全体トラフィックに占める割合はまだ 1% 未満ですが、(Ahrefs ウェブアナリティクスの新しいカスタムイベント計測によると)コンバージョン率は 10% を超え、今や私たちにとって最もコンバージョン率の高いチャネルとなっています。

他のサイトでもAI経由のトラフィックが増えているのかを確認したいと思いました。
特に、ゼロクリック検索が一般化しつつある今、その動向が気になったのです
そこで、3月に行ったAIトラフィック調査の結果をアップデートすることにしました。
Ahrefsの優秀なデータサイエンティストであるシーベイジャさんの協力を得て、今回は 81,947のサイト(3月時点の約35,000サイトから大幅に増加)を対象に、現在のAIトラフィックの実態をより詳しく分析しました。
過去 1 年間で、サイトの平均的な検索トラフィックは約 21% 減少した一方、AI トラフィックは約 10 倍に増加しました。

私たちのCTR調査から判断すると、この検索トラフィックの減少は、AI Overview と AI モードの影響によるものでしょう。
現在、AIO (AI Overview) /AIM (AI モード) からのトラフィックは、サイトの分析ツール上では「検索トラフィック」として計測されます。パトリック・ストックスの言葉を借りれば、これらの機能は「信頼できる形で切り分けて追跡できる状態になっていない」のです。
言い換えれば、私たちはまだ「従来の検索」と「AI 検索」を区別して分析することができません。そのため、今回の調査では「検索トラフィック」と「AI トラフィック」を比較していますが、その「検索トラフィック」の一部は、厳密には AI 機能によってもたらされたものです。
Ahrefs のデータで見られた傾向とは異なり、平均的な AI トラフィックはここ数ヶ月であまり伸びていないようです。4 月にピークを迎えましたが、5 月と 6 月の数値は再び減少しました。
現在、AI トラフィックがサイトの総トラフィックに占める割合は、平均で 0.25% です。これはまだ大海の一滴に過ぎませんが、以前にも指摘したように、AI のリファラルトラフィックは少なくとも多少は過小評価されている可能性が高いです。
今回の調査対象となったすべてのサイトにおいて、依然として Google がトップのリファラル流入元であり、全リファラルトラフィックの 39.35% を占めています。ただし、この数値は前回の調査からわずかに減少しています (-1.79 パーセントポイント)。

Google は、「ビッグ3」と呼ばれる主要なAIプラットフォームの210 倍ものトラフィックを送っています。ただしこの差は、3月の時点(そのときはGoogleが345 倍のトラフィックを送っていた)に比べて縮まってきています。
しかし、今回の最新データを見て、すぐに気づいたのは ChatGPT の成長です。
前回の調査では、Reddit は主要な 3 つの AI プラットフォーム(ChatGPT, Perplexity, Gemini)を合計したよりも多くのリファラルト(参照)ラフィックを送っていました。
ところが今では、ChatGPT 単体で Reddit (+0.05%) や LinkedIn (+0.06%) をわずかに上回るトラフィックを送っているのです。

ここでのハードルは、決して高いものではありません。Reddit や LinkedIn は、外部サイトへの訪問を促さない「ゼロクリック」型のプラットフォームとして知られており、そもそも外部への誘導を前提としていません。とはいえ、それでも明らかな成長が見られるのは事実です。
そして、話はそれだけでは終わりません。
ChatGPT は、1 月から 85% も成長し、ほぼ独力で AI トラフィック全体の成長を牽引しています。

その結果、AI トラフィックの 80% 以上を送るトップの AI リファラルとしての地位をさらに確固たるものにしました。これは、前回の調査から約 30% の増加です。

「ビッグ3」とされるAIトラフィックのリファラーにも変化が見られました。以前は参照トラフィックが途絶えていた Copilot が復活し、再びトラフィックを送るようになっています。そして今では、Gemini よりも多くのAIトラフィックを送っているのです。
全てにおいて、この新しい三つのプラットフォーム(ChatGPT, Perplexity, Copilot)は、サイトの総トラフィックの平均 0.19% を送っており、これは 3 月の 0.12% から増加しています。
まとめ
AI トラフィックが依然としてごくわずかであることに変わりはありませんが、そのトラフィックの構成は変化しており、ある程度の成長が確認できています。
今のところは横ばいですが、今後さらに伸びると確信しています。
検索からのクリックが減少する一方で、AI からのクリックは増加傾向にあります。しかし、以前にも述べたように、AI がほとんどのサイトにとって主要なトラフィック源になることは決してないでしょう。
そして、AI トラフィックが、私たちがこれまで検索から享受してきたトラフィックに取って代わるような未来はあり得ません。
結局のところ、どの AI プラットフォームも、「ユーザーの質問にその場で答えること」が基本方針だからです。
ですから、検索を軽視するのは危険です…
グレン・ゲイブさんはこう語っています。
「サイト運営者は、今 AI 検索に過度に集中し、Google 検索を無視することで、『木を見て森を見ず』というリスクを冒していると思います… 実際のところ、Google はいまだに、他の追随を許さないほど圧倒的に多くのトラフィックをサイトに送っているのです。」
もちろん、AI は単にトラフィックをもたらすだけではありません。ブランド認知度を高め、より情報感度の高いユーザーを送客する力も持っています。
しかし、私たち一人ひとりが自社にとっての AI の価値を見極め、そこにリソースをどう配分するか、戦略的に考える必要があります。
もし積極的に AI トラフィックを追求することを選ぶなら、私たちのデータは、注力すべきプラットフォームが ChatGPT であることを示しています。
私たちは Ahrefs ウェブアナリティクスでコンバージョン計測機能をリリースしたばかりですが、十分なデータが蓄積され次第、AI コンバージョンについてさらに深く掘り下げて分析したいと考えています。
それまでは、引き続きトレンドを追い続け、発見したことを皆さんと共有していきます。