Ahrefs で SEO 成功!キーワード選定から実行まで

河原田 隆徳 (TAKA)
Ahrefs 日本マーケティング統括。 国外 SaaS 企業における日本市場向けのマーケティングとローカリゼーションで 10 年以上の経験を積み、現在は Ahrefs の日本マーケティングを統括。ユーザーの皆さんと共に、Ahrefs を日本で盛り上げることを目標に、日々全力で取り組んでいます。
SEO を成功させるためには、キーワード選定と SEO 施策の最適化が必要不可欠です。しかし、多くの企業が「検索ボリュームの高いキーワードを狙う」というアプローチだけに頼ってしまい、結果として競争が激化し、思うように成果が出ないことも少なくありません。

この記事では、Ahrefs を活用し、SEO において確実に成果を出すための流れを大きく 3 つに分けて解説します。 

  1. ROI の高いキーワード選定
  2. 検索意図に基づいたコンテンツ設計
  3. SEO 施策のモニタリング手法と改善

Ahrefs を使えば、これらの流れをデータに基づいて効率的に実行できます。

キーワードクラスター

SEO で成果を出すためには、ROI(投資利益率)の高いキーワード選定がとても重要です。どうすれば、効率的に効果的なキーワード選定が実現するか、Ahrefs でできることを交えながら見ていきましょう。

キーワード選定の新基準:検索ボリュームだけでは不十分

従来のキーワード選定では「検索ボリュームの高いワードを狙う」という考え方が主流でしたが、競争が激しく成果が出にくいのが現実です。

Ahrefs を活用した新しいキーワード選定基準

サジェストキーワード
  • 検索ボリューム × キーワード難易度(Keyword Dif­fi­cul­ty, KD
    → 上位表示しやすいキーワードを選ぶ
    ※キーワード難易度:上位表示を狙うことの難しさを表す指標。
  • クリック単価(CPC→商業的価値の高いキーワードを特定
  • ビジネスとの親和性 → コンバージョンにつながるワードを優先 
  • トラフィックポテンシャルと予測→長期的な成長が見込めるキーワードを選択

ロングテール戦略と潜在ニーズの発掘

キーワード難易度の低いロングテールキーワードを狙うことで、SEOROI を高めることが可能です。Ahrefs のキーワードエクスプローラーを活用して具体的な検索クエリを発掘しましょう。

参考例

  • 「Ahrefs SEO 初心者向け 設定方法」 
  • 「Ahrefs 競合分析 具体例」 
  • 「Ahrefs キーワード検索 コツ」 

ロングテール戦略では、検索ユーザーの潜在ニーズを掘り起こし、独自のコンテンツを作ることが鍵となります。

競合の弱点を突くキーワード選定

競合サイトと同じキーワードを狙うのではなく、競合が取りこぼしているキーワードを探すことも重要です。

Ahrefs の「コンテンツギャップ分析」を活用することで、競合が獲得できていないトラフィックを特定できます。

競合の隙を突く戦略

  • 競合がランクインしていないキーワードを特定
    競合のコンテンツがカバーできていないキーワードを発見し、それに対する独自のコンテンツを作成することで上位表示を狙います。
  • 検索意図の違いを分析
    競合が情報提供型の記事しか書いていない場合、購入意欲の高いコンバージョン向けのコンテンツを作成することで、高いコンバージョン率(CVR)を狙います。
  • 検索結果ページ(SERP)の空白を狙う
    検索結果で他のサイトが深掘りできていない内容に焦点を当て、独自の切り口で展開する戦略が考えられます。

このように Ahrefs のコンテンツギャップ分析を利用すれば、検索結果の穴を埋める形で、自社に有利なポジションを確保できます。

競合分析

Google キーワードプランナーとAhrefs のキーワードエクスプローラーの違い

Google キーワードプランナーには、大きな欠点があります。 それは、検索ボリュームが幅広い範囲で表示されるだけであり、正確な月間検索回数が分からないことです(広告を掲載していない場合)。

たとえば、あるキーワードが「10,000~100,000」の範囲で分類されることがあります。この幅が広いため、どのキーワードを優先すべきかという判断が難しくなります。実際の検索回数が 10,000 回なのか、80,000 回なのか、それを知る手段がないのです。

より正確な検索ボリュームを見積もるには、Ahrefs のキーワードエクスプローラーのようなサードパーティツールが必要になります。 

Ahrefs キーワードエクスプローラーの強み

  • 検索ボリュームを正確に推定
    月間検索回数をより詳細に把握可能です。
  • より多くのキーワード候補を取得可能
    Google キーワードプランナーよりも幅広いキーワードアイデアを取得することができます。
  • クリック数やキーワード難易度(Keyword Dif­fi­cul­ty, KD)も分析可能
    SEO 戦略をより精緻に調整します。
  • 検索意図の分類
    「情報収集」「商業調査」「取引」などのクエリを判別し、ターゲティングを最適化します。

Ahrefs を活用した SEO キーワード選定のステップ

SEO キーワード選定は、単なる検索ボリュームのチェックではなく、検索意図の把握と競合分析を組み合わせることが重要です。Ahrefs を活用することで、より精度の高いキーワード選定が可能になります。

STEP 1. コンテンツのテーマを決める

まず、コンテンツのテーマとなるキーワードを決定します。以下の3つの視点を考慮しましょう。

  1. ターゲットのニーズから考える
    ・Ahrefs のキーワードエクスプローラーを活用し、ユーザーが検索しているフレーズを抽出します。
    ・たとえば「宅配弁当」というテーマなら、宅配弁当のキーワード候補から「宅配弁当ランキング」や「宅配弁当 一人暮らし」といった具体的な検索ニーズを見つけられます。
「宅配弁当」での分析結果
  1. コンバージョンにつながるキーワードを分析
    ・既存のコンバージョン実績があるページのキーワードを Ahrefs のサイトエクスプローラーで確認します。
    ・売上につながる検索ワードを深掘りし、より効果的なキーワードを発見します。
「宅配弁当」のキーワード分析
  1. 自社商品・サービスに関連するワードを洗い出す
    ・自社の提供するサービスや製品と親和性の高いキーワードをリストアップします。
    ・競合が強い場合は、コンテンツギャップ分析で未開拓のキーワードを探すのも有効です。
コンテンツギャップ

STEP 2. 関連するキーワードを洗い出す

Ahrefs のキーワードエクスプローラーを活用して、テーマに関連するキーワードをリストアップします。

  • ロングテールキーワードの発掘
    たとえば「スマートウォッチ」をテーマにする場合、「スマートウォッチ 登山」「スマートウォッチ 体温測定」といった具体的な検索ワードをキーワード候補などを利用して見つけましょう。
  • ユーザーの検索意図を分析
    「検索ボリューム」「クリック数」「トラフィックポテンシャル」を確認し、実際にユーザーが求めている情報を把握します。
  • 競合サイトとの差別化ポイントを見つける
    競合が獲得できていないキーワードを Ahrefs のコンテンツギャップ分析で特定します。

STEP 3. キーワードをグループ化する

リストアップしたキーワードを、検索意図ごとに分類します。

  • 情報収集キーワード(例:「スマートウォッチ 使い方」)
  • 商業調査キーワード(例:「スマートウォッチ おすすめ 2024」) 
  • 取引キーワード(例:「スマートウォッチ 価格 最安」) 

これにより、1 つのコンテンツでカバーすべきキーワードの範囲を明確にし、記事同士の競合を避けることができます。

STEP 4. 検索ボリュームを調査してキーワードを精査する

検索ボリュームが極端に少ないキーワードや、競争が激しすぎるキーワードは適切に調整します。

  • Ahrefs のキーワードエクスプローラーで検索ボリュームを確認
  • 検索ボリュームが「0」のキーワードは除外
  • 類似キーワードが複数ある場合、最も検索ボリュームが多いものを優先

たとえば「フィットネストラッカー」というキーワードの検索ボリュームが低すぎる場合、「スマートウォッチ トラッカー」に置き換えるとより多くの検索流入が見込める可能性があります。

STEP 5. 競合サイトを分析する

キーワードを精査したら、Ahrefs のサイトエクスプローラーを使って競合サイトを分析します。

  • 上位表示されているページの構成を確認
  • コンテンツの長さ、見出し、内部リンクの使い方を分析
  • 検索上位のページにない情報を追加し、より優れたコンテンツを作成

たとえば「スマートウォッチ 防水」のキーワードで検索すると、上位サイトが主に「防水性能の比較」しか提供していない場合、「防水機能を活かした使用シーン」などの追加情報を盛り込むことで差別化できます。

STEP 6. SEO キーワードを選定し、コンテンツを作成

最終的に、選定したキーワードをもとにコンテンツを作成します。

  • 記事タイトルに検索キーワードを適切に配置
  • メタディスクリプションに検索意図を反映
  • 見出し(H2H3)にキーワードを入れつつ、自然な文章構成を意識

たとえば「スマートウォッチ 登山 おすすめ」というキーワードを選定した場合、

タイトル例
【2025 年最新】登山におすすめのスマートウォッチ 5 選|防水・耐久性・GPS 機能を徹底比較 

このように検索意図を反映させたコンテンツを作成することで、検索エンジンからの評価を高めることができます。

検索意図に基づいた、ユーザーが求めるコンテンツ設計を行うポイントを見ていきましょう。

競合サイトを超えるコンテンツ設計

Ahrefs を使い、競合が上位表示されている記事の特徴を分析します。
Ahrefs のサイトエクスプローラーを活用して、以下をチェックしてください。

  • 競合記事の文字数
  • 見出し構成(H2・H3の使い方)
  • 内部リンクや外部リンクの活用状況

これらを分析し、競合よりも深い情報を提供することで上位表示を狙います。

クリック率を高めるためのタイトルタグとメタディスクリプション最適化

タイトルは「数字 × 効果的なワード」を活用して、クリック率(CTR)を向上させましょう。メタディスクリプションはポイントを押さえて最適化することが大切です。

タイトルタグの参考例

  • 【2025 年最新】Ahrefs の SEO 完全ガイド 

メタディスクリプションの最適化ポイント

  • 検索意図を満たす要点を簡潔に説明
  • 120 〜 150 文字で最適化 

SEO コンテンツの作成と最適化

SEO コンテンツ(検索エンジンで上位表示されることが目的のコンテンツ)の作成と、最適化のポイントを見ていきましょう。

高品質なコンテンツを作るためのポイント

SEO では、検索エンジンのアルゴリズムだけでなく、ユーザーの満足度を向上させることが重要です。以下の要素を考慮することで、高品質なコンテンツを作成できます。

  1. 情報の正確性と信頼性
    ・最新のデータや研究を活用し、根拠のある情報を提供しましょう。
    ・権威性のあるサイトからの引用やデータを取り入れましょう。
  2. 読みやすさの向上
    ・適切な段落構成と見出し(H1H2H3)を設定します。
    ・箇条書きや表を活用し、視認性向上を目指しましょう。
  3. 画像や動画の活用
    ・図解やスクリーンショットを挿入し、視覚的に理解しやすい構成を心がけます。
    ・動画コンテンツを組み込むことで、エンゲージメントを向上させましょう。
  4. E‑E-A‑T(Expertise, Expe­ri­ence, Author­i­ta­tive­ness, Trustworthiness)の強化
    ・著者情報を明示し、信頼性をアピールします。
    ・外部リンクや参考文献を記載し、信憑性を確保します。

内部リンクと外部リンクの最適化

内部リンクと外部リンクをそれぞれ最適化することも重要です。 

内部リンクの効果的な活用方法

  • 関連性の高い記事同士をリンクさせ、ユーザーの回遊率を向上します。
  • 重要なページへリンクを集め、サイトの構造を最適化します。

外部リンクの評価・価値向上方法

  • 権威性の高いサイトへのリンクを設置し、検索エンジンの評価を向上させます。
  • 信頼性のある情報源を引用し、ユーザーへの価値を高めます。

コンテンツの更新とリライト戦略

検索エンジンは最新の情報を評価するため、定期的なコンテンツの更新が必要です。以下の点を意識して更新を行いましょう。

  • 古いデータの更新
  • 新しいキーワードの追加
  • 検索意図に基づいた内容の強化

AI コンテンツヘルパーを用いたコンテンツを最適化

AI コンテンツヘルパーを用いることで、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツやトピックの網羅性を確認できます。

  • AI コンテンツヘルパーに下書きや公開前コンテンツを入れ、競合や検索意図を設定
    AI がコンテンツの動的スコアリングを導き出します。 

このことにより、「競合他社はカバーしているが、自社ではカバーできていない内容」や「ユーザーの検索意図に対して、不十分なコンテンツ」に気づくことができ、不足部分の補填が可能になります。

SEO 施策をモニタリングすることで、改善ポイントも見えてきます。ここでは、モニタリング手法と、改善策について触れていきます。

検索順位の追跡

Ahrefs のランクトラッカーを活用し、以下の項目を定期的にモニタリングしましょう。

ランクトラッカーで確認すべきデータ

  • キーワードごとの順位変動
  • 競合サイトの順位推移
  • モバイル vs デスクトップの違い 

被リンクの増加状況をチェック

Ahrefs の被リンクチェッカーを使い、獲得した被リンクの状況を分析します。意識したいポイントをご紹介します。

  • 高品質な被リンクが増えているか
  • スパムリンクが増えていないか

低パフォーマンスページの改善

検索順位が伸び悩んでいる記事に対し、以下の改善策を実施しましょう。

  • 検索意図の見直し
  • 新規情報の追加
  • 内部リンクの最適化

Ahrefs のツールをフル活用し、SEO の成果を最大化

Ahrefs には、SEO の成功に必要なすべてのデータを提供するツールが揃っています。 

  • キーワードエクスプローラー → 効果的なキーワードを選定します。 
  • サイトエクスプローラー → 競合サイトを詳細に分析します。 
  • 被リンクチェッカー → 被リンクの取得状況を確認します。 
  • コンテンツエクスプローラー → 上位表示されるコンテンツの要素を解析します。 

これらのツールを組み合わせることで、SEO 戦略の精度を高め、競合に勝つためのアクションを具体化できます。

まとめ:Ahrefs でデータドリブンな SEO を実践しよう!

SEO を成功させるためには、データに基づいたキーワード選定と SEO 施策の最適化が不可欠です。Ahrefs を活用することで、効果的な SEO 戦略を立案・実行できます。

Ahrefs を使った SEO 成功のポイント

  • 検索ボリュームだけでなく、ROI の高いキーワードを選定
  • 検索意図に基づいたコンテンツ設計で、トラフィックを増やす
  • SEO 施策の効果をモニタリングし、改善する

Ahrefs のツールで取得できるデータを活用して、検索順位を着実に向上させましょう!

Ahrefs を活用して、データに基づいた SEO 戦略を考えよう!

Ahrefs のツールを使うことで、効果的なキーワード選定、競合サイト分析、被リンクの状況など多くのデータが取得できます。これらを活用して、自社の効果的な SEO 戦略を考えましょう! 

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