも貢献します。MEOは、実店舗を持つ企業にとって集客力向上に不可欠な取り組みと言えるでしょう。
ローカル検索で MEO を取り巻く要素と上位表示への影響
Google マップなどの地図検索で上位表示されるためには、さまざまな要素が複合的に作用します。特に重要な要素が、関連性、距離、視認性などだと言われています。
- 関連性:検索キーワードと店舗情報の一致度。一致度が高い店舗ほど上位表示されやすくなる。
- 距離:ユーザーの現在地から店舗までの距離。店舗までの距離が近いほど、上位表示されやすくなる。
- 視認性の高さ:Google ビジネス プロフィール(旧名称:Google マイビジネス)情報の充実度。口コミの数が多かったり、高評価だったりする店舗は、視認性が高く評価される。
- ビジネスプロフィールの正確性:登録情報の正確性。住所、電話番号、営業時間などが正確であるか。
- ウェブサイトとの連携:Google ビジネス プロフィールとウェブサイトの連携。
このほかに、ローカルキーワードの活用、写真の活用、更新頻度、Wi-Fi や駐車場の有無といった属性、Q&A 機能の活用や更新頻度も検索結果を上位に表示させるためには有効な項目です。
Google マップをはじめとした地図検索アプリは、多くの人が外出先でお店を探す際に利用するツールです。「近くのカフェ」「24 時間営業のコンビニ」など、ユーザーは非常に具体的なキーワードで検索をします。検索結果表示に関わる要素を充実させ、検索結果で上位に表示されることで、来客数増加や口コミや高評価の獲得、競合他社との差別化ができるようになります。
ここでは、MEO 対策の具体的な手順を説明します。
- Google ビジネス プロフィールへの登録・最適化
- オーナー確認
- キーワード選定
- NAP 情報
- 投稿機能を活用
- 写真を活用
- レビュー(口コミ)獲得と管理
- 自社ウェブサイトとの連携
①Google ビジネス プロフィールへの登録・最適化
まず、Google ビジネス プロフィールに店舗情報を登録します。ビジネス プロフィールに店舗名、住所、電話番号、営業時間、ウェブサイト URL、店舗カテゴリなどを正確に入力します。カテゴリ設定は、店舗に合った適切なカテゴリを選択しましょう。また、店舗の雰囲気が伝わるように、写真も複数枚追加しましょう。
Google ビジネス プロフィールはこちらから登録できます。
②オーナー確認
Google が提供する方法で認証を行います。
オーナー確認を行うことで、Google ビジネス プロフィールの全ての機能が利用可能になります。また、店舗の実在が認められ、検索結果での信頼性も高まります。
③キーワード選定
キーワード選定は、集客に直結する非常に重要な要素です。適切なキーワードを選ぶことで、より多くの顧客に店舗を知ってもらい、来店につなげることができます。
- ターゲット顧客の視点:顧客がどのような言葉で検索するかを想像し、自然な言葉を選ぶことが重要です。
- 競合分析:競合他社のキーワードを分析し、差別化を図る。競合他社が使用していないキーワードを選ぶことで、自社独自の強みをアピールすることができます。
- ロングテールキーワード:より具体的なキーワード(例:渋谷 家系ラーメン)も検討することで、よりピンポイントなターゲットにアプローチできます。
- 地域性:店舗の立地を考慮し、地域に特化したキーワードも取り入れるとより効果的です。
- 季節性:季節やイベントに合わせたキーワードも有効です。
④NAP 情報の統一
NAP 情報とは、名称(Name)、住所(Address)、電話番号(Phone number)の3つを指します。
これらは、ビジネスを特定する上で最も基本的な情報です。NAP 情報は、ウェブサイト、SNS など、あらゆる媒体で統一しておくことが重要です。NAP 情報に一貫性があると、ビジネスの信頼性が高いものと判断され、検索結果で上位に表示される可能性が高まります。
⑤投稿機能を活用
投稿機能を活用して、定期的に新商品情報、イベントやキャンペーン情報などを投稿しましょう。定期的な投稿は、顧客とのコミュニケーションを活発にし、店舗への関心を高めます。
Google ビジネス プロフィールの投稿機能は、集客力向上に不可欠なツールです。投稿機能を活用することで、顧客とのエンゲージメントを高め、店舗への来店を促すことができます。投稿内容が充実していることで、Google からの評価が高まって上位表示されるようになり、クリック率の向上が期待できます。
⑥写真を活用
ビジネス プロフィールの写真や店舗のインドアビューは、ユーザーの印象を大きく左右する重要な要素です。適切な写真を選ぶことで、店舗やサービスの魅力を効果的に伝え、集客に繋げることができます。高品質な画像を用いて、視覚的に訴求力のある写真を選ぶようにしましょう。店舗の外観、内装、メニュー、商品など、お店の魅力が伝わる写真を複数枚用意し、ターゲット層に合わせた写真をアップします。
⑦レビュー(口コミ)獲得と管理
MEO 対策において、高評価のレビューは上位表示に関係していると言われています。満足度の高い顧客にレビュー投稿を依頼したり、投稿されたレビューには丁寧に返信するように心がけましょう。高評価なレビューが多い店舗は、信頼感があり、安心して利用できる印象を与えます。また、レビューは、潜在顧客が店舗を選ぶ際の重要な判断材料となります。
⑧自社ウェブサイトとの連携
Google ビジネス プロフィールと自社ウェブサイトを関連付けることで、Google ビジネス プロフィールへのアクセス数の増加が期待できます。自社ウェブサイトの SEO 対策も並行して行うことで、MEO 効果を最大化できます。
MEO 対策において、地域に特化したキーワード選定は、ユーザーの検索行動と密接に結びついているため非常に重要な要素です。
飲食店、美容院、病院など、地域密着型のサービスを求めるユーザーは、多くの場合、「〇〇区 美容院」のように、地域名とサービス名を組み合わせて検索します。外出先でのお店探しでは、「近くのカフェ」や「周辺のコンビニ」といったように、現在地から近いお店を探したいユーザーも少なくありません。
Google は、ユーザーの検索意図を正確に捉え、最適な検索結果を表示するために、地域情報に重きを置いています。地域に特化した検索では、Google マップ上に複数のビジネスが表示されるローカルパックが上位に表示されます。ローカルパックに表示されるためには、地域に特化したキーワードが不可欠です。
- ターゲット地域の明確化:サービス提供エリアを明確にする。競合他社がターゲットとしているエリアも調査し、自社のサービスと差別化できるエリアを探す。
- 地域に特化したキーワード選定:地域名+業種名、地域名+サービス名、地域名+特徴、駅名+業種名など。
- ロングテールキーワード活用:地域名+業種名+条件、地域名+周辺施設など、より詳細な条件を組み合わせることで、競合が少ないキーワードを見つける。
- ユーザーの検索行動を想定:「近くのお店」、「周辺のお店」や「口コミ」、「評判」といったキーワードも意識する。
Ahrefs のキーワード検索ツールでできること
Ahrefs(エイチレフス)は、自社だけでなく競合サイトのデータ分析もできる SEO ツールです。Ahrefs のキーワードエクスプローラーは、290 億に上るキーワードデータベースを有しており、あらゆるキーワードに関する詳細な指標を提供することができます。Ahrefs のキーワードエクスプローラーを用いることで、地域特化した有意義なキーワードのアイデアを生成することができるようになります。
- シードキーワード生成
- 詳細なキーワード分析
- 関連キーワードからキーワード候補を出す
- キーワードの過去と現在の SERP を比較する
Ahrefs のキーワードエクスプローラーは、SEO 対策において強力な武器となる多機能なキーワード検索ツールです。基本的なキーワード検索機能はもちろん、AI による高度な分析や、ユーザーの検索意図(インテント)を推測する機能など、幅広い機能が搭載されています。
シードキーワード生成
AI プロンプトボックスに、「「[地域名]+カテゴリ」などと入力すると、サブトピックやニッチな分野まで、さまざまな角度でシードキーワードが生成されます。シードキーワードの選定が難しい場合などに、AI プロンプトを活用することで効率的にキーワード選定を行うこともできます。
詳細なキーワード分析
Ahrefs のキーワードエクスプローラーを用いて単一キーワードで検索を行うと、シードキーワードによる上位表示の難易度や、月間平均検索回数を直近12 か月間のデータから推計した検索ボリューム、ターゲットキーワードのランキングで 1 位のページ、ランク付けされているすべてのキーワードから取得するオーガニックトラフィックの総量を示しているトラフィックポテンシャル、総検索数などの結果が表示されます。
さらには、関連キーワードや上位表示されているページが使用しているほかのキーワードやフレーズ、ページ URL やタイトルなどの詳細な分析結果も表示されます。これらの情報をもとに、競合分析やコンテンツ戦略を立てることができます。
キーワードクラスタリング
Ahrefs では、シードキーワードをもとに生成された関連キーワードを短時間でクラスタリングすることができます。クラスタリングはキーワードの整理に役立つだけでなく、コンテンツ作成の計画を立てる際にも便利です。
検索意図の推測
ユーザーの検索意図を推測します。インフォメーショナル:情報提供目的、ナビゲーショナル:案内目的、コマーシャル:商業目的、トランザクショナル:取引目的の4つの分野で検索意図を推測し分析結果を表示します。分析結果は、より適切なキーワードを選定する手助けとなります。
SERP 分析
Ahrefs では、シードキーワードで検索した際の検索結果の 1 ページの分析を行うこともできます。競合サイトのコンテンツ構成、タイトルタグ、メタディスクリプションなどを確認することで、より効果的なコンテンツの作成に活かせます。また、検索時点と過去での比較分析や、シードキーワードでの検索意図も分析可能です。
Ahrefs キーワードエクスプローラー活用例
ここでは、Ahrefs キーワードエクスプローラーを使ったキーワード選定と活用例について説明します。
検索キーワード入力
ターゲットとする地域と提供するサービスを具体的に絞り込みましょう。
- [地域名] + [サービス名]: 渋谷 美容室、大阪 居酒屋 など
- [地域名] + [サービス名] + [キーワード]: 渋谷 美容室 カット、大阪 居酒屋 飲み放題 など
- [地域名] + [周辺施設]: 渋谷駅近 美容室、大阪 梅田 貸し会議室 など
シードキーワードの選定が難しい場合には、AI によるシードキーワード生成も活用できます。
関連キーワードの深堀り
「関連キーワード」タブを活用して、検索ボリュームや競合状況を参照します。これにより詳細なキーワードの洗い出しができます。
シードキーワードの類似検索ワードや、シードキーワードのほかに追加されているキーワードやその検索ボリュームを用いての分析も可能になります。また、トピックや単語ごとにクラスター化することで、自社のカテゴリや雰囲気に合ったシードキーワードを効率的に選定することにも役立ちます。クラスター化したキーワードのチャート表示機能では、キーワード分散を視覚的に捉えることも可能です。
気になるキーワードや新たにシードキーワードに加えたい単語があれば、キーワードリストに保存することもできます。保存したキーワードリストを用いて、新たにキーワード分析を行うこともできます。
競合分析
Ahrefs の SERP 分析結果から、上位表示されている競合他社のキーワードを参照し、自社独自のコンテンツやキーワードを少し異なる切り口で選定することもおすすめです。また、検索時点と過去での比較分析は季節キーワードの考察にも役立ちます。
深堀りしたキーワードをローカル SEO に活かす
Ahrefs キーワードエクスプローラーの分析結果から選定したキーワードを活用して、MEO 対策を行いましょう。
- Google ビジネスプロフィール最適化:キーワードをタイトルや説明文に盛り込み、地域特化した情報を提供
- ローカルパックを狙う:「地域名+サービス名」等のキーワードで、ローカルパック上位表示を目指す
- 地域特化コンテンツの作成:地域イベント情報や周辺地域紹介など、地域住民に役立つコンテンツを作成し、サイトへ誘導
MEO とローカル SEO は、地域に根差したビジネスにとって集客力向上に不可欠な要素です。 スマートフォンユーザーが増えるにしたがって、地域に特化した検索の数も増加しており、Google マップなどの地図検索で上位表示されることが顧客獲得に直結します。
Ahrefs は、ローカル SEO 対策を強力にサポートするツールです。 膨大なキーワードデータを基に、地域に特化したキーワードを効率的に探し出し、競合分析を行うことができます。コンテンツを最適化することで、ユーザーの検索ニーズに応えられ、自社の強みを最大限に活かした集客戦略を立てることが可能になります。
Ahrefs のキーワードエクスプローラーは、単なるキーワード検索ツールにとどまらず、飲食店、美容室、病院など、さまざまな業種で活用できる、地域密着型ビジネスのデジタル戦略を強力にサポートします。店舗のビジネス成長にぜひお役立てください。
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