今回の記事では、初心者の方でも簡単に使える Ahrefs の SEO ツールを活用したキーワード調査の基本をご紹介します。
どのように検索ボリュームや競合分析を行い、自サイトに最適なキーワードを見つけるの?効果的なコンテンツ作成につなげるコツは?など気になるポイントを解説します。SEO の基礎を押さえて、検索上位を目指しましょう!

SEO の成功には適切なキーワード選定が不可欠です。検索エンジンで上位表示を狙うためには、どのキーワードをターゲットにするかが大きな影響を与えます。
適切なキーワードを選定することで、検索流入を増やし、ターゲットユーザーを獲得できます。しかし、検索ボリュームが高いキーワードだけを狙うのは必ずしも正しい戦略ではありません。競争が激しいため、上位表示が難しく、結果的に効果が薄れてしまうことがあるからです。
Ahrefs を活用すれば、検索データを基に効果的なキーワードを見つけることができます。この記事では SEO 初心者の方向けに、Ahrefs を使ったキーワード調査の基本を解説していきます。
Ahrefs を活用する前に、SEO におけるキーワード調査の基本概念を理解しましょう。
検索ボリュームとは?
検索ボリュームとは、特定のキーワードが毎月どのくらい検索されているかを示す指標です。検索ボリュームが高いキーワードは流入の可能性が高いですが、その分キーワード難易度も高くなります。逆に、検索ボリュームが低すぎると、たとえ上位表示されてもほとんどアクセスが得られない可能性があります。
たとえば、「ダイエット」というような単語は検索ボリュームが非常に高いですが、上位表示を狙うのは非常に困難です。一方で、「30 代女性向けダイエット方法」といった具体的なキーワードは検索ボリュームは中程度ですが、競争が少ないため上位表示の可能性が高くなります。
Ahrefs のキーワードエクスプローラーを活用すれば、各キーワードの検索ボリュームを簡単に確認できます。検索ボリュームとキーワード難易度※のバランスを考慮しながら、適切なキーワードを選定しましょう。
※キーワード難易度:上位表示を狙うことの難しさを表す指標。
キーワード難易度の見方

キーワード選定において、キーワード難易度(Keyword Difficulty, KD)は重要な要素です。キーワード難易度は、Google の検索結果で 1 ページ目に表示されるための難易度を示す指標であり、Ahrefs では 0 から 100 のスコアで示されます。
キーワード難易度の計測方法
キーワード難易度は、主に被リンクから測定されています。特定のキーワードの検索結果から上位 10 個の URL を解析し、それぞれの URL の被リンク数を確認します。被リンク数の多いURLが上位に来ている場合は、そのキーワードのキーワード難易度が高くなります。なお、キーワード難易度の測定方法には、具体的なコンテンツの質、検索意図、権威性などは考慮されていません。
- キーワード難易度が低いキーワードの場合
被リンク数が少なくても上位にランクインする可能性はありますが、トラフィックポテンシャルや、キーワードのトレンドを見るようにしましょう。 - キーワード難易度が低すぎるキーワードの場合
トラフィックが期待できない場合もあるので、各キーワードの直近の予測グラフ(以下画像の赤線部分)や、トラフィックポテンシャル(検索結果で一位表示された場合の推定トラフィック)を参考にすると良いでしょう。

スコア別の難易度イメージ
- キーワード難易度が 0 〜 10 のキーワード
競争が少なく、初心者でも比較的上位表示しやすいとされています。 - キーワード難易度が 11 〜 30 のキーワード
適度な競争があるものの、適切な SEO 対策を施せば上位表示が可能です。 - キーワード難易度が 31 〜 70 のキーワード
競争が激しく、SEO の知識と実践力が必要になります。 - キーワード難易度が 71 以上のキーワード
大手企業や長年 SEO 施策を行っているサイトが独占しているケースが多く、新規サイトでは上位表示が非常に難しくなります。
初心者が SEO を成功させるためには、まずは「低〜中難易度(スコア 30 以下)」のキーワードをターゲットにすることが効果的です。キーワード難易度が低く、検索ボリュームがあるロングテールキーワードを選び、着実に成果を積み重ねていきましょう。
キーワードエクスプローラーについては、こちらもご覧ください。
ユーザーの検索意図の分類と分析
SEO では、キーワードの「検索意図(インテント)」を正しく理解することが極めて重要です。検索意図とは、ユーザーが特定のキーワードを検索する際に求めている情報のことを指します。この検索意図を考慮しないと、ユーザーのニーズに合わないコンテンツを作ってしまい、検索順位が上がらないだけでなく、ユーザーの満足度も低くなります。
検索意図は大きく 6 つのタイプに分類されます。それぞれの検索シーンなども見ていきましょう。
1. 情報収集(Informational Intent)
- キーワード例:「SEO とは」「Ahrefs の使い方」
- 検索シーン :ユーザーが知識を得たい時
- 効果的な内容:詳しい解説記事、ガイド
※ユーザーが求める情報を網羅的に提供することで、検索エンジンからの評価を高めることができます。
2. 案内(Navigational Intent)
- キーワード例:「Ahrefs ログイン」「Google アナリティクス ダッシュボード」
- 検索シーン :特定のブランドやサイトを探す時
- 効果的な内容:価格情報やクーポン、申し込みボタンを設置したランディングページ(LP)
※ブランド名を含めたオフィシャルページを最適化し、正しい情報を提供しましょう。
3. 取引(Transactional Intent)
- キーワード例:「Ahrefs 無料トライアル」「SEO ツール 料金」
- 検索シーン :購入や申し込みをしたい時
- 効果的な内容:公式サイトへのリンク、求める情報へのナビゲーション
※ユーザーがすぐに行動を起こせるような設計を心がけましょう。
4. 商業調査(Commercial Investigation Intent)
- キーワード例:「Ahrefs vs Semrush」「SEO ツールおすすめ」
- 検索シーン :複数の選択肢を比較したい時
- 効果的な内容:比較記事、ランキング形式の記事
※メリット・デメリットを分かりやすく提示し、適切な選択ができるよう読者を導きましょう。
5. ブランド検索意図(Brand Intent)
- キーワード例:「Ahrefs」「Ahrefs 無料トライアル」
- 検索シーン :特定のブランドや製品について詳しく知りたい時
- 効果的な内容:製品詳細ページ、会社概要、ユーザーレビュー
※ブランドの強みや特徴を明確に伝え、ユーザーの信頼を獲得することが重要です。
6. ローカル検索意図(Local Intent)
- キーワード例:「東京 SEO コンサル」「東京 マーケティング会社」
- 検索シーン :近隣の特定のサービスや店舗を探している時
- 効果的な内容:店舗情報、地図、営業時間、顧客レビュー
※地域に特化した情報を提供し、ローカル SEO を最適化することで、地域のユーザーにリーチしやすくなります。
それでは、Ahrefs を活用したキーワード調査の手順を見ていきましょう。以下の手順を踏むことで、「現状の把握」→「強みを活かせるキーワード機会の発見」→「実現可能なキーワードに焦点を当てる」という流れがスムーズに実現します。
1. Ahrefs の競合調査ツール「Competitive Analysis(競合分析)」を活用する
まずは、Ahrefs の競合調査ツール「Competitive Analysis(競合分析)」を使用します。これにより、市場での自社の位置づけと、潜在的な機会を把握できます。
Competitive Analysis(競合分析) 活用手順
- 自社と主要競合 3〜4 社の URL を入力
- 分析結果から、以下の情報を抽出
・競合がランクインしているが、自社がランクインしていないキーワード
・競合がターゲットにしているが、自社がまだ対応していないキーワード - 抽出した内容をもとにキーワードリストを作成
気になるキーワードをリストフォルダに入れて、シードキーワード※のリストを作成します。
※シードキーワード:1 語や 2 語の単一の検索クエリのこと。ショートテールとも呼ばれる。(例:「カフェ」「喫茶店」など)

図のように、気になるキーワードをリストフォルダに入れてキーワードリストを作成していきます。

キーワードリストのポイント
- 重要視すべきキーワード
競合がランクインしているキーワードだけではなく、自社がまだターゲットとして対応できていないキーワードも重要になります。 - キーワード難易度
キーワードリストには、キーワード難易度も表示されます。キーワード難易度のフィルタリングをかけて、表示数を減らすことも可能です。
ここから次項の「キーワードエクスプローラー」を使っていきます。Competitive Analysis(競合分析) から直接遷移することも可能です。
2. Ahrefs のキーワードエクスプローラーを活用する
Ahrefs の「キーワードエクスプローラー」は、SEO において重要なツールのひとつであり、検索ボリュームやキーワード難易度を調査するために欠かせません。適切なキーワードを選定することで、効率的に検索流入を獲得できます。
キーワードエクスプローラー活用手順
- Competitive Analysis(競合分析)で作成したキーワードリストをもとに、ターゲットとするキーワードを入力
→ 該当キーワードの検索ボリューム(どれくらいの頻度で検索されるか)やキーワード難易度(上位表示がどれくらい困難か)が即座に確認できます。
→ キーワードのクリック率(CTR)や関連キーワードのリストも表示されるため、シードキーワード以外のキーワードを探したり、より幅広い検索クエリを網羅したコンテンツを作成するのに役立ちます。 - ロングテールキーワードを見つける
→ キーワードエクスプローラーには「AI 提案機能」が組み込まれているため、適切なロングテールキーワード※を見つけることができます。
→ ロングテールキーワードは、キーワード難易度が低いため上位表示しやすく、ターゲットユーザーを効果的に獲得できます。
※ロングテールキーワード:複数の単語を組み合わせた検索クエリのこと。
(例:「東京 おしゃれ カフェ」「カフェ 静かな場所 東京」など具体的な検索)
3. 競争が少なく狙いやすいキーワードを見つける
SEO において、キーワード難易度の高いキーワードばかりを狙っても上位表示が難しいため、競争が少なく狙いやすいキーワードを選ぶことが重要です。先述したように、キーワード難易度のスコアが低いキーワードほど競争が少なく、上位表示の可能性が高くなります。
競争が少なく狙いやすいキーワードを見つけるポイント
- 検索ボリュームが適切なキーワードを選ぶ
→ たとえば、検索ボリュームが 100 万以上のキーワードは競争が激しく、新規サイトが上位表示するのは非常に困難です。一方で、検索ボリュームが 100 〜 1,000 程度のニッチなキーワードであれば、上位表示の可能性が高くなります。 - 競合がまだターゲットにしていない「ブルーオーシャン」キーワードを見つける
→ たとえば「エスプレッソマシン」という一般的なキーワードは競争が激しいですが、「ラテマシーン 家庭用」「エスプレッソマシン 家庭用 最高峰」といった具体的なキーワードであれば、競争が比較的少なく、ターゲットユーザーが明確になるため狙いやすくなります。

4. 競合サイトのキーワード分析を行う
SEO 戦略の成功には、競合がどのようなキーワードを狙い、どのようなコンテンツで検索トラフィックを獲得しているか分析することが不可欠です。Ahrefs のサイトエクスプローラーを活用すると、競合の戦略を詳細に調査できます。

競合の戦略調査手順
- Ahrefs の「キーワードエクスプローラー」でターゲットキーワードを検索
- SERP の概要を確認
→ ページ下部にスクロールし、SERP の概要セクションを表示させます。
・上位表示されているサイトが自社のビジネスと類似しているか確認します。
・検索結果が広範囲すぎる場合は、より具体的なキーワードで再検索しましょう。

- Ahrefs の「サイトエクスプローラー」に競合サイトの URL を入力し、「オーガニックキーワード」レポートを確認
→ このレポートを活用すると、競合サイトがどのキーワードでランクインしているか把握できます。 - 競合サイトの中で特にトラフィックの多いページを特定し、どんなキーワードがターゲットか分析
→ 競合が成功しているキーワードを把握することで、より優れたコンテンツを作成できます。 - 競合が狙っているが、自社がまだ対応していないキーワードを発見し、新しい SEO 戦略を立てる
→ たとえば、競合が「エスプレッソマシン おすすめ」というキーワードで上位表示されている場合、関連する「エスプレッソ 自宅」といったキーワードを狙うことで、独自の市場を開拓できます。
サジェストキーワードの活用
Ahrefs のキーワードエクスプローラーは、関連キーワードを見つける強力なツールです。検索ボリュームがある関連ワードを特定し、それを活用することで、ターゲットユーザーの検索ニーズをより広範囲にカバーできます。
サジェストキーワードとは、特定のキーワードに関連する検索ワードのことで、ユーザーが次に検索する可能性が高いワードです。たとえば「SEO 対策」と入力すると「SEO 対策 方法」「SEO 対策 ツール」「SEO 対策 初心者」などの関連語が表示されます。

サジェストキーワードを活用すると、ユーザーが求める情報を先回りして提供でき、コンテンツの網羅性を向上させられます。また、キーワード難易度の低いロングテールキーワードが見つけられるため、SEO の成果を短期間で上げやすくなります。
検索結果ページからのクリック率向上方法
検索結果ページ(SERP)からのクリック率を向上させると、トラフィックの増加に直結します。そこで、Ahrefs の出番です。Ahrefs のツールを活用すれば、競合サイトのタイトルタグ、メタディスクリプション、見出し構成などを分析し、より魅力的なコンテンツを作成することができます。
タイトルタグ
検索結果で最も目立つ要素で、ユーザーがクリックするかを左右します。そのため、適切なキーワードを含めつつ、魅力的で興味を引く内容にしなければなりません。たとえば「SEO 対策 方法」をターゲットにする場合、「【最新 2025 年版】初心者向け SEO 対策完全ガイド」のように具体的な年号や効果的なワードを加えることを意識しましょう。
メタディスクリプション
ユーザーにページの概要を伝える役割を果たします。Ahrefs のツールを利用して、競合サイトのメタディスクリプションを分析し、より分かりやすく、魅力的な説明文を作成しましょう。
検索結果ページ分析による、共通点の発見
検索結果ページに上位表示されるコンテンツの構成を分析し、共通点を見つけることもクリック率向上に役立ちます。たとえば、上位表示されている記事の多くが「ステップごとの解説」や「図解付きの説明」を採用している場合、それらの要素を自社コンテンツにも取り入れることで、より競争力のある記事を作成できます。
検索意図に基づくコンテンツ作成
SEO において、ユーザーの検索意図を正確に理解し、それに基づいたコンテンツを作成することは非常に重要です。
検索意図に合ったコンテンツの提供
先述したように、検索意図は「情報収集」「案内」「取引」「商業調査」「ブランド検索意図」「ローカル検索意図」の 6 つのタイプに分かれます。検索意図を的確に把握し、それに合ったコンテンツを提供することで、検索エンジンの評価が向上し SEO の成果を高められます。これらは、Ahrefs 独自のコンテンツ最適化ツール「AI コンテンツヘルパー」を使うことで可能になります。
情報の網羅性
情報の網羅性を高めることも重要です。Ahrefs のコンテンツギャップ分析を活用することで、競合が提供していない情報を特定し、より充実したコンテンツを作成することが可能になります。
まとめ:Ahrefsで効率的にキーワード調査を進めよう!
SEO 初心者でも Ahrefs を活用すれば、適切なキーワード選定が可能です。検索ボリューム、キーワード難易度、検索意図の理解を深めることで、SEO の成功率を大幅に向上させることができます。
Ahrefs を使ったキーワード調査のポイント
- 検索意図を分析し、キーワード難易度の低いロングテールキーワードを見つける
- サジェストキーワードを活用し、検索結果ページ(SERP)を分析してクリック率を高める
データに基づいた SEO 戦略を実践すると、検索順位の向上だけでなく、コンバージョンの増加にもつなげることができます。Ahrefs を使って、効率的にキーワード調査を進めましょう!
Ahrefs を活用して、キーワード調査をしよう!

Ahrefs を使うことで、検索データに基づく効果的なキーワードを見つけることができるようになります。まずは競争の少ないキーワードを見つけ、サジェストキーワードの活用や、検索意図をふまえたコンテンツを作成することで検索流入やクリック率向上を図りましょう!
さらに詳しい使い方について知りたい方は、X でぜひシェアしてください!Ahrefs Japan 公式X のフォローやタグ付け投稿もお待ちしています!