これらはウェブ上で影響力のあるページであり、他のウェブサイトがそこにリンクを飛ばす価値があると判断したページです。こうしたページでブランドが言及されると、皆さんのブランドがより信頼性が高く、名の知れたブランドである可能性が高いというシグナルとして働くことがあります。
そこで今回は Ahrefs ブランドレーダーを使い、2025 年 6 月のデータに基づき、Google AI Overview、ChatGPT、そして Perplexity で最も言及された上位 50 ウェブサイトを調査しました。この調査は、約 7,670 万件の AI Overview、95.7 万件の ChatGPT プロンプト、そして 95.35 万件の Perplexity プロンプトを対象としています。
では、詳しく見ていきましょう。
いつものように、「相関関係は因果関係を意味しない」とだけ先にことわっておきます。今回は特にそれが当てはまります。
「被リンク数の多いウェブページでの言及」が AI ツールに対して直接的なウェブページ評価の指標になるとは考えていませんでしたが、各ツールで相関レベルに違いが見られるかどうかに興味がありました。Google AI Overview は強い相関を、Perplexity は中程度の相関を示した一方、ChatGPT では非常に弱い相関しか見られませんでした。

数多くのウェブサイトの運営者がリンクを掲載する価値があると判断したページにおいて、著名なブランドが言及されているというのは驚くような現象ではありません。Google は「名だたる」ブランドを優遇する傾向があり、Perplexity にも同様の傾向が見られます。ここで驚くべきは、ChatGPT での相関の弱さです。おそらく彼らは単純に、パートナー企業を優先して主要な引用元にしているのでしょう。
より多くのウェブサイトを対象にこの分析を行った場合に、結果がどう変わるかは興味深いところです。
各ツールで言及の最も多かった上位 50 ドメインを対象に調査して判明した、被リンクの多いウェブページでの言及と AI ツールにおける可視性のスピアマンの順位相関係数は、以下の通りです。
AIアシスタント | スピアマンの相関係数(ρ) | 相関の強さ |
---|---|---|
Google AI Overview | 0.7 | 強い |
ChatGPT | 0.12 | 非常に弱い |
Perplexity | 0.4 | 中程度 |
まとめ
今回と同じ分析を、対象ウェブサイトの数を増やして行うと結果がどう変わってくるかは、研究の余地がありそうです。
この記事で登場した Ahrefs のブランドレーダーが気になる方は、ぜひ使ってみてください。このツールは、単なる LLM の可視性モニタリングツールではありません。Ahrefs はあらゆる AI ツールで実行される大量のクエリを追跡しており、ユーザーはどんな製品、サービス、ブランドのパフォーマンスも調査可能で、競合他社と比較することができます。ランクトラッカーというよりは、むしろサイトエクスプローラーに近いツールです。
このツールで「ウェブの可視性」を選択すれば、オンライン上で自社についてどんな書き込みがされているかが確認でき、「検索需要」を選ぶと、検索における人気度を把握することができます。
