しかし、過去数か月にわたる検証から、ChatGPT が密かに Google の使用に切り替えたのではないかという SEO 担当者もいるのです。

ただ、すべてが一度限りの実験だったことから、筆者はデータを使って「真実」を突き止めることができないかと考えました。
そこでこれから、Ahrefs による分析結果をお話していきます。
筆者は、Ahrefs のデータサイエンティストであるシベイジャ・グアンに助けを求めました。彼女は次のような調査方法を採用しました。
- ChatGPT が実際に行った検索クエリ(「ファンアウトクエリ」)と、その検索から返された URL 抽出を実行しました。このデータは Ahrefs のブランドレーダーから取得したものです。
- 次に、全く同じ検索クエリを Google で実行し、Google がどのような URL を返すかを確認しました。
- ChatGPT が返した URL が、Google 検索結果のトップ 10、トップ 20、そして Google の検索結果のどこかに、どのくらいの頻度で表示されるかを測定しました。

平均して、ChatGPT はプロンプトごとに 1.78 回の検索クエリを実行し、プロンプトの 75% がちょうど 2 回の検索をトリガーしていました。
ChatGPT の検索結果が Googleの SERP (検索結果ページ) に入っている平均的な割合は次のように分析されました。
- Google 検索順位のトップ 10 に入っているのは、わずか 6.82%
- Google 検索順位のトップ 20 に入っているのは、わずか 9.85%
- Google の SERP に入っているのは、わずか 16.61%
ChatGPT が単に Google 検索結果から情報を取得しているのであれば、はるかに高い重複率が示されるはずです。しかし、実際には ChatGPT が選んだ結果の 83.39% は、同じファンアウトクエリに対して Google 検索結果に全く表示されませんでした。
筆者の同僚ルイーズも 15,000 件のプロンプトを分析し、ChatGPT、Gemini、Copilot によって引用されたリンクのうち、同じプロンプトに対する Google の検索順位トップ 10 の結果に表示されるのは平均してわずか 12% であることを検証しました。
したがって、ChatGPT が単独で、または大部分で Google を検索エンジンとして使用しているという明確な裏付けはありません。
ChatGPT は、Google の SERP、Bing の SERP、自社インデックス、サードパーティの検索 API など、さまざまなソースから検索結果を取得し、その後すべての URL を組み合わせて独自の再ランキングアルゴリズムを適用するという、ハイブリッドなアプローチを取っている可能性が高いと言えそうです。
まとめ
ChatGPT は、「密かに Google を利用している」わけではなく、さらに洗練されたマルチソースのアプローチを使用しているようです。
これは、製品の観点からも納得できる見解です。
OpenAI はおそらく、特定の検索プロバイダーへの依存を減らす一方で、一般的なウェブ上の発見ではなく正確で文脈に沿った回答を提供するという、独自のユースケースに最適化していくことを考えているのでしょう。
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