AI 検索時代のブランド力はどう測る?Ahrefs(エイチレフス)ブランドレーダーのカスタムプロンプトを使い倒してみた

中納 麻緒
Ahrefs|プロダクトマーケティングマネージャー 国外企業での日本市場向けマーケティングに 5 年以上携わり、現在は Ahrefs でプロダクトマーケティングを担当。日本のユーザーコミュニティを盛り上げつつ、Ahrefsと市場をつなぐ役割を担っている。最近はポルトガル語にも挑戦中。

こんにちは!Ahrefs(エイチレフス)プロダクトマーケティングマネージャーの Mao です。 

最近、生成 AI を日常的に使う方が本当に増えましたよね。Gemini や Copilot、そして Per­plex­i­ty AI など、対話型 AI でサッと情報収集を済ませるスタイルが、私たちの周りでも当たり前になりつつあります。

一方で、マーケティングや広報を担当されている皆さまからは、「自分たちのブランドが AI の中でどう語られているのか見えなくて不安……」というお声をよくいただくようになりました。Google AI 検索や、いわゆるゼロクリック検索が普及する中で、自社のブランド力がどう評価され、ユーザーに届いているのかを把握するのは、確かに以前より難しくなっていると感じます。

AI 検索とは、結局のところブランドをどう評価するものなの?」
「これからの『AI SEO』は何を指標にすればいいの?」

そんな漠然とした不安を抱えている方に、ぜひ知っていただきたい機能があります。今回の記事では、新しい AI SEO の心強い味方になる Ahrefs ブランドレーダーのカスタムプロンプト機能について、お話ししてみたいと思います。

この機能を活用すれば、AI による概要や各対話型 AI において、自社がどのような文脈で表示されているのかを、驚くほどクリアに把握できるようになります。変化の激しい AI 検索時代ですが、まずは「今のブランド評価」を正しく知ることから、一緒に始めてみませんか?

これまで、マーケティングにおける「ブランド力」といえば、認知度や好感度、あるいは「誰かにおすすめしたいか」といった、主に人間の感情や行動をベースに評価されてきました。ところが、AI 検索が台頭したことで、その評価基準はいま根底からアップデートされようとしています。一言で言えば、「AI によってブランドが定義される時代」がやってきた、ということです。

生成 AI は Web 上の膨大な情報を学習し、驚くほど短時間で回答を生成します。最近では、その回答を読むだけで満足して検索を終える「ゼロクリック検索」も増えてきました。これはつまり、ユーザーが自社のサイトを訪れる前の段階で、すでに AI の言葉によってブランドの印象が形作られていることを意味します。 

たとえば、AI の回答の中で自社ブランドが「〇〇の分析に強く、非常に精度が高い」と紹介されるのか、それとも「低価格だけど〇〇が弱い」と表現されるのか。これだけで、ユーザーが受け取る印象には大きな違いが生まれてしまいますよね。

このように、これからの AI 検索 時代におけるブランド力とは、AI に自社がどう理解され、どう評価されているかが非常に重要な鍵を握っているんです。

そもそも Google AI 検索(Gemini)や Copilot、Perplexity などの生成 AI を用いた「AI 検索とは」どのようなものなのでしょうか。そして、そこでは私たちのブランドがどのように評価されているのか、少し掘り下げてみましょう。

AI 検索とは? 

AI 検索とは、従来の「自分で情報を探しに行く」スタイルから、AI が生成した回答から「効率よく情報を得る」スタイルへと進化した検索行動を指します。

ここで私たちが注目すべきなのは、ブランドとユーザーの最初の接点が「AI の回答」になったという点です。従来の検索では、ユーザーが検索結果からサイトを選んでクリックした後に、ようやくブランドとの対話が始まっていました。

一方、AI 検索では、ユーザーが自ら探すというステップを飛び越えて答えにたどり着きます。つまり、クリックというアクションの前に、すでに AI の言葉によるブランド評価が発生している。これが、AI 検索ならではの大きな特徴と言えます。

AI 検索でのブランド力の判断基準

Ahrefs が行った独自調査によると、Gemini や Per­plex­i­ty は、ネット上の「信頼できる情報源」をもとに要約を作成していることが分かっています。

【生成 AI が参照している情報源の例】

  • 公式サイト、第三者によるレビュー記事やブログ
  • SNS でのリアルな発言
  • note や YouTube などの、作り手の想いが見える「ナラティブ・メディア」
  • プレスリリース等の公式資料
  • 競合との比較文脈での、自然な言及

ここでひとつ押さえておきたいポイントとしては、「検索順位の高さ」と「ブランド力の高さ」は必ずしも一致しない、という事実です。

ゼロクリック検索が浸透するほど、ブランド評価は AI が作る「回答の質」によって決まるようになります。これからの時代、ブランド力は「言及されている量」「語られている文脈の質」「情報の一貫性」の掛け合わせで評価される。そう捉えると良いのではと思います。

AI によるブランド評価をポジティブなものにするためには、自分たちが発信するストーリーに一貫性を持たせ、それが好ましい文脈で引用されているかを、しっかりとモニタリングしていくことが大切です。

AI の中でブランドがどう語られているか」という、目に見えにくいブランド評価をクリアに可視化してくれる。それが、これからの AI SEO における強力なパートナー「Ahrefs ブランドレーダー」です。

このツールは、Web 上の膨大なデータを横断し、AI が参照しているブランドの構造を解析・数値化してくれます。自社や競合の立ち位置を客観的なデータとして捉えられるので、次の一手を考えるための「確かな地図」になってくれるはずです。

従来のSEOツールと何が違うのか?

私がこのツールを「心強い」と感じる理由は、その圧倒的なデータ精度と自由度にあります。

  • 本物の「生の声」に基づいた分析:最大規模の AI 可視性データベースを誇り、AI が予測した「合成プロンプト」ではなく、実際のユーザーが検索に使っている「生のプロンプト」に基づいた調査が可能です。
  • 可視化可能なインデックス:Gemini、Copilot、ChatGPT、 など、あらゆるドメインの AI 可視性を分析することができます。 
  • あらゆるものをリサーチ対象にすることが可能:ブランド名や製品名はもちろん、特定の地域や人物まで、気になるトピックは何でもリサーチできます。
  • 設定不要で、すぐにスタート:面倒な事前設定は一切ありません。利用開始までの待ち時間もゼロなので、思い立った瞬間に分析を始められる軽やかさも魅力です。
  • プロジェクト数は無制限:分析するドメイン数に上限はありません。自社だけでなく、あらゆる競合他社の AI 可視性を網羅的に分析できます。 

AI 検索だけでなく、YouTube や Red­dit といったプラットフォームで、自社ブランドのシェアが今どうなっているのか。それを正しく知ることは、これまでの SEOAEO(AI回答最適化)へと転換し、新しいオーディエンスと出会うための大きなチャンスになります。

「まずは今の立ち位置を、フラットな視点で見つめてみる」

そんな合理的なアプローチが、AI 検索時代を楽しく勝ち抜くための近道になるのかな、と感じています。

これまでも、ブランドレーダーには膨大なプロンプト(質問)データがすでにあり、それをもとに多彩な分析が可能でした。ですが、「もっと自社ならではの細かいニュアンスで分析したい!」というニーズには対応しきれていない状況でした。

そこで登場したのが、今回ご紹介するカスタムクエリ機能。これは、ユーザー自身が自由に設定したプロンプトで、AI の中にあるブランド言及を追跡できるという、とっても便利な機能です。

これによって、より自社の戦略に沿った、精度の高い分析ができるようになりました。では、さっそく使い方の手順を一緒に見ていきましょう!

カスタムプロンプト設定手順

1 .プロジェクト作成

まずは、カスタムクエリを追加するためのベースとなるプロジェクトを作ります。

※既存のプロジェクトを使っても、新しく作ってもOKです。

新規プロジェクトの作成方法は、こちらをご覧ください。

※プロンプトの追跡だけが目的であれば、スニペット設定はスキップして大丈夫です。

自社ブランド名や、気になる競合(任意)、市場(任意)、データを追跡する頻度を入力していきます。

ブランド名をクリックすると、名前のバリエーションや URL も細かく設定できます。 

2 . プロンプトを設定する

次に、自社ブランドを「どんな文脈」で計測したいかを決めましょう(ここが一番重要なポイントです)。

ブランド評価を測る指標は、「言及の量」「文脈の質」「一貫性」の掛け合わせです。これらを意識して、AI にどんな質問を投げかけるかを設定します。

※カスタムクエリの設定方法は、こちらをご覧ください。

今回私たちは、市場に SEO を設定し、 Ahrefs が SEO 分析ツールとしてどのように評価されているかを調べてみました。このように、独自のプロンプトを設定することで、生成 AI が自社ブランドをどのように語っているかを直接確認することが可能になります。 

例えば、「SEO 業界で最も効果的なツールは?」といった質問は、業界内での「言及量」を確認するのに役立ちます。さらには、AI による回答の中で専門性が同時に語られているかを分析することで、文脈の質の評価も可能となります。

そして、自社の強みやキャッチコピーをプロンプトに盛り込むことで、ブランドイメージの評価や、「一貫性のあるメッセージが AI に伝わっているか?」という点についても分析ができるようになります。

もし「プロンプトを考えるのが難しい」と感じても大丈夫。プロンプト生成機能を使えば、効果的な内容を AI が提案してくれます。 

プロンプト生成画面
プロンプト生成画面
生成されたプロンプト
生成されたプロンプト

提案されたものをそのまま使ってもいいですし、自分なりに編集して追加するのもおすすめです。

3 .追跡開始

設定が終われば、あとは追跡がスタートするのを待つだけ。データが蓄積され、ブランド言及をリアルタイムでモニタリングできるようになります。

カスタムプロンプトに切り替える
カスタムプロンプトに切り替える

ここで面白いのは、ChatGPT、Gemini、Perplexity、Copilot のそれぞれの AI が、どのように応答しているか詳細を比較できるところです。

応答内容だけでなく、メンションされた回数や引用元のサイトまで分かるので、ブランド分析はもちろん、「どんなサイトが情報源になっているのか」という一歩踏み込んだ調査もしやすくなります。

1 つのプロンプトに対して各種生成 AI で応答を確認できる
1 つのプロンプトに対して各種生成 AI で応答を確認できる 

では、実際にカスタムプロンプトで得られた結果を一緒に見ていきましょう。

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データについて
グラフ期間:
 2026 年 1 月 12 日 〜 2 月 6 日
追跡間隔:毎日
データソース: Ahrefs ブランドレーダー

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今回の調査では、Ahrefs と SEM­rush の 2 社が優勢という結果が出ました。ここで大切なのは、名前が出た数よりも「AI がどのような文脈で紹介しているか」という中身の部分です。まずは検索結果の応答をじっくり眺めて、「自社のイメージは狙い通りか?」とフラットな視点で観察してみると良いでしょう。そうすると、客観的なブランド評価の実態が見えてきます。

メンションの「分類」から戦略を練る

ブランドレーダーでは、メンションを以下の 4 つに分類して表示します。 

  1. 自社ブランドのみ
  2. 自社と他社ブランド
  3. 他社ブランドのみ
  4. 指定のないブランド(ブランド名が出ていない)

AI による言及を分析する際はすべてを確認するのが理想ですが、特に注目したいのは「他社ブランドのみ」と「指定のないブランド」の項目です。

カスタムプロンプト追跡結果
カスタムプロンプト追跡結果
メンション数の内訳
メンション数の内訳

たとえば、自社も他社も名前が出ていない応答を見てみると、「ツールの選び方のポイント」が羅列されているだけ、というケースがありました。AI 検索が普及し、ユーザーとの最初の接点が AI の回答になりつつある今、こうした「選び方の基準」が語られる場所に自社の名前が含まれていないのは、少しもったいないですよね。

ここを分析して「AI に選ばれるための網羅性の高いコンテンツ戦略」を立てたり、他社の言及内容から成功のヒントを学んだり。あるいは、「特定の AI でだけ自社が出てこない理由」を探ることも、ブランド力を高めるための大切な一歩になります。

指定のないブランドの応答結果
指定のないブランドの応答結果

マルチプラットフォーム戦略の重要性

Ahrefs が「自動車・IT・食品」といった業界と、各種 AI エンジン(AI による概要、ChatGPT など)を組み合わせて調査したところ、興味深い傾向が見えてきました。

その結果、業界全体で YouTube が圧倒的な存在感を示す一方で、ChatGPT は Red­dit を、AI Overviews は日本の専門メディアを重視するなど、AI ごとに「好みの情報源」が明確に違っていたんです。また、note や PR TIMES といったプラットフォームが強く信頼されている業界もありました。

この結果から言えるのは、公式サイトだけを磨く戦略では不十分だということです。AI に正しく評価されるためには、複数のプラットフォームを横断してブランドの種をまく「マルチプラットフォーム戦略」が、これからの AI SEO 施策の鍵を握ることになると思います。 

マーケターの役割は「管理」から「設計」へ

2026 年 2 月、モバイル社会研究所から「AI の要約だけで検索を完結する人が 60% を超えた」という衝撃的な調査報告がありました。もはや、ゼロクリック検索を前提としたAI検索対策は無視できないステージに来ています。

これからの時代、私たちマーケターや広報担当者に求められるのは、単なる情報の管理ではありません。「生成 AI に、自社ブランドをどう語らせるか」を設計する力です。

ターゲットが信頼し、AI が参照しやすいメディアでの露出を増やすこと。

「〇〇ならこのブランド」と選ばれるための文脈を作ること。

そして、複数のプラットフォームで一貫したストーリーを発信すること。

AI SEO とは、こうした横断的な設計を前提とした新しい時代の「検索最適化」なのだと、今回の追跡調査を通して改めて感じました。新しい視点と新しい手法。AI と手を取り、未来に向かって新たなチャレンジに挑む時期が、まさに来ているようですね!

AI 検索の普及によって、ブランドの評価が決まる場所は大きく変わりました。今や生成 AI の回答そのものが、ユーザーにとっての「ブランドと出会う場所」になりつつあります。

この変化は、私たちマーケターにとって大きなチャンスでもあります。なぜなら、ブランド力とはもはや感覚的なものではなく、AI の中で自社がどう語られているかを客観的に評価できる「目に見える指標」になったからです。

これからの AI SEO においては、Gemini や Copilot、Perplexity といった AI の視点に立ち、自社がどう分析されているかを知ることが欠かせない取り組みになります。

そこで Ahrefs は、皆さまの新しいブランド戦略を支援するために、ブランドレーダーへ「カスタムプロンプト機能」を追加しました。AI が自社ブランドをどう理解し、競合とどう比較しているのか。それを横断的、かつ継続的にモニタリングできるこの機能は、これからの時代の強力な武器になるはずです。

変化の激しい時代ですが、データという確かな味方がいればきっと大丈夫。Ahrefs のブランドレーダーを活用しながら、AI 検索時代におけるブランド評価を一緒に見ていきましょう!

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