今回の記事では、関連ワードをどのように見つけ、最適化したかについてご説明します。
関連キーワードとは、メインキーワードに密接に関連する言葉やフレーズです。見つけ方はさまざまです。ChatGPT に訊いたっていいのです。
でもご注意ください。そういうキーワードはコンテンツの最適化には不向きなのです。
トラフィックを増やすことが目標ならば、ただ関連するキーワードではなく、サブトピックを表現するようなキーワードを探す必要があります。
このように考えてみましょう ー 料理のレシピを改良する場合、適切な食材を追加しますよね。冷蔵庫にあるものを何でもぶち込むようなことはおそらくしないでしょう。
以下で、最適な関連キーワード(私が使ったのも含め)を見つける 2 つの方法についてご紹介します。
その 1. コンテンツ最適化ツールを利用する
コンテンツ最適化ツールは、自分のページではなく、別の上位ページのキーワードを検索します。そして、見つけたキーワードをコンテンツに一定回数追加することを推奨します。
ツールの推奨事項を鵜呑みにしないのであれば有用ですが、惑わされてしまうこともあるので要注意です。
たとえば、下のツールは、キーワード調査ガイドに「favorite features(お気に入りの機能)」というフレーズを 6 回追加することを勧めています。
これは重要な関連キーワードだと思いますか?(私にはそうは思えませんが…)
また、通常、推奨される関連キーワードを追加するとコンテンツスコアが上がります。コンテンツスコアとランキングとの相関はそこまで強くはないのですが、スコアだけを見て何が重要なのかをはき違えてしまうこともあるため注意が必要です。
こういったツールを使う場合は、常識を働かせて、重要なサブトピックを表していると思われる推奨事項を見つけるのが良いでしょう。
たとえば以下のように、コンテンツ監査ガイドを分析すると、コンテンツの品質に関連するキーワードをかなりの数追加するよう提案されます。
これがコンテンツ監査にとって極めて重要な考慮事項であることは簡単に理解できますが、ガイドではコンテンツの品質について一度も言及されていません。
これは大きな見落としであり、間違いなく最適化する価値のある関連キーワードです。
コンテンツに含める必要のある語を数える代わりに、コンテンツヘルパーは AI を使用してターゲットキーワードに対するコアトピックを識別し、コンテンツの作成時にそれらのトピックに対する自分の(そして競合相手の)コンテンツスコアを出します。事実上、サブトピックごとに関連キーワードをグループ分けするのです。そうすると、より広い視点から最適化ができるようになります。
たとえば私の投稿では、Google ビジネス プロフィールの最適化についてあまり詳しく説明されていないようですが、これについては、さらに詳しい説明が必要でしょう。
その 2. キーワードギャップ分析をする(私はこれを使用)
キーワードギャップは、競合ページが自分が使用していないキーワードでランク付けされている場合に発生します。この分析をページレベルで実行することで関連キーワードが明らかになり、その一部は通常サブトピックを表しています。
できれば、メインのターゲットキーワードですでに 1 ページ目にランクされているページでこれを行うことをお勧めします。こういったページはすでに好調で上位にランクされているため、少しの努力で関連キーワードを増やすことができます。以下の手順でサイトエクスプローラーを活用して、関連キーワードを確認してみましょう。
- ドメインを入力する
- オーガニックキーワードレポートに移動する
- 2~10 位をフィルターする
- ターゲットにしているメインキーワードを探す
候補が見つかったら、以下のようにしてキーワードギャップ分析を行います。
a) 自分より優れている競合ページを見つける
オーガニックキーワードレポートで、キーワードの隣にある SEPR ドロップダウンをクリックすると、現在の上位ページが表示されます。自分のページよりもトラフィックが多く参照ドメインが少ない類似ページを探します。
次の例を見てください。Ahrefs のページは、「ローカル SEO」では 10 位にランクされ、参照ドメイン数は 99、月間訪問数は推定 813 回です。
以下の競合ページはすべて、バックリンクが少ないにもかかわらず、より多くのトラフィックを獲得しています。
b)コンテンツギャップツールに送信する
競合相手の横のチェックボックスにチェックを入れ、「開く」をクリックして「コンテンツギャップ」を選択します。
デフォルトでは、1つかそれ以上の競合ページが上位 10 位に入っているが、自分は 100 位以内にランキングされていないキーワードが表示されます。
これは変更して、競合ページがランクされているキーワードすべてを表示することをお勧めします。自社サイトがそのランクに入っていてもかまいません。すでにランク入りしている関連キーワードもさらに最適化できる可能性があるためです。
また、「主な結果のみ」のフィルターを有効にし、サイトリンクおよびその他 SERP 機能のランキングを除外することもお勧めします。
c) 最適化する価値がある関連キーワードを探す
ここでちょっと考えてみてください。今すべきなのはリストをスキャンして、重要なサブトピックを表す可能性のある関連キーワードを探すことです。
たとえば、次のようなキーワードは特に有用ではありません。ローカル SEO のメイントピックを探す方法のひとつに過ぎないからです。
ですが、「ローカル SEO とは何か」などの関連キーワードは、検索者が探しているサブトピックを表すため役に立ちます。
ここまで確認するのは少し大変だという方は、完全なキーワードリストをエクスポートし、キーワードエクスプローラーにペーストして、「単語によるクラスター」レポートにアクセスしてみてください。その名の通り、これでキーワードが一般的な用語ごとにクラスター化されます。
これは、関連キーワードの間の共通テーマを強調表示し、さらに広いギャップを見つけるのに便利な機能です。
下の例では、SEO 価格ガイド(これについては後ほどお話しします)の関連キーワードを探していたら、「month(月)」という語を含む関連キーワードが 17 個ありました。
キーワードをチェックしていて気付いたのは、どれもが SEO に月額いくらかかるかを検索する方法だということです。
これは最適化の対象となる関連キーワードのシンプルなクラスターです。これについて、投稿で質問に答えられれば良いのです。
適切な関連キーワードを見つけるのに苦労しているという方は、競合ページに自分のページよりもはるかにトラフィックを送っているキーワードを探してください。これは通常、競合ページでその語が自分のページより最適化されているためです。
コンテンツギャップ レポートでトラフィック列を比較すればキーワードを確認できます。
次の例では、「SEO はいくらかかるか」というキーワードに対して、競合ページは自分たちのページよりもトラフィックを得ています。Forbes などは 300 以上も多いので驚きますね!
ここまで数多くの関連キーワードを取得しましたが、それをどう使っていけばよいのでしょう?
少しコツがいるため、私が実際にローカル SEO ガイド作成時に行った方法を紹介します。関連キーワードを最適化した後、その推定オーガニックトラフィックは135% 増加しました。
では、私が最適化した関連キーワードとその方法を紹介していきましょう。
関連キーワード 1:「ローカル SEO とは何か」
競合ページはどれも、このキーワードで Ahrefs よりもはるかに多くのトラフィックを獲得していました。またランキングも大幅に上位でした。ご覧のように、あるページは Ahrefs のページよりも月間推定 457 回多くの訪問があります。
また次のように、検索方法もかなり多岐にわたりました。
なぜこの件でパフォーマンスが悪かったのか、私見ではこうです。ページには定義はあったものの、その定義はあまり出来が良くありませんでした。また、定義が H3 の下に埋もれていて、そこにたどり着く前に読まなければならない情報がたくさんありました。
私は、余計な情報を排除し、定義を改善して(少し ChatGPT の助けを借りて)、 H2 に移動し、これを解決しようとしました。
結果はどうなったと思いますか?このページは、「ローカル SEO とは何か」というキーワードやその他類似の関連キーワードでいくつも順位を上げました。
関連キーワード 2:ローカル SEO 戦略
繰り返しになりますが、競合ページはどこもこのキーワードから Ahrefs のページよりも多くのトラフィックを獲得していました
ここでの問題は、競合ページが何度も言及している「戦略」に弊社ページで言及していなかったことかもしれません。
これを解決するために、私はローカル SEO 戦略について短い一節を追加することにしました。
また、ローカル SEO の定義に「戦略」を追加するよう ChatGPT に依頼しました。(これについては藁にもすがる思いだったのでしょうが…コンテンツを追加すると読みやすくなるので結果オーライです)
そうすると、ご覧のように、このページは、関連キーワードで 2 ページ目の最下部から 1 ページ目まで 7 位上昇しました。
関連キーワード 3:「ローカル SEO のやり方」
競合ページのほとんどは、このキーワードで私たちよりも多くのトラフィックを獲得していましたが、それほどかけ離れてはいませんでした。
それでも、ローカル SEO を検索すると、Google がこのキーワードを「知っておくべきこと」の項目に表示しているのがわかります。つまりこの語はかなり重要だと察しがつきます。
また、ローカル SEO を検索する人は、その方法を知りたいとも思っているのではないでしょうか。
残念ながら、Ahrefs のガイドでは確かにローカル SEO のやり方を紹介していますが、あまり読む気がしない章に埋もれてしまっています。読者(または Google)が拾い読みできるような「やり方」の目立った小見出しがないため、行間を読んで「やり方」を理解する必要があるのです。
解決策として、コンテンツをステップごとに再構成し、「ローカル SEO のやり方」というタイトルの新しい H2 に配置しました。
結果は、7 位から 4 位に上昇しました!
いいえ。SEO では何も保証されていませんし、これも例外ではありません。
実際、私は同じ日に関連キーワードの SEO 価格ガイドを最適化しましたが、トラフィックは改善したものの、改善率はわずか 23% 程度でした。
では、ここまでのプロセスをより詳細に解説するために、私が投稿を最適化したすべての関連キーワードとその結果をこれから共有していきます。
関連キーワード 1:「SEO の費用はいくらか」
このキーワードで、競合ページは Ahrefs のページよりもトラフィックを多く獲得し、あるページは月間 317 回以上の差をつけて訪問を獲得していると推定されます。
キーワードを語ごとにキーワードエクスプローラーでクラスター化した際、「much(いくら)」という語を含むキーワードが約 70 個あることも判明しました。これは、なんとコンテンツギャップレポート内の全キーワードのおよそ 19% にあたります。
以下は、SEO にどれくらいの費用がかかるかを調べるための方法の一覧です。
ここで問題だと思われるのは、ページの質問に答えても、それがかなり埋もれていることです。明確な小見出しとその下の回答がないため、検索者(おそらく Google も)が軽く目を通しただけでは探しているものが見つかりにくいのです。
そこで、「SEO の費用はいくらか?」というタイトルの H2 とそのすぐ下に答えを追加しました。
結果、関連キーワード自体のランクに変化はありませんでしたが、追加したコピーのおかげで、このページはロングテールバリエーションのスニペットをいくつか獲得しました。
関連キーワード 2:「月額 SEO 費用」
このキーワードでは、ほとんどすべての競合ページが私たちのぺージよりもトラフィックを獲得しています。中でもあるページは、私たちよりも訪問数が月間 72 回多いと推定されています。
キーワードエクスプローラーの単語クラスターレポートには、SEO の月額がさまざまな方法で検索されていることが示されています。
これは、時間単位やリテイナー料金に当てはまらず、これについての検索も実質的には行われていません。
Ahrefs はこの情報をページで優先していないため、おそらくランキングに入っていないのでしょう。最初の小見出しはすべて時間単位の価格設定に関するものですが、それを気にする人はいません。月額料金データはその下に埋もれています。
そこで、月額料金データをページの上部に移動し、内容がわかりやすい小見出しを付けて修正しました。具体的には、「月額リテイナー料金」から「月額リテイナー料金:SEO は月額いくらかかるのか?」と変えたのです。
また、明らかに人が気にしているのは月額料金なので、導入部の重要なポイントを月額料金に重点を置くように変更しました。さらに、検索する人が実際に探している情報をすばやく見つけられるよう、表示をシンプルにして目立たせています。
その結果、ページはこの関連キーワードとその他バリエーションでかなりのスニペットを獲得しました。
関連キーワード 3:「ローカル SEO 価格」
キーワードエクスプローラーの単語クラスターレポートで見ると、16 個のキーワードに「local(ローカル)」という語が含まれていました。
ローカル SEO のサービス費用を確認するためには、これも活用できそうです。
ここでの問題は、自分の投稿にローカル SEO 価格データがいくらか入っていたとしても、そこには検索者が探しているわかりやすい数字が含まれていないことです。さらに、確かに持っていた情報も、ページの奥深くに埋もれていました。
そこで、投稿のために収集したデータから新しい統計を出して、「ローカル SEO 費用はいくらか?」というタイトルの新しい H3 の下に配置しました。
そうすると、このキーワードとバリエーションのいくつかに小さいながらも注目すべき改善が見られました。
関連キーワード 4:「中小企業向け SEO 費用はいくらか?」
この語からある競合ページが、私たちのページよりも月間オーガニック訪問数が推定 105 回多いことがわかりました。
キーワードエクスプローラーで用語別にクラスター化する際、「small(小)」を含む 9 個のキーワードのクラスターが見つかりました。これはすべて下のように、中小企業向けの SEO 価格を検索する方法でした。
ここでも問題は明らかです。検索されている情報がページに存在せず、中小企業への言及すらありません。
ただこれは、簡単に解決できます。答えをページに追加すればよいのです。私は問いに対する回答を追加して「中小企業向け SEO 費用はいくらか?」というタイトルの新しい H3 の下に配置しました。
その結果、この関連キーワードは 15 位から 5 位に上昇し、バリエーションのいくつかにも注目すべき改善が見られました。
関連キーワード 5:「SEO 価格モデル」
この関連キーワードはたいして重要ではないと思われますが、コンテンツギャップを見ているときに見つけ、最適化するのがよさそうです。
「SEO 価格モデル:費用の詳細な内訳」というタイトルで新しい H2 の下に入れました。ここで 3 つの一般的な価格モデルについて簡単に説明し、その下のページの残りのコンテンツを再編成してネストしました。
するとなんと最終的に、5 位から 1 位になりました。
まとめ
関連キーワードの最適化は、コンテンツにさまざまなキーワードのバリエーションを無理やり詰め込むことではありません。Google は、「SEO」と「検索エンジンの最適化」が同義だということがわかるほど進んでいます。
サブトピックを表すキーワードを探し、それを適切に取り上げるようにします。新しい項目を追加したり、既存の項目をさらに明確化するためにフォーマット変更したりすることになるかもしれませんが難しいことではありません。1 ページあたり2~3時間で十分でした。
これに関連するストーリーやご質問がある場合は、ぜひ SNS で投稿ください。