事例

SEO から LLMO へ、データドリブンで挑む。株式会社プリンシプルが Ahrefs に見出した可能性

河原田 隆徳 (TAKA)
Ahrefs 日本マーケティング統括。 国外 SaaS 企業における日本市場向けのマーケティングとローカリゼーションで 10 年以上の経験を積み、現在は Ahrefs の日本マーケティングを統括。ユーザーの皆さんと共に、Ahrefs を日本で盛り上げることを目標に、日々全力で取り組んでいます。

AI 検索時代にいち早く対応するために。LLMO 戦略を支える Ahrefs の価値

SEO コンサルティングの現場で、今まさに大きな地殻変動が起きています。生成 AI が検索行動を塗り替えつつあるなか、データドリブンなアプローチで業界をリードしてきた株式会社プリンシプルは、一足早く LLMO(Large Lan­guage Mod­el Optimization)に本格参入しました。その戦略の中核に据えたのが、Ahrefs のブランドレーダーです。

SEO チームマネージャーの安倍 大貴氏、チームリーダーの佐々木 勇樹氏、コンサルタントの村田 果鈴氏の 3 名に、導入の経緯から具体的な活用方法、そして AI 検索時代への展望まで、詳しくお話を伺いました。

「データとアクションをつなぎ、よりよい世界を実現する」をミッションに掲げる株式会社プリンシプルは、コンサルティングから施策の実行、データ分析による課題の可視化、コンサルタントによる伴走支援までワンストップで提供するマーケティング DX パートナーです。SEO・Web 広告・Web 解析・生成 AI 活用支援まで幅広いサービスを展開し、500 社以上のクライアントを支援してきました。

Ahrefs を導入したのは 2025 年 12 月のことです。それ以前は別の国外 SEO ツールを利用していました。移行の検討を始めたきっかけについて、社内推進を主導した佐々木氏はこう振り返ります。

「年末ごろから AI 対策の必要性を強く感じ始めていました。当時使っていたツールは、日本語での AI 分析機能の対応がまだ準備中で、いつ使えるようになるかのスコープも決まっていない状況でした。LLMO サービスをローンチするうえで、いつ着手できるか見通せないのは困る、というのが大きかったです」

そのタイミングで安倍氏が LLMO コンサルティングサービスの開発を進めており、「なら Ahrefs を今入れるべきでは」という話が社内で動き始めました。

佐々木氏が Ahrefs を知ったのは X がきっかけです。「ブランドレーダーがすごくプッシュされていて、Ahrefs が機能拡充を急いでいるのが気になっていました。プライベートの仲間が Ahrefs を使っていたので、触らせてもらったのが決め手になりました」と話します。前職の SEO 支援会社でも Ahrefs を使っていた経験があり、プリンシプル入社後も「使いたい」と社内でアピールし続けていたといいます。

エンタープライズプランを選んだ理由

プラン選択においては、ブランドレーダーでの主要 AI 全サービスへのアクセスと、カスタムプロンプト機能がエンタープライズ専用だったことが決め手となりました。

「クライアントごとに合わせたプロンプトをトラッキングしていく必要があるので、カスタムプロンプトは外せませんでした。また、ChatGPT・Copilot・Gemini などの主要 LLM を横断して見られるのも、エンタープライズプランを選んだ大きな理由です」(佐々木氏)

社内浸透のカギは「他ツールにない機能」の可視化

導入初期の社内浸透においても、佐々木氏が中心的な役割を果たしました。チームメンバーに Ahrefs を紹介する際、特に受けが良かったのが以前のツールには搭載されていなかった機能の実演です。

「キーワードエクスプローラーで検索順位の前後の SERP を比較できる機能は、以前のツールにはなかったんですよ。キャプチャを取るだけで、競合サイトの顔ぶれがどう変わったかが一目でわかります。お客様に見せると、『ここが入れ替わったから、ここを意識すればいいんだね』とすぐに理解してもらえる。チームへの紹介でも反応が良かった機能です」

加えて、ブランドレーダーのデモが社内の検討プロジェクト立ち上げの直接のきっかけになったといいます。「競合との言及数の差がひと目でわかって、営業ツールとしてもそのまま使えると感じました。LLMO サービスをローンチする際の武器になると確信しました」(佐々木氏)

安倍 大貴氏(SEO チーム A マネージャー)

Web 制作会社でのディレクター経験を経てプリンシプルへ参画。現在はマネージャーとして LLMO サービスの開発も主導し、AI 検索時代のブランド可視化に注力しています。同社では「CAIO」という役職も設置されており、組織全体での AI 活用を推進しています。

安倍氏が独自に実践しているのが、キーワードエクスプローラーとブランドレーダーを組み合わせた LLMO 分析フローです。

LLM に投げるプロンプトを設計する際、どのプロンプトを追うべきかをロジカルに説明する必要があります。そこでキーワードエクスプローラーの検索ボリュームを活用しています。SEO で需要のある検索キーワードをベースに質問を設計すれば、そのプロンプトはユーザーが実際に打つであろう確からしさがある、という根拠をクライアントに示せます」

その後、設計したプロンプトをブランドレーダーに登録し、各 LLM での言及状況を継続的にモニタリング。言及が少ないカテゴリを特定し、そこをコンテンツ強化や情報発信の優先課題として提案につなげています。

佐々木 勇樹氏(SEO チーム B リーダー)

元大手 SEO 支援会社出身で、2025 年 1 月にプリンシプルへ参画。BtoB 向けサービスサイト、大手アパレル越境 EC、部品メーカーの大規模 DB 型サイトなどを担当しています。

Ahrefs では競合調査にサイトエクスプローラーとバッチアナリティクスを頻繁に活用しています。最近注目しているのがサイトエクスプローラーのサイトストラクチャーです。「ディレクトリごとに参照ページ数・オーガニックトラフィック・獲得キーワード数が一覧で見られます。競合がどのディレクトリで流入を取っているかがわかるので、どこをベンチマークすべきかをクライアントへの提案に落とし込みやすい。以前のツールにはなかった機能で、導入推進の武器のひとつでもありました」

LLMO 調査ではブランドレーダーを活用し、Ahrefs から CSV で出力したデータを BI ツールの Tableau で可視化してレポートを作成する取り組みも進めています。

村田 果鈴氏(SEO コンサルタント)

新卒でプリンシプルに入社し、コンサルティング営業を経て現在は SEO コンサルタントとして活躍。保険、人材、アパレルなど幅広い業種を担当しています。

Ahrefs では月次レポート作成にランクトラッカーを最も頻繁に使用しています。「お客様と競合やターゲットキーワードをすり合わせて登録し、毎月順位変動を追って施策を提案するのが基本の流れです。調査フェーズではサイトエクスプローラーとキーワードエクスプローラーを使って競合が取れているキーワードを抽出し、Tableau に落として戦略を立てています」

海外サイトを運営するクライアントに対しては、英語圏のキーワード調査も Ahrefs で実施。グローバルなデータカバレッジを活かした支援も行っています。

村田氏が担当する自動車保険会社のケースは、Ahrefs を SEOLLMO の両面で活用する同社のアプローチが凝縮された事例です。

SEO 面では、ランクトラッカーで競合比較の Share of Voice 推移を毎月モニタリングし、サイトの現在地をクライアントへ報告しています。順位が改善・悪化したキーワードを降順に並べて原因を調査し、施策立案につなげる流れです。

LLMO 面では、導入当初から AI に強い関心を持っていたクライアントの要望に応え、ブランドレーダーでブランドのメンション数・引用数を計測。競合との比較分析や、ターゲットプロンプトの登録によるモニタリングをスタートさせています。

「まだ導入 4 ヶ月なので、成果として語れるところはこれからですが、材料として Ahrefs のデータがあるからこそ、クライアントに対してデータドリブンな提案ができています」(村田氏)

SEOLLMO を分けて考えない」

安倍氏は AI 検索時代の SEO について、こう整理します。

「検索順位を上げるだけでは対応しきれなくなっています。AI の回答候補に選ばれることも必要になってきました。私たちの捉え方は、SEO の延長線上に LLMO がある、というものです。SEOLLMO という 2 つの定義で分けるのではなく、ユーザーが検索活動をするときのタッチポイント全体を最適化していく、という文脈で考えています」

具体的なアクションとしては、一次情報の発信、専門性を示すコンテンツの強化、FAQ や回答ブロックの整備など、従来の SEO と重なる部分も多いです。ただ、LLM 観点で見ることで気づける課題もあります。

「競合と比較して料金に関するプロンプトで言及が途端に弱いクライアントがいました。調べると、料金ページのコンテンツが薄く、コースごとに整理されていないことが原因でした。SEO 対策だけを見ていたら気づけなかったかもしれない。LLM 観点で見たからこそ、『料金ページを拡充しましょう』という提案につながりました。データをベースに逆算して施策を作るスタイルは、LLMO でも変わりません」(安倍氏)

外部露出戦略の重要性

佐々木氏が特に強調するのが、自社サイト単体の SEO 対策では不十分という現実です。

「生成 AI はさまざまなドメインの情報を引っ張って回答を生成します。外部メディアへの露出戦略が、以前よりもずっと重要になっています。ブランドレーダーで回答生成時の引用ドメイン・引用ページを測定し、業界ごとにどの外部サイトから引用されやすいかを分析しています。そのデータをもとに、自社サイトだけでなく外部露出戦略をどう設計するかをクライアントに提案できるようにしていきたいです」

PR、YouTube、UGC など、従来の SEO よりも施策の幅は広がっています。「難しくなったとも言えますが、それだけ私たちが提供できる価値も増えたと思っています」(佐々木氏)

Google の AI モードが変える検索行動

ゼロクリックの増加という大きな変化に対して、安倍氏はこう展望を語ります。

「ユーザーが検索窓にキーワードを入れてリンクをたどる、というアクション自体が変わりつつあります。AI と対話しながら情報収集・意思決定するプロセスのなかで、いかにクライアントのサイトが引用・言及されるかが重要になります。検索順位だけでなく、AI からどれだけ言及されるかという指標を新たに可視化していく必要があります」

佐々木氏は直近のトレンドとして Google 検索からのトラフィック減少と広告流入増加の動きにも触れました。「オーガニック流入が取りにくくなったぶん、広告に頼る動きが海外でも出てきています。その流れのなかで、LLM でいかに推薦されるかという戦略の重要性はさらに高まっていくと感じています」

安倍氏は Ahrefs の今後の活用イメージをこう描きます。

「検索需要の理解から LLMO の施策まで、SEOLLMO を行ったり来たりしながら使っていくイメージです。Ahrefs でキーワード調査・コンテンツテーマ設計をして、施策を打ち、ブランドレーダーでブランドの言及状況を確認する。それを繰り返しながら最適化していきます。広告事業やデータ分析とも横断した、マーケティング支援全体のハブとして Ahrefs を位置付けていきたいと思っています」

佐々木氏は提案活動への展開も進めています。「受注率向上のプロジェクトを走らせていて、ブランドレーダーのデータを提案書に標準的に組み込んでいきたいと思っています。競合 A はこれだけ言及されているが、御社はここまで差がある、というのをビジュアルで見せられるのが強い。Ahrefs のデータとスクリーンショット、Tableau や Look­er Stu­dio での可視化を組み合わせた提案書フォーマットを部署横断で標準化していく予定です」

安倍 大貴 コンサルティング事業本部 SEO ディビジョン SEO チーム A マネージャー Web 制作会社でのディレクター経験を経てプリンシプルへ参画。LLMO サービスの開発を主導し、AI 検索時代のブランド可視化に注力。キーワードエクスプローラーとブランドレーダーを組み合わせた LLMO 分析フローを社内外に展開している。 プロフィール詳細

佐々木 勇樹 コンサルティング事業本部 SEO ディビジョン SEO チーム B リーダー 元大手 SEO 支援会社出身。BtoB から BtoC まで幅広いジャンルの SEO コンサルティングを経験し、2025 年 1 月よりプリンシプルに参画。競合調査にサイトエクスプローラー・バッチアナリティクス、LLMO 調査にブランドレーダーを活用。Ahrefs の社内導入を主導した。 プロフィール詳細

村田 果鈴 コンサルティング事業本部 SEO ディビジョン SEO チーム A 新卒でプリンシプルに入社し、コンサルティング営業を経て SEO コンサルタントへ。保険・人材・アパレルなど幅広い業種を担当。ランクトラッカーによる月次レポートを軸に、SEO 戦略の実行支援を担っている。 プロフィール詳細

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