強調スニペットの未来は?AI 時代における SERP 機能の変化とは

ライアン ・ロー
Ahrefs のコンテンツマーケティングディレクター。 過去 13 年間でライター、コンテンツストラテジスト、チームリーダー、マーケティングディレクター、部長、CMO(最高マーケティング責任者)、代理店設立といった様々な役職を経験。その間、Google、Zapier、GoDaddy、Clearbit、Algolia など数十社のコンテンツマーケティングと SEO サポートを担当。小説家の顔も持ち、これまでに 2 種類のコンテンツマーケティング専門講座を自ら開発・設計した。
Ahrefs は 100 万件の SERP を分析し、今年に入ってから多様な SERP 機能の表示がどのように変化したかを調査しました。


AI による概要(AI Overviews)は 2024 年 8 月に突如として出現し、今では今回の調査対象のサンプルキーワードの 4 分の 1 以上で表示されています(インフォメーショナルキーワードではさらに高い頻度で見られます)。

機能的に、AI による概要は既存の SERP 機能、特に強調スニペットと重複しているように思われます。これは、AI による概要と強調スニペットが同時に表示されることが多いという、Ahrefs の初期の調査でも確認されているポイントです。

そこで、筆者はこの疑問を解明したいと考えました。「AI による概要は既存の SERP 機能に取って代わりつつあるのか? 検索体験全体に AI が浸透していく中で、重要性を高める SERP と、注目に値しない機能はどれか?」

2024年から2025年にかけての主要な SERP 機能の表示割合の推移を示す折れ線グラフ
2023 年 12 月以降の主要な SERP 機能の推移。

Ahrefs は、キーワードエクスプローラーのデータベースから無作為に選んだ 100 万件の米国におけるデスクトップ SERP を対象に、15 種類の異なる SERP 機能が表示される割合を分析しました。 

2025 年 1 月と 6 月の各 SERP 機能の表示を比較した結果は以下のグラフの通りです。 

2025年1月と6月における各 SERP 機能の出現割合を比較した棒グラフ
Side­note.
この分析にはすべての SERP 機能が含まれているわけではありません。

そして、今年(2025 年 1 月)に入ってからの各 SERP 機能の相対的な可視性の変化がこちらです。 

2025年1月以降の各 SERP 機能の相対的な出現変化を示す棒グラフ

そのデータを詳しく見ていきましょう。 

SERP 機能現在の SERP 可視性(2025 年 6 月)以前の SERP 可視性(2025 年 1 月)2025 年 1 月からの相対的変化
サイトリンク84.95%8.44%906%
質問79.13%73.73%7%
AI Overviews27.43%3.93%598%
AI Overviews サイトリンク25.00%3.90%541%
ディスカッション20.26%19.49%4%
ニュース14.20%14.94%-5%
ナレッジパネル12.95%14.09%-8%
オーガニックショッピング10.40%11.24%-7%
強調スニペット5.53%15.41%-64%
ローカルパック2.96%3.48%-15%
ナレッジカード2.30%1.50%54%
ローカル情報1.96%2.55%-23%
ショッピング0.99%3.14%-68%
有料広告0.91%1.95%-53%
有料広告(サイトリンク付き)0.66%1.48%-55%

15 の SERP 機能のうちの 9 つで、表示が減少しています。ごくわずかな減少を示すものもありますが、可視性が大幅に低下したものもあります。

2025年1月以降に出現率が減少した SERP 機能の相対変化を示す棒グラフ

ショッピング、強調スニペット、有料広告(サイトリンク付き)、有料広告の SERP 機能の相対的減少が目立ちます。中でも、最大の減少率を示したのは強調スニペットで、1 月には SERP の 15.41% で表示されていましたが、6 月には 5.53% まで落ち込んでいます。 

SERP 機能現在の SERP 可視性 (2025 年 6 月)以前の SERP 可視性 (2025 年 1 月)2025 年 1 月からの相対的変化
ショッピング0.99%3.14%-68%
強調スニペット5.53%15.41%-64%
有料広告(サイトリンク付き)0.66%1.48%-55%
有料広告0.91%1.95%-53%
ローカル情報1.96%2.55%-23%
ローカルパック2.96%3.48%-15%
ナレッジパネル12.95%14.09%-8%
オーガニックショッピング10.40%11.24%-7%
ニュース14.20%14.94%-5%

強調スニペットの減少は、AI による概要の増加と非常に強い相関 (0.9) を示しています(ただし、今回も例に漏れず「相関関係は因果関係とは異なる」点にご注意)。

SERP 機能AI Overviews の成長との相関
強調スニペット-0.9053
ローカル情報-0.8571
ショッピング-0.7512
ローカルパック-0.7438
有料広告-0.699
有料広告(サイトリンク付き)-0.6803
ナレッジパネル0.7886

実際、両方の SERP 機能の可視性を同じグラフにプロットすると、3 月に明確な「入れ替わり」のポイントが見られます。3 月に AI による概要が 116% 増加したことは確認ずみですが、強調スニペットの表示減少も同時期、それに対応するように起こっているようです。

2024年から2025年にかけての AI Overviews とスニペットの出現率推移を比較した折れ線グラフ

15 の SERP 機能のうち 6 つは、表示割合が増加しました。ナレッジカードは 54%、AI による概要(および関連する AI による概要のサイトリンク機能)は 1 月から 6 月にかけてそれぞれ 598% と 541% という驚異的な成長を遂げました。

しかし、驚くべきことに、最大の勝者はそのどれでもありませんでした。

2025年1月以降に出現率が増加した SERP 機能の相対変化を示す棒グラフ

サイトリンクは 2025 年 1 月から 6 月の間に 906% 増加。表示率は 8.44% から 84.95% にまで上昇しました。 

SERP 機能現在の SERP 可視性 (2025 年 6 月)以前の SERP 可視性 (2025 年 1 月)2025 年 1 月からの相対的変化
サイトリンク84.95%8.44%906%
AI Overviews27.43%3.93%598%
AI Overviews サイトリンク25.00%3.90%541%
ナレッジカード2.30%1.50%54%
質問79.13%73.73%7%
ディスカッション20.26%19.49%4%

詳しく見ると、サイトリンクは Google の 3 月のコアアップデートの時期に表示が急増しており、主に非ブランドキーワードでその影響が見られました。

2025年初頭から6月にかけてのサイトリンクの出現率推移を示す折れ線グラフ

Ahrefs のデータサイエンティストであるシベイジャ・グアンは、3 月以前のサイトリンクのほとんどは、通常ブランドキーワードでのみ表示される「内部サイトリンク」だったとの仮説を立てています。3 月以降は、(ブロディー・クラーク氏が報告したように)ブランドクエリと非ブランドクエリの両方で表示される可能性のある「Scroll-to Sitelinks」が増加しているのが見られます。

Ahrefs で自社の SERP 機能を分析する方法

これまでお話しした SERP 機能に関するデータはすべて Ahrefs で確認できます。サイトエクスプローラーに移動し、ドメインを入力して、オーガニックキーワードレポートをクリックしてみてください。そこから、キーワードのランキングをフィルタリングすると、どの SERP 機能が表示されているかを簡単に確認できます。

Ahrefs サイトーエクスプローラーのオーガニックキーワードレポート

ahrefs.com のオーガニックキーワードをフィルタリングして AI による概要 を表示させると、Ahrefs がランクインしていて、そこで AI による概要をトリガーするキーワードが 67,000 件近く見つかります。

Ahrefs サイトエクスプローラーのオーガニックキーワードレポートレポートで AI による概要を含むキーワード約 66,592 件をフィルタリングした結果画面

まとめ

AI による概要が強調スニペットに取って代わった可能性は非常に高いようです。ゼロクリック検索を促進し、検索者の意図を SERP 上で直接解決するという、似たような機能を持つ両者の間で見られるのは、AI Overviews の増加と強調スニペットの減少が見事に一致していることです。

SERP 機能という観点では、AI による概要は非常に柔軟で、多種多様な検索意図に対応することができます。筆者としては、AI による概要は他の SERP 機能にも取って代わる可能性があると直感しています。そこで、今後数か月間は、減少傾向にある他の SERP 機能がその傾向を続けるか、じっくり観察を続けていきたいと思っています。