製品の翻訳にとどまらず、「体験そのもののローカライズ」に挑む姿勢が、国内ユーザーの共感を呼んでいます。彼の言葉から見えるのは、単なるローカライズを超えた「市場との対話」でした。

SEO 分析とマーケティングインテリジェンスを軸に、世界中のマーケターに愛用されているAhrefs(エイチレフス)。その日本市場での本格展開を担っているのが、2023 年 8 月に入社した日本マーケティング統括・Taka です。
彼のミッションは、単なる翻訳やプロモーションにとどまらず日本のユーザーに寄り添うこと。UX、サポート、コミュニケーションのすべてを「日本語で完結できる状態」にするべく日々取り組みを続けています。
Taka さんは一風変わったキャリアの持ち主でもあり、もとはイスラエルでプロのダンサーとして活動したのちにデジタルマーケティングの世界へ転身。Wix や monday.com といったグローバル SaaS 企業で、日本市場展開をゼロから立ち上げた経験を持ちます。
「以前の職場に Ahrefs が導入されたときは、本当に衝撃を受けました。それまでは他社のツールを利用していたのですが、これほどまでに SEO 対策に必要なデータを可視化できるツールがあるとは知らなかったんです。
ですので、Ahrefs の求人募集を見たときは、『これだ!』と。私のこれまでの経験全てを生かして、Ahrefs をさらに盛り上げられる自信があると、そう確信しました」

日本における Ahrefs の活動について、Taka さんに直撃インタビュー!ここからは、グローバルな視点で日本市場を見てきた経験が光る、Ahrefs ジャパンのリアルを一問一答形式にてご紹介します。
Q. 現在の役割と、Ahrefs に加わったきっかけは?
Taka:日本のマーケティング統括として、ユーザーとの接点づくり、売上向上、ブランドの浸透まで広範に担当しています。Ahrefs は以前から注目していたツールでしたし、まさに「自分のこれまでの経験を活かせる舞台」だと感じました。
Q. 日本市場におけるマーケティングの最大の課題は?
Taka:一番の壁はやはり「言語」です。Ahrefs は非常にパワフルなツールですが、日本語に対応していないと、その時点で使うのを諦めてしまう人が多いのが現実です。だからこそ、UI からブログ記事、サポートまで完全な日本語対応を進めています。

Q. ローカライズ以外で意識している施策は?日本のユーザーとどのように接点を持っていますか?
Taka:日本独自のチャネル活用です。たとえば、米国では LinkedIn が主流でも、日本では X(旧 Twitter)のほうが影響力があります。ですから日本では公式 X アカウントを立ち上げ、自社で運用をはじめました。日々ユーザーの反応を見ながら、直接フィードバックを拾っています。また、寄せられた声はすぐに社内のプロダクトチームと共有し、改善にもつなげています。日本語での問い合わせが増えたことは、ある意味で手ごたえでもありますね。
Q. 日本ユーザーの声で印象的だったものは?
Taka:「こんな機能があるなんて知らなかった」という驚きの声です。検索意図の自動分類や AI を活用したキーワード翻訳など、すばらしい機能があっても知られていないことが多い。今後は教育コンテンツやユーザー事例をもっと発信していきたいですね。
また、ある方からは「Ahrefs を英語 UI で使っていたけれど、ある日、画面に “日本語” ボタンが現れたとき、本当に感動した」と仰っていただいたことがあります。苦労して使っていた方にとって、ツールを母語で使えるというのはただ便利という以上の意味を持つのだと実感しました。


Q. 今後の展望やビジョンを教えてください。
Taka:今後は SEO 代理店だけでなく、エンタープライズ企業にも価値を届けていきたいです。API やビッグデータ連携など、Ahrefs には大企業向けの優秀なツールとしての可能性も大いにあります。また、日本独自のインフルエンサーやユーザーコミュニティもこれからどんどん盛り上げていきたいですね。

2025 年 5 月 22 日には、東京で初のユーザーミートアップを開催。シンガポール本社から CMO のティム・ソウロも来日し、国内のコアユーザーと直接交流しました。
このイベントは、単なる製品紹介の場ではなく、「Ahrefs が日本市場を重視している」というメッセージそのものを伝える場となりました。


「SEO は今、大きく変わろうとしています。AI 検索の普及によって、従来の検索トラフィック獲得の考え方も再定義が必要になるでしょう」
そのなかで Ahrefs は SEO にとどまらず、広義のマーケティング・インテリジェンス・プラットフォームへと進化を遂げつつあります。キーワード調査だけでなく、競合分析、コンテンツ戦略、トレンド予測までを包括するデータプラットフォームとして、企業の意思決定を支える存在を目指しています。
「Ahrefs というツールを、ただ “翻訳” するだけではなく、どうすれば “日本のユーザーの一部” になれるか。それを常に考えています」と Takaさん。
ローカルの声に耳を傾け、スピード感を持って改善を重ねる。その姿勢こそが、グローバルツールが日本に根づくための条件なのかもしれません。Ahrefs ジャパンの挑戦は、まだ始まったばかり。ぜひこれからもあたたかい応援をよろしくお願いいたします。
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写真撮影:irodorizm
取材・執筆協力:SIJIHIVE Inc.