AI 時代に特化した 15 の活用事例

中納 麻緒
Ahrefs|プロダクトマーケティングマネージャー 国外企業での日本市場向けマーケティングに 5 年以上携わり、現在は Ahrefs でプロダクトマーケティングを担当。日本のユーザーコミュニティを盛り上げつつ、Ahrefsと市場をつなぐ役割を担っている。最近はポルトガル語にも挑戦中。
Ahrefs ならではの 15 個の新しい活用事例をご紹介します。今回は、AI 自動化機能とAI 可視性の向上に役立つ機能を中心に取り上げます。

Chat­G­PT や Per­plex­i­ty などの LLM に最適化するには、まず既存のページのうち、どのページがすでにこれらのプラットフォームに表示されているかを監査する必要があります。結局のところ、測定できないものを改善することはできません。

Google アナリティクスでもこれができますが、フィルタリングが直感的ではなく、正規表現が必要です。

代わりに、Ahrefs ウェブアナリティクスを試してみてください。これは Google アナリティクスの無料代替ツールです。

次に、Web サイトのトラフィックソースウィジェットに移動して、AI 検索をクリックします。あなたが参照している主要な AI プラットフォームすべての分類と、最も AI トラフィックを生み出しているページが表示されます。

私たちはこのようなレポートを無料で提供しています!

さらに、ハルシネーション現象がある無効なページも表示します。

ハルシネーション現象とは、AI アシスタントが訪問者を存在しないページへ誘導することです。それはどのくらいの頻度で起こるのでしょうか?

私たちの独自調査では、6 つの AI チャットボットから 1,600 万ページの引用 HTTP ステータスコードを分析し、生成 AI アシスタントは Google 検索よりも 2.87 倍多くユーザーを 404 ページに送っていることが分かりました。

利用可能:無料
ツール:Ahrefs ウェブアナリティクス

AI 検索エンジンからきているトラフィックの確認ができましたら、次のステップとしては自社ブランドがどこでどのように言及されているかを確認することです。

AI 時代での「目標」はブランド言及の数であるべきです。LLM が学習データや検索結果から情報を引用する際、言及が多いブランドほど参照される可能性が高まります。

Ahrefs AI の可視性ツール、ブランドレーダーがまさにそれを行います。

ブランド名を入力すれば、190 万月間プロンプト全体の 6 つの AI インデックスでのブランド言及数の概要が得られます。これは瞬時に、セットアップ時間なしで行われます。

最も良い部分は?ブランドだけでなく、製品、カテゴリー、人物、あらゆるものを確認できます。

今回は、今注目されているメジャーリーグで活躍している日本の野球選手の人気度を確認しました。さすが大谷翔平様、あなたが明らかな勝者です。

利用可能:有料アドオン
ツール:Ahrefs ブランドレーダー

検索需要は、時間の経過とともに自社ブランドを検索する人が増えているかどうかを示します。これは、Google におけるすべてのブランドキーワードの検索ボリュームを合計することで計算されます。

これにより、ブランドメッセージの影響を測定できます。メッセージが繰り返されるほど、顧客の心の中で占めるスペースが大きくなります。つまり、Google と AI プラットフォームの両方での検索が増えます。

最近のブランドキャンペーンが機能しているかどうかを確認するには、ブランドレーダーを使い、累積で検索需要グラフを確認してください。

右肩上がりの場合は、人々が自社ブランドを積極的に検索している明確な兆候です。

そうでない場合は、競合他社があなたの地位を奪っている可能性があります。そのため、参考として競合他社をグラフに追加しましょう。

利用可能: ライトプラン
ツール: Ahrefs ブランドレーダー

検索需要の重要性を理解したら、次はトップ 10 の順位を獲得できていないブランドキーワードを監査しましょう。

理由とは?他社のドメインが自社ブランドのナラティブを所有し、Google と AI 検索結果の両方に表示されるものに潜在的に影響を与えているからです。

それらを見つけるには、『キーワードエクスプローラー』を活用ください:

  • ブランド名で検索
  • 「フレーズ一致」レポートでリストを展開
  • 「ターゲットがランクインしていないキーワードを表示 top 10」 フィルターを追加

私たちの場合、Ahrefs と競合他社や代替ツールを比較する記事において、ランキングが取れていないことがわかりました。コンテンツをここに注力するべきですね。

利用可能:スタータープラン
ツール:Ahrefs キーワードエクスプローラー

AI 回答には決まった形はありません。同じ質問をしても、毎回異なる答えが返ってくる可能性があります。

では、関連するすべての LLM で確実にブランドを表示させる方法とは?
答え:トピックごとに分類することです。

ブランドレーダーを開き、業界キーワードだけを入力し、AI プラットフォームを選択してから、トピックレポートを開きます。

すると、その業界全般がどのようなトピックと関連付けられているか、そして各トピックに対応する AI 回答が表示されます。

応用的な使い方として、特定のトピックにおける自社と競合の AI 可視性を比較することもできます。

例えば、有名なプロジェクト管理ツールの Asana を競合と比較してみました。

同じタスク管理ツール分野の他社ツールと Asana の AI プレゼンスを比較してみると、「todo リスト」というトピックに関しては、AI による概要 と Copi­lot に表示されていないことがわかります。

利用可能:有料アドオン
ツール:Ahrefs ブランドレーダー

競合分析といえば、AI 可視性を向上させる最も速い方法の 1 つは、競合他社が言及されているが自社ブランド名が言及されていない生成 AI エンジンの回答と引用を見つけることです。

AI 言及のギャップ(競合他社は言及されているが自社ブランド名が言及されていない)を見つけるには、ブランドレーダーで競合他社を追加し、メンションがチェックされていることを確認し、ブランドの任意の AI インデックスにカーソルを合わせて、「他社ブランドのみ」をクリックします。

次に、「AI の応答」に移動して、自社ブランドも言及されるべきなコンテンツを確認していきます。

AI 引用ギャップ(競合他社は AI 回答で引用されているがあなたは引用されていない)を見つけるには、前のレポートから「引用されたページ」に移動するだけです。

これにより、以前のフィルタリングが保持されます。こちらのレポートには AI 検索エンジンが応答を生成する際に LLM が情報源とされるページのリストが表示されます(詳しくはこちらの記事)。レポートに記載されてあるページであなたも言及されるようにすることです。

利用可能:有料アドオン
ツール:Ahrefs ブランドレーダー

AI 検索に最適化するには、AI が読み取りやすいように、コンテンツをわかりやすく整理することが大切です。

既存のコンテンツを監査するには、記事とそのターゲットキーワードを Ahrefs AI コンテンツヘルパーに入力します。

次に、ハイライトを切り替えて、文単位でトピックカバレッジを視覚化します。

これにより、重複している箇所、情報が散らばっている箇所、またはトピックの説明が不十分な箇所がひと目でわかります。

利用可能:有料アドオン
ツール:Ahrefs AI コンテンツヘルパー

「ベスト」リスト記事は、従来の SEOAI 検索の両方で結果を支配できます。

Ahrefs 分析によると、ChatGPT、AI モード、AI Overviews、Perplexity へ平均で 43.43% の引用されているサイトは「ベスト」リストの形式であることが発覚されました。まずは自社が言及されている「ベスト」リスト記事を 2 つの方法で見つけましょう。

  1. 1 つ目の方法:競合他社のドメインをサイトエクスプローラーに入力し、発リンクレポートに移動します。
    ここから、参照ページタイトルに「ベスト」「おすすめ」「トップ」「人気」のいずれかの単語が含まれる「参照ページの対ごる含む」フィルターを追加します。
  1. 2 つ目の方法:サイトエクスプローラーの「リンク交差」ツールを使用して、このアプローチを複数の競合他社に拡大できます。競合他社にリンクしているが自社サイトにはリンクしていないウェブサイトが表示されます。



よりターゲットを絞ったリンク構築を行うには:
  • 「参照ページ」を選択
  • 高価値ページに DR 40 + を設定
  • ページトラフィックの多い順に並べ替えて、どこからアプローチすべきか優先順位をつける

利用可能:全プラン
ツール:Ahrefs サイトエクスプローラー

Google の AI Overviews は、年初以来クリック数を 34.5% 減少させています。

しかし、Google 以外で自社ウェブサイトのトラフィック状況を確認する方法はご存知でしょうか?

Ahrefs のブログページで調査を進めて結果を紹介します。少し複雑なプロセスではありますが、以下をご確認ください。

サイトエクスプローラーを活用します。

  1. ドメインまたはパスを入力
  2. オーガニックキーワードレポートに移動
  3. 期間を設定する
  4. 「変更」の多い順に並べ替えて最大のトラフィック減少を表示
  5. カスタムキーワードリストにキーワードを追加する(最大10,000キーワード)

次のステップは、キーワードエクスプローラーでそのリストを開くことです。

そして「トラフィックシェア」の「ドメイン別」レポートに移動すると、どのサイトが自社のトラフィックを奪っているかがわかります。Ahrefs の場合、YouTube、 namegen.jp、nordvpn、namaemaker.net、などが確認できました。

利用可能:スタータープランから
ツール:Ahrefs キーワードエクスプローラー > トラフィックシェアドメイン別レポート

Google AIOs や競合ウェブサイトだけが、トラフィック減少を引き起こす原因ではありません。コンテンツの変更も役割を果たします。

最近ウェブサイトを再設計したが、コンテンツを SEO 最適化されていない場合、気づかないうちにクリックを失っている可能性があります。

これは、サイトエクスプローラーのパフォーマンスチャートで「コンテンツの変更」チェックボックスを切り替えて確認できます。次に、コンテンツの変更と実際のトラフィック減少を相関させます。

変更は緑色の丸形が表示されます。丸形が大きいほど、コンテンツの変更が大きくなります。

変更の影響を診断するために、その大規模な見直しをカーソルを合わせて「変更を表示する」をクリックし、古いコンテンツと新しいコンテンツを並べて比較することができます。

利用可能:全プラン
ツール:Ahrefs サイトエクスプローラー > パフォーマンスチャート

90 万のウェブサイトを対象とした Ahrefs の調査によると、新しいウェブページの 74% に AI コンテンツが含まれています。

これは、AIを活用したコンテンツ制作が一般化していることを示す明確な証拠といえます。

任意のドメインにおけるページのAIコンテンツレベルを確認するには、サイトエクスプローラーにドメインを入力し、「上位のページ」レポートに移動して「AI コンテンツレベル」列を確認してください。

この機能は、フリーランスのコンテンツマーケターと協業している際に、彼らのクリエイティブな貢献度を測定したい場合に役立ちます。

しかし、AI コンテンツレベルをページのオーガニックパフォーマンスとクロス相関させて(先ほどのユースケースと同様に)、Google がそのコンテンツにペナルティを課しているかどうかを確認することも可能です。

利用可能:全プラン
ツール:Ahrefs サイトエクスプローラー > 上位ページ

ウェブサイトのページが盗まれる可能性があることをご存知ですか?

一部のウェブサイトは、スクレイピング、翻訳、さらにはページ全体を iframe で埋め込むことで、コンテンツをクローンします。これらのクローンがオリジナルの代わりにランクされると、本来得られるはずのオーガニックトラフィックとコンバージョンを失います。

これが起こるのを防ぐには、ドメインの Ahrefs ウェブアナリティクスを開き、「クローンされたページ」に移動します。

その後、サイト所有者に連絡してコンテンツを削除してもらうか、Google に報告をするのをおすすめします。

利用可能:全プラン
ツール:Ahrefs ウェブアナリティクス

コンテンツは量が多ければ良いというわけではありません。特に、Googleにクロールすらされていない場合はなおさらです。

Ahrefs ユーザーのステファン・ムスティエレス氏は、自身の投稿で興味深い事例を紹介しています。2015 年まで遡る 1,000 以上の古い URL、テーマから外れたコンテンツ、価値の低いページを抱えていた比較サイトの事例です。徹底的なコンテンツ監査を行った結果、彼らはコアビジネスに合致しないものをすべて削除しました。

リダイレクトなし。リライトなし。復活のチャンスなし。ただ削除しただけです。

その結果は?オーガニックトラフィックの大幅な増加、見込み客の増加、そしてコンバージョン率の劇的な向上でした。

Google に無視されているコンテンツの量を確認するには、サイトエクスプローラーの「パフォーマンス」チャートで、「クロールされたページ」と「オーガニックページ」を比較してください。

その差が、サイトに存在しながらも Google に認識されていないコンテンツの量を正確に示しており、削除または改善すべき優先ターゲットとなります。

利用可能:無料
ツール:Ahrefs サイトエクスプローラー > パフォーマンスチャート

開発者に頼ることなく、自分で SEO の問題を修正できたらどうでしょうか?

Ahrefs パッチを使えば、サイト監査から自社の CMS へ簡単な SEO 修正を直接反映できます。

これまでは、メタディスクリプションとタイトルタグのみ修正可能でした。しかし現在は、さらに多くの項目に対応しています。リダイレクト設定、カノニカルタグ、noindex タグの追加・削除、そして内部リンクをウェブサイトに直接公開することができます。

「ページエクスプローラー」に移動すると、直近のサイトクロールで検出されたすべてのページにアクセスでき、上部のフィルターから「メタディスクリプション未設定」などの問題を選択できます。

ここから、メタディスクリプションを 1 ページずつ修正することも、「Batch AI」をクリックしてAIで一括作成することも可能です。

利用可能:プロジェクトブーストアドオン
ツール:Ahrefs サイト監査

新しい顧客獲得ルートを素早く開拓したいなら、コンテンツを他の言語に対応させるのが最も効果的です。

これまでは、専門の翻訳者に依頼する必要があり、単なる翻訳だけでなく文化に合わせた表現調整も必要で、費用も時間もかかりました。

でも今は、もっと簡単にできます。キーワードエクスプローラーを開いて、保存したキーワードリストを読み込んでください。「翻訳」ボタンから40以上の言語・地域を選択できます。

翻訳したい言語と国を選ぶと、各キーワードの翻訳候補が複数表示され、それぞれの検索ボリュームなどの指標も確認できます。その中から、最も検索されているものを選びましょう。

利用可能:スタータープランから
ツール:Ahrefs キーワードエクスプローラー

それだけではありません…

Ahrefs には、AI 自動化や AI 可視性に直接影響を与える機能が他にも数多くあります。 今回は、Ahrefs ユニーク機能をお届けしました。次回のテーマ、リクエストお待ちしています!