膨大な生データが得られても、そのデータが誤用される場合が多いのです。データからインスピレーションを引き出すというよりは、安易な道を選び、実際の読み手ではなく「検索エンジン」を対象として過剰に最適化された模倣コンテンツを作成しているにすぎません。
Google はこの問題を見逃さず、「大規模コンテンツの悪用」に対処するため、2024 年 3 月にスパムアップデートをリリース。その本格展開を終了するまでに役に立たないコンテンツをなんと 45% 削減しました。
この取り組みは、真に有用なコンテンツを優先して表示し、検索結果にランキングされることだけを目的に作成されたコンテンツをなるべく排除することを狙いとして、2024 年 8 月のアップデートまで継続されました。
最近の AI の誤用への対応策として、Ahrefs は独自のコンテンツ最適化ツールを打ち出すことにしたのですが…そのツールにはちょっとした仕掛けがあります。
では、Ahrefs の AI コンテンツヘルパーをご紹介しましょう。
2024 年 12 月に、完全日本語化しております!
AI コンテンツヘルパーは何が違う?
Ahrefs の AI コンテンツヘルパーは、キーワードだけでなく「トピック」に焦点を当てる賢いアプローチを採用しています。
単にキーワードの出現率を気にするのではなく、記事全体で重要なテーマをしっかりカバーすることを目指しています。
そのため、このツールは AI を活用して、ターゲットキーワードに関連する重要なトピックを特定。記事を書く際に、競合他社のコンテンツと比較しながら、自社コンテンツにリアルタイムでスコアを付けます。
これにより、より効果的で魅力的なコンテンツを作成できるのです。
この仕組みにより、読者にとって有益で価値のあるコンテンツを効率よく作成できます。Google は、キーワードの単純な出現頻度ではなく、コンテンツ全体がトピックをどれだけ深くカバーしているかを評価します。Ahrefs の AI コンテンツヘルパーを使うことで、ユーザーと検索エンジンの両方に評価される質の高いコンテンツを作ることが可能になります。
Ahrefs のコンテンツマーケティングディレクター、ライアン・ローがこれについてわかりやすくまとめています。
このアプローチにより、筆者が主導権を握るようになります。競合他社に関する大量のデータを入手し、自身の執筆プロセスに活かすことができるのです。独自に何かを生み出すという作業を丸ごと委託し、その過程で模倣記事を大量に発生させたりすることはもうなくなります。
AI コンテンツヘルパーの使い方
上部のメニューバーにある「AI Content Helper」をクリックしてツールにアクセスできます。
ここからは、以下のステップに従い、思う存分に活用してください。
ステップ 1 :ターゲットキーワードを入力する
ランキングの対象にしたいターゲットキーワード(およびオプションでURL)を入力したら、「ドキュメントを作成」をクリックします。
各項目について:
- ターゲットキーワードは必須になります。
- 国は「Japan」を選択してください。
- 記事 URL (オプション)に関しては、すでに公開済みの記事で、その記事のコンテンツを書き直したい際には入力してください。入力しない際は、白紙からの作成になります。
ステップ 2 :検索意図、または競合のサイトを参考に最適化する方法を選ぶ
キーワードの選定の次は、最適化する方法を選びます。
- 検索意図でコンテンツを最適化する
コンテンツをユーザーの検索意図に向けて最適化することができます。
この例の場合は、検索意図が 1. 利用方法、2. 地域的な情報、3. 基本情報・説明、4. 技術的な詳細 と、分類されます。分類を再度試したい際は、下までスクロールして「検索意図の分類を再度試みる」をクリックしてみましょう。最適化したい検索意図が決まったら、「この検索意図に最適化する」をクリックして次に進みます。
2. 競合のサイトを参考に最適化する
検索意図に基づくコンテンツの改善を希望しない場合は、「検索意図でグループ化する」オプションをオフにしてください。
そうすると、このキーワードに基づいた Google での現在の検索結果が表示されます。
この検索結果に表示されたコンテンツの中から、関連性の高いページや、参考にしたいページを選択してください。選択が完了したら、下にスクロールして「続ける」をクリックしましょう。
ステップ 3:SERP に記載されている主要トピックを確認しながら、コンテンツを作成
次のページに進みます。
最初の段階で、URL を入力した場合はその URL 内のコンテンツ(テキストのみ)が表示され、コンテンツスコア、関連するトピックなどが表示されます。
- トピック
上位ランクページに記載されているトピックがすべて表示されます。また、それらに対する自分の順位を示すライブスコア(記事の編集時に更新されます)が表示されます。その中から、自分が書きたい記事と関連するトピックを選択します。この場合、「AI OverviewとSEOへの影響」を選択します。
たとえば、今回のターゲットキーワードは「Google AI Overview」です。
この選択したトピックでは、「AI Overview」がSEOにどの様に影響を与えるかを考察するコンテンツを提案してくれます。そしてさらに、「提案を受ける」というボタンをクリックすると、どういったコンテンツを盛り込む必要があるのかを具体的に提案してくれます。
・コンテンツの作成に、AI を活用!
AI コンテンツヘルパーの文章作成には、AI を利用して文章を言い換えたり、ライティングを改善したりなど、AI を活用しながら文章を作成することができます。
ステップ 4:上位ランクページの関連用語を確認
競合のコンテンツの関連用語を確認します。
各関連用語にマウスをホーバーすることで、その関連用語が実際にどの様に利用されているか、また、利用頻度が低くターゲットとして狙うことができるキーワードもここで発見することができます。
- 上位ページで関連用語が具体的にどの様に利用されているかを確認
2. 利用頻度が低く、ターゲットできそうなキーワードを発見
ステップ 5:AI を使用してタイトルタグ、メタディスクリプション、見出しをブレインストーミングする
最適化はこれで終わりではありません。もう一歩踏み込んで、AI を使って自分の代わりにタイトルタグやメタディスクリプションのアイデアを考えてもらうこともできます。
さらに、競合他社の見出し構造を調べ、潜在的なトピックのギャップを埋めるよう、もっと論理的に考えをまとめることも可能です。
ステップ6:チームと文章を共有
作成中のドキュメントを指定したチームや個人にシェアすることが可能です。
乞うご期待!近日公開予定の機能
ベータ版の間、AI コンテンツヘルパーは、従来のプランを含む有料プランをご利用のユーザー様みなさまに無料で提供しています。
今後のリリースでは、以下ができるようになる予定なのでご期待ください!
リリース予定の機能:
- 一語一句を対象にトピックのギャップを埋める方法についての推奨事項を取得する
- 競合他社が優っている分野に関する洞察をじっくり検討する
- 内部リンクを自動化してコンテンツオーソリティを高める
- 社外ステークホルダーと協力する
AI コンテンツヘルパーはベータ版ではありますが、皆さんのクリエイティビティを最大限に引き出すために十分に役立つ機能が揃っています。もしユースケースや改善についてのご提案がある場合は、ぜひ「Feedback」ボタンをクリックしてご共有ください。