何と、得られた回答は 107 件。その内容に基づき、業界で「基礎レベルのスキル」と「上級レベルのスキル」の差がどこにあると認識されているかについて考察してみる良い機会となりました。
回答内で上級レベルとして挙げられた戦術は、挙げた人の数が多かった順に以下のようになりました。
SEO 担当者としてのスキルアップ方法がよく分からないという方は、今後身につけるべきスキルとしてぜひ参考にしてみてください。
筆者が特に注目した 8 項目とその実践方法は以下の通りです。
SEO に関わってくる SEO 以外のスキルを学べば、以下のようなさまざまな業務で役立たせることができます。
- SEO 以外で業務上よく連携する部門とのやりとりがよりスムーズに。
- 業務の基本である「検索キーワード、コンテンツ、リンクをターゲットにした対策」にとどまらず、より高度なレベルまで SEO スキルを高められる。
- より速いスピードで成果を出せるようになり、上司や顧客にとって SEO のコストパフォーマンスが上がる。
特に、ユーザーエクスペリエンス(UX)とコンバージョン率最適化(CRO)は SEO と密接に結びついています。
SEO は主にトラフィック獲得にフォーカスしたアプローチですが、獲得したトラフィックがコンバージョンにつながらなければ、企業にとっては意味がありません。
ユーザーの検索プロセスの始めから最後までを理解したい場合は、SXO について学ぶことをお勧めします。これは search experience optimization(検索体験最適化) の略で、ユーザーが検索をかける瞬間から企業の利益につながるアクションを起こすまでのプロセスにフォーカスした対策です。
また、ウェブサイト上のユーザー体験の中で SEO パフォーマンスに影響を与えているかもしれない要素をより詳細に特定することもできます。例えば SEO 専門家のサイラス・シェパードさんは、次のような UX 項目に重点的に取り組んだ結果、クライアントの SEO キャンペーン成果を飛躍的に伸ばすことができました。
- 広告密度(特に表示位置が固定された動画広告)の低減
- ブラウザ通知の削除
- ナビゲーションの簡素化
- 連絡先情報の可視性向上
- ウェブサイトをより個性的なものに改善(ロゴやキャッチフレーズの工夫)
どんな場合でも、SEO と UX、CRO の視点を組み合わせることでより良い成果につながるため、この 2 つは学ぶ価値のあるスキルだと言えます。
SEO と有料広告、この 2 つを思い浮かべると、私はオールドエルパソ(メキシコ食材メーカー)の CM に出てくるあの女の子※を思い出さずにはいられません。
※固いパリパリのタコスと柔らかいタコス両方が入った商品 CM の “Why don’t we have both?(両方あれば良いんじゃない?)” のセリフで有名。
有料広告と SEO の組み合わせは、企業が潜在顧客をより多く獲得し、投資収益率を挙げるのに不可欠な戦略です。この 2 つのアプローチは補完関係にあり、一方がもう一方の欠点を補うことができます。
例えば特定の地域で展開する店舗型ビジネスの場合、次の方法で Google から直接多くの潜在顧客を得ることができます。
- ローカル サービス広告
- クリック課金型広告
- ローカルパックおよびマップパックを活用した SEO
- 従来型の SEO
有料広告の助けを借りれば、SEO が効果を発揮し始めるまで何か月も待つ必要がなく、SEO キャンペーンが始まって数週間もたたないうちに潜在顧客からの電話問い合わせ獲得が見込めます。
トピックのクラスタリングは SEO の中核をなすものです。ただ、最近は SEO 戦略に基づいてコンテンツを作成する際の定番となっているため、それ自体が「上級レベル」の戦術だと思っている人はほとんどいないでしょう。
トピックのクラスタリングに馴染みがない方のために、一般的な作業ステップを以下でご紹介します。
- キーワードリストの収集
- 類似した検索意図を持つものをグループ化
- それぞれのグループをターゲットにしたコンテンツの作成
- 各投稿間をリンクでつなぐ
クラスターとはこのようなものです。
Ahrefs のキーワードエクスプローラーにあるクラスタリング レポートの機能を使えば、指定トピックに関連した潜在的なクラスターを簡単に見つけることができます。メインキーワードを入力し、「関連キーワード」下のレポートで親トピックまたは単語ごとのクラスターを確認してみてください。
この手法を使えば、コンテンツをさまざまなキーワードで検索上位にランクインさせ、ウェブサイト内の特定トピック関連コンテンツの網羅性を高めることができます。また、あなたの会社がそのトピックに関する第一人者であると認識されることにもつながります。
高度なキーワード クラスタリング
もし 1 ~ 2 段階レベルアップしたクラスタリングがしたい場合は、SEO API と機械学習モデルを組み合わせて、独自の検索意図識別モデルやクラスタリング・モデルを作成することもできます。
これは、かなり根気強い作業を必要とするものではありますが、よい良い結果を出すための SEO 上級戦術として広く認知されてきました。
その作成方法の一例をご紹介します。まず Ahrefs API からキーワード リストを取得、その次に大規模言語モデルを使って各キーワードの検索意図を識別。最後に BERT などの自然言語処理モデルやカスタム トレーニングされたクラスタリング モデルを使えば、キーワード クラスターを自動的に作成することができます。
パトリック・ストックス、ニック・レンジャー、サリー・ミルズなど、当社の多くの SEO 専門家が同様の手法で独自のクラスター作成に成功しています。そのうち、サリーさんが実際に作成したものがこちらです。
インハウスの SEO 担当者の場合や大規模サイトを対象にしている場合で、特に限られた予算で作業しているケースでは、膨大なキーワードリストに対するトピックのクラスタリングなどのタスクを自動化する方法を探す必要が出てくるでしょう。
SEO には大量の収集データが必要です。このため、クライアントにとって良い結果が出せるような包括的な内容の戦略を立てるためには、データ分析スキルが大変重要となってきます。
私の考えでは、昨今どんな種類のデータドリブンマーケティングにおいても、データ分析は不可欠となっています。ただし、より高度な分析スキルを身につけるために重要なのは、チェックするデータの量を増やすことではなく、より興味深い発見を可能にするような「ものの見方」を身につけることです。
基礎レベルの分析 | 上級レベルの分析 |
---|---|
ウェブサイト訪問者の直帰率は 53% | ○○をダウンロードしたユーザーはコンバージョンに至る可能性が 73% 高い |
オーガニックトラフィックが 231% 増加 | ○○の導入でコンバージョンまでにかかる時間を短縮 |
ウェブサイトのコンテンツで SEO パフォーマンスの成績トップは○○ | 前年同時期とのデータ比較から、○○の実行により 150% の成長を予測 |
これらのキーワードの検索順位で 1 位を獲得 | |
ブログ記事が Google から○件のトラフィックを獲得 |
上記の表内の右側と左側の違いは、左側の基礎レベルの分析情報は分析ソフトを使えばすぐに手に入るような内容であることです。このレベルの分析は難しいものではなく、その内容に対してあまり深い考察の余地もありません。
しかも、このレベルの分析結果は何かに役立つことも、具体的な対策のヒントになることもありません。クライアントや上司はこういった情報を担当者から共有されても、分析結果内の数字が実際には何を意味するのか、それを基にどのような決定を下すべきなのかが分からないということがよくあります。
逆に、右側の分析情報は特定のアクションとその結果を結びつけて説明しており、SEO プロジェクトの予算を増やすための分かりやすい根拠として挙げることができます。このタイプの分析結果は、SEO の知識がないステークホルダーに対し、成果をあげるためにとった対策ステップを解説したり、効果の高かった SEO 施策の今後の継続のために予算を割くことの合理性について説明したりするのにも役立ちます。
SEO 戦略を立てるために収集するデータの種類も、基礎レベルの SEO と上級レベルでは変わってくるでしょう。
たとえば、データ収集の対象となりうる以下のようなさまざまなデータソースが存在します。
よく使われるデータ ソース | 高度なデータソース |
---|---|
Google アナリティクス | CRM ツールに蓄積された顧客データ |
Google Search Console | セールスパイプライン管理ソフトウェアから取得できる売上データ |
Ahrefs のような SEO プラットフォーム | 会計ソフトウェア から取得できる収益データ |
会社内部ダッシュボードに蓄積された製品データ |
誤解しないでいただきたいのは、左側のデータソースを使用して高度な SEO 戦略を立てることも可能だということです。
たとえば、 Ahrefs の「トラフィックの価値」などの指標を利用して、競合他社がどれほどトラフィックバリューを伸ばしているかをチェックできます。
ここから得られる分析情報は決して基礎レベルのものではありません。
しかし、ブランドの内部データを戦略に反映させていない場合は、SEO がそこから間違った方向に進んでしまう可能性もあります。
たとえば多くの SEO 専門家は、ブランド独自のセールスポイントにあまり関心をはらっていません。それをランディングページのコピーには取り入れるかもしれませんが、その他に活用することはほぼありません。
ところが上級レベルの SEO 担当者には、商品データと USP(自社独自の強み) が SEO 対策のアイディアの宝庫であることが分かっています。この認識があると、次のようなことが可能になります。
- 検索キーワードと検索意図の戦略的な分析
- 競合の少ない、価値のある検索キーワードをターゲットに設定
- プロダクト担当者・ブランド担当者と検索流入が期待できるキーワードを検証
- SEO 戦略をブランドのプロダクトマーケットフィットに合った内容にする
製品の USP(独自の強み)を理解し、戦略的なキーワード調査を行うことがカギとなります。そうすることで、競合が少なく活用しがいがあり、ビジネスの観点からも競合が多いキーワードにおとらず重要性の高い検索クエリを見つけることができます。これは簡単でかなり「基礎的」なことのように思えますが、実際はそんなことはなく、私がジュニア SEO に任せるタイプのタスクではありません。
一例として、私がある高齢者ケア分野のクライアントの依頼でこれを実践したケースをご紹介します。
この高齢者ケアサービス事業は、数百万ドルを投じてホテルのような上質のサービスと身の回りのケアを提供する最先端の施設を立ち上げました。この施設の重要コンセプトは、入居者が自立した生活と個人の尊厳を保ったままで、その地域で受けられる最高のケアが受けられるという点です。
そう聞くと、このサービスがあまりお手頃で低料金なものだとは想像しがたいのではないでしょうか?
しかし、実際のところはこうでした。地方自治体の情報によると、この施設の居室は市内の他施設と比較して平均 1.5 倍の広さで、料金は約 3 割安いことが分かりました。
料金はクライアントのどの顧客も懸念する点であるため、このバリュープロポジションが明らかになったことで、どのような SEO 対策を取るべきかが見えてきました。
このデータ収集のおかげで、クライアントの料金に関連したコンテンツ戦略の検討が可能になりました。これは料金比較のデータがなければ見落とされていた戦略でしょう。
これにより、次のような対策を取って成果につなげることができました。
- 料金についてよく聞かれる質問への回答を掲載
- 潜在的な入居者が見学ツアーを予約する前の段階で、後に料金を理由に入居を渋るケースを防ぐ
- 施設のサービス料金が予算オーバーだろうという人々の思い込みを修正
- 独自のサービス価値を強みに、同業他社から差別化した位置づけを目指す
- 阻害要因であった料金が高いのだろうという人々の思い込みが解消され、見学ツアーの予約数が増加
正直にお話ししましょう。「上級レベルの SEO 対策 = ChatGPT の活用」という回答を初めて目にしたとき、それが一体どういうことなのか、すぐにはピンときませんでした。
そこで Ahrefs Evolve の講演者ラインナップに名を連ねる SEO 専門家数名に質問したところ、AI と機械学習を SEO に取り入れた非常に有効で高度な活用法を教えてもらうことができました。
上記のサリーさんによるクラスタリング手法の他にもさまざまな活用例をご紹介します。
多言語キーワードの自動翻訳
私がもっとも注目した SEO における AI 活用例の 1 つは検索キーワードの翻訳で、これによって海外 SEO のスピードアップが実現できるのです。
Ahrefs の新しい AI キーワード翻訳を使って次のステップを踏めば、このプロセスが非常に迅速、スムーズかつ簡単になります。
- ワンクリックでキーワードリスト全体を自動翻訳
- 特定の地域特有の言い回しやそれぞれの方言が持つニュアンスを保ったまま翻訳
- 翻訳された各キーワードの検索指標を特定
- キーワード 1 つひとつの、翻訳先の言語に存在する複数の単語の選択肢を見つけられる
たとえば、スペイン語の方言は何種類もあり、「ポップコーン」という単語だけでも何十通りもの呼び方が存在します。
当社の翻訳ツールは、1 つの訳語だけではなく、ウェブサイトに使える表現の候補となる複数の言葉を提案すると同時に、その中でもターゲット地域に適した語彙をピックアップしてくれます。
海外 SEO はいわゆる「上級レベル」SEO スキルの 1 つであるため、その手順を簡略化、スピードアップできるこのような手段は持ち合わせていて損はありません。
AI はまた、ワークフローを合理化し、本来非常に時間のかかるタスクに割く時間を節約することで、限られた予算でできるだけの成果を引き出す手助けもしてくれます。
AI によるリダイレクトマッピングの自動化
大規模サイトのリダイレクトを自動化したパトリックさんの手法はすばらしいと思います。これについて簡単に説明すると、作業の流れは次のようになります。
この活用例に興味がある方は、まさに彼が使用しているリダイレクトマッチングスクリプトを見てみてください。設定が完了すると、上記のプロセスが自動的に実行されます。
内部リンクの一括最適化
内部リンク施策も、多くの人がさまざまなやり方で AI を活用し、自動化を実現している分野です。
例えばカシフ・リヤズさんの場合、Gemini と ChatGPT にサイトマップを読み込ませ、内部リンクとして使用できる、各ページの掲載内容に関連したアンカー テキストを作成しています。
これはシンプルなプロセスで、以下の手順で実行することができます。
- ChatGPT に URL を入力
- 内部リンクのアンカーとして使うのに適した、該当ページの内容に関連したフレーズが何か尋ねる質問を入力
- Ahrefs のページエクスプローラーでこれらの語句を掲載文章に含むページを検索
ページエクスプローラーは、サイト監査内に表示されるレポートです。 あるページの掲載文章に含まれる語句をピックアップし、その語句が含まれる他のページの一覧が作成できます。
これは、まだ検索キーワードで上位ランクインしていない新しいウェブサイトの内部リンク施策に最適です。
ではもし、 example.com/363863852itwiy(リンクを見ても何のページかさっぱりですが…)のような URL ばかりを使っているウェブサイトを担当している場合は、次にご紹介するより高度な手法を試すこともできます。
ニック・レンジャーさんによる、彼女と Dejan SEO のチームが使う手法(機械学習を活用した大規模サイトの内部リンク自動化)についての講演を初めて聴いたとき、私は目から鱗が落ちた気分でした。
この革新的な手法を使うと、以下のようなことが可能になります。
- 既存ウェブサイトのリンク グラフの作成
- リンク グラフと Search Console のデータを組み合わせる
- ベクトル埋め込みを使って、ページのタイトル、見出し、掲載内容でアンカーテキストに使うと効果が期待できそうなものを絞り込む
- 内部リンクとアンカーテキストの候補をピックアップ
彼らが構築したモデルは、URL に特定の単語やページの内容に関する手がかりが含まれていない場合でも、内部リンクの候補をピックアップできます。通常、こういった問題があるウェブサイトで適切な内部リンクを見つけ出すのは非常に困難ですが、AI をうまく利用することで、この作業がはるかに簡単なものになります。
大規模言語モデルの文脈の理解が向上するにつれて、このような SEO における革新的な活用例はさらに増えていくでしょう。
回答の中で、高品質コンテンツの作成が有効な戦略だと挙げたものが全体的に多くありました。
質の高いコンテンツの作成がどうして「上級レベルの」戦略なのか、初めは分かりませんでした。それは現代の SEO の根本をなす不可欠な要素であり、それをせずに良い結果が出せることはまずないと思っていたからです。
ところが、コンテンツ対策の潜在的な収益創出力を高めるために一部の SEO 担当者達がとっているアプローチは、とても優れたものだと感じました。以下のような点に着目しているか否かが、基礎レベルと上級レベルのコンテンツ作成プランの差を分けるものだと思っています。
たとえば、特に効果があった戦略として以下のようなものが回答の中で挙がりました。
- 製品主導型コンテンツ(1 つ前のセクションで高齢者ケアサービス事業の SEO を例に紹介済み)
- プログラマティック SEO によるキーワードをターゲットにしたページの自動大量作成(決してスパムサイトではないですよ)
- ボトムオブファネルを対象にしたコンテンツ(収益増加を目的として)
- 中間ファネルを対象にしたコンテンツ(競合他社よりも優位に立つため)
≪上級レベルの SEO≫ が意味することは、ウェブサイト全体を対象に新しいセクションの作成、BOFU キーワードをターゲットにしたプログラマティック コンテンツの作成、製品主導型 SEO 施策の実行など、ウェブサイトの全方面に変化をもたらすような SEO 戦略を考案することだと思います。
多くの回答が、ソーシャルメディアや Reddit など、Google 以外のチャネルの活用について言及していました。
これを多くの人が「上級レベルの」SEO と捉えていたのは私にとって意外なことでした。なぜかというと、SEO 担当者が最も関心を向ける最重要プラットフォームは長い間 Google であり続けてきたからです。しかし、個人的にこの変化は大歓迎です。このシフトが起こるのにずいぶん長い時間がかかりました。
Reddit を活用したキーワード調査
Reddit を使って検索流入が期待できる黄金のキーワードを探すアンディ・チャドウィックさんの手法はとても有効なものだと感じました。彼の手法は、人間は同じことについて実に様々な言いまわしで質問するという前提に基づいています。
彼はこの無駄にすら思えるヒトの言語表現の多様さを逆手にとって、次のように利用しています。
- 簡単に解消できる情報ギャップを特定
- 競合他社に見落とされている、競合の少ないキーワードを見つける
彼は「オーツミルクはニキビの原因になるか」という検索キーワードのとても分かりやすい例を紹介しています。
これは一見、検索ボリュームが少ないように思えるキーワードです。
しかし実際のところネットユーザーはこの疑問に対する答えをさまざまな方法で検索しており、そのすべてを合計した月間検索量は上記のキーワードでの検索量よりはるかに多くなるのです。
言うまでもなく、Reddit がこの検索結果順位の 1 ~ 3 位を占めており、よく見ると同ウェブサイト上で多くの人がさまざまな表現で同じ質問をしています。
さらに興味深いのは、このようなキーワードには競合相手がいないことです。
キーワード難易度スコアが 0 の場合、新しいスキンケア ブランドがこのトピックでより広く認知されている競合他社よりも検索上位にランクインすることはそれほど難しいことではありません。また、Reddit 上の会話に参加して、情報ギャップが解消できるような分かりやすく信用度の高い回答を提供することもできます。
この戦略を同様に競合の少ないトピックを対象に展開していけば、新規あるいは地位を確立しつつあるブランドにとって競争の激しい市場への参入がより容易になるでしょう。
ソーシャルメディアを SEO に活用する
それ以外のソーシャルメディアチャネルを使って SEO 施策をより充実させることもできます。 Ahrefs では YouTube、LinkedIn、Facebook、X など複数のチャネルを活用してユーザーにアプローチしています。
私はこの方法について今回ご紹介するにあたり、Ahrefs のマーケティング担当本部長であるサムに協力を依頼しました。彼は当社の YouTube チャンネル運営も担当しており、ソーシャル メディアを取り入れることで SEO スキルを向上させたい人に、そのコツをいくつか教えてくれました。
まず、はじめていただきたいのは以下のシンプルなステップです。
- 既存の投稿ブログ記事に関連した動画キーワードを見つける
- 記事の内容を再利用して動画を制作
一例としては、まず Ahrefs のサイトエクスプローラーでウェブサイトのオーガニック キーワードをチェックし、上位 10 位のキーワードのみをフィルター表示します。
そこからブランドキーワードをすべて除き、上位 10,000 個のキーワードをコピーします。
これらをキーワードエクスプローラーに入力し、ドメイン別のトラフィックシェアレポートを確認すれば、上記の 10,000 個のキーワードの検索における YouTube のトラフィック順位が分かります。
また、SERP の機能内にあるフィルター機能を使って、上記のキーワードでの検索結果に表示される、動画を含んだページのみ抽出することもできます。
こうすることにより、特定のトピックが動画の題材としてどれくらい需要があるかが分かります。また、動画作成戦略においてまさにターゲットにすべきキーワードのリストを作成することもできます。
この方法で、Ahrefs はキーワード検索からリテンション率の高い視聴数を大量に獲得することができました。また、これを YouTube に特化した SEO 対策と組み合わせて、YouTube 内のオーガニック検索で上位にランクインできるよう工夫しています。
ただし、ブログの内容をもとにソーシャルメディアコンテンツを作成する場合、単に記事の内容を言い換えたものにならないよう注意してください。視聴者の関心を引きつけて離さないためには、コンテンツ内容をプラットフォームの特性にフィットさせる必要があるからです。
たとえば、リンク構築戦略・戦術を扱った長文のブログ記事がいくつかあるとします。それぞれの記事は以下のような切り口でこのテーマを取り上げていました。
- 9 Easy Local Link Building Tactics(簡単にできるローカルリンク構築戦術 9 選)
- 9 Easy Link Building Strategies (That Anyone Can Use)(誰でもできる 9 つのリンク構築戦略)
- 4 Tactics for High-Quality Backlinks That Move the Needle(変化を起こすための質の高いバックリンク戦術 4 選)
ところがサムは、これ以外にもYouTube 視聴者によりフィットした内容に再構成した動画を制作しました。
また、このシンプルな LinkedIn 投稿のように、各プラットフォームそれぞれのユーザーに合わせてコンテンツを調整した上で各ソーシャルメディアに投稿するようにしました。
SNS の活用を戦略に組み込む場合、その最終目標は単なる検索順位上位ランクインにとどまらないことが多いと言えます。
ほとんどの場合で、検索順位上位を目指すよりも、コンバージョンの獲得あるいはユーザーをコンバージョンにより近い状態まで誘導することの方が重要です。
この記事のまとめ
「上級レベル SEO」が意味するものは人によって変わってきます。とはいえ、誰にとっても明らかなことが 1 つあります。
それは、基礎レベルから更にスキルを伸ばせる人は、クライアントにとってより良い結果を出せるだけでなく、成長のチャンスにより多く恵まれ、キャリアを切り開いていくことができる、ということです。
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この記事に登場したSEO エキスパートのほとんど全員が一挙に集結し、最新情報をもとに最高のアドバイスをくれるでしょう。
ですが、SEO の基礎をおろそかにしないことも大切です。新しい「高度な」戦術を追い求めるあまり、基本的な部分を見落としてしまっては本末転倒です。効果が確実な基礎対策の土台の上に上級スキルを積み上げていくようにしましょう。
私は高度な戦術を駆使するより、キーワード調査を行い、高品質でSEO 効果が確実に期待できるコンテンツを作成し、被リンクを獲得するために最善を尽くすといった基本に忠実に取り組むことをモットーにしています。このやり方を守るだけで、私たちは SEO 分野で過去数十年の間成功をおさめ、その間ずっと担当ウェブサイトの Google ペナルティをすべて回避することができたんです!
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