この状況から抜け出す突破口となる方法の 1 つは、大手サイトが SERP で上位を独占してしまう前に、いち早くトレンドキーワードを特定して上位を先取りすることです。
それでは、ニッチ分野のトレンドキーワードを競合よりも先に見つける方法を一緒に見ていきましょう。
Google トレンドは、キーワードを入力するとそのトレンド傾向を表示してくれるツールです。
表示するデータの期間を変えることで、新たなトレンドを検出することもできます。
個人的に、Google トレンドの最も優れている機能はページ下部にある関連トピックのセクションだと思います。ここには、選択した期間内で関心が高まった他のトピックが表示されます。
トピック右側の「急激増加」という表現に注目してください。これは、そのキーワードの検索ボリュームの増加率が 5,000% 以上であることを意味しています。
ご紹介した Google トレンドは便利なツールですが、その一方で惜しいところもあり、それはトレンドキーワードの表示件数が限られていることです。
このため、トレンドキーワードの膨大なリストを手に入れたい場合は、Ahrefs のキーワードエクスプローラーを使用するのが最適です。
任意のトピックを入力し、フレーズ一致レポートに移動して、成長の列をクリックしてください。
こうすると、過去 3 か月間での検索ボリューム増加率順に並べた 160 万を超えるキーワードのランキングが表示されます。 期間のドロップダウンをクリックして、対象期間を変更することもできます。
キーワードエクスプローラーを使用するメリットは、(選択した国または全世界での)検索ボリューム、キーワード難易度(現在の競争の激しさ)、期待できるトラフィック(そのキーワードの検索順位で 1 位を取った場合に獲得が見込める検索トラフィック)、クリック単価など、キーワードにまつわる重要な指標を一度にすべて把握できることです。
SERP のドロップダウンをクリックすれば、あるキーワードの検索で現在どのページが上位ランクインしているかを確認することもできます。
意図を特定するをクリックすると、ユーザーがあるキーワードの検索時にどんな情報を探しているかが確認できます。
このように、トレンドキーワードを見つけられるのはもちろん、そのキーワードで上位ランクインするために必要なあらゆる情報が手に入るのです。
インターネット上でトレンドになっているものはすべて「インターネットの 1 面トップサイト(The Front Page of the Internet)※1」である Reddit※2に掲載されており、このサイトを見ればトレンドのキーワードがすべて見つかります。
※1 以前、後述の Reddit の宣伝スローガンとして使われていたフレーズ。
※2 アメリカ発の掲示板型 SNS サイト。
まず、Reddit の検索バーに関連キーワードを入力し、関連サブレディット(subreddit、分野別コミュニティのこと)を探します。たとえば、以下は「ナイフ」というキーワードで見つけたサブレディットのうちの幾つかです。
自分のニッチ分野に最も関連性が高いと思われるサブレディットを選んでクリックし、サブレディット内で上位スレッド表示(Top)を選択すると、投稿されているスレッドの人気総合ランキングを見ることができます。さらにランキングの対象期間も選択することができます。
このサブレディットを覗いてみたところ、「モダンかつ伝統的なデザインのナイフ」についてのスレッドが見つかりました。
このスレッドを立ち上げたユーザーの投稿には 270 件の「いいね」と 86 件のコメントがついていることから、これはオンラインでナイフを販売している人にとって SEO 戦略の有力なターゲット候補となるトピックだと言えるでしょう。さらに、Ahrefs のキーワードエクスプローラーにこのキーワードを入れてみると、この検索をしている人が実際どの程度いるのかが確認できます。
このトピックの検索ボリュームは(まだ)少ないですが、情報を探している人はすでに存在しているようです!
今の時代、多くのトレンドはソーシャルメディアから始まるため、トレンドキーワードを探すならまずはソーシャルメディアを調査すべきだというのは言うまでもありません。
X の場合、サイドバーの「検索」をクリックすると「おすすめ」タブが表示されます。ここには、現在ユーザーが興味を持っていると予測された分野のトレンドトピックが表示されます。
ご覧のとおり、X は筆者がテクノロジー分野に関心があることを把握しているため、テクノロジー関連の最新ニュースやトレンド情報が表示されています。ただし表示内容はアルゴリズムによって変化するため、ユーザーの利用頻度や使い方によっては本当に興味のある分野のトレンドトピックが表示されない場合もあります。
このため、トピックを検索して上位ツイートがどんなものかチェックする方が、トレンド調査としてはより確実です。
Instagram は X に比べると情報が集めにくく、またトレンドも表示されません。このため、アカウントのアルゴリズムを操作して自分のニッチ分野で人気のコンテンツを表示させるか、キーワードの検索をかけてからタグに移動するといった工夫が必要になってきます。
このような画面からハッシュタグをクリックして、どんな投稿やトピックがトレンドになっているか確認してみましょう。
TikTok の場合、ビジネスアカウントを持っていれば、クリエイティブセンターにアクセスして今現在のトレンドがチェックできます。
Reddit の時と同様に、自分のニッチ分野でのトレンドの目星がついたら、それをキーワードエクスプローラーなどのキーワードツールに入力して、検索ボリュームがどの程度あるか確認してください。
最後に、トレンドキーワードを見つけるためのとっておきの裏技をお教えしましょう。それはニュースレターの発行です。
個人的に発信しているものや、所属チームの内部ニュースレター、あるいはクライアントに送るものなどどんなものでもいいので、ニュースレターを作成・発行することで業界トレンドの最新情報に誰よりも詳しくなれます。
筆者の場合は無料の週刊ニュースレター「Ahrefs のダイジェスト」を担当しており、この執筆作業で毎週、ソーシャルメディア、オンラインフォーラム、業界ニュースレターなどをくまなくチェックし、ニュースレターで紹介するのにベストなコンテンツ探しに日々注力しています。
この情報収集作業のおかげで、業界内のニュースやホットな話題、新たな発表記事など、業界で起こっているありとあらゆることについての最新情報が把握できるようになりました。
筆者のケースでは、これまでに発行した 200 件のニュースレターの作成作業を通し、SEO とマーケティングの分野に携わる人たちが以下のことに関心を持っていると分かりました。
- 生成型 AI:その活用法や、コンテンツ作成において他社と一線を画し、コンテンツをより「人間らしく」する方法
- Google による継続的なコアアップデートとその対処方法
- Google の「AI による概要」機能とその SEO の将来への影響度
- どんなプラットフォームにも共通して使えるマーケティング手法
- ブランド構築方法
これらのトピックのいくつかは既に Ahrefs ブログでも扱っているものですが、今後さらに詳しい内容の情報記事を載せていく予定です。
まとめ
ライバルに勝つのが難しいと思ったら、先を越せばいいのです。
大手ブランドが攻め入ってくる前にトレンドに飛びつくことができれば、検索結果で上位にランクインすることでオーソリティを高め、より多くの被リンクが獲得できるという理想的な結果が得られるでしょう。こうして得た実績は、今後より競争の激しいキーワードの検索で上位ランクインを目指す際に有利に働きます。
トレンドキーワードを見つける良い方法があるという方は、ぜひ X で Ahrefs チームとシェアしてください。