SEO 全般

トラフィック 129.7% 増に成功:関連キーワードの使い方攻略法

ジョシュア・ ハードウィック
Ahrefs|コンテンツ部統括。 私のミッションはシンプルに、日々、最高のブログ記事を世に送り出すこと。
数週間前、ブログ記事を 1件関連キーワードで最適化してみました。すると今日、それに推定月間 2,300 回を超えるオーガニック訪問の増加があったことがわかりました。
ページへの推定トラフィックは 2 倍以上に増加

今回の記事では、関連ワードをどのように見つけ、最適化したかについてご説明します。

関連キーワードとは、メインキーワードに密接に関連する言葉やフレーズです。見つけ方はさまざまです。ChatGPT に訊いたっていいのです。 

ChatGPT は関連キーワードを見つけられますが、このために ChatGPT を使用することはあまりお勧めしません

でもご注意ください。そういうキーワードはコンテンツの最適化には不向きなのです。

トラフィックを増やすことが目標ならば、ただ関連するキーワードではなく、サブトピックを表現するようなキーワードを探す必要があります

このように考えてみましょう ー 料理のレシピを改良する場合、適切な食材を追加しますよね。冷蔵庫にあるものを何でもぶち込むようなことはおそらくしないでしょう。

最適化に関しては、すべての関連キーワードが同じように作成されるとは限りません

以下で、最適な関連キーワード(私が使ったのも含め)を見つける 2 つの方法についてご紹介します。 

その 1. コンテンツ最適化ツールを利用する

コンテンツ最適化ツールは、自分のページではなく、別の上位ページのキーワードを検索します。そして、見つけたキーワードをコンテンツに一定回数追加することを推奨します。

コンテンツ最適化ツールからの推奨例

ツールの推奨事項を鵜呑みにしないのであれば有用ですが、惑わされてしまうこともあるので要注意です。

たとえば、下のツールは、キーワード調査ガイドに「favorite features(お気に入りの機能)」というフレーズを 6 回追加することを勧めています。 

こういったツールがユーザーに混乱をもたらす可能性がある事例

これは重要な関連キーワードだと思いますか?(私にはそうは思えませんが…)

また、通常、推奨される関連キーワードを追加するとコンテンツスコアが上がります。コンテンツスコアとランキングとの相関はそこまで強くはないのですが、スコアだけを見て何が重要なのかをはき違えてしまうこともあるため注意が必要です。

コンテンツスコアのランキング相関に関する Ahrefs の調査から

こういったツールを使う場合は、常識を働かせて、重要なサブトピックを表していると思われる推奨事項を見つけるのが良いでしょう。

たとえば以下のように、コンテンツ監査ガイドを分析すると、コンテンツの品質に関連するキーワードをかなりの数追加するよう提案されます。

改善が必要な事柄

これがコンテンツ監査にとって極めて重要な考慮事項であることは簡単に理解できますが、ガイドではコンテンツの品質について一度も言及されていません。

大きな見落とし

これは大きな見落としであり、間違いなく最適化する価値のある関連キーワードです。

AI コンテンツヘルパーのベータ版が新登場!

コンテンツに含める必要のある語を数える代わりに、コンテンツヘルパーは AI を使用してターゲットキーワードに対するコアトピックを識別し、コンテンツの作成時にそれらのトピックに対する自分の(そして競合相手の)コンテンツスコアを出します。事実上、サブトピックごとに関連キーワードをグループ分けするのです。そうすると、より広い視点から最適化ができるようになります。

Ahrefs の新しい AI コンテンツヘルパー

たとえば私の投稿では、Google ビジネス プロフィールの最適化についてあまり詳しく説明されていないようですが、これについては、さらに詳しい説明が必要でしょう。

サブトピックの推奨例

その 2. キーワードギャップ分析をする(私はこれを使用)

キーワードギャップは、競合ページが自分が使用していないキーワードでランク付けされている場合に発生します。この分析をページレベルで実行することで関連キーワードが明らかになり、その一部は通常サブトピックを表しています。

できれば、メインのターゲットキーワードですでに 1 ページ目にランクされているページでこれを行うことをお勧めします。こういったページはすでに好調で上位にランクされているため、少しの努力で関連キーワードを増やすことができます。以下の手順でサイトエクスプローラーを活用して、関連キーワードを確認してみましょう。

  1. ドメインを入力する
  2. オーガニックキーワードレポートに移動する
  3. 2~10 位をフィルターする
  4. ターゲットにしているメインキーワードを探す
関連キーワードを最適化するための最適なページを見つける方法

候補が見つかったら、以下のようにしてキーワードギャップ分析を行います。

a) 自分より優れている競合ページを見つける

オーガニックキーワードレポートで、キーワードの隣にある SEPR ドロップダウンをクリックすると、現在の上位ページが表示されます。自分のページよりもトラフィックが多く参照ドメインが少ない類似ページを探します。

次の例を見てください。Ahrefs のページは、「ローカル SEO」では 10 位にランクされ、参照ドメイン数は 99、月間訪問数は推定 813 回です。 

Ahrefs のページの推定トラフィックと参照ドメイン統計

以下の競合ページはすべて、バックリンクが少ないにもかかわらず、より多くのトラフィックを獲得しています。

リンクが少ない競合ページがより多くのトラフィックを獲得しています
Side­note.
これはブログのカテゴリページなので、今後は Moz からこのページを除外するつもりです。私たちのものとは大きく異なるため、分析対象とする価値がないものと思われます。

b)コンテンツギャップツールに送信する

競合相手の横のチェックボックスにチェックを入れ、「開く」をクリックして「コンテンツギャップ」を選択します。

コンテンツギャップでページを開く方法

デフォルトでは、1つかそれ以上の競合ページが上位 10 位に入っているが、自分は 100 位以内にランキングされていないキーワードが表示されます。 

Ahrefs のコンテンツギャップ・レポート

これは変更して、競合ページがランクされているキーワードすべてを表示することをお勧めします。自社サイトがそのランクに入っていてもかまいません。すでにランク入りしている関連キーワードもさらに最適化できる可能性があるためです。

これを「任意」に切り替えることをお勧めします

また、「主な結果のみ」のフィルターを有効にし、サイトリンクおよびその他 SERP 機能のランキングを除外することもお勧めします。 

そしてこれをオンにします!

c) 最適化する価値がある関連キーワードを探す

ここでちょっと考えてみてください。今すべきなのはリストをスキャンして、重要なサブトピックを表す可能性のある関連キーワードを探すことです。

たとえば、次のようなキーワードは特に有用ではありません。ローカル SEO のメイントピックを探す方法のひとつに過ぎないからです。 

これらは単に同じものを検索する異なる方法であり、「関連キーワード」ではありません

ですが、「ローカル SEO とは何か」などの関連キーワードは、検索者が探しているサブトピックを表すため役に立ちます。

ここまで確認するのは少し大変だという方は、完全なキーワードリストをエクスポートし、キーワードエクスプローラーにペーストして、「単語によるクラスター」レポートにアクセスしてみてください。その名の通り、これでキーワードが一般的な用語ごとにクラスター化されます。

用語クラスタリングを使用してトレンドを見つけます

これは、関連キーワードの間の共通テーマを強調表示し、さらに広いギャップを見つけるのに便利な機能です。

下の例では、SEO 価格ガイド(これについては後ほどお話しします)の関連キーワードを探していたら、「month(月)」という語を含む関連キーワードが 17 個ありました。 

用語クラスタリングにより、多くの人がさまざまな方法で月額 SEO 価格を検索していることが明らかになります

キーワードをチェックしていて気付いたのは、どれもが SEO に月額いくらかかるかを検索する方法だということです。 

用語クラスタリングにより、多くの人がさまざまな方法で月額 SEO 価格を検索していることが明らかになります

これは最適化の対象となる関連キーワードのシンプルなクラスターです。これについて、投稿で質問に答えられれば良いのです。

適切な関連キーワードを見つけるのに苦労しているという方は、競合ページに自分のページよりもはるかにトラフィックを送っているキーワードを探してください。これは通常、競合ページでその語が自分のページより最適化されているためです。

コンテンツギャップ レポートでトラフィック列を比較すればキーワードを確認できます。

次の例では、「SEO はいくらかかるか」というキーワードに対して、競合ページは自分たちのページよりもトラフィックを得ています。Forbes などは 300 以上も多いので驚きますね! 

競合ページがトラフィックで Ahrefs を打ち負かしている様子

ここまで数多くの関連キーワードを取得しましたが、それをどう使っていけばよいのでしょう?

少しコツがいるため、私が実際にローカル SEO ガイド作成時に行った方法を紹介します。関連キーワードを最適化した後、その推定オーガニックトラフィックは135% 増加しました。 

関連キーワードの最適化の結果:トラフィックが 129.7% 増加
Side­note.
Google は、偶然にも私がこの最適化を実行した翌日にコア アップデートをリリースしたので、トラフィックの増加が無関係な可能性は否定できません。ただ、ブログ全体へのトラフィックはアップデート後もほぼ一定でしたが、この投稿へのトラフィックは大幅に増加しました。その原因は関連キーワードの最適化だと確信しています。

では、私が最適化した関連キーワードとその方法を紹介していきましょう。

関連キーワード 1:「ローカル SEO とは何か」

競合ページはどれも、このキーワードで Ahrefs よりもはるかに多くのトラフィックを獲得していました。またランキングも大幅に上位でした。ご覧のように、あるページは Ahrefs のページよりも月間推定 457 回多くの訪問があります。 

このキーワードでは競合他社が私たちよりも格段に多くのトラフィックを獲得していました

また次のように、検索方法もかなり多岐にわたりました。

サブトピックもさまざまな方法で検索されています

なぜこの件でパフォーマンスが悪かったのか、私見ではこうです。ページには定義はあったものの、その定義はあまり出来が良くありませんでした。また、定義が H3 の下に埋もれていて、そこにたどり着く前に読まなければならない情報がたくさんありました。

Ahrefs のガイドは、知りたいことにたどり着く前に読まなければならない情報で一杯です

私は、余計な情報を排除し、定義を改善して(少し Chat­G­PT の助けを借りて)、 H2 に移動し、これを解決しようとしました。

解決方法=無駄な内容を取り除くこと!

結果はどうなったと思いますか?このページは、「ローカル SEO とは何か」というキーワードやその他類似の関連キーワードでいくつも順位を上げました。

結果=このキーワードとバリエーションがランクアップ

関連キーワード 2:ローカル SEO 戦略

繰り返しになりますが、競合ページはどこもこのキーワードから Ahrefs のページよりも多くのトラフィックを獲得していました 

ここでの問題は、競合ページが何度も言及している「戦略」に弊社ページで言及していなかったことかもしれません。

Ahrefs の投稿では「戦略」について触れられていません!

これを解決するために、私はローカル SEO 戦略について短い一節を追加することにしました。 

投稿にセクションを追加

また、ローカル SEO の定義に「戦略」を追加するよう Chat­G­PT に依頼しました。(これについては藁にもすがる思いだったのでしょうが…コンテンツを追加すると読みやすくなるので結果オーライです)

ChatGPT に助けを求めながら ;)

そうすると、ご覧のように、このページは、関連キーワードで 2 ページ目の最下部から 1 ページ目まで 7 位上昇しました。 

結果=ランクアップ

関連キーワード 3:「ローカル SEO のやり方」

競合ページのほとんどは、このキーワードで私たちよりも多くのトラフィックを獲得していましたが、それほどかけ離れてはいませんでした。

それでも、ローカル SEO を検索すると、Google がこのキーワードを「知っておくべきこと」の項目に表示しているのがわかります。つまりこの語はかなり重要だと察しがつきます。

Google はこのサブトピックの重要性を示唆しているようです

また、ローカル SEO を検索する人は、その方法を知りたいとも思っているのではないでしょうか。

残念ながら、Ahrefs のガイドでは確かにローカル SEO のやり方を紹介していますが、あまり読む気がしない章に埋もれてしまっています。読者(または Google)が拾い読みできるような「やり方」の目立った小見出しがないため、行間を読んで「やり方」を理解する必要があるのです。

またもや、Ahrefs のガイドではその情報が不必要に埋もれています

解決策として、コンテンツをステップごとに再構成し、「ローカル SEO のやり方」というタイトルの新しい H2 に配置しました。 

再構成後ずっと良くなりました!

結果は、7 位から 4 位に上昇しました! 

結果=ランクアップ

いいえ。SEO では何も保証されていませんし、これも例外ではありません。

実際、私は同じ日に関連キーワードの SEO 価格ガイドを最適化しましたが、トラフィックは改善したものの、改善率はわずか 23% 程度でした。 

Ahrefs の SEO 価格ガイドのトラフィックは 23% アップ
Side­note.
ここで結果が少し遅れていることにお気づきかもしれません。これは、ランク付けされているキーワードにあまり人気がないので、Ahrefs がそれほど頻繁に投稿を更新しないためだと思われます。

では、ここまでのプロセスをより詳細に解説するために、私が投稿を最適化したすべての関連キーワードとその結果をこれから共有していきます。

関連キーワード 1:「SEO の費用はいくらか」

このキーワードで、競合ページは Ahrefs のページよりもトラフィックを多く獲得し、あるページは月間 317 回以上の差をつけて訪問を獲得していると推定されます。 

キーワードを語ごとにキーワードエクスプローラーでクラスター化した際、「much(いくら)」という語を含むキーワードが約 70 個あることも判明しました。これは、なんとコンテンツギャップレポート内の全キーワードのおよそ 19% にあたります。

「much」を含むキーワードの検索数が多い

以下は、SEO にどれくらいの費用がかかるかを調べるための方法の一覧です。 

「much」を含むキーワードの例

ここで問題だと思われるのは、ページの質問に答えても、それがかなり埋もれていることです。明確な小見出しとその下の回答がないため、検索者(おそらく Google も)が軽く目を通しただけでは探しているものが見つかりにくいのです。

そこで、「SEO の費用はいくらか?」というタイトルの H2 とそのすぐ下に答えを追加しました。 

セクションを追加

結果、関連キーワード自体のランクに変化はありませんでしたが、追加したコピーのおかげで、このページはロングテールバリエーションのスニペットをいくつか獲得しました。

新しい項目のおかげで強調スニペットを獲得した例

関連キーワード 2:「月額 SEO 費用」

このキーワードでは、ほとんどすべての競合ページが私たちのぺージよりもトラフィックを獲得しています。中でもあるページは、私たちよりも訪問数が月間 72 回多いと推定されています。 

キーワードエクスプローラーの単語クラスターレポートには、SEO月額がさまざまな方法で検索されていることが示されています。

「month」を含むキーワードの検索数が多い

これは、時間単位やリテイナー料金に当てはまらず、これについての検索も実質的には行われていません。

Ahrefs はこの情報をページで優先していないため、おそらくランキングに入っていないのでしょう。最初の小見出しはすべて時間単位の価格設定に関するものですが、それを気にする人はいません。月額料金データはその下に埋もれています。

またしても重要な情報を埋もれさせてしまった例 :(

そこで、月額料金データをページの上部に移動し、内容がわかりやすい小見出しを付けて修正しました。具体的には、「月額リテイナー料金」から「月額リテイナー料金:SEO は月額いくらかかるのか?」と変えたのです。

また、明らかに人が気にしているのは月額料金なので、導入部の重要なポイントを月額料金に重点を置くように変更しました。さらに、検索する人が実際に探している情報をすばやく見つけられるよう、表示をシンプルにして目立たせています。

私がイントロを改善した方法

その結果、ページはこの関連キーワードとその他バリエーションでかなりのスニペットを獲得しました。

結果=多くのスニペットを獲得

関連キーワード 3:「ローカル SEO 価格」

キーワードエクスプローラーの単語クラスターレポートで見ると、16 個のキーワードに「local(ローカル)」という語が含まれていました。

多くの人がさまざまな方法でローカル SEO の価格を検索しています

ローカル SEO のサービス費用を確認するためには、これも活用できそうです。

人が検索している方法例

ここでの問題は、自分の投稿にローカル SEO 価格データがいくらか入っていたとしても、そこには検索者が探しているわかりやすい数字が含まれていないことです。さらに、確かに持っていた情報も、ページの奥深くに埋もれていました。

そこで、投稿のために収集したデータから新しい統計を出して、「ローカル SEO 費用はいくらか?」というタイトルの新しい H3 の下に配置しました。 

新しいセクションを追加しました

そうすると、このキーワードとバリエーションのいくつかに小さいながらも注目すべき改善が見られました。

結果=数多くの関連キーワードでランキングが向上

関連キーワード 4:「中小企業向け SEO 費用はいくらか?」

この語からある競合ページが、私たちのページよりも月間オーガニック訪問数が推定 105 回多いことがわかりました。 

キーワードエクスプローラーで用語別にクラスター化する際、「small(小)」を含む 9 個のキーワードのクラスターが見つかりました。これはすべて下のように、中小企業向けの SEO 価格を検索する方法でした。 

中小企業の SEO 価格をさまざまな方法で検索している人がたくさんいます

ここでも問題は明らかです。検索されている情報がページに存在せず、中小企業への言及すらありません。

Ahrefs の投稿はこれについてまったく触れていません:(

ただこれは、簡単に解決できます。答えをページに追加すればよいのです。私は問いに対する回答を追加して「中小企業向け SEO 費用はいくらか?」というタイトルの新しい H3 の下に配置しました。 

新しいセクションを追加しました

その結果、この関連キーワードは 15 位から 5 位に上昇し、バリエーションのいくつかにも注目すべき改善が見られました。

結果=数多くの関連キーワードでランキングが向上

関連キーワード 5:「SEO 価格モデル」

この関連キーワードはたいして重要ではないと思われますが、コンテンツギャップを見ているときに見つけ、最適化するのがよさそうです。

SEO 価格モデル:費用の詳細な内訳」というタイトルで新しい H2 の下に入れました。ここで 3 つの一般的な価格モデルについて簡単に説明し、その下のページの残りのコンテンツを再編成してネストしました。

既存のコンテンツがネストされた新しいセクションを追加しました

するとなんと最終的に、5 位から 1 位になりました。 

結果=ランクアップ

まとめ

関連キーワードの最適化は、コンテンツにさまざまなキーワードのバリエーションを無理やり詰め込むことではありません。Google は、「SEO」と「検索エンジンの最適化」が同義だということがわかるほど進んでいます。

サブトピックを表すキーワードを探し、それを適切に取り上げるようにします。新しい項目を追加したり、既存の項目をさらに明確化するためにフォーマット変更したりすることになるかもしれませんが難しいことではありません。1 ページあたり2~3時間で十分でした。

これに関連するストーリーやご質問がある場合は、ぜひ SNS で投稿ください。