アフィリエイトマーケティング

2025 年、アフィリエイトマーケティングではもう稼げない?その理由と代わりに挑戦すべきこと

ジョシュア・ ハードウィック
Ahrefs|コンテンツ部統括。 私のミッションはシンプルに、日々、最高のブログ記事を世に送り出すこと。
筆者は以前、(やや成功した)アフィリエイトサイトをいくつか運営していました。「最高品質のプロテインパウダー」で 1 位にランクインしたこともあります。このキーワードは検索意図がコマーシャルであることと検索ボリュームが多いことから、かなりの利益を得ることができました。
筆者が以前にランクインしていた収益性の高いアフィリエイトキーワード

それ以来、別のアフィリエイトサイトを立ち上げてそれに力を入れようという考えが常に頭の片隅にありましたが、Ahrefs の日々の仕事で手一杯でなかなか時間が取れませんでした。 

しかし今現在はどうでしょう?仮に時間があったとしても、もうアフィリエイトサイトを立ち上げることはないと思います。正直、もうやる価値はないと感じています。

最近は、同じような考えを持つオンラインマーケターが増えています。

現在、マーケティング担当者の間でこのような意見をよく見かけます

SEO スペシャリストのピーターさんの投稿。「2010 年代はニッチなサイトが人気だったけど、今では物凄い額の予算とリソースがないと難しい」

今回のブログでは、2025 年となった今、アフィリエイト専用サイトの価値が失われつつあると考える理由を 4 つご紹介します。 

Red­dit は最近、ほぼすべてのアフィリエイトキーワードで上位 5 位以内にランクインしているようです。これは、YMYL関連のキーワードでも同様です。

※「Your Mon­ey or Your Life」の略で、お金や人生、健康など、人生に大きな影響を与える重要なトピックに関するコンテンツを指します。

Reddit はほぼ全ての検索結果で上位にランクイン

そして、この悪しき傾向は進む一方…

Google が最近、CNN アンダースコアード(CNN Underscored)をはじめとする大手メディアのアフィリエイトディレクトリにペナルティを課したとき、失われたトラフィックのほとんどすべてが Red­dit に流れ、独立系サイトには流れませんでした。

Ahrefs で行った調査では、11 月 18 日〜 25 日の間に、以下のディレクトリで減少または完全に失われた 6,179 個のキーワードを調査しました。

  • https://www.wsj.com/buyside/
  • https://reviewed.usatoday.com/
  • www.independent.co.uk/advisor
  • www.thesun.co.uk/shopping/
  • www.forbes.com/advisor/
  • www.newsweek.com/vault/
  • www.cnn.com/cnn-underscored/

次に、キーワードエクスプローラーの「ドメイン別トラフィックシェア」レポートを使用して、該当するキーワードから最も多くのトラフィックを獲得しているサイトを確認しました。すると、Red­dit が 1 位で、トラフィックの 6% を獲得していました。

Google は Reddit へのトラフィックをどんどん増やしている

グレン・オールソップさんの詳細な調査によると、商品レビュー関連のキーワードでランクインしている Red­dit のスレッドでは、 51% の確率で上位コメントがスパムだという結果が出ています。これを考えると、状況はかなり深刻です。多くの商品レビュー関連のキーワードでは、Reddit よりも専門性の高いアフィリエイトサイトのほうがはるかに適切なコンテンツを提供しているはずだからです。

たとえば「タバコの煙に最適な空気清浄機」という検索ワードを見てみると、Reddit は検索結果 2 位にランクインしていますが、スレッドの内容は完全にスパムだらけです。さらに、同スレッドの上位コメントは、ChatGPT が生成したような内容になっています。 

このコメントは ChatGPT であることにほぼ間違いない

2 番目のコメントは、一見するとアドバイスのように見えますが、実際には巧妙に仕組まれた商品宣伝のよう…。

うーん…信頼できそうですね。

3 番目もまた Chat­G­PT で生成した文章に見えます。 

別の ChatGPT 生成コメント?

確かに、多くのアフィリエイトサイトも大差ないと言えるかもしれません。筆者もそう思います。しかし中には、コンテンツに多額の投資をし、商品テストに膨大な時間を費やし、真に上位に値するニッチなサイトを運営している人がたくさんいることも事実です。

たとえば、「タバコの煙に最適な空気清浄機」で 6 位にランクインしている House­Fresh のようなサイトを見てみましょう。 

Housefresh が「タバコの煙に最適な空気清浄機」でランク入り

このサイトの運営者は、推奨するすべての商品を徹底的にテストしています。

Housefresh の社員が実施した徹底的な調査の例

しかし、このサイトがトップ 10 にランクインしているすべてのキーワードを Ahrefs のキーワードエクスプローラーに入力し、「ドメイン別 トラフィックシェア」レポートを確認すると、Google が依然として Red­dit により多くのトラフィックを送っていることがわかります。

Reddit は、Housefresh のランク付けされているキーワードよりも多くのトラフィックを獲得している... 驚くべきことだ

Google が最近 Red­dit と契約を結び、同社の AI モデルのトレーニングに Red­dit のコンテンツが使われることなったことを考えると、この傾向はすぐには変わらないと言えるでしょう。

正直なところ、皆さんは商品レビューを探すのに Google を使っていますか?筆者はほとんど使っていません。Google ではなく、YouTube に直行しています…。 

おすすめ商品の検索は YouTube の方が優れている

数日前、私は本気でエルゴノミクスのマウスのレビューを見ていましたが、Google は全くチェックしていません。

もちろん筆者たちはマーケターなので、Google の上位検索結果がスパムだらけで信頼できないことを知っています。しかし、一般の人たちはどうでしょうか?

これに関するデータはありませんが、影響力のある人気 YouTu­ber たちがこの件について話しているのを何度も見かけました。 

たとえば、「Google 検索が崩壊している理由」を解説したこの動画は 370 万回再生されています。この動画内で彼は、商品検索に対する Google の結果は信頼性に乏しく、そこで純粋な商品レビューを探そうとしても意味がないと語っています。

ご覧の通り... 他にも同じことを考えている人がいる

「今や、Google で『おすすめの〇〇』と検索すること自体が無意味になっているのです。ほぼすべての記事が、商品がもたらすメリットで選ばれたのではなく、購入された時にアフィリエイト報酬が発生するかどうかで選ばれた商品を紹介しています。[中略] しかもこういった記事の多くでは、紹介している商品すべてをライターが実際に購入して試したわけでもないのにおすすめする文章が書かれているのです。」

検索結果の質がこれほどまで下がってしまった理由は主に 3 つあると思います。 

  1. AI スパムの急増
    Chat­G­PT と生成 AI が登場して以来、アフィリエイトコンテンツの作成は極めて簡単で低コストになりました。Google は、このスパムを一掃するのに苦戦しているようです。
  2. パラサイト SEO
    これは、大手メディアの権威性を利用して競争の激しいキーワードで上位表示を狙う手法です。Forbes、CNNWSJ などのサイトが、「最適な金融アドバイザー」のような本来専門知識のない分野で独立系サイトよりも上位にランクされているのを目にするようになったのはそのためです。
  3. Google が Red­dit を優遇
    前述のように、Reddit のスレッドは大半がスパムの温床になっています。

また、この 3 つの要因はすべて密接に関係しています。 

Google は、信頼できると判断した大手ブランドの検索順位を押し上げることで、AI スパムの増加に対処しました。しかし、こういったブランドは Google の優遇措置を利用し、専門知識のない分野で上位を独占し始めました。これに対し、「検索結果の多様性が失われている」と SEO 業界から批判が集まりました。そこで Google は、その対策として Red­dit のユーザー生成コンテンツを優遇し始めたのです。 

もちろん、TikTok や YouTube など他の場所でアフィリエイトリンクを促すことは可能ですが、それはまったく別の話です。

グレン・オールソップ氏が 1 万件の製品レビュー検索結果を分析したところ、上位 100 位のドメインのうち、独立系サイトはわずか 4 つしか入っていないことがわかりました。残りは、ニュースメディア、大手企業、大規模なサイトネットワークの一部だったのです。

さらに聞き捨てならないのは、検索上位 100 ドメインのうち、Hearst、Dotdash Meredith、Future のたった 3 社が 36 のドメインを所有していることでした。 

グレン・オールソップさんの調査によるアフィリエイトキーワードの上位 36 のドメイン

残念ながら、この状況もすぐに改善されるとは思えません。

アフィリエイト系メディアの順位落ち込みについて詳しく調べたところ、Reddit と並んでもっともメリットを享受しているサイトはすべて、Amazon、Business Insider、CNET などの大手サイトばかりでした。 

最近優勢なのは大手サイトである

そして、Google のアップデートによってトラフィックが激減した独立系サイトの多くは、いまだに回復できていません。

Retrododo を例に見てみましょう。 

Retrododo はまだ回復していない

確かに少しは回復しているものの、 かつての勢いには遠く及びません。 

House­fresh は、筆者が見た中でほぼ完全に回復した唯一のサイトですが、ペナルティを受けたことで彼らが(当然ながら)大々的に抗議したことと何か関係があるのではないかと思わずにはいられません。

Housefresh は、ほぼ完全に回復した... その理由は何だろう

しかし、問題はこの不確実性そのものなのです。

筆者の記憶が正しければ、昔はこうではなかったはずです。かつては、多大な労力を費やして質の高いニッチなサイトを作れば、必ずと言っていいほど Google 検索で報われました。 費やした時間、労力、資金が Google の突然のペナルティによっていつ何時奪われ、内容の薄い大手ブランドや Red­dit にトラフィックを持って行かれるといった事態をここまで深刻に恐れることはありませんでした。 

ただし、すべてが Google のせいであるわけではありません。大手ブランドの SEO 戦略が洗練されてきていることも影響しているでしょう。 

たとえば、HouseFresh のこの投稿では、Dotdash Mered­ith 社が SERP で小規模サイトを蹴落とすために使用したとされる「スウォーミング」と呼ばれる戦略について説明しています。

『スウォーミングとは、競合他社を圧倒すること。小規模サイトが 1 つか 2 つの記事で獲得した検索順位を、同じトピックの記事を 10 本ほど公開して権威性を強化することが目的です。』 

結論として、筆者は今の時代にアフィリエイトサイトに多額の投資をする自信がありません。たとえ業界をリードするコンテンツを作成したとしても、Google で実際にそれが大手サイトよりも上位にランクインされるとは思えないからです。 

これは予測に近いですが、実際にそうなる可能性は十分にあると思います。

これまでアフィリエイトサイトが機能してきたのは、ユーザーの検索行動によるものです。例えば、おすすめの空気清浄機を見つけたい場合、まず Google で「おすすめの空気清浄機」を検索します。検索結果に出てきたまとめ記事をクリックし、そこに記載のアフィリエイトリンクを 1 つクリックします。これでアフィリエイトサイトは収益を得てきました。

しかし、Google がこういった検索に「AI による概要(AI Overview)」を導入し、商品を直接推薦するようになったらどうなるでしょうか?アフィリエイトマーケターがごっそり排除される可能性があると思います。

たとえば、今 Gem­i­ni か Chat­G­PT に「一番いい空気清浄機」と入力すると、次のような商品リストが表示されます。

ChatGPT の商品の推奨

その後、ユーザーは YouTube や Tik­Tok でこれらの商品を自分で調べることができます。 

Google が商品レビュー検索にこのような「AI による概要」を追加したら、ユーザーは検索結果をクリックする必要がなくなります。AI が掲示した商品を自分で調べるだけで済むのです。 

もちろん、一部のユーザーは引き続き Google で商品を検索し、アフィリエイトサイトのレビューを参考にする可能性もあります。しかし、先に述べた理由から、消費者は YouTube や Tik­Tok へ直接向かう可能性が高いと思います。 

Google がこうした「AIによる概要を」導入する理由はユーザーエクスペリエンス向上のためですが、PPC 広告と組み合わせて収益化する可能性もあるのではないでしょうか。

たとえば、Google はすでに、多くの商品の検索結果にスポンサー付きの広告を表示しています。

Googleは、AI による概要のブロックに対してこれらのブランドに簡単に料金を請求できるだろう

Google は、AI の概要で商品をおすすめする際に、ブランド側にクリック課金を求めることも簡単にできるでしょう。

アフィリエイトではなく E コマースに移行するというマット・ディギティさんの提案が的を射ていると思います。

マット・ディギティさんのアドバイス… 筆者も同意せざるを得ない

車用のフロアマットを販売するサイト「CarMats.co.uk」の創業者、アッシュ・ヤングさんのインタビューを読んだことがあれば、E コマースは地味なニッチ市場でも儲かる可能性があることがわかるでしょう。実際、アッシュさんは 5 年以内に総売上高 1,000 万ポンドを達成する勢いです。 

Ahrefs にも、以下のように E コマースのニッチを見つける簡単な方法があります。 

  1. キーワードエクスプローラーで空白のまま検索
  2. 検索意図をトランザクショナルに設定し、フィルターで非ローカルおよび非ブランドキーワードを除外する
  3. KD(キーワードの難易度)を 10 以下に設定
  4. 「最低 DR」 を 40 に設定し、低いドメイン評価のサイトがランクインしているキーワードをフィルター
Ahrefs で E コマースのニッチを見つける簡単な方法

後は、結果の中から使えると思うニッチを探すだけです。

たとえば、米国では「レッグウォーマー」の月間検索数は推定 33,000 回あり、ドメインレーティングが低いウェブサイトページの多くは、被リンクがほとんどないか、まったくない状態で上位表示されています。

ドメイン評価の低いサイトでほとんどリンクのないページ... 競争は激しくない

「レッグウォーマー」をシードキーワードとしてキーワードエクスプローラーに入力し、フレーズ一致レポートに移動します。同じフィルターを設定し、親トピックごとにクラスター化すると、競争の少ない E コマースのニッチのリストができます。 

なかなか良いニッチのようだ!

これらのほとんどのキーワードでランクインするために、大きな努力は必要ないと思います。基本的な SEO を実施するだけで済むでしょう。 

今回のトピックについてご質問やアイデアがあるという方は、ぜひ X でご連絡ください。