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2025 年注目の AI マーケティング統計データ 44 選

スー・ チュアン ・オン
Ahrefs|シニアコンテンツマーケター。 これまで 6 年間、デジタルマーケティングに携わり、アジアで開催される業界最大のカンファレンス(TIECon および Digital Marketing Skill Share)で数回講演を行っている。気になることを Substack(サブスタック)にも投稿中。
コンテンツの作成方法から検索結果でのブランド表示まで、AI は現代のマーケティングに変革をもたらしています。

時代の先を行き、次の一手について的確な意思決定を下すためには、データを理解することが重要です。Ahrefs は、SEO 担当者やマーケターが現状を把握し、次に何をすべきかを見出す手助けとなる何十件にも及ぶデータ調査を手掛けてきました。

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それでは、AI マーケティングに関する最新の統計データをご紹介します。 

コンテンツマーケティングにおける AI の現状

879 人のマーケターを対象に、ワークフロー、コスト、成果、そして見過ごすことのできないリスクという観点から、生成 AI がコンテンツマーケティングにどのような変化をもたらしているかを調査しました。

完全版の PDF レポートはこちらからダウンロードしてご覧いただけます(メールアドレス不要、英語版のみ):The State of AI in Con­tent Mar­ket­ing.

AI Overview により、次のデータが示すように、Google 全体での検索行動、トラフィックパターン、ブランドの可視性が根底から変わりつつあります。

  1. AI Overview の月間ユーザー数は 15 億人に達した。(Google)
  2. AI Overview は、3 月のコアアップデート以降 116% 増加した。(Ahrefs)
  3. AI Overview は、デスクトップの全キーワードの 9.46% で表示され、米国では 16% で表示される。(Ahrefs)
  4. AI Overview は、検索ボリュームベースで全 Google 検索の 12.8% 以上で表示される。(Ahrefs)
  5. AI Overview は、インフォメーショナルなクエリ、長い検索クエリ、検索ボリュームの多いクエリで表示されやすい。(Ahrefs)
  6. AI Overview は、ブランド名クエリ、ローカルクエリ、短い検索クエリで表示されやすい。(Ahrefs)
  7. AI Overview は、収益化されていない検索で表示される傾向が強い。(Ahrefs)
  8. AI Overview はクリックを 34.5% 減少させている。(Ahrefs)
  9. AI Overview の 43% は Google 自身のコンテンツを参照している。(SER­ank­ing)
AI Overview が検索順位 1 位のクリック率に与える影響

AI Overview が登場したことにより、検索行動は変化しつつあります。

  1. ユーザーの 10 人に 7 人は、検索した際、AIO (AI Overview) の最初の 3 分の 1 しか読まない。(Growth Memo
  2. 若いモバイルユーザーは AI の回答やソーシャルプルーフ (社会的証明) を受け入れる一方、年配のユーザーは依然としてブルーリンクや権威性のあるサイトを探し求める。(Growth Memo)
  3. AIO が取りこぼしたトラフィックの約 3 分の 1 は、Reddit のスレッド、YouTube のデモ動画、フォーラムの投稿に流れている。 (Growth Memo)
  4. 購入者の 90% は、AI Overview で紹介された情報源をクリックしている。 (TrustRa­dius)
  5. Chat­G­PT ユーザーの訪問あたりの外部リンククリック数は平均 1.4 回に対し、Google ユーザーは 0.6 回。 (Momen­tic Mar­ket­ing)
デバイス別に AI Overview でユーザーがどこまでスクロールするかを示すチャート

現在、AIがもたらすリファラルトラフィックはわずかですが、ユーザージャーニーやブランド表示に影響を与え始めているのが次のデータからわかります。

  1. AI が送るリファラルトラフィックは、全体の 0.1%。 (Ahrefs)
  2. Googleは、主要な 3 つの AI を合わせたよりも 345 倍多くのトラフィックを送っている。 (Ahrefs)
  3. AI が送るリファラルトラフィックの量は、Reddit とほぼ同量。(Ahrefs)
  4. Per­plex­i­ty は、リファラルトラフィックソースとして Gem­i­ni を上回っている。 (Ahrefs)
  5. AI は、英国やインドと比較して、米国のビジネスウェブサイトに最も多くのトラフィックを送っている。(Ahrefs)
  6. 月間訪問数が 1 万未満のサイトではトラフィックの 0.3% が LLM から来ると期待できるのに対し、100 万を超えるサイトでは 0.1%。 (Ahrefs)
  7. 「おすすめ」系のコンテンツ、製品ページ、ガイドが最も多くの AI トラフィックを促進している。 (Ahrefs)
チャネル別のトラフィックを示す棒グラフ。検索 43.8%、ダイレクト 42.3%、ソーシャル 13.1%、有料広告 0.5%、メール 0.2%、LLM 0.1% を示している。

広告や被リンクよりも、ウェブ上の言及やブランド名検索のボリュームといった自社サイト外のブランドシグナルが、 AI に取り上げられるチャンスを高めています。それを裏付けるのが以下のデータです。

  1. 上位 50 のドメインが、全言及数の 28.90% を占めている。 (Ahrefs)
  2. 言及された上位 50 の情報源のうち、ChatGPT、Perplexity、Google AI で共通して共有されたのはわずか 14%。(Ahrefs)
  3. ブランドのウェブ上での言及が多いほど、AI Overview に取り上げられる可能性が高い。(Ahrefs)
  4. ウェブ上での言及は、被リンクよりもはるかに影響がある。(Ahrefs)
  5. AI Overview で表示されるかどうかに最も関係しているのは、ブランドのウェブ上での言及、ブランドアンカー、ブランド名検索ボリュームの 3 つで、すべてオフサイト要因。(Ahrefs)
  6. ブランド広告トラフィックやブランド広告費用のような有料要因は、AI での言及についてあまり関係が見られない。 (Ahrefs)
  7. ウェブ上で最も言及の多いグループに属するブランドは、次点のグループと比較して、AI Overview で最大 10 倍多くの言及を獲得している。 (Ahrefs)
  8. ブランドの 26% は、AI Overview で言及されることがない。(Ahrefs)
  9. 自社のウェブサイトが Google の従来の結果(ブルーリンク)で 1 位にランクインしている場合、AI Overview の情報源として使用される可能性は 25%。 (Zip­Tie)
AI Overview でブランドが言及されることに関係する要因を示すチャート

マーケターは、次のようにあらゆるマーケティングシーンで AI を幅広く活用しています。 

  1. 新しいウェブページの 74.2% に AI 生成コンテンツが含まれていた。 (Ahrefs)
  2. コンテンツマーケティングでの AI 利用は非常に普及しており、回答者の 87% がコンテンツ作成に AI を利用している。 (Ahrefs)
  3. AI を活用することで、企業はこれまでよりも月間 42% 多くのコンテンツを公開できる。AI を使用した場合の月次公開頻度の中央値は 17 件であったのに対し、AI を使用しない場合は 12 件。 (Ahrefs)
  4. コンテンツ作成で最も一般的な AI モデルは Chat­G­PT で、回答者の 44% が使用している。それに Gem­i­ni (15%)、Claude (10%) が続き、全体として、94 種類の AI ツールが使用されていると報告された。 (Ahrefs)
  5. 97% の企業が AI コンテンツを編集およびレビューしている。「100%の」AI 生成コンテンツを公開している回答者はわずか 4% に留まり、回答者の 80% は、AI コンテンツを手動でレビューし、より正確なコンテンツ作成に努めている。(Ahrefs)
  6. ブログ記事が最も一般的な AI 生成コンテンツ(87%)で、次いでブレインストーミング (76%)、概要作成(73%)、コンテンツ更新(67%)が、AI のサポートを得るタスクの上位を占めている。(Ahrefs)
マーケターがコンテンツ制作に AI を活用しているかを示すチャート

AI アシスタントは、それぞれ異なるコンテンツソースを選択する傾向があります。データでそれを見ていきましょう。

  1. Wikipedia は 3 つの AI アシスタントすべてで優勢であるが、最も多く引用しているのは ChatGPT(16.3%)で、次いで Perplexity(12.5%)、AI Overview(8.4%) の順となっている。(Ahrefs)
  2. YouTube は Per­plex­i­ty (16.1%) と AI Overview(9.5%)で明らかに言及が多いが、ChatGPT では上位に入っていない。 (Ahrefs)
  3. Red­dit と Quo­ra は AI でのみ上位にランクイン(それぞれ 7.4%、 3.6%)も、ChatGPT や Per­plex­i­ty ではトップ 10 入りならず。Google はユーザー生成コンテンツサイトを好むらしい。 (Ahrefs)
  4. Reuters、Apple News (AP)、AS.com のようなニュースサイトは Chat­G­PT で目立っているが(4%~2.6%)、他のプラットフォームでは二次的、またはまったく言及されていない。ChatGPT は、ニュースサイトを好むようである。 (Ahrefs)
  5. ヘルスケアおよび医療サイト(Mayo Clin­ic や Cleve­land Clinic)は、AI Overview にはランクインするが、ChatGPT や Per­plex­i­ty のトップ 10 には入っていない。Perplexity は、ニッチなヘルスケアサイト(tuasaude や alodokter)を表示。 (Ahrefs)
AI Overview、ChatGPT、Perplexity における主要ドメインの言及シェア

AI ボットの数は急速に増加していますが、以下のように、AI ボットをブロックするウェブサイトも増えています。 

  1. AI ボットの数は 2023 年 8 月以降に倍増し、現在 21 の主要な AI ボットがウェブ上で活用されている。(Ahrefs)
  2. GPT­Bot (Ope­nAI) は最もブロックされている AI ボットで、全ウェブサイトの 5.89% がブロックしている。(Ahrefs)
  3. Claude­Bot (Anthrop­ic) のブロック率は最も高まっており、過去 1 年間で 32.67% 増加。(Ahrefs)
AI ボットをブロックしているウェブサイトの総数

その他のリソース

SEO とマーケティングの新時代に対応する方法を学ぶには、以下のリソースをご覧ください。